

厚生年金は何年払えば満額もらえる?早見表でわかる受給額と仕組みをFPが解説
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「厚生年金は何年払えば満額になる?」「40年間加入すれば満額もらえる?」と気になる人もいるでしょう。
老齢基礎年金には40年間(480月)保険料を納めた場合の満額がありますが、厚生年金には一律の「満額」という考え方はありません。受給額は、厚生年金に加入していた期間と現役時代の給与・賞与などによって決まります。
そのため、同じ40年間加入していても、現役時代の収入によって受け取れる年金額は異なります。
本記事では、厚生年金は何年加入すれば受け取れるのか、40年加入した場合の受給額の目安、年金額を増やす方法についてわかりやすく解説します。
- 厚生年金には国民年金のような「満額」という概念はなく、受給額は現役時代の収入と加入期間で決まる
- 年金を受け取るためには、10年以上の受給資格期間が必要
- 年収と加入年数別の早見表で将来の受給額の目安がわかるが、公的年金だけでは老後資金が不足する可能性もある
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【結論】厚生年金は何年払えば満額もらえる?

多くの人が疑問に思う「厚生年金は何年払えば満額もらえるのか」という問いですが、結論からいうと、厚生年金に「満額」という概念は存在しません。
なお、老齢年金を受給するためには、原則として10年間の受給資格期間が必要です。

「満額」という概念はない理由
厚生年金に「満額」という決まった金額が存在しないのは、受給額が個人の「加入期間」と「現役時代の収入(平均標準報酬額)」に応じて計算される「報酬比例」の仕組みを採用しているためです。
これは、20歳から60歳までの40年間保険料を納めれば誰でも同額の満額を受け取れる国民年金(老齢基礎年金)との違いです。厚生年金は、収入が高く、加入期間が長い人ほど受給額が多くなる仕組みになっています。
したがって、「何年払えば満額」という問いに対する答えはなく、一人ひとりの働き方によって受給額が変動するのが厚生年金の特徴です。
受け取るには受給資格期間が10年以上必要
厚生年金(老齢厚生年金)を含む公的年金を受け取るためには、原則として「受給資格期間」が10年以上必要です。
以前は25年でしたが、2017年8月1日の法改正により10年に短縮されました。
受給資格期間とは、以下の期間を合計したものです。
- 国民年金の保険料を納付した期間
- 厚生年金保険や共済組合に加入していた期間
- 国民年金保険料の免除や納付猶予、学生納付特例の承認を受けた期間
- 合算対象期間(カラ期間)
これらの期間を合算して10年(120ヶ月)以上あれば、老齢年金の受給資格を満たします。
つまり、厚生年金自体の加入期間が10年未満であっても、老齢基礎年金の受給資格期間が10年以上あり、厚生年金の加入期間があれば、その加入実績に応じた老齢厚生年金を受け取ることが可能です。
(参考:必要な資格期間が25年から10年に短縮されました | 日本年金機構)
(参考:「資格期間」とは? | 厚生労働省)
厚生年金の受給額の計算方法

厚生年金の受給額は、主に現役時代の収入と加入期間によって決まる「報酬比例部分」が基本となります。
ここでは、報酬比例部分の具体的な計算方法と、支払う保険料の算出方法について解説します。


厚生年金受給額の計算方法
老齢厚生年金の受給額は、厚生年金の加入期間と加入期間中の平均収入をもとに決まる「報酬比例部分」が基本となります。報酬比例部分の計算式は、2003年(平成15年)3月以前と4月以降の加入期間で異なります。
<報酬比例年金額の計算式>
2003年3月以前の加入期間
- 平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 2003年3月までの加入月数
2003年4月以降の加入期間
- 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 2003年4月以降の加入月数
2003年3月以前から加入している場合は、それぞれの期間について計算した金額を合計します。
例えば、2003年4月以降に平均標準報酬額30万円で20年間(240ヶ月)厚生年金に加入した場合、年間の受給額は以下のようになります。
- 30万円 × 5.481/1000 × 240ヶ月 = 39万4632円
老齢基礎年金の受給資格を満たしている場合は、原則として65歳から老齢厚生年金とあわせて老齢基礎年金を受け取れます。
また、厚生年金の加入状況などによって「経過的加算」が加わる場合や、一定の要件を満たす配偶者や子がいる場合に「加給年金額」が加算されることがあります。
(参考:報酬比例部分 | 日本年金機構)
厚生年金保険料の計算方法
厚生年金保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に共通の保険料率を掛けて算出され、算出された金額を会社と従業員で半分ずつ負担(労使折半)します。
<厚生年金保険料の計算式>
- 毎月の給与から:標準報酬月額 × 保険料率(18.3%)
- 賞与から:標準賞与額 × 保険料率(18.3%)
「標準報酬月額」とは、給与などの報酬月額を一定の幅で区分した等級に当てはめて決定する金額です。原則として4月〜6月の給与の平均額をもとに決定されます。「標準賞与額」は、税引前の賞与額から1000円未満を切り捨てた額です。
例えば、標準報酬月額が30万円の場合、月々の保険料総額は「30万円 × 18.3% = 5万4900円」となります。このうち、従業員が負担するのは半分の2万7450円で、給与から天引きされます。
(参考:令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和8年度版) | 日本年金機構)
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【早見表】加入年数別に厚生年金はいくら?

厚生年金の受給額は、現役時代の年収と加入期間によって変わります。
ここでは、老齢基礎年金を満額受給できるものと仮定し、年収と厚生年金加入年数別に、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた受給額の目安を早見表で確認してみましょう。


年収×加入年数別の受給額(月額)早見表
以下の早見表の金額は、老齢基礎年金を満額受給できるものと仮定し、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合計した月額を概算したものです。
実際の受給額は、国民年金・厚生年金の加入状況や報酬額などによって異なります。
「15年でいくら」「25年でいくら」など年数別の目安
早見表から、具体的な加入年数での受給額の目安を見てみましょう。
例えば、平均年収500万円の人が厚生年金に15年間加入し、老齢基礎年金を満額受給できる場合、年金受給額の月額目安は約10万5000円です。
同じく平均年収500万円で、厚生年金加入期間が25年間に延びると、月額目安は約12万8000円となり、15年加入の場合と比較して約2万3000円増えます。
このように、厚生年金の加入期間は受給額に直接影響します。自身のキャリアプランと照らし合わせながら、将来の年金額をシミュレーションしてみることが大切です。
何年払えば「もらえる」?受給資格期間は10年
老齢年金を受け取るためには、原則として10年(120ヶ月)以上の受給資格期間が必要です。
この10年という期間には、厚生年金保険の加入期間だけでなく、国民年金保険料を納めた期間や免除された期間、さらには「カラ期間」と呼ばれる合算対象期間も含まれます。
カラ期間の代表的な例としては、以下のようなものがあります(いずれも原則として20歳以上60歳未満の期間が対象です)。
- 1986年(昭和61年)3月以前に、会社員や公務員の配偶者で国民年金に任意加入しなかった期間
- 1991年(平成3年)3月以前に、学生で国民年金に任意加入しなかった期間
- 日本国籍のある人が海外に居住していた期間
これらの期間は年金額の計算には反映されませんが、受給資格期間には算入されます。年金の加入記録だけでは受給資格期間が10年に満たない場合でも、カラ期間を含めることで受給資格を満たせる可能性があります。
自身の受給資格期間がわからない場合や、年金記録に漏れがあると思われる場合は、年金事務所などに相談するとよいでしょう。
(参考:合算対象期間 | 日本年金機構)


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厚生年金の受給額は、加入期間だけでなく現役時代の収入などによっても異なります。将来の年金額を確認したら、老後に必要なお金をまかなえるかも考えておくことが大切です。
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厚生年金の最高額はいくら?

厚生年金には明確な「満額」はありませんが、保険料の計算基礎となる収入には上限が設けられているため、事実上の最高額が存在します。
厚生年金保険料は、給与に対応する「標準報酬月額」と賞与に対応する「標準賞与額」を基に計算されます。標準報酬月額の上限は65万円(32等級)、標準賞与額の上限は同一月につき150万円です。
なお、年4回以上支給される賞与は標準賞与額ではなく報酬として扱われます。そのため、標準賞与額を含めた最高額を試算する場合には、賞与として年3回、上限の150万円ずつを受け取ったものとして計算します。
ここでは、20歳から70歳までの50年間(600ヶ月)、上限額(標準報酬月額65万円)で厚生年金に加入し、さらに150万円の賞与を毎年3回ずつ継続して受け取ったと仮定します。
2003年4月以降の計算式を用いて単純計算すると、老齢厚生年金の報酬比例部分は年額約337万円、月額約28万1000円です。
これに老齢基礎年金(満額約7万1000円)を加えると、合計で月額約35万円になります。
ただし、長期間にわたって上限額の収入を維持することは現実的ではないため、これはあくまで理論上の最高額といえるでしょう。
(参考:令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和8年度版) | 日本年金機構)


繰上げ・繰下げで受給額はどう変わる
老齢年金の受給は原則65歳からですが、本人の希望により受給開始時期を早めたり(繰上げ受給)、遅らせたり(繰下げ受給)することができます。これにより、毎月の受給額が変動します。
繰上げ受給
60歳から65歳になるまでの間に受給を開始する制度です。1ヶ月早めるごとに年金額が0.4%減額され、この減額率は生涯続きます。例えば、60歳0ヶ月から受給を開始すると、60ヶ月分早めることになるため、年金額は24%(0.4% × 60ヶ月)減額されます。
繰下げ受給
66歳から75歳までの間に受給を開始する制度です。1ヶ月遅らせるごとに年金額が0.7%増額され、増額率は生涯変わりません。例えば、70歳0ヶ月から受給を開始すると、60ヶ月分遅らせることになるため、年金額は42%(0.7% × 60ヶ月)増額されます。最長の75歳まで繰り下げた場合は、84%の増額となります。
自身の健康状態やライフプランに合わせて、最適な受給開始時期を検討することが必須です。


年金だけでは不安な時の対策

公的年金だけでは老後の生活費を十分にまかなえない可能性があります。
生命保険文化センターの「2025(令和7)年度生活保障に関する調査」によると、夫婦2人がゆとりある老後生活を送るために必要と考える生活費は月額平均で約39万1000円です。一方、夫婦の公的年金を合わせてもこの金額に届かないケースは少なくないと思われます。
希望する老後生活に必要な資金を準備するには、現役時代から計画的に資産形成を進めることが肝となります。
有効な対策として、税制優遇を受けながら老後資金を準備できる私的年金制度の活用が挙げられます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
掛金が全額所得控除の対象となり、所得税・住民税を軽減しながら自分で資産を運用できます。運用商品には元本確保型(定期預金、保険)と元本変動型(投資信託)がありますが、元本変動型を選んだ場合には、運用状況によっては元本割れのリスクがあります。
また、原則60歳まで資産を引き出すことはできません。なお、加入時や毎月の掛金拠出時、給付時に所定の手数料がかかります。
NISA(少額投資非課税制度)
年間最大360万円までの投資で得た利益が非課税になります。少額から始められ、長期的な資産形成に向いています。なお、NISAで購入できる商品には元本保証がないため、価格変動などによって元本割れするリスクがあります。また、投資信託などで運用する場合には、信託報酬などの手数料がかかります。
これらの制度を上手く活用し、公的年金に上乗せする自分年金を作ることで、より安心して老後を迎えることができるでしょう。

厚生年金の満額・加入年数に関するFAQ
厚生年金の「満額」や加入年数について、よくある質問にお答えします。


Q. 厚生年金を40年払ったらいくら?
A. 受給額は現役時代の平均年収によって異なります。
例えば、平均年収が500万円の人が40年間厚生年金に加入した場合、年金受給額の月額目安は約16万2000円です。
これには老齢基礎年金の満額分(約7万1000円)が含まれています。詳しくは本記事の「【早見表】加入年数別に厚生年金はいくら?」をご確認ください。
Q. 厚生年金を44年かけたらどうなる?
A. 厚生年金の加入期間が40年を超えて44年になった場合、増えた4年分だけ受給額が増加します。厚生年金の受給額は加入期間が長いほど増える「報酬比例」の仕組みだからです。
なお、厚生年金の加入期間が44年以上ある人は、一定の条件を満たすと「長期加入者の特例」の対象となり、65歳未満で受け取る「特別支給の老齢厚生年金」に定額部分が加算されます。
Q. 厚生年金に10年加入するといくら?
A. 平均年収によって受給額は変わります。
例えば、平均年収500万円の人が10年間加入した場合、年金受給額の月額目安は約9万3000円です。これには老齢基礎年金分(満額)も含まれています。
詳しくは本記事の早見表をご参照ください。
Q. 厚生年金は何年払えばもらえる?
A. 厚生年金を含む公的年金を受け取るためには、国民年金と厚生年金の加入期間などを合計した「受給資格期間」が10年以上必要です。
この条件を満たせば、厚生年金の加入期間がたとえ1ヶ月であっても、加入期間に応じた老齢厚生年金が支給されます。
Q. 満額(最高額)はいくら?
A. 厚生年金には国民年金のような「満額」という決まった概念はありません。ただし、保険料の計算対象となる収入には上限があるため、理論上の最高額を計算することはできます。
現在の制度が続くものとして、20歳から70歳まで標準報酬月額・標準賞与額ともに上限で加入し続けたと仮定して単純計算すると、老齢厚生年金の報酬比例部分は月額約28万1000円となります。老齢基礎年金を満額受給できる場合、公的年金の合計は月額約35万円です。
Q. 月20万もらうには年収いくら必要?
A. 40年間厚生年金に加入した場合、現役時代の平均年収が約712万円(平均標準報酬額約59万円)であれば、年金受給額は月額約20万円になります。
この金額には、老齢厚生年金(約155万円/年)と老齢基礎年金の満額(約84万7000円/年)が含まれています。
まとめ

厚生年金には、国民年金のような「満額」という決まった金額はありません。
受給額は、一人ひとりの現役時代の収入と加入期間に応じて決まるため、将来の生活設計を立てる上では、自身の年金見込額を把握することが鍵となります。
年金を受け取るためには、最低でも10年間の受給資格期間が必要となります。また、加入期間を延ばしたり、繰下げ受給を選択したりすることで、受給額を増やすことも可能です。
しかし、公的年金だけでゆとりある老後を送ることは難しい場合も少なくありません。
iDeCoやNISAといった私的年金制度も活用し、計画的に老後資金を準備していくことが、将来の安心につながります。
自身の年金見込額を把握し、計画的な老後資金の準備を始めることが大切です。
まずは、将来どれくらいの資金が必要になるのか、簡単なシミュレーションで確認してみましょう。
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ご留意事項
- 本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品の取引を勧誘するものではありません。
- 本記事の内容は記事公開時または更新時点の情報に基づいています。制度・法令・税制等の変更により、現在の情報と異なる場合があります。
- 本記事の内容の正確性、完全性、最新性を保証するものではなく、予告なく変更または更新する場合があります。
- 投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任とご判断のもとで行っていただきますようお願いいたします。
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監修

森本 由紀
- ファイナンシャルプランナー/AFP(日本FP協会認定)/行政書士
行政書士ゆらこ事務所(Yurako Office)代表。愛媛県松山市出身。神戸大学法学部卒業。法律事務所事務職員を経て、2012年に独立開業。メイン業務は離婚協議書作成などの協議離婚のサポート。離婚をきっかけに自立したい人や自分らしい生き方を見つけたい人には、カウンセリングのほか、ライフプラン、マネープランも含めた幅広いアドバイスを行っている。法律系・マネー系サイトでの記事の執筆・監修実績も多数。
執筆

マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。








