外貨建て保険はやってはいけない?データで見るリスクと大損しないための判断基準

外貨建て保険はやってはいけない?データで見るリスクと大損しないための判断基準

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「外貨建て保険はやってはいけない」と聞き、加入しても大丈夫なのか不安に感じる人もいるでしょう。

外貨建て保険は、為替変動による元本割れの可能性や、手数料の仕組みが複雑といった注意点があります。そのため、元本割れを避けたい人や、短期間で使う予定の資金を運用したい人には不向きです。

一方で、外貨建て保険が一概に「やってはいけない」商品というわけではありません。

本記事では、外貨建て保険がやめたほうがいいと言われる理由やリスク、向いている人・向いていない人をわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 外貨建て保険が「やってはいけない」と言われる理由は、為替リスクによる元本割れの可能性や仕組みの複雑さにある
  • 円建て保険より高い利回りが期待でき、資産を外貨に分散できる点がメリット
  • 元本割れを避けたい人や、短期で資金が必要になる可能性がある人には不向き
  • 加入前には目的を明確にし、手数料や為替の仕組みを十分に理解することが重要


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なぜ「外貨建て保険はやってはいけない」と言われるのか

外貨建て保険が「やってはいけない」と言われる背景には、為替リスクによる元本割れの可能性や、仕組みの複雑さがあります。

外貨建て保険とは、支払った保険料を保険会社が米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨に換えて運用する保険商品を指します。保険料の支払いや、将来受け取る保険金・解約返戻金も原則として外貨建てで計算されます。

日本の円建て保険に比べて海外の高い金利を活用することで、比較的高い利回りが期待できるのが特徴です。

しかし、保険金などを円で受け取る際には、受け取り時点の為替レートで円に換算されるため、為替相場の影響を直接受けることになります。

このような商品の内容を十分に理解しないまま契約したことによるトラブルや苦情が増加傾向にあり、金融庁も注意を促しています。

金融庁が指摘する「4年で6割解約」の実態

金融庁の調査では、外貨建て一時払保険について、購入後4年間で約6割の契約が解約等に至っていることが示されています。

金融庁はその背景の一つとして、販売会社が契約初年度に比較的多くの手数料を受け取る「L字型」の手数料体系などを指摘しています。

また、円安などによって運用成果が目標額に達すると円建て資産に移行する「目標到達型(ターゲット型) 」の商品では、目標到達後に別の外貨建て保険へ乗り換えるケースも多数確認されています。

外貨建て保険は、保障や相続対策など長期的な目的で活用される商品です。短期間で解約・乗り換えを繰り返すと、こうした本来の目的と合わなくなる可能性があるため注意が必要です。

(参考:リスク性金融商品の販売会社等による顧客本位の業務運営に関するモニタリング結果(2023事務年度中間報告)|金融庁)

参考)外貨建て保険に関する苦情件数

外貨建て保険をめぐる苦情は減少傾向にあるものの、現在も一定数発生しています。

生命保険協会によると、銀行等代理店で販売された外貨建て保険・年金の新契約に関する苦情は、2025年度に744件でした。

苦情件数・発生率

2023年度

2023年度

2024年度

2024年度

2025年度

2025年度

苦情件数

2023年度

1,102件

2024年度

742件

2025年度

744件

苦情発生率

2023年度

0.03%

2024年度

0.02%

2025年度

0.02%

外貨建て保険は、為替変動によって受取額が変わるほか、途中解約すると元本割れする可能性があります。商品によって仕組みや手数料も異なるため、契約前にリスクやコスト、解約時の取り扱いまで十分に確認することが大切です。

こうした状況を踏まえ、外貨建て保険の販売体制も整備されています。生命保険業界では外貨建保険販売資格者登録制度が設けられており、契約者保護や適正な募集に向けた取り組みが進められています。

(参考:外貨建て保険・年金に係る苦情受付件数について | 生命保険協会)
(参考:生命保険関連についての相談件数や傾向 | 国民生活センター)

外貨建て保険に加入するメリット

外貨建て保険には為替変動などのリスクがある一方、円建て保険にはないメリットもあります。主なメリットは以下のとおりです。

  • 円建て保険より高い利回りが期待できる:米ドルなど比較的金利の高い通貨で運用するため、高い予定利率が設定される場合があります。
  • 保障と貯蓄を両立できる:死亡などへの保障を確保しながら、老後資金など将来に向けた資産形成もできます。
  • 外貨ベースで最低保証がある商品もある:商品によっては、積立金に適用される利率に最低保証が設けられています。

ただし、最低保証は外貨ベースであり、円換算した受取額が保証されるわけではありません。為替変動によって元本割れする可能性がある点には注意が必要です。


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外貨建て保険のデメリット・リスク

外貨建て保険には、円建て保険にはない特有のデメリットやリスクが存在します。高いリターンが期待できる反面、資産が目減りする可能性も十分にあります。

加入を検討する際は、これらのリスクを正しく理解し、許容できるかを慎重に判断する必要があります。

デメリット

内容

内容

為替変動で元本割れする可能性がある

内容

円高になると、外貨ベースで資産が増えていても、円換算した保険金や解約返戻金が払込保険料を下回る可能性があります。

円換算した保険料・保険金が確定しない

内容

為替レートによって、円で支払う保険料や受け取る保険金・解約返戻金が変動します。そのため、将来の資金計画を立てにくい場合があります。

保険会社の破綻で受取額が減る可能性がある

内容

保険会社が破綻した場合、契約内容が100%保証されるわけではありません。生命保険契約者保護機構による補償は、原則として責任準備金等の90%までとなります。※

※保険会社の破綻リスクは、外貨建て保険に限らず円建て保険にもあります。

為替リスク次第で元本割れする可能性がある

外貨建て保険の最大のデメリットは「為替リスク」です。これは、為替レートの変動によって、円に換算した際の資産価値が変わるリスクを指します。

例えば、契約時よりも円高(例:1ドル=120円→100円)のタイミングで保険金や解約返戻金を受け取ると、外貨ベースでの金額が増えていても、円換算すると支払った保険料の総額を下回る「元本割れ」が生じる可能性があります。

将来の為替レートを正確に予測することは誰にもできないため、このリスクは常に存在します。資産が減る可能性を受け入れられない人にとっては、デメリットといえるでしょう。

支払う保険料と受け取る保険金が未確定

外貨建て保険では、保険料や保険金、解約返戻金は米ドルなどの外貨ベースで定められています。しかし、多くの人が円で保険料を支払い、円で保険金を受け取るため、為替レートの変動によって円換算額が常に変わります。

毎月保険料を支払う「平準払」の場合、円安が進めば月々の保険料負担は重くなり、円高が進めば軽くなるというように、支払額/支払い金額が毎月変動します。

同様に、将来受け取る保険金や解約返戻金も、受け取り時の為替レート次第で円での手取り額が変わるため、契約時点では確定していません。

この不確定性は、将来の資金計画を立てる上でデメリットとなり得ます。

保険会社が破綻した場合は戻ってくるお金が少なる可能性がある

日本の生命保険会社は、「生命保険契約者保護機構」に加入しており、万が一保険会社が経営破綻した場合でも、契約者を保護する仕組みがあります。しかし、この制度は契約内容を100%保証するものではありません。

保護機構による救済が適用された場合でも、責任準備金(将来の保険金支払いのために積み立てられている資金)の90%までしか補償されないのが原則です。

そのため、保険会社が破綻すると、将来受け取る予定だった保険金や解約返戻金が削減され、想定していた金額よりも少なくなる可能性があります。

これは円建て保険にも共通するリスクですが、念頭に置いておく必要があります。

円高・円安の影響【早見表】

外貨建て保険では、保険料を支払う時と、保険金・解約返戻金を受け取る時で、円高・円安の影響が反対になります。

タイミング

円高

円高

円安

円安

保険料を支払う時(円→外貨)

円高

円での負担が小さくなる

円安

円での負担が大きくなる

保険金・解約返戻金を受け取る時(外貨→円)

円高

円での受取額が少なくなる

円安

円での受取額が多くなる

つまり、保険料を支払う時は円高、受け取る時は円安のほうが、円換算では有利に働きます。

保険料を支払う時|円高なら負担減・円安なら負担増

外貨建て保険の保険料を円で支払う場合、円高になるほど少ない円で外貨を購入でき、円安になるほど多くの円が必要になります。

例えば、5万ドルの保険料を支払う場合は以下のとおりです。

為替レート

円で支払う金額

円で支払う金額

1ドル=100円

円で支払う金額

500万円

1ドル=150円

円で支払う金額

750万円

同じ5万ドルでも、為替レートによって円での負担額に100万円の差が生じます。

特に毎月保険料を支払うタイプでは、為替レートによって円での支払額が変動するため、家計への影響も考慮しておきましょう。

保険金・解約返戻金を受け取る時|円安なら受取額増・円高なら受取額減

保険金や解約返戻金を円で受け取る場合は、支払時とは反対です。円安になるほど円換算した受取額は多くなり、円高になるほど少なくなります。

例えば、5万ドルを受け取る場合は以下のとおりです。

為替レート

円で受け取る金額

円で受け取る金額

1ドル=100円

円で受け取る金額

500万円

1ドル=150円

円で受け取る金額

750万円

このように、外貨ベースで同じ金額でも、受取時の為替レートによって円換算額は大きく変わります。

そのため、外貨建て保険では予定利率や外貨ベースの受取額だけでなく、為替変動によって円換算額が増減するリスクまで理解しておくことが大切です。

外貨建て保険をやらないほうがいい人

外貨建て保険は、外貨建て保険の特性からすべての人に適した商品とはいえません。商品のリスクや仕組みを十分に理解せずに加入すると、後悔につながる可能性が高まります。

どのような人が加入を避けるべきか、具体的な特徴を見ていきましょう。

外貨建て保険が向いていない人の特徴

理由

理由

元本割れを避けたい人

理由

為替変動によって、円換算した受取額が払込保険料を下回る可能性があります。安全性を最優先する場合には不向きです。

5〜10年以内に使う予定の資金を運用したい人

理由

短期間で解約すると、為替変動に加えて解約控除などにより元本割れする可能性があります。教育資金や住宅購入資金など、使う時期が決まっているお金には注意が必要です。

手数料や為替の仕組みを理解するのが難しい人

理由

為替手数料や保険関係費用、解約控除など複数のコストがあります。仕組みやリスクを十分に理解してから加入を判断することが大切です。

元本割れを必ず避けたい人

外貨建て保険は預金とは異なり、円ベースでの元本は保証されていません。為替レートの変動によっては、支払った保険料の総額よりも受け取る円換算額が少なくなる可能性があります。

資産が1円でも減るリスクを許容できない、安全性を最優先に資産を管理したいと考えている人にとって、外貨建て保険は不向きな商品です。

そのような場合は、元本割れリスクのない円建ての貯蓄型保険や定期預金などを検討するほうがよいでしょう。

5〜10年以内に使う予定の資金を運用したい人

外貨建て保険は、長期的な運用を前提として設計されています。契約から比較的短い期間(多くは10年以内)で解約すると、「解約控除」という手数料が差し引かれ、解約返戻金が減ってしまうのが一般的です。

子どもの教育資金や住宅購入の頭金など、5年や10年といった近い将来に使う予定が決まっている資金で加入するのは避けるべきです。

必要なタイミングで為替レートが円高になっていると、為替差損と解約控除の二重の負担で、元本を下回る可能性があります。

外貨建て保険は、あくまで長期で使う予定のない余裕資金で検討する商品といえます。

手数料や為替の仕組みを理解するのが難しい人

外貨建て保険は、保険の保障機能に加えて、為替の変動や外貨の運用といった複数の要素が絡み合う複雑な金融商品です。円と外貨を交換する際の為替手数料、契約の維持にかかる保険関係費用、早期解約時の解約控除など、さまざまなコストが発生します。

これらの仕組みやリスクを十分に理解できないまま、セールストークだけを信じて契約してしまうと、「こんなはずではなかった」と後悔する原因になります。

内容を把握するのが難しいと感じる場合は、無理に加入せず、よりシンプルな円建ての商品などを検討するのが賢明です。

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外貨建て保険へ加入前に|6つの確認ポイント

外貨建て保険への加入を具体的に検討する段階になったら、契約前に必ず確認しておくべき重要なポイントがあります。これらを怠ると、後で「こんなはずではなかった」と後悔することになりかねません。

最終判断を下す前に、6つのチェックポイントを押さえておきましょう。

チェックポイント

確認すること

確認すること

① 加入目的に合っているか

確認すること

保障と資産形成のどちらを重視するか

② 仕組み・リスクを理解しているか

確認すること

為替変動や元本割れのリスクを理解できているか

③ 返戻率はどのくらいか

確認すること

払込保険料に対して、いくら受け取れるか

④ 最低保証の積立利率はどのくらいか

確認すること

最低保証の有無と利率

⑤ 手数料は高すぎないか

確認すること

為替手数料や保険関係費用などのコスト

⑥ 保障と資産形成を分ける方法も検討したか

確認すること

保険・NISA・iDeCoなどとの使い分け

①自分の目的に合っているかどうか

まず、なぜ外貨建て保険に加入したいのか、加入目的をはっきりさせることが欠かせません。万一の死亡保障が第一目的なのか、それとも老後資金などの資産運用を重視するのかで、選ぶべき商品は変わってきます。

もし資産運用が主目的であれば、NISAやiDeCoなど、より手数料が低く効率的な選択肢も存在します。

ポイントの解説

外貨建て保険のメリット・デメリットを他の金融商品と比較検討し、本当に自分の目的に合致する手段なのかを冷静に判断することが不可欠です。

②商品の仕組み・リスクを理解できているか

外貨建て保険は、為替レートの変動が保険料の支払額/支払い金額や将来の受取額に直接影響します。この為替の仕組みと、それに伴うリスクを正しく理解することが、後悔しないための大前提です。

契約前に、円高・円安がそれぞれどのような影響を与えるのかを具体的に把握しておきましょう。

保険料を支払う時の円高・円安の仕組み(円⇒ドル)

保険料を円で支払う場合、為替レートによって円換算の支払額/支払い金額が変動します。

  • 円高(例:1ドル=100円)の時は、少ない円で同じ外貨額の保険料を支払えるため、支払う保険料は安くなります。
  • 円安(例:1ドル=120円)の時は、より多くの円が必要になるため、支払う保険料は高くなります。
一括で支払う保険料が5万ドルだった場合

例えば、5万ドルの保険料を一括で支払う場合、1ドル100円なら500万円ですが、1ドル120円なら600万円となり、負担額が大きく変わります。

特に、月払いの場合はこの変動が毎月発生するため、家計管理に多少の影響がでることを理解しておく必要があります。

解約返戻金を受け取る時の円高・円安の仕組み(ドル⇒円)

保険金や解約返戻金を円で受け取る場合も、為替レートが受取額を左右します。

  • 円安(例:1ドル=120円)の時は、同じ外貨額でもより多くの円に交換できるため、円での受取額は増えます。 これを為替差益と呼びます。
  • 円高(例:1ドル=100円)の時は、交換できる円が少なくなるため、円での受取額は小さくなります。 これが為替差損です。
解約返戻金が5万ドルだった場合

例えば、5万ドルの保険金を受け取る場合、1ドル120円なら600万円ですが、1ドル100円なら500万円となり、100万円もの差が生じます。

③よりよい商品を選べているか

外貨建て保険と一口に言っても、保険会社や商品によって内容や条件はさまざまです。

1つの商品だけを見て決めるのではなく、複数の商品を比較検討し、自分にとって有利な条件のものを選択することが肝となります。

将来の受取額に直結する利率や、リターンを圧迫する手数料は念入りに確認しましょう。

支払う保険料に対して受け取れる金額が見合っているか

外貨建て保険の貯蓄性を評価する上で重要なのが、支払う保険料総額に対して、将来どれくらいの解約返戻金や満期保険金が受け取れるかを示す「返戻率」です。

年齢や性別、保険期間によって返戻率は変動します。保険期間を長く設定できる若い人ほど、複利効果によって返戻率が高くなる傾向があります。

ポイントの解説

契約を検討する際は、必ず設計書を取り寄せ、具体的な返戻率の推移を確認し、支払う保険料に見合うリターンが期待できるかを判断しましょう。

最低保証の積立利率はどのくらいか

外貨建て保険の中には、市場金利がどれだけ低下しても、積立金に適用する利率を一定以上に保つ「最低保証積立利率」が設定されている商品があります。この利率が高いほど、外貨ベースでの積立金がより多く増える計算になります 。

最低保証の有無や当該利率は、保険会社や商品によって異なります。市場環境が悪化した際の下支えとなる重要な要素のため、商品を比較する際には必ず確認しましょう。

注意点

ただし、これは外貨ベースでの保証であり、円換算後の元本を保証するものではない点に注意が必要です。

為替手数料など、他社より高くなっていないか

外貨建て保険では、円を外貨に、また外貨を円に交換する際に「為替手数料」が発生します。この手数料は保険会社によって異なり、リターンを直接的に押し下げるコストとなります。

例えば、1ドルあたり1銭の手数料と1円の手数料では、2万ドルを交換する際にかかる費用は200円と2万円というように、差が生まれます。

その他にも、契約の締結・維持にかかる「保険関係費」など、さまざまな費用が保険料や積立金から差し引かれます。

ポイントの解説

契約前には、これらの手数料が他社の商品と比較して高すぎないか、パンフレットや契約概要でしっかりと確認することが必須です。

保険(保障)と投資(運用)の使い分けが大切

資産形成を成功させるためには、万一のリスクに備える「保障」と、資産を増やすことを目指す「投資」のバランスが鍵となります。投資だけに偏ると、病気や怪我といった不測の事態で資産を取り崩さざるを得なくなる可能性があります。

一方で、保障ばかりを重視すると、資産はなかなか増えません。外貨建て保険は両方の性質を併せ持ちますが、それぞれの目的を明確にし、必要に応じて他の金融商品と組み合わせることが欠かせません。

例えば、基本的な保障は掛け捨ての保険で確保し、資産形成はNISAやiDeCoといった制度を活用するなど、役割を分ける考え方も有効です。

既に外貨建て保険に加入している人の対処法

既に外貨建て保険に加入しているものの、円安が進んだり、商品のリスクに不安を感じたりして「解約したほうがよいのでは?」と悩んでいる人もいるかもしれません。

しかし、すぐに解約することが必ずしも最善の策とは限りません。状況に応じた冷静な判断が求められます。

解約すべきか継続すべきか

外貨建て保険を解約すべきかどうかの判断は、一概には言えません。契約から年数が経っていない場合の早期解約は、「解約控除」により解約返戻金が元本を下回る可能性が高いため、慎重な判断が必要です。

判断のポイントは以下の通りです。

  • 現在の為替レート:円安のタイミングであれば、為替差益が出て利益を確定できる可能性があります。逆に円高であれば、為替差損が拡大するため、解約は不利になる場合があります。
  • これまでの払い込み期間:長期間継続しているほど、解約控除の影響は小さくなります。
  • 今後の資金計画:近い将来に当該資金を使う予定がなければ、為替レートが有利になるまで継続するという選択肢もあります。

不安な場合は、契約内容がわかる書類を持参の上、保険や資産運用に精通した専門家に相談し、シミュレーションをしてもらうことをおすすめします。

解約以外の選択肢

解約返戻金や満期保険金を受け取るタイミングで為替レートが不利な(円高)場合、すぐに円に換えずに解約以外の選択肢を検討することも有効です。

1つの方法は、保険金を外貨のまま受け取り、保険会社に預けておく「据え置き」です。これにより、為替レートが有利な(円安)タイミングを待ってから円に換えることができます。

また、将来的に海外旅行や子どもの留学などで外貨を使う予定がある場合は、外貨のまま受け取り、支払いに充てるという方法もあります。これにより、円に両替する際の為替手数料を節約できます。

これらの選択肢があるかどうかも含め、契約内容をあらためて確認してみましょう。

外貨建て保険に関するよくある質問

外貨建て保険に関して、多くの人が抱く疑問についてQ&A形式でお答えします。

Q. 外貨建て保険は必ずやめるべき?

A. 一概に「必ずやめるべき」とは言えません。外貨建て保険には為替リスクや手数料といったデメリットがある一方で、円建て保険より高い利回りが期待できる、資産を外貨に分散できるといったメリットもあります。

重要なのは、これらのメリット・デメリットを正しく理解し、自身の資産状況、リスク許容度、そして加入目的に合っているかを判断することです。

リスクを許容でき、長期的な視点で資産形成をしたい人にとっては、有効な選択肢の1つとなり得ます。

Q. 銀行窓口で勧められたが信用してよい?

A. 銀行の担当者も金融の専門家ですが、販売目標や手数料収入といった営業上の立場があることも事実です。金融庁の調査でも、販売側の手数料体系が顧客の短期的な乗り換えを助長している可能性が指摘されています。

勧められた商品が本当に自分に合っているか、リスクについて十分に納得できる説明があったかを冷静に判断することが鍵となります。

現場で即決せず、一度持ち帰って検討したり、複数の金融機関の話を聞いたり、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)のような専門家にセカンドオピニオンを求めたりすることをおすすめします。

Q. 外貨建て保険で儲かった人はいる?

A. はい、実際に利益を得た人はいます。外貨建て保険で利益(円換算でのプラス)が出る要因は、大きく分けて「長期運用による高い利回り」と「為替差益」の2つです。

外貨建て保険は、長期にわたって継続することで、海外の高い金利効果によって外貨ベースの資産が着実に増えていくのが基本の仕組みです。

それに加えて、契約時よりも円安のタイミングで保険金や解約返戻金を受け取ることができれば、為替差益が上乗せされ、結果的に円換算での手取り額が大きく増えることになります。

例えば、1ドル=100円の時に契約し、1ドル=150円の時に解約すれば、為替だけで資産価値は1.5倍になります。近年の円安局面では、過去に契約した外貨建て保険を解約して利益を確定させた例も少なくありません。

ただし、これはあくまで結果論であり、将来の円安が保証されているわけではありません。逆に円高が進めば損失を被るリスクも同じだけ存在することを忘れてはいけません。

どれだけ長期運用で外貨ベースの資産が増えていても、受け取り時に大幅な円高が進んでいれば損失を被るリスクがあることは、常に忘れないようにしましょう。 

まとめ

外貨建て保険が「やってはいけない」と言われる背景には、為替リスクによる元本割れの可能性、複雑な手数料、そして商品の仕組みを十分に理解しないまま契約してしまうケースが多いという実態があります。

金融庁の調査でも、短期解約率の高さが問題視されています。一方で、円建て保険よりも高い利回りが期待でき、資産分散の効果があるなど、メリットも存在します。

重要なのは、これらのメリットとデメリットを天秤にかけ、自身の目的やリスク許容度に合っているかを冷静に判断することです。

加入を検討する際は、目的を明確にし、為替や手数料の仕組みを十分に理解した上で、複数の商品を比較することが不可欠です。

もし判断に迷う場合は、特定の金融機関に偏らず幅広い選択肢を提案できる 専門家に相談し、客観的なアドバイスを求めることをおすすめします。自身が納得できる選択をすることが、将来の後悔を避けるための方法です。

外貨建て保険が自身の資産形成に適しているか、客観的な視点で判断したい方は、お金のプロに相談してみるのも1つの方法です。

まずは自身の資産状況を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。 

»あなたは大丈夫?将来の不足額をシミュレーション


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ご留意事項

  • 本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品の取引を勧誘するものではありません。
  • 本記事の内容は記事公開時または更新時点の情報に基づいています。制度・法令・税制等の変更により、現在の情報と異なる場合があります。
  • 本記事の内容の正確性、完全性、最新性を保証するものではなく、予告なく変更または更新する場合があります。
  • 投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任とご判断のもとで行っていただきますようお願いいたします。

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監修
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。


執筆
尾崎 絵実
  • 尾崎 絵実
  • ファイナンシャルアドバイザー

短期大学卒業後、富国生命に入社。その後、大手保険代理店を経て、ファイナンシャルアドバイザー業務に従事。これまでに約1000以上の世帯からお金のご相談を受け、ファイナンシャル・プラニングを実施。常に最新の情報を把握するように努め、保険だけではなく、様々な金融商品を活用した総合的な資産運用を目指す。2020年 MDRT 日本会会員。ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。現在、くらしとお金の経済メディアLIMO でお金に関する情報を広く発信している。