

iDeCo(確定拠出年金)は退職したらどうなる?状況別に必要な手続きをわかりやすく解説
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iDeCoに加入している人が退職や転職をすると、どのような手続きが必要になるか不安に感じるかもしれません。
iDeCoは退職後も継続できますが、退職後の状況によっては、勤務先や国民年金被保険者種別などの変更に伴う手続きが必要です。
また、企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入していた人が退職する場合には、資産の移換手続きが必要になることがあります。
本記事では、退職後の状況に応じたiDeCoや企業型DCの手続きをわかりやすく解説します。自身のケースに合わせて、必要な対応を確認することが大切です。
- iDeCoは退職後も継続できるが、退職後の状況によって必要な手続きが異なる
- 企業型DC加入者が退職した場合の移換手続きと自動移換の注意点
- 転職、自営業、専業主婦(夫)、無職など、退職後の状況別に必要な手続きと注意点
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iDeCoは退職したらどうなる?必要な手続きを確認

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、退職や転職をしても、加入資格を満たしていれば継続できます。
ただし、退職後の状況によっては、勤務先や国民年金の被保険者種別などの変更に伴う手続きが必要です。必要な手続きを行わないと、掛金の拠出が停止する場合もあるため注意しましょう。
必要な手続きは、会社員として転職する場合、自営業・フリーランスになる場合、配偶者の扶養に入る場合などによって異なります。
退職後の自身の状況を確認し、必要な手続きを行うことが大切です。
(参考:就職(転職)・退職された方へ | iDeCo公式サイト)
(参考:iDeCoの拠出限度額について | iDeCo公式サイト)

退職後の状況別・必要な手続き早見表
退職後の状況によって、国民年金の被保険者種別が変わり、iDeCoの掛金上限額や必要な手続きも異なります。
自身の状況と照らし合わせて、必要な対応を確認しましょう。
※第2号被保険者の掛金上限額は、勤務先の企業年金制度の加入状況によって異なります。
※掛金上限額は2026年11月までの金額です。掛金上限額は2026年12月から引き上げられる予定です。
退職したらやるべき手続き【パターン別】
iDeCo加入者が退職した場合の手続きは、その後の状況によって異なります。ここでは、主な4つのパターンと番外編に分けて、それぞれ必要な手続きを解説します。
自身の状況に合った対応を確認しましょう。
①転職先の企業型DCに資産を移す(移換)
転職先に企業型確定拠出年金(企業型DC)がある場合、iDeCoで積み立てた資産を転職先の企業型DCに移す(移換する)ことができます。
資産を1本化できるため、管理がしやすくなるのがメリットです。
移換を希望する場合は、まずiDeCoの加入者資格を喪失する手続きを行ったうえで、転職先の企業型DCへの資産移換手続きを進めます。具体的な手続きについては、転職先の企業型DCの担当部署などに確認しましょう。
なお、転職先で企業型DCに加入する場合でも、一定の要件を満たせばiDeCoを継続することができます。
iDeCoを継続したい場合は、後述の「②転職先でもiDeCoを継続する」と同様に、必要は変更手続きを行います。
②転職後もiDeCoを継続する
転職先に企業型DCがない場合や、企業型DCがあってもiDeCoを継続したい場合は、勤務先などの登録情報を変更する手続きを行います。
「第2号被保険者」という立場が変わらない場合でも、勤務先や企業年金加入状況などに変更があれば、所定の変更手続きが必要です。
掛金の納付方法が給与天引き(事業主払込)だった場合は、転職先が事業主払込に対応しているか確認し、必要に応じて個人の口座からの引き落とし(個人払込)への変更手続きも行いましょう。

③自営業・フリーランスになる

会社を退職して自営業やフリーランスになった場合、国民年金の被保険者種別が会社員の「第2号被保険者」から「第1号被保険者」に変わります。
この変更に伴い、iDeCoの運営管理機関に「加入者被保険者種別変更届(第1号被保険者用)」を提出する必要があります。国民年金保険料を納付しているなどの加入要件を満たしていれば、引き続きiDeCoで掛金を拠出できます。
第1号被保険者の場合、掛金の上限額は月額6万8000円(国民年金基金等との合算)となり、会社員時代よりも多くの金額を拠出できる可能性があります。
④専業主婦(夫)になる
退職して厚生年金に加入している配偶者の扶養に入り、専業主婦(夫)になった場合は、国民年金の被保険者種別が「第3号被保険者」に変わります。
この場合、iDeCoの運営管理機関に「加入者被保険者種別変更届(第3号被保険者用)」を提出することで、iDeCoを継続できます。第3号被保険者の掛金上限額は月額2万3000円です。
もし掛金の拠出が難しい場合は、掛金の支払いを停止して「運用指図者」になることも可能です。
運用指図者になると、新たな掛金の拠出は行いませんが、これまで積み立てた資産の運用は続けられます。ただし、運用指図者であっても口座管理手数料は発生します。
⑤【番外編】公務員になる・海外移住するなど
退職後に公務員になった場合も、会社員への転職と同様に「第2号被保険者」としてiDeCoを継続できます。
手続きは「加入者登録情報変更届(第2号被保険者用)」を運営管理機関に提出します。共済組合員としての情報を記入する必要があります。
海外へ移住する場合は、国民年金の加入状況によって扱いが異なります。
日本の非居住者となり国民年金の加入資格を失うと、iDeCoの掛金拠出はできなくなり、運用指図者として資産の運用のみを続けることになります。
一方、国民年金に任意加入する場合は、iDeCoの加入者資格を継続できるケースもあります。
手続きが複雑になるため、事前に運営管理機関に確認することが重要です。
(参考:加入者登録情報変更届(第2号被保険者用) )
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「企業型確定拠出年金」に加入していた人が退職した場合

前職でiDeCoではなく、会社の「企業型確定拠出年金(企業型DC)」に加入していた人も、退職後には手続きが必要です。
企業型DCの加入者資格を喪失した後、所定の期限内に資産の移換手続きを行わないと、自動移換される場合があるため注意しましょう。

iDeCoへの移換手続き/放置リスク
企業型DCに加入していた人が退職した場合、原則として企業型DCの加入資格を喪失してから6ヶ月以内に、積み立てた資産を他の年金制度に移す「移換」の手続きが必要です。
主な移換先は以下の通りです。
- 転職先の企業型DC
- iDeCo
転職先に企業型DCがない場合や、自営業者・専業主婦(夫)になる場合は、企業型DCの資産をiDeCoに移換できます。iDeCoで引き続き掛金を拠出するほか、掛金を拠出せず、これまでの資産の運用のみを行うことも可能です。
iDeCoに資産を移管する場合は、まずiDeCo口座を開設する金融機関を選び、加入申込みと同時に「個人別管理資産移換依頼書」を提出します。
企業型DCの加入者資格を喪失してから6ヶ月以内に必要な手続きを行わないと、資産が国民年金基金連合会に自動移換される場合があります。
自動移換されると、資産を運用できないうえに、管理手数料がかかります。また、自動移換されている期間は老齢給付金の受給要件となる通算加入者等期間に算入されないため、受給開始可能年齢が遅くなる場合もあります。
企業型DCの資産も大切な老後資金ですので、忘れずに手続きを行うことが大切です。
退職して無職になったら?iDeCoはどうする

退職後、すぐに転職せず無職になった場合でもiDeCoの手続きは必要です。国民年金の加入状況によって、iDeCoの取り扱いが変わります。
退職後に第1号被保険者となり、国民年金保険料を納付する場合は、「加入者被保険者種別変更届(第1号)」を提出することで、iDeCoの掛金拠出を継続できます。
一方、国民年金保険料の免除(全額免除・一部免除)や納付猶予を受けている場合、iDeCoの掛金を拠出することはできません。
この場合は「加入者資格喪失届」を提出し、掛金の拠出を停止して「運用指図者」となります。運用指図者として、これまで積み立てた資産の運用は継続できます。
再就職した際には、勤務先や企業年金の加入状況などに応じて、必要な手続きを行いましょう。
定年退職後のiDeCoの受け取り方戦略
iDeCoは原則60歳から受け取ることができます(60歳時点の通算加入者等期間10年以上の場合)。
受け取り方には「一時金」「年金」「併給」の3種類があり、それぞれ税金の扱いが異なります。
税制メリットを最大限に活用するためには、受け取り方の戦略が重要です。
退職金とiDeCoを同じ年に受け取ると、税負担が増えてしまう可能性があります。賢い受け取りスケジュールを立てるためのポイントはこちらをご覧ください。


「一時金」受け取り:退職所得控除の活用
iDeCoの資産を一度にまとめて受け取る方法が「一時金」です。一時金で受け取る場合、税制上の「退職所得」として扱われ、「退職所得控除」という控除が適用されます。
退職所得控除額はiDeCoの加入期間などに応じて計算され、控除額の範囲内であれば税負担が大幅に軽減されるか、非課税になる場合もあります。
例えば、加入期間が30年の場合、退職所得控除額は1500万円となります。他の退職金との調整がない場合、iDeCoの一時金がこの範囲内であれば、原則として所得税・住民税はかかりません。
まとまった資金を一度に受け取りたい人に向いている方法です。
(参考:退職金を受け取ったとき(退職所得) | 国税庁)
「年金」受け取り:公的年金等控除の活用
iDeCoの資産を5年以上20年以下の期間で分割して受け取る方法が「年金」です。年金形式で受け取る場合、税制上の「雑所得」として扱われ、「公的年金等控除」が適用されます。
公的年金等控除は、国民年金や厚生年金などの公的年金と合算して計算されます。そのため、公的年金の受給額が多い人は、iDeCoを年金で受け取ると税負担が増える可能性があります。
一方で、受け取っていない資産は引き続き運用できるため、運用益が期待できる点がメリットです(同時に、市場の変動により資産価値が減少するリスクもあります)。
計画的に資金を受け取りたい人や、資産を運用しながら取り崩したい人に向いています。
「一時金」「年金」の併給

一部を一時金で受け取り、残りを年金で受け取る「併給」も選択できます。金融機関によっては対応していない場合もありますが、2つの受け取り方のメリットを組み合わせられる方法です。
例えば、退職所得控除の枠内で一時金を受け取り、残りの資産を年金として分割で受け取ることで、両方の税制控除を有効活用できる可能性があります。
税金の計算が複雑になるため、自身の資産状況や他の年金収入などを考慮して、慎重に検討する必要があります。
会社の退職金との受け取り時期調整(10年・19年ルール)
iDeCoを一時金で受け取る場合、会社の退職金を受け取るタイミングとの調整が節税の重要なポイントになります。
会社の退職金とiDeCoの一時金を同じ年に受け取ると、退職所得控除の計算上、勤続期間等の重複部分について調整が行われるため、税負担が増える可能性があります。
税負担を抑えるためには、受け取り年をずらす方法があります。
iDeCoの一時金を先に受け取り、その後に会社の退職金を受け取る場合、前年以前9年内に受け取ったiDeCoの一時金が退職所得控除の調整対象となります。10年以上間隔を空けると、この調整の対象外となります。
一方、会社の退職金を先に受け取り、その後にiDeCoの一時金を受け取る場合は、前年以前19年内に受け取った退職金が退職所得控除の調整対象となる場合があります。
最適な受け取りタイミングは個々の状況によって異なるため、税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも選択肢の1つです。
iDeCoの退職後の手続きに関するよくある質問
ここでは、iDeCoの退職後の手続きに関してよく寄せられる質問と回答をまとめました。

Q. iDeCoを退職後に放置するとどうなる?
退職後の状況によって、勤務先や国民年金の被保険者種別などに関する変更手続きが必要です。
必要な手続きを行わないと掛金の拠出が停止する場合もあるため、退職後の状況に応じた手続きを確認しましょう。
Q. iDeCoは無職になったらどうなる?
退職して無職になった場合でも、第1号被保険者となり国民年金保険料を納付している場合は、所定の手続きを行うことでiDeCoの掛金拠出を継続できます。
国民年金保険料の免除・猶予を受けている期間は掛金の拠出はできず、資産の運用のみを行う「運用指図者」となります。
Q. 企業型DCを退職後に放置するとどうなる?
企業型DCの加入資格を喪失した後、6ヵ月以内に資産の移換手続きを行わないと、資産は自動的に国民年金基金連合会に自動移換される場合があります。
自動移換されると資産を運用できず、手数料もかかるため、期限内に必要な手続きを行いましょう。
Q. 退職後の手続きはどこに問い合わせればいい?
退職後のiDeCoに関する手続きは、現在加入しているiDeCoの運営管理機関(金融機関)のコールセンターやWebサイトから問い合わせます。
企業型DCからの移換の場合は、前職の担当部署に確認が必要な場合もあります。
Q. 退職したらiDeCoは解約できる?
iDeCoは老後資金の形成を目的とした制度のため、原則として60歳になるまで資産を引き出
すこと(解約)はできません。
退職しただけではiDeCoを引き出すことができず、退職後の状況に応じた手続きを行う必要があります。
まとめ

iDeCoは退職や転職をしても、加入資格を満たしていれば継続できます。ただし、退職後の状況によっては、勤務先や国民年金の被保険者種別などの変更に伴う手続きが必要です。
また、企業型DCに加入していた人が退職し、加入者資格を喪失してから6ヵ月以内に必要な移換手続きを行わないと、資産が自動移換される場合があります。自動移換されると、資産を運用できないうえに手数料もかかるため注意が必要です。
転職するか、自営業者になるか、専業主婦(夫)になるかなど、退職後の状況によって必要な書類や手続きが異なります。
本記事を参考に、自身のケースを確認し、早めに準備を始めましょう。大切な老後資金を守り、育てていくためにも、退職後の状況に応じて適切に対応することが大切です。
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ご留意事項
- 本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品の取引を勧誘するものではありません。
- 本記事の内容は記事公開時または更新時点の情報に基づいています。制度・法令・税制等の変更により、現在の情報と異なる場合があります。
- 本記事の内容の正確性、完全性、最新性を保証するものではなく、予告なく変更または更新する場合があります。
- 投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任とご判断のもとで行っていただきますようお願いいたします。
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監修

森本 由紀
- ファイナンシャルプランナー/AFP(日本FP協会認定)/行政書士
行政書士ゆらこ事務所(Yurako Office)代表。愛媛県松山市出身。神戸大学法学部卒業。法律事務所事務職員を経て、2012年に独立開業。メイン業務は離婚協議書作成などの協議離婚のサポート。離婚をきっかけに自立したい人や自分らしい生き方を見つけたい人には、カウンセリングのほか、ライフプラン、マネープランも含めた幅広いアドバイスを行っている。法律系・マネー系サイトでの記事の執筆・監修実績も多数。
執筆

マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。







