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学資保険をおすすめしないケース!代わりになるものは?保険のプロがデメリットを徹底解説

学資保険をおすすめしないケース!代わりになるものは?保険のプロがデメリットを徹底解説

保険2022/10/06 (最終更新:2024/08/01)
  • #教育資金
  • #既婚者

学資保険はおすすめしない」という意見を聞いて、加入すべきかどうか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

学資保険の加入を検討している人に向けて、教育資金作りとして学資保険は本当に必要なのか、知っておくべきメリット・デメリットをわかりやすく解説しています。

学資保険とは計画的に教育資金の準備ができるという特徴があります。
契約者に万が一のことがあった際の保障もあるため、子どものために利用する人も多い保険です。

一方で、効率よくお金を増やすには物足りないという面もあります。

メリット・デメリットをおさえながら、学資保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事では2023年までのNISA制度を「旧NISA」または「旧制度」、2024年から始まる新しいNISAを「新NISA」または「新制度」と表記しております

この記事を読んでわかること
  • 学資保険には計画的に教育資金作りができるというメリットがある
  • しかし、現在予定利率が以前より低い傾向にあるため、効率的にお金を増やすには物足りない
  • 学資保険より教育資金作りに向いているのは「終身保険」と「預金」

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学資保険はおすすめしない?入らないほうがいい4つのケース

教育資金には、学校などに対して支払う直接的な資金と、学校以外のことで必要な間接的な資金があります。

1人の子どもを高校卒業まで育てた時にかかる教育費用は総額で1000〜2000万円程かかるといわれています。そのため、資金計画を立てておくことが大切です。

子どもの教育資金を貯める方法として初めに思いつくのが学資保険の人も多いかもしれません。

学資保険は保険料を強制的に積み立てることで、将来祝金や満期保険金を受け取った際に、学費や入学金の支払いに充てることができます。

学資保険は、まさに「子どものために計画的な貯蓄をする」ことに特化した保険なのです。

ところが「学資保険はおすすめしない」という意見もあり、困惑されることもあるのではないでしょうか。

学資保険に限りませんが、誰にとっても完璧な商品はありません。また、誰かにとってのメリットが誰かにとってのデメリットになることも、ままあることです。

そこで、今回は保険のプロが考える「学資保険に入らない方がいい4つのケース」について具体的に解説していきます。

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まずは知っておきたい学資保険の主なメリット

最初に学資保険に加入する主なメリットについて見ていきましょう。


計画的に教育資金作りができる

学資保険に加入すると、支払った保険料を祝い金満期保険金として将来まとまったお金を受け取ることができます。

例として、いくつかの受け取りパターンを見てみましょう。

①18歳~21歳まで毎年50万円の祝金
 +22歳に満期保険金50万円 で計250万円受け取り

②3歳・6歳(幼稚園・小学校入学祝金)各5万円
 +12歳・15歳(中学・高校入学祝金)各10万円
 +18歳(大学入学祝金)70万円
 +20歳(成人祝金)10万円
 +22歳(満期保険金)100万円 で計210万円受け取り

③18歳大学入学祝金100万円
 +22歳満期保険金100万円 で計200万円の受け取り

上記のように、子どもの進学に合わせた受け取り方ができるため、お金の管理が苦手な人でも計画的な教育資金作りができます。

(①参考:【公式】ソニー生命の学資保険相談キャンペーン
(②③参考:学資保険「みらいのつばさ」の特長と3つのポイント│フコク生命【公式】


契約者に万が一のことがあった時に保障がある

学資保険が現在でも一定の支持を得ている理由の1つに「契約者に万が一のことが起きた時の保障が備わっている」という点にあります。

学資保険は一般的に「契約者=親・被保険者=子ども」で加入し、契約者が保険料を支払います。

しかし、契約者が死亡したり高度な障害を負うと教育資金を貯める余裕がなくなり、支払いが続けられなくなってしまいます。

そのため、学資保険は保険料払込免除特約などが付加されている場合が多く、万が一の際は以後の保険料を払わなくても契約どおりの金額で祝金や満期金を受け取ることができます。

子どもの教育費は子どもが独立するまで必要な資金です。

長い場合だと大学院卒業まで教育費がかかる場合もあるでしょう。その中で親が病気になるリスクや亡くなるリスクなどをゼロにすることはできません。

子どもの進学時に確実にお金を準備したい場合、払い込みが免除される特則や特約がついていると、将来の安心につながるといえるでしょう。


生命保険料控除で節税ができる

学資保険の保険料は、生命保険料控除の対象になります。

生命保険料控除には「一般」「医療・介護」「個人年金」の3つの区分があり、学資保険は一般生命保険料控除の対象になります。

生命保険料は所得から控除されるため、課税所得を下げて所得税・住民税を安くすることができます。

3つの区分ごとに控除の上限はありますが、控除枠を使い切っていない場合は学資保険に加入することで節税できるというメリットがあります。

学資保険のメリットを受けにくい4つのケース

メリットについて解説しましたが、実はこれらのメリットを受けにくいケースがいくつかあります。


ケース①既に預金で教育資金を貯められている

親が学資保険に加入するのは、子どもの進学時にある程度の教育資金を準備しておきたいという目的があるためです。

そのため、既に教育資金を十分に用意している家庭であれば、わざわざ学資保険に加入する必要はありません。

ポイントの解説

急な出費に対応できる程度の予備資金(生活費の3〜6ヶ月程度)とは別に、平均的な教育資金(公立の場合500万円程度、私立の場合1800万程度)の貯金があれば、学資保険に加入する必要はありません。

教育資金が貯まっていて、さらに貯蓄をしたい場合は、学資保険以外の方法も検討してみることをおすすめします。


ケース②途中で解約する可能性がある

学資保険に加入する際は「保険料を最後まで払えるか」が重要です。

保険料の支払いが困難になり、満期より前に解約してしまうと、解約返戻金は受け取ることができますが、基本的には支払った保険料より少ない金額しか返ってきません。

特に10年以内に解約した場合、支払った保険料を大きく下回る可能性があります。これでは、せっかく支払ってきた保険料も無駄になってしまいます。

「収入が不安定で毎月決まった保険料を支払うのが難しい」「離婚・転職で収入が下がる予定がある」という人は、10年以上払い続けられる金額かどうかを慎重に考える必要があります。

ポイントの解説

加入する際は保険料の検討を十分に行いましょう。

ケース③万が一のためにお金を貯めたい場合

教育資金に限らず、万が一の際に遺族が生活に困らないように、お金を貯めておきたいという人もいるでしょう。

そのような場合、学資保険で生活費までカバーするのは難しいため、死亡保障のある保険に加入すると良いでしょう。

学資保険には、契約者に万が一のことが起こった際、保険料の支払いが免除される特約などが付加されています。

しかし、学資保険の種類によっては、生活費などに使えるお金(死亡保険金・育英年金など)が受け取れない商品もあります。

万が一の際に、準備しておきたい保障額に応じて、定期保険と終身保険を組み合わせるのがおすすめです。

定期保険は、保険の期間が決まっている代わりに、安い保険料で大きな保障を持つことができます。支払う保険料は、多くの場合、掛け捨てとなります。

一生涯の保障が必要な場合は、定期保険よりも割高にはなりますが、終身保険を選ぶと良いでしょう。

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ケース④手元にあるお金を効率よく増やしたい

学資保険でも支払った金額以上にお金を増やすことはできますが、現在販売されている保険商品の予定利率は以前よりも低い傾向にあります。

このような理由から、手元にあるまとまった資金を効率よく増やしていきたい人が学資保険に加入するメリットは少ないでしょう。

保険商品には保険料を月ごと、あるいは年ごとなど、定期的に支払う方法、保険料を一括で支払う方法などがあります。

まとまった資金があるなら、資金を取り崩しながら定期的に保険料を支払うのではなく、まとまった資金のまま活用した方が効率よくお金を増やせる場合があります。学資保険も同様です。

ポイントの解説

手元にまとまった余裕資金がある場合は、学資保険以外の方法を検討してみましょう。

そもそも教育資金作りに向いていない?学資保険のデメリット

学資保険は一般的に教育資金作りの方法の1つとして挙げられていますが、実は教育資金作りをするにあたって、デメリットがいくつかあります。

お金があまり増やせない

学資保険は返戻率で選びましょう」と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

返戻率とは?

払い込んだ保険料に対して、お金をどのくらい増やせたのかを表したもの

例えば、100万円を支払って104万円を受け取ることができれば、返戻率は104%です。

昔の学資保険は、高い返戻率と万が一の保障の両面を兼ね備えた魅力的な商品でした。

しかし、現在の返戻率は低い傾向にあり、お金をあまり増やせないというのが現状です。

お金を自由に引き出すことができない

教育費といえば、私立高校や大学の入学金・授業料を思い浮かべる人が多いと思いますが、それ以外にも費用がかかってきます。

例えば、習い事や学習塾の月謝、必要な道具を揃えるための雑費や部活動の遠征代など。夏季・冬期講習の追加料金は1ヶ月10万円程度かかることもあります。

また、受験自体にも受験料がかかるため、滑り止めとして複数校に受験することになれば、さらに費用が必要です。

必要に応じて、学資保険で積み立てたお金が引き出せれば良いのですが、学資保険の祝い金や満期金が受け取れるタイミングは決まっています。

したがって、学資保険で受け取れるタイミング以外の急な入用は貯金で準備する必要があります。

元本割れの可能性がある

学資保険の最大のデメリットは、途中で解約すると元本割れする可能性があることです。

本来、学資保険には銀行預金よりも高い金利を受けられるというメリットがあります。しかし、少し無理をして学資保険に加入したものの解約してしまったとなれば本末転倒です。

途中解約をした場合に、どのくらいのお金が返ってくるかは契約からの経過年数によって変わります。ただ、一般的に年数が短いほど返ってくるお金は少なくなります。

手元に預金がなく、急な出費に対応できない状態であれば、途中で学資保険を解約することも検討しなければなりません。

学資保険を契約する時には、家計が最後まで払い切れる状況になっているかをまず確認しておきましょう。

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インフレリスクがある

インフレリスクとは?

世の中のサービスや物の値段などの物価が上昇すること

例えば、マクドナルドのハンバーガーは現在110円前後ですが、50年前日本に上陸した時は80円程度で販売されていました。

このように、同じ商品を買うにしても、同じ金額でこの先ずっと購入できる保証はありません。

日本は長い間デフレが続いていたため、インフレとなる状況は想像しにくいかもしれません。しかし、子どもが独り立ちをするまでは約20年という長い期間を要します。

今後の日本や世界を取り巻く経済状況を鑑みると、将来の受験料や学費が上がっていても不思議ではありません。

将来受け取れる金額が確定しているのは、学資保険のメリットではありますが、インフレリスクには対応しにくいのはデメリットといえるでしょう。

学資保険より教育資金作りに向いているもの

学資保険よりも実は教育資金作りに向いている金融商品があります。

学資保険より効率的にお金を増やせる「終身保険」

教育資金作りのイメージが強い学資保険ですが、今はなかなかお金が増やせないイメージです。学資保険の代わりになる保険はありますか?

返戻率が低下している学資保険の代用品として人気が高いものの1つに終身保険があります。

終身保険とは?

一生涯の死亡保障を確保しつつ、解約した時には解約返戻金が受け取れる保険

終身保険の特徴

契約からの経過年数が長くなるほど解約返戻金が増加していくので、進学時期に保険を解約して教育資金に充てることができます。

終身保険には円建て・外貨建てがあり、より高い運用成果を求めるなら外貨建てになるでしょう。

ただし、外貨建ての商品には為替リスクがあるので注意が必要です。

また、契約者に万が一のことがあった際は以下のような違いがあります。

学資保険:その後の保険料の支払いが免除
終身保険:その時点で死亡・高度障害保険金を受け取り、保険契約が終了

受け取った保険金で教育資金に必要な資金を確保し、余ったお金は葬儀代・当面の生活費などに使えるのも、メリットの1つといえるでしょう。

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学資保険より確実にお金を貯められる「預金」

預金の金利では自分が貯めた以上のお金に増えることは期待できませんが、途中で貯金をやめたからといって元本割れをする心配はありません。

自分が貯めた分のお金は、確実に貯まります。また途中で引き出したとしても、元本割れの心配がありません。

毎月2万円をコツコツ18年間貯めることができれば、銀行預金でも432万円が貯まります。

確実に教育資金を貯めたい人は銀行で預金する方が良いでしょう。

一方、健康上の問題が起きて予定どおりの貯金ができなくなるリスクに備え、医療保険死亡保障などを準備しておくことも検討しておきましょう。


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Q.iDeCoで教育資金は作れない?

お金を増やす方法の1つにiDeCo(イデコ)がありますが、iDeCoで教育資金を貯めることはできますか?

資産運用の方法として注目されるiDeCoですが、教育資金作りには向いていません。

iDeCo(イデコ)とは?

老後の資産形成を支援する制度。原則60歳以降になるまで、積み立てた資金を引き出すことができません。

高い節税効果があり、気になっている人も多いかもしれませんが、教育資金は必要な時に必要なお金を支払えることが第一優先です。

親が60歳以降も子どもが在学中という家庭もあるかもしれませんが、ほとんどの場合は「子育て中に引き出せないお金」になってしまうため、iDeCoは教育資金向けとはいえないでしょう。


Q.NISA制度で教育資金は作れない?

NISA制度はいつでも引き出せるため、子どもの成長に合わせてお金を増やせそうですが、実際のところはどうなんでしょうか?

教育資金作りに安心できる方法かどうかは慎重に検討する必要があります。

投資などで得た運用益には通常税金がかかりますが、NISA制度を利用した場合は運用益が非課税になります。

この点を踏まえると、教育資金作りにぴったりな気がします。

しかし、一般的に積立投資のリスクが抑えられ、資産を大きく増やすことができる理想的な運用期間は20年〜30年以上だといわれています。

進学時期は20年以内に訪れてしまうため、旧NISAのつみたてNISAを利用している場合、20年以内に運用の成果を出す必要があります。

また、2024年から始まる新NISA(新しいNISA)では、非課税保有期間が無期限化、投資可能期間が恒久化され、旧制度よりも制限なく長期運用ができますが、進学時期に合わせて安定した成果を受け取るのは難しいといえるでしょう。

運用益が非課税というメリットはあるものの、進学時期に投資先の市況が悪ければ「お金がいるのに損をしているから使えない」という状況に陥る可能性があります。

NISA制度自体は活用するメリットもある制度ですが、教育資金作りに安心できる方法かどうかは慎重に検討する必要があるでしょう。

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まとめ:教育資金作りに悩んだらお金のプロに相談

学資保険は、教育資金を計画的に準備するための貯蓄型保険です。

学資保険は主に「子どもの成長にあわせた受け取りができる」「万が一の際は支払いが免除される」というメリットがあります。

一方で「現在は返戻率が低い傾向にある」「途中で解約すると損をする」というデメリットがあります。

効率よく教育資金を貯めるなら、他の方法も比較して検討すると良いでしょう。

どの方法で教育資金を準備するのが良いか分からないとお困りの人は、お金のプロに相談してみましょう。

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執筆・監修
尾崎 絵実
  • 尾崎 絵実
  • ファイナンシャルアドバイザー

短期大学卒業後、富国生命に入社。その後、大手保険代理店を経て、ファイナンシャルアドバイザー業務に従事。これまでに約1000以上の世帯からお金のご相談を受け、ファイナンシャル・プラニングを実施。常に最新の情報を把握するように努め、保険だけではなく、様々な金融商品を活用した総合的な資産運用を目指す。2020年 MDRT 日本会会員。ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。現在、くらしとお金の経済メディアLIMO でお金に関する情報を広く発信している。

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