ETFと投資信託の違いは?図でわかる初心者が知るべき5つのポイントと選び方

ETFと投資信託の違いは?図でわかる初心者が知るべき5つのポイントと選び方

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資産運用を始めようと情報収集する中で、「ETF」と「投資信託」という言葉を目にし、この違いがわからず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

どちらも少額から分散投資ができる魅力的な金融商品ですが、取引の仕組みやコストなどに明確な違いがあります。

本記事では、ETFと投資信託の基本的な違いから、それぞれのメリット・デメリット、自身の投資スタイルに合わせた選び方まで、専門家がわかりやすく解説します。本記事を読めば、どちらが自分に合っているかを判断できるようになるでしょう。

この記事を読んでわかること
  • ETFと投資信託の最大の違いは「証券取引所に上場しているかどうか」
  • 投資信託は少額からの積立、ETFはリアルタイムでの機動的な売買に向いている
  • 初心者はまず投資信託から始め、NISAの非課税メリットを活かすのがおすすめ

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ETFと投資信託は何が違う?まずおさえたい基本

ETFと投資信託は、資産運用の選択肢としてよく比較されますが、まずは両者の基本的な関係性を理解することが欠かせません。

一見すると異なる金融商品に見えますが、実は共通の土台を持っています。

どちらも「投資信託」の仲間

ETF(上場投資信託)と一般的に呼ばれる投資信託は、どちらも「投資信託」という大きな枠組みに含まれる金融商品です。

投資信託の基本的な仕組みは、多くの投資家から集めた資金をひとつの大きなファンドにまとめ、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券など複数の資産に分散投資するというものです。この運用成果が投資額に応じて投資家に還元される点は、ETFも投資信託も同じです。

つまり、ETFは投資信託の一種であり、この中で特別な性質を持つものと理解するとよいでしょう。

株式と投資信託とETF

最大の違いは「上場しているかどうか」

ETFと投資信託を分ける一番の根本的な違いは、証券取引所に上場しているかどうかという点です。

  • ETF: 証券取引所に上場しており、株式と同じように取引される
  • 投資信託: 証券取引所には上場しておらず、金融機関の窓口やオンラインで取引される

ETFは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語では「上場投資信託」と訳されます。この「上場している」という性質が、取引価格の決まり方、取引できる時間、購入できる場所など、これから解説するさまざまな違いを生み出す根源となっています。

ETFと投資信託の違いを5つの観点で比較

ETFと投資信託の最大の違いが「上場の有無」であることを解説しました。この違いから、具体的にどのような差異が生まれるのでしょうか。

投資判断に影響する5つの重要な観点から、両者の違いを詳しく比較していきます。

取引方法と価格決定のタイミング

ETFと投資信託では、価格がどのように決まり、どのような方法で取引するかが異なります。

投資信託は、1日に1回だけ算出される「基準価額」という値段で取引されます。 投資家が注文を出す時点ではまだこの日の基準価額は確定しておらず、取引が成立した後に価格がわかる「ブラインド方式」が採用されています。

一方、ETFは株式と同様に、証券取引所が開いている時間帯(立会時間)であれば、価格がリアルタイムで変動します。 投資家は株価ボードなどで値動きを確認しながら、自分の好きなタイミングで売買できます。

また、注文方法にも違いがあります。ETFでは、価格を指定して注文する「指値注文」や、価格を指定せずに注文する「成行注文」が可能です。

これにより、投資家は自分の判断で柔軟な取引ができますが、投資信託ではこのような注文方法はできません。

株式とETFと投資信託比較表

購入時・保有時・売却時のコスト

投資を行う上でコストはリターンに直接影響する重要な要素です。ETFと投資信託では、かかるコストの種類や水準が異なります。

コストの種類
投資信託
ETF
購入時手数料
無料(ノーロード)のものが多い
株式の売買委託手数料がかかる
保有コスト
信託報酬
信託報酬(経費率)
売却時コスト
信託財産留保額がかかる場合がある
株式の売買委託手数料がかかる

近年、投資信託では購入時手数料が無料の「ノーロード」商品が主流になっています。一方、ETFは株式と同じように売買するため、証券会社所定の売買委託手数料が必要です。

保有期間中に継続的にかかるコストである信託報酬(ETFでは経費率とも呼ばれます)は、一般的にETFのほうが投資信託よりも低い傾向にあります。 これは、ETFが販売会社を介さずに取引所で直接売買されるため、販売会社に支払う手数料が不要なことなどが理由です。

ただし、近年は投資信託の低コスト化も進んでおり、商品によってはETFと遜色ない水準のものも増えています。トータルコストを比較する際は、保有期間も考慮して判断することが肝となります。

最低投資額と購入単位

投資を始める際のハードルの1つが、最低限必要な資金額です。この点でも、ETFと投資信託には違いがあります。

投資信託は、金融機関によっては100円や1000円といった少額から購入できます。 金額を指定して購入できるため、毎月決まった額を積み立てる「積立投資」にも適しています。

一方、ETFは株式と同様に「1口」「10口」といった取引単位(単元)ごとに売買されます。 最低投資額は「市場価格 × 最低売買単位」で決まり、銘柄によって異なりますが、一般的には数千円から数万円程度の資金が必要です。

少額からコツコツと資産形成を始めたい場合は投資信託が、ある程度まとまった資金で機動的に投資したい場合はETFが選択肢に入りやすいといえるでしょう。

取扱場所と購入方法

どこで商品を購入できるかという点も、両者の大きな違いです。

投資信託は、証券会社だけでなく、銀行や郵便局など、幅広い金融機関で取り扱われています。 普段利用している銀行の窓口やインターネットバンキングで手軽に始められるのが特徴です。

一方、ETFは証券取引所に上場しているため、購入できるのは証券会社に限られます。 銀行や郵便局ではETFを直接購入することはできません。ETFに投資をしたい場合は、まず証券会社で口座を開設する必要があります。

分配金の受取方法

投資信託やETFを保有していると、運用で得られた収益の一部が「分配金」として投資家に還元されることがあります。この分配金の扱いに違いがあります。

投資信託では、分配金を受け取る「受取型」と、受け取らずに同じ投資信託の買い増しに充てる「再投資型」を選択できます。 再投資型を選ぶと、分配金が自動的に再投資されるため、複利効果を得やすくなります。複利効果とは、運用で得た収益がさらに新たな収益を生み出す効果のことです。

一方、ETFの分配金は、基本的に現金で支払われ、自動で再投資する仕組みはありません。 分配金を再投資したい場合は、受け取った現金を使って、自身でこのETFを買い増す必要があります。この手間がかかる点が、投資信託との大きな違いです。

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ETFと投資信託、それぞれのメリット・デメリット

これまで比較してきた5つの違いを踏まえて、ETFと投資信託それぞれのメリットとデメリットを整理します。自身の投資目的やスタイルにどちらが合っているかを考える上で参考にしてください。

投資信託のメリット・デメリット

投資信託は、投資初心者にとって始めやすい仕組みが多く備わっています。

メリット

  • 少額から始められる: 金融機関によっては100円から積立投資が可能です。
  • 積立投資がしやすい: 毎月自動で一定額を積み立てる設定が簡単にできます。
  • 分配金の自動再投資が可能: 手間なく複利効果を狙うことができます。
  • 取扱金融機関が多い: 銀行や郵便局など、身近な場所で相談・購入ができます。
  • 種類が豊富: 約6000本近い商品があり、多様な運用方針から選べます。

デメリット

  • リアルタイムで取引できない: 注文時点では価格がわからず、1日1回の基準価額での取引となります。
  • 信託報酬がETFに比べて高めの傾向: 低コスト化は進んでいますが、全体的にはETFより高い商品が多いです。

ETFのメリット・デメリット

ETFは株式投資に近い自由度の高さと、コストの低さが魅力です。

メリット

  • リアルタイムで売買できる: 市場の値動きを見ながら、自分の判断で好きなタイミングで取引が可能です。
  • 指値注文・成行注文ができる: 株式と同じように、希望する価格での売買ができます。
  • 信託報酬が低い傾向: 一般的に投資信託よりも保有コストを抑えられます。
  • 価格の透明性が高い: 取引時間中は常に価格が公開されており、値動きがわかりやすいです。

デメリット

  • 分配金の自動再投資ができない: 複利効果を得るには、手動で買い増す手間がかかります。
  • 積立投資に対応している金融機関が少ない: 毎月自動で積み立てる仕組みは、投資信託ほど普及していません。
  • 価格の乖離(かいり)リスク: 市場での需要と供給のバランスによって、ETFの市場価格が、この本来の価値である基準価額から乖離することがあります。

どちらを選ぶ?投資スタイル別の選び方

ETFと投資信託、それぞれの特徴を理解した上で、自身の投資経験や目的、ライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。

どのような人がそれぞれの商品に向いているのか、具体的なケースを挙げて解説します。

投資信託が向いている人

以下のような人は、投資信託から始めるのがよいでしょう。

  • 投資初心者:少額から始められ、購入のタイミングを計る必要がない積立投資が簡単にできるため、初めて資産運用に取り組む方に適しています。身近な銀行などで相談しながら始められる点も安心材料です。

  • コツコツ積立投資をしたい人:毎月決まった日に決まった金額を自動で投資する設定が容易です。ドル・コスト平均法の効果を活かしながら、手間をかけずに長期的な資産形成を目指せます。

  • NISAやiDeCoを最大限活用したい人:NISAの「つみたて投資枠」やiDeCoの対象商品は、このほとんどが投資信託です。非課税制度のメリットをフルに享受したい場合は、投資信託が中心的な選択肢となります。

  • 分配金を再投資して複利効果を狙いたい人:分配金の自動再投資機能があるため、手間なく効率的に資産を増やしていくことが期待できます。

ETFが向いている人

一方で、以下のような人はETFの活用を検討するとよいでしょう。

  • 株式投資の経験がある方・リアルタイムで取引したい方:市場の動向を見ながら、自身の判断で売買タイミングを決めたい方に適しています。株式と同じように指値注文ができるため、価格にこだわった取引が可能です。

  • 運用コストを少しでも抑えたい方:一般的に信託報酬が低い傾向にあるため、長期保有を前提とする場合、トータルコストを抑える効果が期待できます。まとまった資金で一括投資する際には、コストメリットが増加することがあります。

  • 特定の指数に連動した商品を低コストで保有したい方:日経平均株価やS&P500など、特定の指数に連動するインデックス運用をしたい場合、ETFは低コストで効率的な運用が期待できる選択肢となります。

両方を組み合わせる選択肢も

投資信託とETFは、どちらか1つを選ばなければならないわけではありません。それぞれのメリットを活かして、両方を組み合わせる「コア・サテライト戦略」も有効な選択肢です。

  • コア(中核)部分: 資産形成の土台として、投資信託で長期的な積立投資を行う。
  • サテライト(衛星)部分: コア部分を補う形で、ETFを使って機動的に特定のテーマや国に投資したり、相場の変動を捉えた短期的な売買を行ったりする。

このように、安定的な資産形成を目指す部分は投資信託、より積極的にリターンを狙う部分はETFと使い分けることで、バランスの取れたポートフォリオを構築することが可能です。

NISAではどちらを選ぶべき?

2024年から始まったNISA(新しいNISA)は、非課税で投資できる金額が大幅に拡大し、資産形成のツールとして注目されています。

NISAでETFと投資信託はどのように使い分ければよいのでしょうか。

つみたて投資枠の対象は主に投資信託

NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの非課税投資枠があります。

このうち、つみたて投資枠(年間120万円まで)の対象商品は、長期の積立・分散投資に適しているとして金融庁が定めた基準を満たす投資信託と一部のETFに限られています。

しかし、現状では対象となるETFの銘柄はごく少数です。そのため、つみたて投資枠を活用してコツコツと積立投資を行う場合は、実質的に投資信託が主な選択肢となります。

成長投資枠は両方選択可能

もう1つの非課税投資枠である「成長投資枠」(年間240万円まで)では、投資信託とETFのどちらも投資対象となります。

ただし、高レバレッジ型の商品など、一部除外される銘柄はありますが、多くの投資信託やETF、個別株式に投資することが可能です。

そのため、まとまった資金で一括投資を行いたい場合や、つみたて投資枠の対象外である特定のテーマ型ETFなどに投資したい場合は、成長投資枠を活用することになります。

初心者はまず投資信託から

NISAをこれから始める投資初心者の方は、まず「つみたて投資枠」を活用して、投資信託でコツコツと積立投資を始めるのがよいでしょう。

少額から始められ、自動で積立や分配金の再投資ができる投資信託は、投資のタイミングに悩む必要がなく、手間をかけずに長期的な資産形成を目指せるため、初心者の方に適しています。

投資に慣れてきて、まとまった資金ができたり、自身で売買のタイミングを判断してみたいと思うようになったりしたら、「成長投資枠」でETFへの投資を検討するというステップがスムーズです。

ETFと投資信託に関するよくある疑問を解消

ETFと投資信託に関して、投資家の方からよく寄せられる質問について、Q&A形式で簡潔にお答えします。

オルカンはETF?

「オルカン」という愛称で知られる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、ETFではなく、証券取引所に上場していない一般の投資信託です。

この商品は、全世界の株式市場の動きを反映する「MSCI ACWI」という指数に連動することを目指すインデックスファンドで、NISAのつみたて投資枠でも人気の商品です。

一方で、同じように全世界の株式に投資できるETFも存在します。例えば、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」などがそれに該当します。

NISAでETFを買うデメリットは?

NISAの成長投資枠でETFを購入すること自体に大きなデメリットはありませんが、投資信託と比較した場合、以下の点に留意が必要です。

  • 分配金の再投資で非課税枠を消費する:ETFの分配金は一度現金で受け取るため、この資金で再度ETFを買い増すと、この年の非課税投資枠(成長投資枠)を消費してしまいます。一方、投資信託の中でも「分配金を出さずにファンド内部で再投資するタイプ」の商品(オルカンなど)を選べば、非課税枠を消費することなく効率的に複利効果を得ることができます(分配金が支払われ、それを自動再投資するコースの場合は非課税枠を消費します)。
  • 少額での積立がしにくい:ETFは単元単位での取引となるため、投資信託のように毎月1万円ずつといった定額での積立がしにくく、非課税投資枠を計画的に使い切ることが難しい場合があります。

  • 外国ETFの場合、為替手数料がかかる:米国ETFなどを円貨決済で購入する場合、売買手数料に加えて為替手数料(スプレッド)がかかる点もコスト面のデメリットといえます。

まとめ

ETFと投資信託は、どちらも少額から分散投資ができる優れた金融商品ですが、この性質には明確な違いがあります。

主な違いは「上場しているかどうか」であり、この点から取引方法、価格の決まり方、コスト、最低投資額などに差が生まれます。

  • 投資信託: 少額からの積立投資や分配金の自動再投資がしやすく、コツコツと長期的な資産形成を目指す初心者の方に向いています。
  • ETF: 株式のようにリアルタイムで機動的な売買ができ、コストが低い傾向にあるため、自身の判断で取引したい投資経験者や、コストを重視する方に適しています。

どちらが優れているというわけではなく、自身の投資スタイルや目的に合わせて選ぶことが大事です。

また、NISAを活用する場合、まずは「つみたて投資枠」で投資信託から始め、慣れてきたら「成長投資枠」でETFに挑戦するなど、両者を組み合わせることも有効です。

本記事を参考に、自身に合った商品を選び、賢い資産形成の第一歩を踏み出しましょう。

自身の資産状況やリスク許容度から、どのような資産運用が合っているか知りたい方は、ぜひ診断を試してみてください。 

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ご留意事項

  • 本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品の取引を勧誘するものではありません。
  • 本記事の内容は記事公開時または更新時点の情報に基づいています。制度・法令・税制等の変更により、現在の情報と異なる場合があります。
  • 本記事の内容の正確性、完全性、最新性を保証するものではなく、予告なく変更または更新する場合があります。
  • 投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任とご判断のもとで行っていただきますようお願いいたします。

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監修
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。


執筆
西森 遥
  • 西森 遥
  • ファイナンシャルアドバイザー

都留文科大学卒。大和証券株式会社にて、主にリテール営業に従事。株式、投資信託の販売など、資産運用コンサルティング業務に携わる。現在は個人向け資産運用会社にて、運用に関するコンサルティング業務を行っている。顧客に寄り添う営業をモットーとし、特に若い世代へ資産運用の必要性を伝えるべく、日々精力的に活動中。外務員一種保有。