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【最新版】児童扶養手当とは?自分は対象?支給額や所得制限の注意点をわかりやすく解説

【最新版】児童扶養手当とは?自分は対象?支給額や所得制限の注意点をわかりやすく解説

著者: 太田 彩子監修: 村田 淳 (社会保険労務士)2022/04/26
  • #制度

児童扶養手当とはひとり親世帯等に対して手当を支給する制度です。

条件を満たせば誰でも利用できる制度のため、自分が対象であれば申請をしたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

児童扶養手当の申請を検討している人に向けて支給要件や支給金額、所得制限など、知っておくべき概要や注意点を社労士監修のもと、解説していきます。

児童扶養手当とは

児童扶養手当の概要を以下の図で見てみましょう。

児童扶養手当の概要

児童手当・児童扶養手当・特別児童扶養手当の違い

項目/制度

児童手当

児童手当

児童扶養手当

児童扶養手当

特別児童扶養手当

特別児童扶養手当

対象

児童手当

中学校修了前までの児童を養育している人

児童扶養手当

満18歳に達する日以後の最初の年度末まで(障がいがある場合は20歳の誕生日の前日まで)の児童を監護しているひとり親

特別児童扶養手当

身体、知的または精神に障がいのある20歳未満の子どもを養育する保護者

児童扶養手当と似た制度として、児童手当特別児童扶養手当があります。

児童手当が全ての親を対象とするのに対し、児童扶養手当や特別児童扶養手当の場合は「ひとり親かどうか」「子どもに障がいがあるかどうか」が対象となる主な条件になります。

また、対象となる子どもの年齢も異なります。

児童手当は子どもが中学校を修了するまでですが、児童扶養手当と特別児童扶養手当はそれぞれ「満18歳を迎えた年度末」「20歳未満」の子どもが対象となります。

児童扶養手当の支給対象者と支給要件

児童扶養手当の支給対象者と支給要件について、もう少し詳しく確認しましょう。

項目

内容

内容

支給対象者

内容

対象となる児童が満18歳になる年の年度末(3月31日)まで。ただし障がいがある場合は、20歳の誕生日の前日まで)」

支給要件

内容

離婚や死別等により、ひとり親である家庭 ※離婚、死別以外のひとり親の定義は後述します

支給対象者と支給要件

日本国内に住所があり、18歳に達する日以降の最初の3月31日までの児童を監護しているひとり親が対象となります。

それぞれ例外もあり、もし児童に一定の障がいがある場合は「20歳未満」まで延長され、父や母に代わって養育している人がいれば、その人が支給対象者となります。

また、ひとり親の条件は離婚や死別に限定されません。以下の場合もひとり親であると認められるケースがあります。

・父または母に一定の障害がある
・父または母の生死が明らかでない
・父また母が未婚のまま出産した
・父または母が一定期間以上拘禁されている
・父または母がDV保護命令を受けている
・父と母が2人とも不明(孤児など)
・父または母から1年以上遺棄※されている
 ※遺棄とは、児童と同居せず、扶養義務または監督義務をまったく放棄している状態

それぞれの基準を満たす場合、死別や離婚をしていなくても児童扶養手当の支給対象となります。

(参考:00 児扶概要(改正経緯入り)
(参考:ひとり親家庭のお子さんのために(児童扶養手当) - 神奈川県ホームページ

支給されないケース

反対に、以下のケースでは支給の対象外となります。

・住所が日本国内にない
・父または母の配偶者(事実婚を含む)に養育されている※
・里親に委託されている
・児童福祉施設(母子生活支援施設・保育所・通園施設を除く)等に入所している
・母または父が申請者のとき、父または母と生計を同じくしている※
※配偶者に一定の障がいがあるときを除く

(引用:児童扶養手当|札幌市子育てサイト


父や母に代わって養育する人は支給対象でしたが、里親や福祉施設に入所すると対象外になる点に注意しましょう。

また、ひとり親であっても元配偶者と生計を同じくする場合や、新しい配偶者に養育される場合も対象外になります。

事実婚であっても対象外となるのがポイントです。

児童扶養手当の支給額と所得制限の計算

児童扶養手当の月額と計算方法は次のとおりです。

支給額(令和2年4月~)

<下記は神奈川県実施参考>

区分

全額支給

全額支給

一部支給

一部支給

児童1人

全額支給

月額4万3160円

一部支給

月額4万3150円~1万180円

児童2人

全額支給

月額5万3350円

一部支給

月額5万3330円~1万5280円

児童3人目以降

全額支給

3人目から児童1人増すごとに6110円

一部支給

3人目から児童1人増すごとに6100円~3060円

支給額は児童の数によって異なります。

児童1人あたり月額4万3160円が受け取れるのではなく、2人目は1万190円、3人目以降は最大6110円加算されるイメージです(全部支給の場合)。

また、手当は税金の対象にはならず非課税です。

(参考:ひとり親家庭のお子さんのために(児童扶養手当) - 神奈川県ホームページ

所得制限について

児童扶養手当の所得制限限度額

児童扶養手当は扶養人数ごとに所得制限が決められています。前年(1月〜12月)の所得によって、手当の有無や金額が変わるということです。

例えば扶養親族が1人の場合、受給者の前年所得が87万円未満であれば全額受給でき、それを超えても230万円未満であれば、一部を支給することができます。

ここでいう所得とは、収入とは異なります。

所得が87万円の目安となる給与収入は160万円、所得が230万円の目安となる給与収入は365万円です。

なぜこのような違いがあるのでしょうか。

所得金額は

「年間収入額+養育費相当分-必要経費(給与所得控除額等)-8万円(社会・生命保険料相当額)-諸控除」

で求めます。

収入合計から各種控除することで所得が計算されるため、収入よりも低い金額となるのです。

養育費とは父や母から受け取る費用や金品のことで、ここでは80%分を養育費として計算します。

また、諸控除とは収入から差し引くことができる費用のことを指します。

【諸控除の例】
・障がい者控除:27万円
・特別障がい者控除:40万円
・勤労学生控除:27万円
・配偶者特別控除:当該控除額
・医療費控除:当該控除額
※母による受給の場合は、寡婦控除、ひとり親控除は適用されません。また、父による受給の場合は、ひとり親控除は適用されません。(寡婦控除及びひとり親控除は、受給者が養育者の場合及び扶養義務者に対して適用されます。)

(引用:諸控除(令和3年11月分の手当から)|大阪市:児童扶養手当 (金銭的支援 ひとり親の方への金銭的支援)


(参考:令和2年度 児童扶養手当所得制限限度額表|御嵩町

障害基礎年金等受給者に対する令和3年3月分からの変更点

令和3年3月分(令和3年5月支払)から、障害基礎年金等を受給している場合の所得算定方法が変更されました。
下記で変更点を詳しく見てみましょう。

1.児童扶養手当と調整する障害基礎年金等の範囲が変更

児童扶養手当と調整する障害基礎年金等の範囲が変更

ひとり親のご家庭の方へ、大切なお知らせ を参考・加工して作成>

これまで障害基礎年金を受給している人は「子の加算部分を含む障害基礎年金等の全体額が児童扶養手当の額を上回る場合、児童扶養手当を受給できない」という条件がありました。

しかし、令和3年3月に改正されたことにより、障害基礎年金の子の加算部分の金額より児童扶養手当の金額の方が上回った場合、その差額を受給できるようになりました。

比較対象が障害基礎年金全体の金額から障害基礎年金の子の加算部分に変更されたことにより、受給のハードルが下げられたといえます。

ただし、障害基礎年金以外の公的年金等や障害厚生年金(3級)のみを受給している場合は、調整する公的年金等の範囲に変更はありません。


2.支給制限に関する所得の算定が変更

支給制限に関する所得の算定が変更

ひとり親のご家庭の方へ、大切なお知らせ を参考・加工して作成>

同じく令和3年3月分以降の手当について、支給制限に関する所得の算定も変更になりました。

手当の支給にかかる所得制限について、「非課税公的年金給付等」も含まれることになったのです。

非課税公的年金給付等とは、例えば障害年金、遺族年金、労災年金、遺族補償などのことをいいます。

受け取っても税金のかからない年金ではありますが、児童扶養手当の受給を決定する所得を計算する時には、これらの年金額を含めるよう改正されました。

つまり、前年中に非課税公的年金給付等を受給した場合、その金額を含めて所得を判定するという流れになります。

既に受給資格を満たしている場合は、この改正によって特段新たな申請が必要になることはありません。

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児童扶養手当の支給日

児童扶養手当の支給日

児童扶養手当を請求した日が属する月の、次の月から支給が開始します。

支払いは年6回の奇数月で、それぞれ11日に口座へ振り込まれます(自治体によって異なることもあります)。

支払日が土日祝日にあたる場合は、その直前である金融機関営業日が支払日になります。

(参考:大阪府/児童扶養手当

児童扶養手当の申請方法

児童扶養手当を受給するには、申請が必要です。

請求書に加えて各種添付書類が必要となりますが、請求理由によって書類は異なります。
そのため、事前に必要となる書類について市区町村役場の窓口に確認しておきましょう。

請求に基づいて審査が行われ、認定され次第決定通知が送られてきます。

書類に不備がない場合、請求から決定までは約2ヶ月です。
先ほど解説した通り、請求した月の翌月からの手当分が支給されます。

ただし、書類に不備があったり必要書類が漏れていたりすると、その分受給までの期間が空いてしまう点に注意しましょう。

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引き続き受給する場合は現況届を提出

一度認定を受けた方でも、毎年「現況届」を提出する必要があります。

これは所得の状況や養育状況を確認するための書類で、継続して受給要件を満たしているか判断するのに重要となります。

一般的には毎年8月の始めに役所から自宅へ書類が郵送されてきます。

8月1日から8月31日(休日等の場合は翌開庁日)に提出する必要があり、もし提出がなければ11月以降の支給が停止してしまうことになります。

所得や環境が変わっても受給要件を満たすこともあるため、不明な点があれば放置せずに担当窓口に確認しましょう。

(参考:1-神奈川県庁-児童扶養手当パンフ_2

手当の更新をする際は児童扶養手当証書も必要

現況届を出して児童扶養手当の更新をする際には「児童扶養手当証書」が必要になります。

児童扶養手当証書とは、受給が認定された時に支給決定通知書と一緒に送られてくるもので、更新以外の手続きにも必要となります。

つまり、現在の状況と変わる時や更新の際には、いつでも児童扶養手当証書が必要ということです。大切に保管しましょう。

万が一紛失してしまった場合は、速やかに申請を行う必要があります。

住んでいる自治体窓口で「児童扶養手当証書亡失届」等の申請を行うことで、再発行が受けられます。

もし、再発行をしないまま放置してしまうと、更新手続きに遅れが出る可能性も。きちんと保管し、万が一紛失した場合は再発行手続きを行いましょう。

一部支給停止措置になる場合

児童扶養手当の支給が認められた場合でも、通常では手当の受給期間が5年等※1を超えると、手当の2分の1が支給停止となります。

これは、児童扶養手当の目的が「就業・自立に向けた総合的な支援」であり、法律でも「自立を図り家庭の生活と向上に努めなければならない※2」と定められているからです。

ひとり親に対する支援は一時的な経済的支援に留まらず、就業して自立することが最終目的であるため、このような期間が設けられているのです。

※1:手当の認定請求(額改定請求)をした日において3歳未満の児童を監護する場合は、児童が3歳に達した日の属する月の翌月の初日から起算して5年を経過した時
※2:参考:児童扶養手当法第2条(児童扶養手当の趣旨)

適用除外申請できる場合

ただし、下記の条件を満たす場合は一部支給停止措置の例外となり、継続して支給されます。

・就業している
・求職活動や、自立を図るための活動を行っている
・障がいがある
・負傷・疾病などにより就業することが困難
・障がい・負傷・疾病・要介護状態などで介護する必要がある親族がいるため、就労することが困難

一部支給停止措置の対象となる人には、約2ヶ月前に通知が届きます。

自分が適用除外申請できる場合は、必ず期限内に提出しましょう。自身の場合が適用除外にあたるかどうかは、自治体の判断となります。個別にお問い合わせください。

(参考:児童扶養手当|札幌市子育てサイト

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別途手続きが必要なケース

更新や一部支給停止措置以外でも、別途手続きが必要となるケースがあります。

【手続きの例】
・結婚したとき:資格喪失届/額改定(減額)届
・出産などで対象児童が増えたとき:額改定(増額)請求書
・住所、名前、振込先の金融機関などを変えたとき:変更届(住所・受給者氏名・金融機関)
・所得申告を修正したり、扶養義務者と同居・別居したとき:所得状況変更届/支給停止関係発生・消滅・変更届
・転出するとき:転出届

(参考・一部引用:1-神奈川県庁-児童扶養手当パンフ_2

などの手続きが必要になります。
届け出をしないまま手当を受けていると、あとで返還対象になることもあります。

変更事由によって必要となる手続きや書類は異なるため、住んでいる市区町村の窓口に確認しましょう。

まとめ

児童扶養手当の概要についてまとめてきました。

児童手当と違い、主にひとり親に対する支援という点がポイントです。ただし、申請や更新の手続きをしないままでは受給ができません。

該当する場合はしっかり情報を集め、毎年必ず申請をしましょう。

ひとり親家庭への自立支援策は他にもあります。
シングル家庭は経済面以外でも困難に感じる場面がある一方、国や自治体の支援策に気づかないケースもあります。

これらの制度はほとんど申請主義になっているため、積極的に情報を収集したいですね。


(監修協力/unite株式会社


※本記事では一般的な内容を記載しておりますが、自治体により運用が変わることもあります。詳細はご自身の住所の自治体にご確認ください。
※本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合がございます。
※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください。

監修
村田 淳
  • 村田 淳
  • 社会保険労務士/産業カウンセラー

早稲田大学商学部卒業。えん社会保険労務士法人代表。前職15年間で100社近い顧客に対して、労務管理や給与計算のコンサルティングやアウトソーシングサービスに従事した後に独立。独立後は、自身がメンタルを崩した経験から、メンタルヘルスに関わりたいという想いで100時間超のカウンセラー傾聴訓練を積み、産業カウンセラー資格を取得。労働法と心理学の両面から労務管理のアドバイスを行っている。2020年10月、個人事務所を「えん社会保険労務士法人」として法人化。損得よりも縁を大切にすることを事務所の方針として活動している。

著者
太田 彩子
  • 太田 彩子
  • 記者/編集者

京都教育大学卒業。地方自治体にて公務員として「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事。その後、保険代理店にて金融商品の紹介ページ作成に参加。キャリアを生かし、社会保障制度や公的保険、民間保険でバランスよく備える方法を発信。自身も「遠距離結婚」「ハイリスク出産」「小1の壁」で退職した経験から、現在はキャリアとマネープランの両立を目指す女性に向け、LIMO編集部 で金融の情報を広く発信する。

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