

高配当株はおすすめしない?失敗しないために知るべきリスクと要注意銘柄の特徴
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「高配当株はおすすめしないって本当?」「配当金を目的に投資しても大丈夫?」と気になる人もいるでしょう。
結論として、高配当株は、定期的な配当収入を期待できる一方で、必ずしも安定して利益を得られる投資先ではありません。
企業の業績悪化などにより、配当が減る「減配」や、配当がなくなる「無配」となる可能性があります。
また、高配当株は成熟企業が多く、株価の大きな成長を期待しにくい場合があります。さらに、配当金には税金がかかるため、表示上の利回りよりも実際に手元に残る収益は少なくなります。
本記事では、高配当株がおすすめしないといわれる理由や、投資する前に確認したい注意点をわかりやすく解説します。
- 高配当株が「おすすめしない」と言われる具体的な理由
- 買ってはいけない危険な高配当株の7つの特徴
- リスクを抑えて安全な高配当株を選ぶためのポイント
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なぜ「高配当株はおすすめしない」と言われるのか

高配当株が「おすすめしない」と言われるのは、魅力的な利回りの裏に隠されたリスクが存在するからです。
安定した配当収入が期待できる一方で、株価の値上がり益が狙いにくかったり、企業の業績次第では配当が減額される「減配」や停止される「無配」の可能性があったりします。
また、配当利回りが高いというだけで投資判断をすると、業績悪化によって株価が下落した結果、見かけ上の利回りが高くなっている「罠銘柄」を選んでしまう危険性もあります。
これらのリスクを理解せずに投資を始めると、期待した成果が得られない可能性があるため、注意喚起の意味で「おすすめしない」という意見が見られます。


高配当株の特徴
高配当株とは、株価に対して受け取れる年間の配当金の割合(配当利回り)が、市場平均よりも高い水準にある株式のことです。
株式投資で得られる利益には、株価の値上がりによる「キャピタルゲイン(売却益)」と、配当金による「インカムゲイン(配当収入)」の2種類があります。
高配当株投資は、後者のインカムゲインを重視する投資スタイルです。
配当金を多く出す企業は、事業が安定期に入っている「成熟企業」が多い傾向にあります。
急成長を目指す企業は利益を事業拡大のために再投資しますが、成熟企業は成長投資の機会が限られるため、余剰資金を配当として株主に還元するケースが多く見られます。
配当利回りの目安
高配当株に明確な定義はありませんが、一般的に配当利回りが3%以上ある銘柄が目安とされています。
日本取引所グループによると、東証プライム市場の平均配当利回りは約2%前後で推移しているため、3%を超える利回りは相対的に高い水準といえます。
配当利回りは、以下の式で計算されます。
- 配当利回り(%)= 1株あたりの年間配当金 ÷ 株価 × 100
この計算式からわかるように、配当利回りは株価が下落すると上昇します。
そのため、利回りが4%や5%を超えてくると、高配当として注目される一方で、株価下落が原因である可能性も考慮する必要があります。
(参考:株式平均利回り | 日本取引所グループ)
魅力的に見える配当利回りの裏側
高い配当利回りは一見すると魅力的ですが、配当利回りの背景には注意すべき点があります。配当利回りは、株価が下落することでも上昇するためです。
企業の業績が悪化したり、将来性への懸念から株が売られたりすると株価は下落します。その結果、計算上は配当利回りが高くなりますが、これは「見せかけの高利回り」である可能性があります。
業績が悪化している企業は、将来的に配当を維持できなくなり、減配や無配に転じるリスクが高い状態です。
株価下落によって一時的に利回りが高くなっている銘柄は「高配当の罠(Dividend Trap)」と呼ばれます。
利回りの数字だけを見て投資を決めると、配当が減るだけでなく、株価下落による資産価値の減少という二重の損失を被る危険性があります。
投資家が陥りやすい思考の罠
高配当株投資において、投資家が陥りやすい思考の罠は、目先の配当利回りの高さにばかり注目してしまうことです。
定期的に現金収入が得られるという魅力から、「利回りが高いほどよい銘柄だ」と短絡的に判断しがちになります。
しかし、株式投資のトータルリターンは、配当収入(インカムゲイン)と株価の値上がり益(キャピタルゲイン)の合計で決まります。たとえ年4%の配当を受け取っても、株価が10%下落すれば、トータルでは6%のマイナスです。
また、「一度購入すれば放置できる」という手軽さも、裏を返せば企業の業績変化を見逃すリスクにつながります。
高配当を維持できるかどうかは企業の継続的な収益力にかかっているため、定期的な業績チェックを怠ると、気づかないうちに減配リスクが高まっている可能性があります。
利回りの数字だけでなく、当該配当が持続可能かどうかを冷静に分析する視点が不可欠です。
高配当株投資をおすすめしない3つの理由
高配当株投資には、魅力的な配当収入が期待できる一方で、見過ごせない3つの主要なリスクが存在します。
これらが高配当株投資をおすすめしないと言われる主な理由となっています。
- 減配・無配による配当収入の消失:企業の業績悪化などで配当が減ったりなくなったりすると、配当収入の減少に加え、株価下落による損失も発生する可能性がある。
- 株価成長の限定性:高配当株は成熟企業が多く、利益を成長投資より配当に回す傾向があるため、株価の大幅な上昇は狙いにくい。
- 税金による実質利回りの目減り:配当金には原則20.315%の税金がかかるため、受け取った配当を再投資しても複利効果が弱まりやすい。
これらのリスクを理解することは、賢明な投資判断を下す上で不可欠です。
減配・無配による配当収入の消失

高配当株投資における最大のリスクは、企業の業績悪化などにより配当金が減額される「減配」や、支払われなくなる「無配」の可能性です。
配当金は企業の利益から支払われるため、業績が悪化すれば配当を維持できなくなることがあります。
配当を目的としている投資家にとって、減配や無配は期待していた収入が途絶えることを意味します。
さらに、減配や無配が発表されると、当該企業の将来性に対する懸念から株が売られ、株価が急落するケースが少なくありません。その結果、配当収入の減少と、保有資産の価値下落という二重の損失を被る可能性があります。
例えば、2021年に日本たばこ産業(JT)が上場以来初の減配を発表した際には、株価が一時的に大きく下落しました。
株価成長の限定性
高配当株は、株価の大幅な上昇、すなわちキャピタルゲインを狙いにくいという特徴があります。これは、高配当を支払う企業の多くが、すでに事業が安定期に入った成熟企業であるためです。
企業が生み出した利益の使い道は、主に事業への再投資と株主への配当です。成長段階にある企業は、利益の多くを新製品開発や設備投資などの再投資に回し、将来のさらなる成長を目指します。これが株価上昇の原動力となります。
一方、成熟企業は新たな投資機会が限られるため、利益の多くを配当として株主に還元する傾向があります。株主還元を優先する分、事業成長への投資が少なくなり、結果として株価が上がりにくくなるのです。
そのため、配当収入は得られても、資産全体を増やすという点では、成長株投資に劣る可能性があります。
税金による実質利回りの目減り
高配当株投資の効率性を考える上で、税金の問題は避けて通れません。受け取る配当金には、20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金が課されます。
この税金は、資産形成の効率に影響を与えます。例えば、受け取った配当金を再投資して複利効果を狙う場合、税金が引かれた後の金額で再投資することになるため、非課税の場合に比べて資産が増えるスピードが遅くなります。
一方、投資信託では、分配金を出さないタイプの商品を選ぶことで、運用益がファンド内で再投資され、売却時まで課税されずに複利効果を活かせます。
NISA(少額投資非課税制度)の口座を活用すれば、配当金を非課税で受け取ることが可能ですが、NISAには年間の投資上限額や生涯にわたる非課税保有限度額が定められています。
これらの枠を超える投資では、税金の影響を考慮する必要があります。
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買ってはいけない高配当株の7つの特徴

高配当株の中には、一見すると魅力的でも、実際には投資を避けるべき「罠銘柄」が隠されています。これらの銘柄に共通する特徴を知ることで、投資の失敗リスクを減らすことができます。
配当利回りの高さだけでなく、企業の財務状況や業績の安定性など、多角的な視点から銘柄を評価することが欠かせません。
ここでは、中でも注意すべき7つの特徴を解説します。
【買ってはいけない高配当株の特徴】


配当利回りが異常に高い
配当利回りが市場平均を上回り、7%や10%といった異常に高い水準にある銘柄は注意が必要です。高い利回りは、企業の成長性や安定した配当の支払い能力を反映したものではなく、単に株価が急落した結果であることが多いからです。
株価が下落する背景には、業績の悪化や将来性への懸念など、ネガティブな要因が潜んでいる可能性があります。市場が当該企業の将来を悲観的に見ているからこそ株価が下がり、結果として配当利回りが高く見えているのです。
株価下落によって一時的に利回りが高くなっている銘柄は、近い将来に減配や無配に転じるリスクが高く、投資を慎重に検討することが推奨されます。
株価が急落している
直近の株価チャートを確認し、株価が急落している、あるいは長期的な下落トレンドにある銘柄は避けるべきです。株価の急落は、市場が当該企業に対して何らかのネガティブな評価を下しているサインです。
株価が下がることで配当利回りは見かけ上高くなりますが、株価下落の背景には業績の悪化や不祥事、業界全体の不振といった問題が隠れていることが少なくありません。「株価が下がって割安になった」と安易に判断するのは危険です。
株価下落の根本的な原因を調べ、それが一時的なものか、構造的な問題かを慎重に見極める必要があります。
構造的な問題を抱えている場合、さらなる株価下落や減配のリスクが想定されます。
配当性向が100%を超えている
配当性向は、企業が稼いだ利益(当期純利益)のうち、どれだけの割合を配当金の支払いに充てているかを示す指標です。
この数値が100%を超えている場合、企業は利益以上の金額を配当として支払っていることになり、配当性向が100%を超える状態は持続可能とはいえません。
配当性向が100%を超えるということは、過去に蓄積した利益(利益剰余金)を取り崩したり、資産を売却したりして配当の原資を捻出している可能性があります。
無理な配当は長続きせず、いずれ減配や無配に追い込まれるリスクが高いです。
健全な配当性向の目安は業種にもよりますが、一般的には30%〜50%程度とされています。
配当性向が高くなるほど業績悪化時に減配となりやすく、80%を超えるような水準では特に注意が必要です。100%を超えている銘柄への投資は慎重に判断する必要があります。
特別配当・記念配当がある
企業の創立記念や一時的な業績好調を理由に、通常の配当(普通配当)に上乗せして支払われるのが「特別配当」や「記念配当」です。これらは当該期限りの一時的なものであるため、翌年以降は支払われない可能性が高いです。
配当利回りを計算する際、この一時的な配当が含まれていると、見かけ上の利回りが実態よりも高く算出されてしまいます。
例えば、普通配当が40円、記念配当が20円で株価が1500円の場合、合計配当60円で計算すると利回りは4%ですが、翌年に記念配当がなくなれば、利回りは2.67%に低下します。
安定した配当収入を期待する場合、投資判断は普通配当のみを基準に行うべきです。
企業のIR情報などで配当の内訳を確認し、一時的な要因で利回りが高くなっていないかを見極めることが欠かせません。
営業利益・経常利益が減少傾向
配当金の原資は企業の利益です。そのため、企業の収益力が低下している場合、将来的に配当を維持できなくなるリスクが高まります。
中でも、本業の儲けを示す「営業利益」や、本業に財務活動なども加えた会社全体の収益力を示す「経常利益」が減少傾向にある企業は注意が必要です。
一時的な要因で純利益が落ち込むことはあっても、営業利益や経常利益が数年にわたって減少し続けている場合、当該企業のビジネスモデルや競争力に構造的な問題がある可能性が考えられます。
高配当を維持するために無理をしている企業は、いずれ限界が来ます。
投資を検討する際は、少なくとも過去5年程度の業績推移を確認し、売上や利益が安定しているか、あるいは成長しているかを確認することが不可欠です。
景気敏感セクターに偏っている
鉄鋼、化学、海運といった業種は「景気敏感セクター」と呼ばれ、景気の動向によって業績が変動しやすい特徴があります。
好景気の時には利益を上げて高い配当を出すことがありますが、不景気になると業績が急激に悪化し、減配や無配に転じるリスクが高まります。
安定した配当収入を長期的に得たい場合、景気敏感セクターの銘柄だけに集中投資するのは避けるべきです。
一方で、食品、医薬品、通信、電力・ガスといった「ディフェンシブセクター」は、景気の変動にかかわらず需要が安定しているため、業績や配当も比較的安定しやすい傾向があります。
ポートフォリオを組む際には、特定のセクターに偏らず、景気敏感セクターとディフェンシブセクターをバランスよく組み合わせることで、景気変動に対するリスクを分散させることが肝となります。
財務健全性が低い
企業の財務健全性が低い場合も、高配当を維持する力に欠けるため注意が必要です。財務の健全性を測る指標としては、自己資本比率や有利子負債、キャッシュフローなどがあります。
例えば、有利子負債が多い企業は、金利の支払い負担が重く、業績が悪化した際に資金繰りが厳しくなりやすいです。
また、事業活動による現金の出入りを示す「営業キャッシュフロー」がマイナス続きの企業は、本業で現金を稼げていないことを意味し、配当の原資が枯渇する恐れがあります。
自己資本比率が同業他社と比べて低い(負債の割合が高い)企業も、財務基盤が脆弱であるといえます。
これらの財務指標を確認し、安定した財務基盤を持つ企業を選ぶことが、長期的に安定した配当を得るための重要なポイントです。
年代別・高配当株への考え方

高配当株投資へのアプローチは、年代やライフステージによって異なります。
若い世代では資産全体の成長を優先し、年齢を重ねるにつれて安定した収入源としての役割を重視するなど、自身の状況に合わせた戦略を立てることが必須です。
ここでは、年代別に高配当株投資をどのように位置づけるべきかを解説します。
20代は資産形成を優先する
20代は、投資に時間をかけられるという最大の強みがあります。この時期は、配当による短期的な収入よりも、長期的な資産の成長を優先するのが合理的です。
高配当株は株価の成長が限定的であるため、ポートフォリオの主軸に据えるのは効率的とはいえません。
むしろ、全世界株式や米国株式のインデックスファンドなど、長期的に高い成長が期待できる資産への投資を優先すべきです。複利効果を最大限に活かすことで、将来的に資産を築く土台を作ることができます。
高配当株に興味がある場合でも、まずは少額から始めるか、資産形成が進んだ将来の選択肢として考えておくのがよいでしょう。
30代は目的に応じて一部組み入れる
30代は、キャリアやライフプランがある程度固まり、資産形成を本格化させる時期です。この年代でも、基本的には20代と同様に資産成長を重視したポートフォリオが推奨されます。
ただし、投資経験を積むという意味合いや、将来の配当生活に向けた準備として、ポートフォリオの一部に高配当株を組み入れることを検討してもよいでしょう。
例えば、資産の10%〜20%程度を高配当株に配分し、実際に配当金を受け取る経験をすることで、投資へのモチベーションを高める効果も期待できます。
あくまで主軸はインデックス投資などの成長資産に置きつつ、サテライト(補助的)な位置づけで高配当株を活用するのがバランスの取れた考え方です。
40代は配当収入と資産成長のバランスを考える
40代は、老後を見据えた資産形成がより現実的な課題となる時期です。この年代では、これまでの資産成長を継続しつつ、将来の安定収入源の確保も視野に入れる必要があります。
そのため、ポートフォリオにおける高配当株の比率を徐々に高めていくことを検討します。
例えば、資産の30%〜40%を高配当株や高配当ETFに配分し、配当収入と資産成長のバランスを取る戦略が有効です。
受け取った配当金を再投資することで、複利効果を活かしながら配当を生み出す資産を育てていくことができます。
NISA口座を積極的に活用し、非課税の恩恵を受けながら効率的に資産を増やすことも欠かせません。
50代以降は安定収入として活用を検討する
50代以降、退職が近づくにつれて、資産運用の目的は「資産を増やす」ことから「資産を守りながら活用する」ことへとシフトしていきます。この段階では、高配当株はポートフォリオの重要な柱となり得ます。
公的年金の受給開始までのつなぎ資金や、年金に上乗せする生活費として、安定した配当収入は役割を果たします。リスク許容度に応じて、ポートフォリオにおける高配当株の比率を50%程度まで高め、安定したキャッシュフローを確保することも選択肢となります。
ただし、退職金などのまとまった資金を一度に特定の高配当株に投じるのはリスクが伴います。複数の銘柄や高配当ETFに分散投資し、減配リスクに備えることが不可欠です。
この年代では、リターンを狙うよりも、着実にインカムを得る「守りの運用」が基本となります。
高配当株投資に向いていない人の特徴
高配当株投資は、安定したインカムゲインを狙える一方で、すべての人に適した投資手法ではありません。自身の投資目的や性格、資産状況によっては、他の投資方法のほうがよい結果をもたらす可能性があります。
ここでは、高配当株投資があまり向いていない人の特徴を具体的に解説します。


短期で資産を何倍にも増やしたい人
高配当株は、事業が成熟期にある安定企業が多いため、株価が短期間で数倍になるといった急激な成長は期待しにくいです。
そのため、株式投資で値上がり益(キャピタルゲイン)を狙い、短期的に資産を増やしたいと考えている人には不向きです。
短期的な利益を狙う投資家は、高配当株よりも、新しい技術やサービスで市場を拡大している成長株(グロース株)への投資のほうが適している可能性があります。
高配当株投資は、基本的に長期保有を前提としたコツコツ型の戦略であり、短期的な売買で利益を追求するスタイルとは異なります。
個別企業分析に時間をかけたくない人

安全な高配当株を選ぶためには、配当利回りの高さだけでなく、企業の業績や財務状況、配当方針などを分析し、当該配当が持続可能かを見極める必要があります。
これには、決算短信や有価証券報告書を読み解くといった、ある程度の時間と手間がかかります。
投資にあまり時間をかけたくない人や、個別企業の分析が苦手な人にとって、高配当の個別株投資は負担が大きいかもしれません。
時間をかけられない場合、1本で複数の高配当株にまとめて分散投資できる「高配当株ETF」や、市場全体に投資する「インデックスファンド」などを活用するほうが、手間をかけずにリスクを抑えた運用が期待できます。
若い世代で資産形成を最優先したい人
20代や30代といった若い世代は、長期的な視点で資産形成に取り組める「時間」というアドバンテージを持っています。
この時期は、安定した配当収入を得ることよりも、資産全体の成長を最大化することを優先すべきです。
高配当株は株価の成長が限定的であるため、長期的な複利効果を最大限に活かすという観点では、成長株やインデックスファンドに劣る可能性があります。運用資金がまだ少ない段階では、高配当株から得られる配当金も少額になりがちです。
まずは成長が期待できる投資対象で資産の土台を築き、資産規模が増えた将来の段階で、安定収入源として高配当株をポートフォリオに加えていくという戦略が合理的です。
高配当株へ投資をする際におさえたいポイント

高配当株投資にはリスクが伴いますが、ポイントをおさえて慎重に銘柄を選べば、安定した資産形成の手段となり得ます。
重要なのは、高配当株を単体で見るのではなく、自身の資産全体のバランスの中でどう位置づけるかを考えることです。
また、便利な金融商品を上手く活用することで、個別株投資のデメリットを補うことも可能です。ここでは、高配当株へ投資する際に実践したい4つのポイントを解説します。


ポートフォリオの一部として活用する
高配当株投資でリスクを管理する上で重要なのは、資産のすべてを高配当株に集中させないことです。高配当株は、あくまで自身の投資ポートフォリオを構成する要素の1つとして捉えるべきです。
例えば、資産成長を狙う「コア(核)」としてインデックスファンドを据え、安定した配当収入を得るための「サテライト(衛星)」として高配当株を組み合わせる、といった考え方があります。
年齢やリスク許容度に応じて、高配当株の比率を調整することで、資産全体のバランスを取ることができます。
特定の銘柄やセクターに偏らず、分散を意識することが、安定した資産運用につながります。
高配当株ETFで分散リスクを抑える
個別銘柄の分析に時間をかけられない、あるいはどの銘柄を選べばよいか分からないという投資初心者にとって、高配当株ETF(上場投資信託)が有力な選択肢となります。
高配当株ETFは、複数の高配当株をパッケージ化した金融商品です。1つのETFに投資するだけで、自動的に数十から数百の銘柄に分散投資できるため、個別株の選定の手間が省ける上に、1つの企業が減配した際の影響を小さく抑えることができます。
ただし、ETFには信託報酬という運用コストがかかる点や、自分で銘柄を選ぶ楽しみがなくなる点はデメリットといえます。
手軽に分散投資を始めたい場合には、高配当株ETFの活用を検討してみましょう。
財務健全性をスクリーニングで確認する
安全な高配当株を選ぶためには、企業の財務健全性を確認することが不可欠です。証券会社の提供するスクリーニングツールを使えば、特定の条件に合致する銘柄を効率的に探し出すことができます。
具体的には、以下のような基準でスクリーニングを行うとよいでしょう。
- 配当利回り: 3%〜4%程度を目安に、高すぎない範囲で設定します。
- 配当性向: 30%〜50%程度を目安とし、100%を超える銘柄や高すぎる銘柄は除外します。
- 業績: 過去数年間の売上や営業利益が安定しているか、成長傾向にある企業を選びます。
- 自己資本比率: 財務の安定性を示す指標で、高いほど健全です。
- 連続増配年数: 10年以上など、長期にわたり増配を続けている企業は信頼性が高いといえます。
これらの条件を組み合わせることで、危険な「罠銘柄」を避け、安定した配当が期待できる優良な企業を見つけやすくなります。
NISA口座で税金を非課税にする
高配当株投資を行う上で、NISA(少額投資非課税制度)の活用は有効な選択肢と考えられます。通常、配当金には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内で得た配当金は全額非課税になります。ただし、配当金を非課税で受け取るには、受取方法を証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。
2024年から始まった新しいNISAでは、個別株に投資できる「成長投資枠」が年間240万円、生涯で最大1200万円まで利用可能です。
この枠内で高配当株を保有すれば、受け取る配当金がまるごと手取りとなり、実質的な利回りを大幅に向上させることができます。
例えば、配当利回り4%の株を100万円分保有した場合、年間の配当金は4万円です。課税口座では税金が約8000円引かれますが、NISA口座なら4万円をそのまま受け取れます。
この差は長期的に見ると大きく、再投資に回すことで複利効果も高まります。高配当株投資を始めるなら、まずはNISA口座の開設を検討しましょう。
高配当株に関するよくある質問
高配当株投資を検討する上で、多くの人が抱く疑問があります。
ここでは、中でも代表的な2つの質問「月10万円の配当金を得るために必要な資金額」「そもそも高配当株は買うべきか」について、専門家の視点から分かりやすく回答します。


Q. 高配当株で月10万円もらうにはいくら必要?
月10万円、つまり年間120万円の配当金を得るために必要な資金額は、投資する銘柄の配当利回りによって変わります。
- 配当利回り3%の場合: 4000万円
- 配当利回り4%の場合: 3000万円
- 配当利回り5%の場合: 2400万円
ただし、これは税引き前の金額です。配当金には20.315%の税金がかかるため、手取りで月10万円(年間120万円)を受け取るには、税引き前で約150万円の配当が必要になります。
その場合、配当利回り4%の銘柄であれば、必要な投資元本は約3750万円となります。
NISA口座を活用すれば配当金が非課税になるため、必要な元本を抑えることができますが、投資上限額がある点に注意が必要です。
Q. 高配当株は買うべきか?
高配当株を買うべきかどうかは、個々の投資家の目的、年齢、リスク許容度によって異なります。万人にとっての正解はありません。
<向いている人の例>
- 定期的なキャッシュフロー(配当収入)を重視する人
- 退職後の生活資金など、安定した収入源を確保したい50代以降の人
- 長期保有を前提とし、短期的な株価変動に一喜一憂しない人
<向いていない人の例>
- 短期間で資産を増やしたい人
- 資産形成の初期段階にある20代〜30代の若い世代
- 個別企業の業績や財務を分析する時間がない、または苦手な人
結論として、高配当株はポートフォリオの一部として、リスクを理解した上で活用する分には有効な選択肢です。
しかし、資産のすべてを高配当株に集中させることは、リスク管理の観点から慎重な判断が求められます。
自身の投資戦略全体の中で、高配当株をどのように位置づけるかを考えることが欠かせません。
まとめ

高配当株投資は、安定した配当収入という魅力がある一方で、「おすすめしない」と言われるだけの理由、すなわち減配リスクや株価成長の限定性といったデメリットも存在します。
中でも、配当利回りが異常に高い、配当性向が100%を超えているといった特徴を持つ銘柄は、将来的に配当を維持できなくなる可能性が高く、注意が必要です。
安全に高配当株投資を行うためには、利回りの数字だけでなく、企業の業績安定性や財務健全性を確認することが不可欠です。
また、自身の投資目的や年代に合わせて、高配当株をポートフォリオの一部として活用する視点が重要になります。
個別銘柄の選定が難しい場合は、高配当株ETFを利用して手軽に分散投資を始めるのも1つの方法です。
最終的には、高配当株のリスクとメリットを天秤にかけ、自身の投資戦略に合致するかどうかを慎重に判断することが、投資の成功可能性を高めるための重要な要素となります。
高配当株投資は魅力的な選択肢ですが、リスクも伴います。自身の投資スタイルや目的に合っているか不安な方は、一度専門家のアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか。
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監修

金子 賢司
- ファイナンシャルプランナー/CFP®認定者
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信中。
執筆

マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。







