年金を増やす方法・完全ガイド|職業別の賢い上乗せ術&60歳以降の対策
≫老後の不足額はいくら?あなたのケースで診断
「老後の生活を支える年金を増やす方法はないの?」とお考えではありませんか?
人生100年時代といわれる現代において、年金は老後生活の重要な基盤です。しかし、公的年金だけでは不安を感じる方も少なくありません。
本記事では、職業や年齢に合わせて、賢く年金を増やすための具体的な方法を紹介します。自分に最適な方法を見つけ、安心して豊かなセカンドライフを送るための準備を始めましょう。
- 年金を増やすための3つの基本的な考え方
- 誰でも利用できる「繰下げ受給」の仕組みと損益分岐点
- 職業別(会社員・自営業者など)におすすめの上乗せ制度
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増やす方法には大きく3つの方向性がある
老後の年金を増やすためのアプローチは、3つの方向性があります。それは「受け取るタイミングを工夫する」「加入している公的年金の金額を底上げする」「公的年金とは別に私的年金を準備する」という考え方です。
これらの方法は、単独で行うだけでなく、複数組み合わせることでより効果を高めることができます。将来のライフプランや働き方、経済状況に合わせて、どの方法が最適かを見極めることが重要です。
受取時期の工夫で増やす
年金の受給開始時期を本来の65歳から遅らせる「繰下げ受給」は、誰でも利用でき、かつ年金を大きく増やすことのできる選択肢です。
受給開始を1ヶ月遅らせるごとに年金額が0.7%ずつ増額され、最大で75歳まで繰り下げることで84%も年金額を増やすことができます。この増額率は生涯にわたって適用されるため、長生きに備える上で有効な手段となります。
ただし、繰り下げている期間は年金を受け取れないため、その間の生活費をどう確保するかが重要なポイントになります。
公的年金の底上げで増やす
現在加入している、あるいは過去に加入していた国民年金や厚生年金そのものの金額を増やす方法です。
具体的には、会社員や公務員の方が60歳以降も厚生年金に加入して働き続けることで加入期間を延ばしたり、国民年金保険料の免除・納付猶予期間がある場合に後から納付する「追納制度」を利用したりする方法があります。
また、自営業者などが利用できる「付加年金」のように、毎月の保険料に少額を上乗せして将来の受給額を増やす制度も用意されています。
60歳時点で国民年金保険料の納付月数が480ヶ月に満たない場合には、60歳以降も国民年金に「任意加入」すれば、老齢基礎年金を満額に近づけることができます。
私的年金で上乗せする
公的年金とは別に、個人で準備する「私的年金」を活用して、老後の収入の柱を増やす方法です。代表的なものに、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「国民年金基金」があります。
これらの制度は、掛金が所得控除の対象になるなど税制上の優遇措置が設けられており、効率的に老後資金を準備することができます。
iDeCoは運用成績によって将来の受取額が変動する一方、国民年金基金は将来受け取る年金額が確定しているなど、それぞれ特徴が異なります。
【早見表】職業別・使える制度一覧
年金を増やす方法は、職業によって利用できる制度が異なります。以下の表で、主な職業別に利用可能な制度をまとめました。
ご自身の状況と照らし合わせて、どの制度が活用できるかを確認してみましょう。
※1:パートなどで厚生年金の加入要件を満たした場合に利用可能
※2:60歳以上65歳未満で、納付期間が40年に満たない場合などに利用可能
※3:原則加入不可(ただし、60歳以降に任意加入制度を利用している期間は加入可能)
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年金を増やす具体的な方法
大まかな「方向性」を確認したところで、次は年金を増やす具体的な方法について見ていきましょう。ここでは5つの方法を解説します。
1. 【誰でも検討可能】「繰下げ受給」で最大84%増額を狙う
年金を増やす基本的な方法は、受給開始時期を遅らせる「繰下げ受給」です。その制度は、職業に関わらず、老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給資格がある方なら誰でも検討できます。
65歳から受け取らずに待機することで、将来受け取る年金額を確実に増やすことができ、その効果は生涯続きます。長寿化が進む現代において、長生きリスクに備えるための有効な手段として注目されています。
繰下げ受給の仕組みと増額率
繰下げ受給は、老齢年金の受給開始を66歳から75歳までの間で遅らせることができる制度です。受給開始を1ヶ月遅らせるごとに、年金額が0.7%ずつ増額されます。
例えば、70歳まで5年間繰り下げると年金額は42%(0.7% × 60ヶ月)増額され、上限である75歳まで10年間繰り下げると、最大で84%(0.7% × 120ヶ月)もの増額になります。その増額率は一度選択すると生涯変わることはありません。
なお、老齢基礎年金と老齢厚生年金は、それぞれ別々に繰り下げることも、同時に繰り下げることも可能です。
ただし、昭和27年4月1日以前に生まれた方などは、繰下げの上限年齢が70歳までとなり、増額率も最大42%となる点に注意が必要です。
繰下げ受給の損益分岐点はどこ?何歳まで生きれば得をする?
繰下げ受給を検討する際に気になるのが、「何歳まで生きれば65歳から受給するよりも得になるのか」という損益分岐点です。繰り下げた場合、受給を開始するまでの期間は年金を受け取れないため、その期間の受給額を増額分で取り戻す必要があります。
計算上、65歳からの通常受給と比較した場合の損益分岐点は以下のようになります。
- 70歳から繰下げ受給を開始した場合:81歳11ヶ月
- 75歳から繰下げ受給を開始した場合:86歳11ヶ月
つまり、70歳に繰り下げた方は81歳11ヶ月より長く生きれば、65歳から受給を開始した人よりも生涯で受け取る年金総額が多くなります。
厚生労働省の「令和6年簡易生命表」によると、65歳時点での平均余命は男性が約19.5年(約84歳)、女性が約24.4年(約89歳)です。このデータを参考にすると、多くの方が損益分岐点を超える可能性があり、繰下げ受給は長生きリスクに備える有効な選択肢といえるでしょう。
繰下げ受給のデメリットと注意点
繰下げ受給は年金額を増やせるメリットがありますが、いくつかの注意点も存在します。
第1に、繰下げ待機期間中は、65歳未満の配偶者や18歳未満の子がいる場合に支給される「加給年金」を受け取ることができません。
加給年金は増額の対象にもならないため、対象となる家族がいる場合は慎重な判断が必要です。
第2に、年金額が増えることで所得が増加し、所得税や住民税、介護保険料、国民健康保険料などの社会保険料の負担が増える可能性があります。これにより、手取り額の増加が思ったほどではないケースも考えられます。
さらに、66歳以降に遺族年金など他の公的年金を受け取る権利が発生した場合、その時点で繰下げの増額率が固定されてしまいます。
また、厚生年金基金や企業年金連合会から年金を受け取っている場合、老齢厚生年金を繰り下げると、これらの年金も同時に繰り下げとなるのが一般的です。
これらの点を総合的に考慮し、ご自身の家族構成や経済状況に合った選択をすることが欠かせません。
2. 【会社員・公務員向け】厚生年金を増やすテクニック
会社員や公務員の方が加入する厚生年金は、加入期間が長く、現役時代の収入が高いほど受給額が増える仕組みです。そのため、60歳以降も働き続けることは、年金を増やすための直接的で効果的な方法となります。
法改正により高齢者が働きながら年金を受給しやすい環境が整いつつあります。ご自身のキャリアプランと合わせて、長く働くことを検討してみましょう。
60歳以降も働く:長期加入と経過的加算
厚生年金は70歳まで加入することが可能です。60歳以降も会社員などとして働き、厚生年金保険料を納め続けることで、老齢厚生年金の受給額を増やすことができます。
65歳以降も厚生年金に加入している場合、毎年9月1日を基準日として、それまでの加入実績を反映して年金額が改定される「在職定時改定」という仕組みがあります。これにより、退職を待たずに、働いた分が翌月の10月分の年金から反映されるようになりました。
また、厚生年金の加入期間が40年(480ヶ月)に満たない方で、20歳未満や60歳以降に厚生年金に加入した期間がある場合には、「経過的加算」が老齢厚生年金に上乗せされることがあります。これは、特別支給の老齢厚生年金の定額部分と老齢基礎年金の差額を調整するための経過措置で、一定の条件を満たすと年金額が増える仕組みです。
働き損を防ぐ:「在職老齢年金」の壁に注意
60歳以降も厚生年金に加入しながら働く場合、「在職老齢年金」制度に注意が必要です。その制度は、老齢厚生年金の月額(基本月額)と、給与や賞与を基に計算される「総報酬月額相当額」の合計が一定の基準額を超えると、年金の一部または全部が支給停止される仕組みです。
2025年度の基準額は51万円です。合計額が51万円を超えた場合、超えた額の半分が年金から支給停止されます。その仕組みにより、収入が増えても手取りが思うように増えない「働き損」の状態になる可能性があります。
ただし、その基準額は法改正により引き上げられる予定です。
2026年4月からは、この基準額が月額62万円に引き上げられる予定で、実現すればより多くの人が年金の支給停止を気にせずに働けるようになります。高齢者の就労意欲を後押しするための見直しであり、今後の動向に注目が集まります。
3. 【自営業・フリーランス向け】国民年金に上乗せする制度
自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者は、会社員と異なり厚生年金がないため、老後の備えが老齢基礎年金のみとなりがちです。その不足分を補うため、国はいくつかの公的な上乗せ制度を用意しています。
これらの制度を活用することで、将来の年金額を手厚くし、より安定した老後生活を目指すことが可能です。
保険料月400円の「付加年金」
付加年金は、国民年金第1号被保険者及び65歳未満の任意加入被保険者が利用できる、手軽な年金上乗せ制度です。毎月の国民年金保険料に加えて月額400円の付加保険料を納めることで、将来受け取る老齢基礎年金に「200円 × 付加保険料を納めた月数」の金額が上乗せされます。
例えば、20年間(240ヶ月)付加保険料を納付した場合、納付総額は9万6000円ですが、年金額は毎年4万8000円(200円 × 240ヶ月)増えます。つまり、年金の受給を2年間続ければ、支払った保険料の元が取れる計算になり、効率のいい制度です。
ただし、後述する「国民年金基金」に加入している場合は、付加年金に加入することはできません。どちらか一方を選択する必要があります。申し込みは市区町村の役場や年金事務所で行えます。
「国民年金基金」で終身年金を確保
国民年金基金は、自営業者やフリーランスなど国民年金第1号被保険者のための公的な年金制度で、老齢基礎年金に上乗せする年金を用意できます。会社員の厚生年金のように、老後の所得保障を手厚くすることを目的としています。65歳未満の任意加入被保険者も加入できます。
国民年金基金制度の大きな特長は、生涯にわたって受け取れる終身年金が基本であることです。掛金は加入時の年齢や性別、選択するプランによって決まり、月額6万8000円(iDeCoに加入している場合にはiDeCoと合せて6万8000円)を上限に自由に設定できます。
また、支払った掛金は全額が社会保険料控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を軽減しながら老後資金を準備できる税制上のメリットもあります。
ただし、付加年金との同時加入はできず、一度加入すると原則として自己都合での脱退はできない点に注意が必要です。
4. 【運用で増やす】iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用
iDeCo(イデコ)は、自分で掛金を拠出し、自分で選んだ金融商品で運用して老後資金を準備する私的年金制度です。公的年金に上乗せする形で、会社員、自営業者、専業主婦など幅広い方が加入できます。
運用成果によって将来の受取額が変わるため、投資の知識も必要になりますが、税制上のメリットが大きく、効率的な資産形成を目指せるのが最大の魅力です。
iDeCoの3つの強力な節税メリット
iDeCoには、資産形成を後押しする3つの強力な税制優遇措置があります。
- 掛金が全額所得控除の対象になる:毎月支払う掛金の全額がその年の所得から控除されるため、所得税と住民税が軽減されます。これは、現役時代の税負担を直接的に軽くする大きなメリットです。
- 運用益が非課税になる:通常、投資信託などの金融商品で得た利益(運用益)には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoの口座内での運用益はすべて非課税となります。再投資に回せる金額が増えるため、複利効果を最大限に活かすことができます。
- 受け取るときも控除が適用される:60歳以降に年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」という大きな控除が適用され、税負担が軽減されます。
これらの税制メリットを活かすことで、他の金融商品で運用するよりも効率的に老後資金を準備することができます。
NISAとiDeCo、老後資金目的ならどっち?
老後資金準備としてよく比較されるNISAとiDeCoですが、それぞれに特徴があり、目的や年齢によって最適な選択は異なります。
iDeCoは、掛金が全額所得控除になるため、所得税・住民税を納めている現役世代にとっては節税効果が高い制度です。しかし、原則60歳まで資金を引き出せないという制約があります。
一方、NISAは運用益が非課税になる点は共通していますが、所得控除はありません。その代わり、いつでも自由に資金を引き出すことができる流動性の高さが魅力です。
老後資金作りを目的として長期的にコツコツ積み立てたい現役世代であれば、節税効果の大きいiDeCoが適しています。
なお、専業主婦など所得税を払っていない方はiDeCoの所得控除の恩恵を受けられないため、税制上のメリットの現れ方は異なります。ライフイベントに合わせて資産を使う可能性がある場合などは、引き出しをしやすいNISAが有利でしょう。
5. 【納付期間不足の人】60歳からの「任意加入制度」を利用
国民年金の保険料納付期間が40年(480ヶ月)に満たない場合、65歳になっても老齢基礎年金を満額で受け取ることができません。また、受給資格期間である10年に満たない場合は、年金そのものを受け取ることができません。
そうした方々のために、60歳以降も国民年金に加入して保険料を納めることで、年金額を増やしたり、受給資格を満たしたりすることができる「任意加入制度」が設けられています。
任意加入の要件とメリット
国民年金の任意加入制度を利用するには、いくつかの要件をすべて満たす必要があります。
【任意加入の主な要件】
- 日本国内に住む60歳以上65歳未満であること
- 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていないこと
- 保険料の納付月数が480月(40年)未満であること
- 厚生年金保険などに加入していないこと
この制度のメリットは、第1に老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たせる点です。あと少しで受給資格に届かないという方は、この制度を利用することで年金を受け取れるようになります。
第2に、納付期間を40年に近づけることで、将来受け取る年金額を満額に近づけることができます。納付した分だけ年金額は確実に増えるため、老後の収入を底上げする有効な手段です。申し込みは、お住まいの市区町村役場や年金事務所で行うことができます。
「追納制度」との違いと優先順位
任意加入制度と似た制度に「追納制度」があります。両者は年金保険料を後から納める点で共通していますが、対象となる期間と目的が異なります。
- 追納制度:過去10年以内に、保険料の免除や納付猶予、学生納付特例の承認を受けた期間の保険料を後払いする制度です。目的は、免除等によって減額された年金額を満額に回復させることです。
- 任意加入制度:60歳以降に、将来に向かって新たに保険料を納付する制度です。目的は、60歳時点で不足している納付期間を補い、年金額を増やすことです。
いずれも利用できる場合、どちらを優先すべきかは一概にはいえず、個々の状況によって判断が分かれます。
追納は過去の免除・猶予期間をさかのぼって埋めるものであり、免除・猶予の承認から10年という期限があります。また、保険料の免除・猶予の承認から3年度目以降に追納する場合、当時の保険料に加算額が上乗せされるため、追納するのであれば早めに納付するほうが有利です。
一方、免除期間が多い場合などでは、任意加入を優先した方が有利なケースもあります。全額免除の期間は老齢基礎年金の2分の1がすでに反映されているため、追納によって増える年金額は残りの2分の1にとどまります。そのため、任意加入によって保険料を納めた方が、将来の年金額を大きく増やせる可能性があります。
どちらが適しているか判断に迷う場合には、年金事務所などで個別に確認し、自身の状況に応じて検討するとよいでしょう。
まずは「ねんきん定期便」「ねんきんネット」で自分の年金を知ることから
年金を増やすための具体的な行動を起こす前に、まずはご自身の現状を正確に把握することが不可欠です。そのために役立つのが、日本年金機構から毎年送られてくる「ねんきん定期便」と、オンラインで年金記録を確認できる「ねんきんネット」です。
「ねんきん定期便」には、これまでの保険料納付額や年金加入期間、そして将来受け取れる年金の見込額が記載されています。50歳以上の方に送られるものには、65歳から受給を開始した場合のより詳細な見込額が記載されており、老後設計の重要な資料となります。
さらに詳細な情報をいつでも確認したい場合は、「ねんきんネット」を利用するとよいでしょう。登録すれば、パソコンやスマートフォンから24時間いつでも自身の年金記録を照会でき、将来の年金額のシミュレーションも可能です。これらのツールを活用して年金の現状を把握し、どのくらい増やす必要があるのかを考えることから始めましょう。
年金を増やす方法に関するQ&A
ここでは、年金を増やす方法に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q. 60歳を超えても年金を増やす方法はある?
はい、60歳を超えてからも年金を増やす方法は複数あります。
会社員として働き続ける場合は70歳まで厚生年金に加入でき、働いた分だけ年金額が増えます。また、国民年金の納付期間が40年に満たない方は、65歳まで任意加入して老齢基礎年金を満額に近づけることが可能です。
さらに、年金の受給開始を66歳以降に遅らせる「繰下げ受給」を選択すれば、受給額を最大84%まで増やすことができます。
Q. 専業主婦が年金を増やす方法はある?
はい、専業主婦(主夫)の方でも年金を増やす方法はあります。
国民年金の納付期間が40年に満たない場合は、60歳から任意加入が可能です。また、パートタイマーとして働き、厚生年金の加入要件を満たせば、将来老齢厚生年金も受け取れます。
さらに、税制優遇のあるiDeCoやNISAを活用して私的年金を準備する方法や、受給開始を遅らせる「繰下げ受給」も有効な選択肢です。
Q. 年金生活者支援給付金制度で年金が増える?
年金生活者支援給付金は、年金そのものを増やす制度ではありません。これは、公的年金等の収入や所得が一定基準額以下の方の生活を支援するために、年金に上乗せして支給される給付金です。
消費税率の引き上げ分が財源となっており、老齢・障害・遺族基礎年金の受給者が対象です。支給要件を満たすと、国民年金保険料の納付月数等に応じた給付金が支給されます。例えば保険料を480ヶ月納めた人の場合、給付金の額は月額5450円(令和7年度)です。
あくまで支援のための給付金であり、年金の受給額自体が増額されるわけではない点に注意が必要です。
まとめ
老後の年金を増やすためには、状況に合わせてさまざまな制度を賢く活用することが欠かせません。年金の受給開始を遅らせる「繰下げ受給」は誰にでも使える強力な手段ですが、その間の生活費の確保が課題となります。
会社員の方は60歳以降も厚生年金に加入して働くことで、自営業の方は付加年金や国民年金基金を利用することで、公的年金を手厚くできます。また、iDeCoやNISAといった私的年金を活用すれば、税制優遇を受けながら効率的に資産を形成することが可能です。
まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で自分の年金見込額を確認し、目標額との差を把握することから始めましょう。本記事で紹介した方法を参考に、自分にとっての最適な組み合わせを見つけ、豊かな老後生活に向けた一歩を踏み出しましょう。
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監修
森本 由紀
- ファイナンシャルプランナー/AFP(日本FP協会認定)/行政書士
行政書士ゆらこ事務所(Yurako Office)代表。愛媛県松山市出身。神戸大学法学部卒業。法律事務所事務職員を経て、2012年に独立開業。メイン業務は離婚協議書作成などの協議離婚のサポート。離婚をきっかけに自立したい人や自分らしい生き方を見つけたい人には、カウンセリングのほか、ライフプラン、マネープランも含めた幅広いアドバイスを行っている。法律系・マネー系サイトでの記事の執筆・監修実績も多数。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。
