

インフレ対策で個人ができることは?資産を守る運用法と今日から始める生活防衛術
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物価の上昇が続き、貯金しているだけではお金の価値が目減りしてしまうのでは、と不安に感じていませんか?インフレは私たちの生活に直接影響を与えるため、個人レベルでの対策が欠かせません。
本記事では、資産を守り、着実に増やすための具体的なインフレ対策を「資産運用」と「生活防衛」の2つの側面から専門家が徹底解説します。
自分に合った方法を見つけ、将来への備えを始めましょう。
- インフレで現金の価値が目減りするため、個人での対策が不可欠であること
- インフレ対策は「資産運用」と「生活防衛」の2本柱で考えるべきこと
- 株式、外貨、不動産などインフレに強い資産への分散投資が重要であること
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なぜ今、個人のインフレ対策が必要なのか
昨今の物価上昇により、インフレ対策の重要性が高まっています。経済の状況を正しく理解し、なぜ対策が必要なのかを知ることが、資産を守るための第一歩です。


2026年の物価上昇と預金金利の現実

日本では近年、資源価格や人件費の高騰などを背景に、物価が継続的に上昇するインフレが定着しつつあります。総務省が公表する消費者物価指数(CPI)を見ても、上昇傾向が続いており、生活コストの高止まりが家計を圧迫しています。
一方で、日本の金利は依然として低い水準にあります。物価上昇を抑制するために金利を引き上げるのが一般的ですが、急激な引き締めは景気への悪影響が懸念されるため、金利の上昇ペースは緩やかに抑えられているのが現状です。
物価と金利の上昇ペースが異なる状況では、銀行にお金を預けていても、物価の上昇率に利子が追いつかず、実質的にお金の価値は減っていくことになります。
(参考:2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)4月分(2026年5月22日公表) | 総務省統計局)
現預金だけで保有するリスク
インフレ環境下で注意すべきなのが、資産を現金や預貯金だけで保有することのリスクです。インフレは「物価の上昇」と同時に「お金の価値の低下」を意味します。
例えば、物価が年3%ずつ上昇し続けた場合、現在1000万円の価値は20年後には約553万円の価値にまで目減りしてしまいます。
額面上の金額は変わらなくても、当該金額で買えるモノやサービスの量が減ってしまうのです。
日本の普通預金の金利は極めて低いため、インフレ率を上回る利子を得ることは困難です。
つまり、銀行に預けているだけでは、資産は実質的に減り続けていることになります。
大切な資産をインフレから守るためには、現預金以外の方法で資産を保有することを検討する必要があります。
個人のインフレ対策は「資産運用」と「生活防衛」の2本柱

インフレから資産を守り、家計への影響を最小限に抑えるためには、2つのアプローチを同時に進めることが効果的です。
1つ目は、資産価値の目減りを防ぎ、インフレ率を上回るリターンを目指す「資産運用」です。これは攻めの対策といえます。
2つ目は、物価上昇に対応できるよう家計の支出を見直し、無駄をなくす「生活防衛」です。こちらは守りの対策です。
資産運用で資産を増やしつつ、生活防衛で支出をコントロールすることで、インフレに強い安定した家計を築くことができます。
どちらか一方だけでなく、両方をバランスよく実践することが、個人ができるインフレ対策の基本となります。
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インフレに強い資産への分散投資

インフレ対策としての資産運用では、物価上昇に合わせて価値が上がりやすい「インフレに強い資産」を保有することが基本です。
ただし、1つの資産に集中投資すると、当該資産が値下がりした際に損失を被る可能性があります。
リスクを抑えるためには、値動きの異なる複数の資産に分けて投資する「分散投資」が鍵となります。


株式・投資信託
株式はインフレに強い資産の代表格です。
インフレ局面では、多くの企業が原材料費や人件費の上昇分を製品やサービスの価格に転嫁するため、企業の売上や利益が増加する傾向があります。その結果、株価も上昇しやすくなるのです。
ただし、すべての企業の株価が上がるとは限りません。個別の企業を選ぶのが難しいと感じる場合は、投資信託を活用するのがよいでしょう。投資信託は、多くの投資家から集めた資金をまとめ、運用の専門家が複数の株式や債券などに分散投資する金融商品です。
日経平均株価や米国のS&P500といった株価指数に連動するインデックスファンドや、世界中の株式に分散投資するファンドは幅広い分散投資が実現できるため、初心者にもおすすめです。
外貨建て資産
日本のインフレが円安と連動して進む場合、日本円だけでなく米ドルなどの外貨で資産を保有することも有効な対策です。円の価値が下がると、相対的に外貨の価値が上がるため、資産全体の価値の目減りを防ぐ効果が期待できます。
外貨建て資産には、外貨預金のほか、外国株式や外国債券、それらを組み入れた投資信託など、さまざまな種類があります。日本よりも金利が高い国の通貨で資産を保有すれば、為替差益に加えて利子収入も期待できます。
ただし、外貨建て資産には為替変動リスクが伴います。円高に振れた場合は、円換算での資産価値が減少する可能性もあるため、投資するタイミングや通貨の分散を意識することが必須です。
実物資産(不動産・金)
不動産や金(ゴールド)といった「実物資産」も、インフレに強い資産とされています。これらはモノ自体に価値があるため、インフレでお金の価値が下がっても、資産価値が目減りしにくい特徴があります。
不動産は、物価上昇に伴って資産価値や家賃が上昇する傾向があります。アパートやマンションを所有して貸し出せば、インフレに連動した家賃収入(インカムゲイン)も期待できます。
ただし、多額の資金が必要になることや、物件の管理、空室リスクなどもあります。少額から始めたい場合は、複数の不動産に分散投資する「REIT(不動産投資信託)」も選択肢の1つです。
金は「有事の金」ともいわれ、経済や社会情勢が不安定な時に価値が上がる傾向があります。特定の国に依存しない「無国籍資産」であり、世界共通の価値を持つため、インフレヘッジの手段として有効です。
ただし、金自体は利子や配当を生まないため、値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う投資となります。
リスク許容度別の資産配分の考え方
インフレ対策で資産運用を行う際、どのような資産をどのくらいの割合で組み合わせるか(資産配分)は、個人の年齢や資産状況、リスクに対する考え方によって異なります。
ここでは、年代別の資産配分の考え方を解説します。


20代〜30代:時間を味方につける積極運用

20代や30代は、長期的な視点で資産形成ができるため、比較的リスクを取った積極的な運用が可能です。
運用期間が長ければ、一時的に資産価値が下落しても、その後の回復を待つ時間的な余裕があります。
そのため、資産の大部分を国内外の株式や株式型の投資信託に配分し、高いリターンを目指すポートフォリオが考えられます。
例えば、使う予定のない資産の70%〜80%を株式に、残りを債券や預貯金に配分するような積極的な構成です。若いうちから積立投資を始めることで、複利効果を最大限に活かすことができます。
40代〜50代:安定性を重視したバランス運用
40代や50代になると、子どもの教育費や住宅ローンなど支出が増えます。一方で、老後資金の準備も本格化させる時期です。そのため、資産を積極的に増やすことと、着実に守ることのバランスが重要になります。
株式や投資信託で成長を狙いつつも、債券や不動産(REIT)などの安定資産の割合を増やし、リスクを抑えた運用を心がけるとよいでしょう。
例えば、株式と債券の比率を半々にする、あるいは株式40%、債券40%、不動産や金などの実物資産20%といったように、複数の資産クラスにバランスよく分散させることが考えられます。
60代以降:元本保全を優先した守りの運用
60代以降は、退職などを機に資産を取り崩しながら生活していく時期に入ります。この年代では、資産を増やすことよりも、これまでに築いた資産を減らさない「守りの運用」が基本となります。
ポートフォリオの中心は、元本割れリスクの低い個人向け国債や安全性の高い社債、定期預金などの安定資産にシフトさせましょう。株式などのリスク資産の割合は、生活に影響のない範囲に抑えることが考えられます。
例えば、安定資産を70%〜80%とし、残りの部分で配当金収入が期待できる高配当株や投資信託を保有するなど、インカムゲインを重視した運用が考えられます。
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日常生活でできるインフレ対策
資産運用と並行して、日々の生活の中で支出を見直す「生活防衛」も重要なインフレ対策です。物価上昇の局面でも、工夫次第で家計への負担を軽減することができます。


固定費の見直しで支出を減らす

インフレ対策として即効性が高く、一度見直せば効果が持続するのが固定費の削減です。毎月決まって出ていく支出であるため、少しでも減らすことができれば、その分家計に余裕が生まれます。
見直しの対象となる主な固定費は以下の通りです。
- 通信費:スマートフォンの料金プランをより安いものに変更したり、格安SIMに乗り換えたりする。
- 光熱費:電力会社やガス会社を自由化に対応したより安い会社に切り替える。
- 保険料:保障内容が現状に合っているかを確認し、不要な特約を外したり、より保険料の安い商品に乗り換えたりする。
- サブスクリプションサービス:利用頻度の低い動画配信サービスやアプリなどを解約する。
これらの固定費は、定期的に見直す習慣をつけることが大切です。
まとめ買いとキャッシュレス還元の活用
食料品や日用品などの変動費は、買い物の仕方を工夫することで支出を抑えることができます。
まとめ買いやセールの活用は有効な手段です。トイレットペーパーや洗剤、保存期間の長い食品などは、価格が安い時にまとめて購入しておくことで、値上げの影響を回避しやすくなります。
また、キャッシュレス決済のポイント還元を最大限に活用することも欠かせません。クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などを利用すると、支払い金額に応じてポイントが貯まります。
特定の店舗や曜日で還元率がアップするキャンペーンなどを狙って利用することで、実質的な支出を減らすことができます。
自己投資で収入を増やす
支出を減らす「守り」の対策と同時に、収入を増やす「攻め」の対策も大事です。物価上昇に負けないためには、自身の収入を増やす努力が不可欠です。
そのための効果的な方法が自己投資です。現在の仕事に関連する資格を取得したり、新しいスキルを習得したりすることで、昇進や昇給、あるいはより条件のよい職場への転職につながる可能性があります。
また、副業を始めて収入源を複数持つことも、家計の安定に貢献します。インフレ時代を乗り切るためには、自身の市場価値を高め、稼ぐ力を向上させるという視点を持つことが大切です。
インフレ対策で失敗しないための注意点

インフレ対策として資産運用を始める際には、いくつか注意すべき点があります。リスクを正しく理解し、冷静な判断を心がけることが、長期的な成功につながります。


短期的な値動きに一喜一憂しない
株式や投資信託は、短期的には価格が上下に変動します。市場のニュースや経済指標の発表によって、一時的に資産価値が下がることも少なくありません。
しかし、インフレ対策は長期的な視点で行うものです。
短期的な値動きに感情的に反応して売買を繰り返す(狼狽売りなど)と、かえって損失を拡大させてしまう可能性があります。
あらかじめ決めた運用方針に従い、どっしりと構えて投資を継続することが肝となります。
毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」は、価格が高い時には少なく、安い時には多く購入できるため、購入価格を平準化する効果が期待できます。
レバレッジ投資は慎重に
レバレッジとは「てこ」の原理のことで、少ない自己資金で多額の取引を行う投資手法を指します。不動産投資におけるローン活用などが代表例です。
インフレ局面では、物価上昇によって借入金の実質的な負担が相対的に軽くなり、レバレッジを効かせた投資が有効に働くことがあります。
しかし、レバレッジ投資はリターンが期待できる一方で、相場が予測と反対に動いた場合には損失も増加するハイリスク・ハイリターンな手法です。
資産運用の初心者が安易に手を出すべきではありません。
インフレ対策を考える上では、まずは自己資金の範囲内で、リスクを抑えた分散投資から始めることが選択肢の1つと考えられます。
情報収集と継続的な学習
経済の状況や金融市場は常に変化しています。
インフレ対策を成功させるためには、一度資産配分を決めたら終わりではなく、継続的に情報収集を行い、必要に応じてポートフォリオを見直すことが必須です。
金融機関が提供するレポートやニュース、専門家のコラムなどを参考に、世界経済の動向や金利の動き、新しい金融商品などについて学び続ける姿勢が求められます。
知識を深めることで、より的確な投資判断ができるようになり、変化する経済環境に柔軟に対応していくことができます。
インフレ対策に関するよくある質問
インフレ対策を始めるにあたって、多くの人が抱く疑問についてお答えします。


Q. インフレ対策はいくらから始めるべき?
A. インフレ対策としての資産運用は、少額からでも始めることができます。
金融機関によっては月々1000円や1万円といった無理のない金額から投資信託の積立が可能です。NISAの「つみたて投資枠」を活用すれば、投資で得た利益が非課税になり、効率よく資産を増やせます。
大切なのは金額の大小よりも、まず始めてみて、継続することです。少額からでも長期的に続けることで、複利効果も期待できます。
Q. インフレに強い資産は?
A. 「これさえ持っておけば安心」という万能な資産は存在しません。
一般的に、インフレ局面では株式、不動産、金などが強いとされていますが、それぞれ異なるリスクを持っています。
例えば、株式は企業の業績悪化、不動産は空室や災害、金は価格変動のリスクがあります。
そのため、1つの資産に集中するのではなく、これらの資産をバランスよく組み合わせる「分散投資」が効果的な対策といえます。
Q. 預金は全額投資に回すべき?
A. いいえ、全額を投資に回すべきではありません。
投資には価格変動リスクが伴うため、急な出費や万が一の事態に備えるためのお金は、すぐに引き出せる預貯金で確保しておく必要があります。これを「生活防衛資金」と呼びます。
一般的に、生活費の6ヶ月分から1年分程度を目安に、預貯金として保有しておくことが推奨されます。
インフレ対策の投資は、この生活防衛資金を確保した上での「余剰資金」で行うのが基本です。
まとめ

物価が上昇し続けるインフレの時代において、個人が資産を守り、将来に備えるためには、積極的な対策が不可欠です。本記事で解説したように、対策の基本は「資産運用」と「生活防衛」の2本柱です。
資産運用では、現預金だけでなく、株式や投資信託、外貨建て資産、実物資産といったインフレに強い資産へ分散投資をすることが欠かせません。
また、日常生活では、固定費の見直しや節約を心がけることで、支出をコントロールし家計の基盤を固めましょう。
インフレ対策は、特別な知識や多額の資金がなくても、今日から始めることができます。まずは自身の家計や資産状況を見直し、できることから一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
自身の資産状況やリスク許容度に合わせた具体的な対策を知りたい方は、専門家への相談も有効です。まずは簡単なシミュレーションから、資産を守る第一歩を始めてみましょう。
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監修

森本 由紀
- ファイナンシャルプランナー/AFP(日本FP協会認定)/行政書士
行政書士ゆらこ事務所(Yurako Office)代表。愛媛県松山市出身。神戸大学法学部卒業。法律事務所事務職員を経て、2012年に独立開業。メイン業務は離婚協議書作成などの協議離婚のサポート。離婚をきっかけに自立したい人や自分らしい生き方を見つけたい人には、カウンセリングのほか、ライフプラン、マネープランも含めた幅広いアドバイスを行っている。法律系・マネー系サイトでの記事の執筆・監修実績も多数。
執筆

マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。









