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年金繰り下げで後悔する人が続出?手遅れになる前に知るべき5つの落とし穴

年金繰り下げで後悔する人が続出?手遅れになる前に知るべき5つの落とし穴

年金2026/04/06
  • #60代

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年金の繰下げ受給を選んで後悔した」という声を聞き、不安に感じていませんか。受給開始を遅らせることで年金額は増える一方、受け取り開始までの生活資金や健康リスクなど、見落としがちなポイントも存在します。

本記事では、繰下げ受給で後悔しやすい典型的なケースを整理し、その原因を具体的に解説します。

さらに、繰り下げが向いている人・向いていない人の特徴や、判断時に押さえるべき収支シミュレーションの考え方についても専門家の視点でわかりやすく解説します。

(参考:年金の繰下げ受給|日本年金機構

この記事を読んでわかること
  • 年金繰り下げで後悔する5つの典型的なパターンと、その背景にあるデメリット
  • 税金や社会保険料を考慮した「実質的な損益分岐点」の考え方
  • 後悔を避けるための具体的な対策と、自身の状況に合わせた判断基準


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年金の繰り下げで後悔する可能性がある理由

年金の繰下げ受給で後悔する人がいる背景には、制度の仕組みを十分に理解しないまま、増額率のメリットだけに注目してしまうケースが挙げられます。

受給額が増える一方で、税金や社会保険料の負担も増加するため、手取り額が思ったほど伸びないという現実があります。

また、「長生きすれば得」という前提が、必ずしもすべての人に当てはまらないことも後悔につながる一因です。

増額の魅力に隠れた見落としがちなコスト

年金の繰下げ受給を選択すると、額面上の年金額は増えますが、それに伴い「見えないコスト」が発生します。年金は「雑所得」として課税対象になるため、受給額が増えれば所得税や住民税の負担も増加することもあります。

さらに、国民健康保険料(後期高齢者医療保険料)や介護保険料も所得に応じて算出されるため、これらの社会保険料の負担も重くなる可能性があります。

結果として、「額面は増えたのに手取りは思ったほど増えない」という事態に陥りがちです。

繰り下げを検討する際は、額面だけでなく、税金や社会保険料を差し引いた手取り額でシミュレーションすることが欠かせません。

「長生きすれば得」は本当?

長生きすれば得」というのは、年金の繰り下げをする上で基本的なメリットです。

ポイントの解説

繰下げ受給には「損益分岐点」が存在し、65歳から受給した場合の総額を上回るには、一定の年齢まで長生きする必要があります。例えば、70歳から受給を開始した場合の損益分岐点は82歳前後とされています。また、税金・社会保険料の負担増加や65歳から受給した年金を資産運用した時の運用益などを考慮すると、損益分岐点はもう少し長くなると考える人もいるでしょう。

ただし、損益分岐点を迎える前に亡くなってしまうと、結果的に65歳から受給していたほうが総受給額は多くなり、「繰り下げ損」となるリスクがあります。

繰下げ受給には、「長生きすれば得」というメリットがある一方、「早死にすると損」というデメリットがあることを十分に理解した上で、利用の可否判断することが不可欠です。

年金の繰り下げで後悔する5つのパターン

年金の繰下げ受給は、将来の受給額を増やせる一方で、予期せぬ事態によって後悔につながるケースも少なくありません。

多くの人が陥りがちな5つの典型的な後悔のパターンを解説します。

損益分岐点前に亡くなり総受給額が減った

繰下げ受給で多い後悔の1つが、増額された年金で元を取る「損益分岐点」を迎える前に亡くなってしまうケースです。繰下げ待機期間中に受け取らなかった年金額は、その後の増額分で少しずつ回収していく仕組みです。

例えば70歳から受給を開始した場合、損益分岐点は一般的に81歳11ヶ月あたりとされています。もし、受給開始から数年で亡くなってしまうと、65歳から通常通り受給していたほうが生涯の総受給額は多くなります。

寿命は誰にも予測できないため、「早めに受け取っておけばよかった」という結果に終わるリスクは常に存在します。

健康を害しお金を使えなくなった

「75歳まで繰り下げて年金額は増えたものの、旅行や趣味に使う体力がもうない。元気なうちに年金をもらって楽しめばよかった」というのも、切実な後悔の1つです。60代後半から70代前半は、多くの方にとって比較的元気に活動できる貴重な時期です。

しかし、年齢を重ねるにつれて病気や怪我のリスクは高まります。2022年のデータによると、健康上の問題なく日常生活が送れる期間を示す「健康寿命」は、男性で72.57歳、女性で75.45歳です。

せっかく増やした年金も、健康でなければ十分に活用できません。「元気なうちにお金を受け取って、やりたいことに使えばよかった」と感じるケースは少なくありません。

加給年金を失い年40万円の損失

加給年金は、厚生年金に20年以上加入している人が、65歳未満の配偶者や18歳未満の子どもなどを扶養している場合に支給される、いわば「年金の家族手当」です。配偶者の場合、年額約40万円にもなります。

しかし、老齢厚生年金の繰下げ待機期間中は、この加給年金を受け取ることができません。

ポイントの解説

例えば、5歳年下の配偶者がいる場合、夫が65歳から厚生年金を受け取れば、妻が65歳になるまでの5年間で合計約200万円の加給年金が支給されます。もし夫が70歳まで厚生年金を繰り下げると、この約200万円は1円も受け取れずに消滅してしまいます。

将来の年金増額分と、失う加給年金の総額を比較検討する必要があります。

手元資金が枯渇し生活が破綻

繰下げ受給期間中は、当然ながら年金収入がゼロになります。この間の生活費は、それまでの貯蓄や退職金を取り崩したり、就労収入で賄ったりする必要があります。

しかし、計画通りに進むとは限りません。急な病気や家族の介護、住宅のリフォームなど、予期せぬ支出が重なると、想定よりも早く手元の資金が枯渇してしまう恐れがあります。

「将来の年金を増やすために我慢していたのに、現在の生活が成り立たなくなってしまった」というのでは本末転倒です。繰り下げを選択する際は、待機期間中の生活費だけでなく、万が一の事態に備えた予備費も含めて、余裕のある資金計画を立てることが肝となります。

税・社会保険料の負担増で手取りが伸びない

繰下げ受給によって年金の額面が増えると、所得税や住民税、社会保険料(国民健康保険料や介護保険料など)の負担も増加します。老齢年金は課税対象の「雑所得」に分類されるため、受給額が増えればその分、納める税金も多くなるのです。

中でも、介護保険料は所得段階に応じて保険料が決まるため、年金額の増加によって所得段階が上がり、負担が急増するケースもあります。また、医療費の自己負担割合も、所得によっては1割から2割、あるいは3割に上がることがあります。

これらの負担増により、「額面は42%増えたのに、手取りの増加は30%程度だった」というように、手取り額の伸びが期待を下回ることが、後悔につながる一因となっています。


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年金の繰り下げで後悔しないための判断基準

繰下げ受給で後悔しないためには、自身の状況を客観的に分析し、慎重に判断することが不可欠です。

繰下げ受給が向いている人とそうでない人の特徴、必要な貯蓄額の考え方、そして健康状態の確認という3つの視点から、具体的な判断基準を解説します。

繰下げ受給が向いている人・向いていない人

年金の繰下げ受給が適しているかどうかは、個人の経済状況や健康状態によって異なります。

繰下げ受給が向いている人

  • 十分な貯蓄がある人: 繰下げ待機期間中の生活費を、貯蓄や退職金で余裕をもって賄える人。
  • 65歳以降も安定収入がある人: 定年後も働き続けるなど、年金以外の収入源が確保できている人。
  • 健康に自信があり、長生きの家系の人: 損益分岐点を超える年齢まで元気に生活できる可能性が高い人。
  • 扶養家族がいない人: 加給年金の対象外であるため、繰り下げによるデメリットが少ない人。
  • 長生きリスクに備えたい人: 長生きして老後資金が不足するリスクを避けるために老後収入を増やしたい人。

繰下げ受給があまり向いていない人

  • 貯蓄が少ない人: 待機期間中に資金が枯渇するリスクがある人。
  • 65歳以降の収入が見込めない人: 年金収入がなければ生活が困難になる人。
  • 健康に不安がある人: 持病があるなど、長期的な健康維持に自信がない人。
  • 加給年金の対象となる家族がいる人: 年金の繰り下げによって加給年金が受け取れなくなり、かえって損をする可能性がある人。

必要な貯蓄額の目安

年金を繰り下げる場合、待機期間中の生活費をすべて自己資金で賄う必要があります。必要な貯蓄額を考える上で重要なのは、毎月の生活費だけでなく、突発的な支出に備える「予備費」も考慮することです。

まず、自身の現在の家計状況から、リタイア後の毎月の生活費がいくらになるかを試算します。毎月の生活費に、繰り下げを希望する月数を掛け合わせることで、最低限必要な資金額が算出できます。

  • 計算式:毎月の生活費 × 繰り下げ月数 = 最低限必要な貯蓄額

例えば、毎月の生活費が25万円で、70歳までの5年間(60ヶ月)繰り下げる場合、最低でも1500万円(25万円 × 60ヶ月)が必要です。

さらに、病気や怪我による医療費、介護費用、住宅の修繕費など、不測の事態に備えるための予備費を数百万円程度上乗せしておくと安心です。繰り下げは、これらの資金を確保できる見通しが立ってから検討するのが賢明です。

ただし、貯蓄を取り崩してまで繰下げ受給する人はあまり多くはありません。給与収入があったり自営業をしていたりして年金がなくても生活できる人が大半です。

健康状態と家族歴の確認

繰下げ受給は長生きするほどメリットが増える制度であるため、自身の健康状態を客観的に把握することが重要な判断材料となります。まずは、定期的な健康診断の結果を確認し、持病の有無や将来的なリスクを評価しましょう。

加えて、両親や祖父母など、血縁者の寿命(家族歴)も1つの参考になります。長寿の家系であれば、自身も長生きする可能性を考慮に入れることができます。

また、平均寿命だけでなく「健康寿命」という視点も大切です。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指します。せっかく年金を増やしても、それを楽しむ健康がなければ意味がありません。

自身の健康状態と向き合い、何歳まで元気に活動したいかを考えることが、後悔しない選択につながります。

後悔を避けるための3つの対策

年金の繰下げ受給で後悔しないためには、リスクを理解した上で計画的に制度を活用することが鍵となります。

「生活の余剰資金で繰り下げる」「基礎年金のみ繰り下げる」「受給開始時期を適切に選択する」という3つの方法を解説します。

これらの対策を組み合わせることで、より安全に繰下げ受給のメリットを享受できます。

生活の余剰資金で繰り下げる

年金の繰下げ受給を検討する上での大原則は、待機期間中の生活費を、日々の生活に不可欠な資金や、万が一のために備えた貯蓄から切り崩さないことです。

ポイントの解説

理想的なのは、65歳以降も就労収入がある、あるいは不動産収入や個人年金など、年金以外の安定した収入源があり、それだけで生活が十分に成り立つ状態です。そのような状況であれば、本来受け取るはずだった年金を「生活の余剰資金」とみなし、将来のために繰り下げることができます。

生活費を切り詰めて無理に繰り下げを行うと、不測の事態に対応できなくなり、生活が破綻するリスクが高まります。

あくまでも、余裕のある資金計画の上で繰り下げを選択することが、後悔を避けるための重要な対策です。

加給年金対象者は基礎年金のみ繰り下げ

老齢年金は「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2階建て構造になっていますが、この2つは別々のタイミングで受給開始時期を決めることができます。この仕組みを活用することで、より柔軟な受け取り方を選択できます。

加給年金の対象となる配偶者がいる人にとって有効なのが、「老齢厚生年金は65歳から受け取り、老齢基礎年金のみを繰り下げる」という方法です。

  • 老齢厚生年金: 65歳から受給を開始し、加給年金(年額約40万円)を受け取る。
  • 老齢基礎年金: 例えば70歳まで繰り下げ、生涯受け取る基礎年金額を42%アップさせる。

老齢厚生年金だけを65歳から受け取ることによって、加給年金の支給停止を避けつつ、将来の長生きリスクにも備えることができます。

加給年金の対象となる人は、こうした戦略を検討する価値が十分にあります。

受給開始時期を適切に選択する

繰下げ待機中の人(受給開始していない人)は、受給開始時期を任意で選択できます。

例えば、「75歳まで繰り下げる予定だったが、70歳で急に資金が必要になった」という場合、70歳の時点で繰下げ受給の手続きを行えば、すぐに年金を受け取り始めることができます。

また、まとまったお金が必要なら、65歳受給開始を選択して、5年分を一括して受け取ることも可能です。当然、75歳まで待って繰下げ受給しても問題ありません。

誤解の多いところですが、「繰下げ待機中の人は繰下げしないといけない」というのは間違いです。65歳時点で繰下げした方がいいかどうか判断がつかない場合、とりあえず繰下げ待機して後日選択するという方法もあります。

また、70歳を過ぎてから遡っての受給開始を選択した場合、「特例的な繰下げみなし増額制度」によって5年前に繰下げ受給を開始したものと見做して5年分を一括受給します。この制度により、時効(5年)で受給額が目減りするリスクが大幅に軽減されました。

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年金繰り下げの損益分岐点を正しく理解する

年金の繰下げ受給を検討する際、重要な指標の1つが「損益分岐点」です。これは、繰り下げて増額された年金の総受給額が、65歳から受け取り始めた場合の総受給額を上回る年齢を指します。

この分岐点を正しく理解することが、後悔しない選択につながります。

繰り下げ年齢別の損益分岐点

繰下げ受給の損益分岐点は、受給を開始する年齢によって変わります。一般的に、損益分岐点は「受給開始年齢 + 約12年」が目安とされています。

以下は、受給開始年齢ごとの損益分岐点の目安をまとめた表です。これは税金や社会保険料を考慮しない「額面」ベースでの計算です。

受給開始年齢

繰り下げ期間

繰り下げ期間

増額率

増額率

損益分岐点(目安)

損益分岐点(目安)

66歳

繰り下げ期間

1年

増額率

8.4%

損益分岐点(目安)

77歳11ヶ月

67歳

繰り下げ期間

2年

増額率

16.8%

損益分岐点(目安)

78歳11ヶ月

68歳

繰り下げ期間

3年

増額率

25.2%

損益分岐点(目安)

79歳11ヶ月

69歳

繰り下げ期間

4年

増額率

33.6%

損益分岐点(目安)

80歳11ヶ月

70歳

繰り下げ期間

5年

増額率

42.0%

損益分岐点(目安)

81歳11ヶ月

71歳

繰り下げ期間

6年

増額率

50.4%

損益分岐点(目安)

82歳11ヶ月

72歳

繰り下げ期間

7年

増額率

58.8%

損益分岐点(目安)

83歳11ヶ月

73歳

繰り下げ期間

8年

増額率

67.2%

損益分岐点(目安)

84歳11ヶ月

74歳

繰り下げ期間

9年

増額率

75.6%

損益分岐点(目安)

85歳11ヶ月

75歳

繰り下げ期間

10年

増額率

84.0%

損益分岐点(目安)

86歳11ヶ月

例えば、70歳から受給を開始した場合、81歳11ヶ月を超えて長生きすれば、65歳から受給するよりも総受給額が多くなります。

自身の健康状態や家族歴と照らし合わせて、この年齢まで生きる可能性を考慮することが重要です。

税・社会保険料を考慮した実質分岐点

前述の損益分岐点は、税金や社会保険料を引く前の「額面」で計算したものです。しかし、実際に生活で使えるお金は、これらのお金が差し引かれた「手取り額」です。

ポイントの解説

繰下げ受給で年金額が増えると、所得税、住民税、国民健康保険料、介護保険料などの負担も重くなる可能性があります。そのため、手取り額ベースで損益分岐点を計算すると、額面ベースよりも後ろにずれるのが一般的です。

つまり、手取りで元を取るには、額面での分岐点よりもさらに長生きする必要があります。例えば、70歳まで繰り下げた場合、額面での分岐点は82歳手前ですが、手取りベースではそれより後になると考えておくのが現実的です。

この「実質的な損益分岐点」を意識することが、より正確な判断につながります。

繰下げ受給の制度を正しく理解する

年金の繰下げ受給で後悔しないためには、制度の基本的な仕組みを正確に理解しておくことが不可欠です。

増額率や上限年齢といった基本ルールから、待機期間中の注意点まで、知っておくべき重要なポイントを整理して解説します。

繰り下げの増額率と上限

年金の繰下げ受給は、原則65歳から受け取れる老齢年金を、66歳0ヶ月以降に遅らせて受け取る制度です。受給開始は最大で75歳0ヶ月まで、1ヶ月単位で選択できます。

受給を1ヶ月繰り下げるごとに、年金額は0.7%ずつ増額されます。この増額率は生涯変わりません。

  • 70歳まで(5年間・60ヶ月)繰り下げた場合
  • 増額率:60ヶ月 × 0.7% = 42%
  • 上限の75歳まで(10年間・120ヶ月)繰り下げた場合
  • 増額率:120ヶ月 × 0.7% = 84%

この生涯続く増額率は、物価上昇(インフレ)や想定以上の長生きによって資産が枯渇する「長生きリスク」への強力な備えとなります。

繰下げ待機中の注意点

年金の繰下げ受給を選択した場合、65歳から実際に受給を開始するまでの「待機期間」にはいくつかの重要な注意点があります。

第一に、年金収入がゼロになるため、待機期間中の生活費を貯蓄や就労収入で賄う必要があります。予期せぬ支出に備え、十分な資金計画を立てておくことが不可欠です。

第二に、厚生年金の加入期間が20年以上あり、扶養する配偶者や子がいる場合に支給される加給年金は、老齢厚生年金の繰下げ待機中は支給停止となります。対象となる方は、支給停止される金額と将来の増額分を比較検討する必要があります。

これらの注意点を理解せず安易に繰り下げを選択すると、生活が困窮したり、本来受け取れるはずだった手当を失ったりするリスクがあります。

まとめ

年金の繰下げ受給は、受給額を最大84%も増やせる強力な老後資金対策ですが、メリットの裏には多くの落とし穴が潜んでいます。増額率だけに目を奪われず、税金や社会保険料の負担増、加給年金の支給停止、そして何よりも自身の健康寿命や資金状況を考慮することが不可欠です。

後悔しないためには、損益分岐点を正しく理解し、複数のシナリオでシミュレーションを行うことが大事です。また、基礎年金と厚生年金を別々に繰り下げる、状況に応じて繰り下げを中止するなど、制度を柔軟に活用する視点も持ちましょう。

最終的な判断に迷う場合は、お金の専門家に相談し、自身のライフプランに最適な選択をすることをおすすめします。

自身の状況に合わせた最適な年金の受け取り方や、老後資金の準備についてさらに詳しく知りたい方は、専門家への相談も有効です。

まずは簡単なシミュレーションから、自身の老後資金計画を見直してみてはいかがでしょうか。

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監修
西岡 秀泰
  • 西岡 秀泰
  • 社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー

同志社大学法学部卒業後、生命保険会社に25年勤務しFPとして生命保険・損害保険・個人年金保険販売を行う。保有資格は社会保険労務士と2級FP技能士。2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所で相談員を兼務。

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執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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