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企業型確定拠出年金に「だまされるな」「ひどい」は本当?デメリットの回避策と活用法

企業型確定拠出年金に「だまされるな」「ひどい」は本当?デメリットの回避策と活用法

年金2026/08/05
  • #会社員
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「企業型確定拠出年金(企業型DC)は『だまされるな』と言われるのはなぜ?」「加入すると損をする可能性はある?」と気になる人もいるでしょう。

企業型確定拠出年金は、老後資金を準備するための制度として多くの企業で導入されています。一方で、「元本割れする」「60歳まで引き出せない」などの特徴から、不安の声が聞かれることもあります。

しかし、制度そのものが悪いわけではなく、仕組みやメリット・デメリットを理解せずに利用すると、期待とのギャップを感じる可能性があります。

本記事では、「だまされるな」と言われる理由を整理するとともに、企業型確定拠出年金のメリット・デメリットや、自分に合った活用方法についてわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 企業型DCが「ひどい」「だまされるな」と言われる7つの理由
  • 税制優遇など、知っておくべき企業型DCのメリット
  • 手数料を抑え、賢く運用するための具体的なアクションプラン


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企業型確定拠出年金(企業型DC)とは

企業型確定拠出年金(企業型DC)は、企業が従業員の老後資金形成を支援するために導入する私的年金制度です。

会社が毎月掛金を拠出し、従業員自身がその掛金を運用します。運用成績によって将来受け取る年金額が変動するのが特徴で、運用責任は従業員自身が負います。

積み立てた資産は原則として60歳以降に受け取ることができ、公的年金に上乗せする形で老後の生活を支える役割を果たします。

「だまされるな」「ひどい」と言われる7つのデメリット

企業型確定拠出年金が「ひどい」「だまされるな」と言われる背景には、制度の仕組みを理解していないと陥りがちなデメリットや注意点があります。

考えられる7つの理由は以下のとおりです。

  • 60歳まで原則引き出せない:企業型DCの資産は原則60歳まで引き出せないため、急な出費に備えて生活防衛資金を別で確保しておく必要がある。
  • 元本確保型のまま放置すると実質目減りする:定期預金などの元本確保型商品は元本割れしにくい一方、低金利では資産が増えにくく、インフレで実質的に目減りする可能性がある。
  • 信託報酬の差が最終受取額を左右する:企業型DCは長期運用が前提のため、信託報酬のわずかな差でも最終的な受取額に影響しやすい。
  • 退職・転職時の自動移換で手数料が発生する:退職・転職後に移換手続きをしないと資産が自動移換され、運用できないにもかかわらず管理手数料が発生する。
  • 加入期間10年未満で受給開始が遅れる:通算加入者等期間が10年未満の場合、60歳から受け取れず、加入期間に応じて受給開始年齢が繰り下がる。
  • 運営管理機関を自分で選べない:企業型DCでは会社が契約した金融機関の商品から選ぶため、商品数や信託報酬に制約がある場合がある。
  • 受取時の税金を見落としがち:一時金や年金として受け取る際は税金がかかる場合があり、退職金や公的年金との兼ね合いを考えて受け取り方を決める必要がある。

60歳まで原則引き出せない

企業型DCで積み立てた資産は、老後資金としての性格上、原則として60歳になるまで引き出すことができません

急な出費や住宅購入資金、教育資金など、ライフイベントでまとまったお金が必要になった場合でも、現金化できない点はデメリットといえます。

資金の流動性が低いため、加入や掛金の設定にあたっては、手元に一定の預貯金(生活防衛資金)を確保しておくことが欠かせません。

ただし、一般的な企業型DCでは従業員は原則全員加入、掛金は会社が規約で決めるため、従業員が選択することはできません。

ポイントの解説

選択できるのは、勤務先が選択制DC(給与(前払退職金)として受け取るか、DC掛金として拠出するかを従業員が選択できる仕組み)やマッチング拠出(従業員が企業掛金に上乗せして拠出する仕組み)を導入している場合です。

一方で、強制的に老後資金を確保できる仕組みと捉えることもできます。

元本確保型のまま放置すると実質目減り

企業型DCに加入した際、運用商品を選ばずにいると、初期設定(デフォルト)の「元本確保型商品(定期預金など)」で運用されることが一般的です。

元本確保型は元本割れのリスクがない反面、現在の低金利環境ではほとんど利子がつきません

資産がほとんど増えないまま長期間が経過すると、物価上昇(インフレ)によってお金の価値が相対的に下がり、実質的に資産が目減りしてしまう可能性があります。

運用を放置することは、長期的な資産形成の機会を逃すことにつながるため注意が必要です。

信託報酬の差が最終受取額を左右

投資信託で運用する場合、「信託報酬」という手数料が毎日資産から差し引かれます。信託報酬は年率で表示され、一見するとわずかな差に思えるかもしれません。

しかし、企業型DCのような20年、30年といった長期運用では、わずか0.1~0.2%の信託報酬の差が最終的な受取額に影響を与えます。

例えば、信託報酬が年1%を超えるような高コストの商品を選び続けると、運用で得た利益が手数料に相殺されてしまう可能性があります。

商品を選ぶ際は、リターンだけでなく信託報酬が低いことも重要な判断基準となります。

退職・転職時の自動移換で手数料が発生

企業型DCに加入している人が会社を退職または転職した場合、6ヶ月以内に資産を転職先の企業型DCやiDeCo(個人型確定拠出年金)などに移す「移換手続き」が必要です。

手続きを忘れて放置すると、資産は国民年金基金連合会に「自動移換」されます。自動移換されると、資産の運用が停止されるだけでなく、管理手数料が毎月差し引かれ続けるため、資産が徐々に目減りしてしまいます。

退職や転職の際には、速やかに移換手続きを行うことが欠かせません。

(参考:離職・転職時等の年金資産の持ち運び(ポータビリティ) | 厚生労働省

加入期間10年未満ならば受給開始が遅くなる

企業型DCの老齢給付金は、原則として60歳から受け取れますが、そのためには通算の加入者期間が10年以上必要です。

加入期間が10年に満たない場合、受給を開始できる年齢が以下のように繰り下げられます。

通算加入者等期間

受取開始年齢

受取開始年齢

10年以上

受取開始年齢

60歳

8年以上10年未満

受取開始年齢

61歳

6年以上8年未満

受取開始年齢

62歳

4年以上6年未満

受取開始年齢

63歳

2年以上4年未満

受取開始年齢

64歳

1ヶ月以上2年未満

受取開始年齢

65歳

50代で初めて加入した場合など、加入期間が短くなる可能性がある人は、自身の受給開始年齢が何歳になるかを確認しておく必要があります。

(参考:通算加入者等期間 | 企業年金連合会

運営管理機関を自分で選べない

企業型DCでは、会社が契約した特定の金融機関(運営管理機関)が提供する商品ラインアップの中から運用商品を選ぶ必要があります。従業員が自分で金融機関を選ぶことはできません。

そのため、勤務先の会社が契約している金融機関によっては、選べる商品の種類が限られていたり、信託報酬が高めのものしか用意されていなかったりする場合があります。

自身の投資方針に合った商品がない場合でも、提示された選択肢の中から選ぶしかないという制約があります。

受取時の税金を見落としがち

企業型DCは、60歳以降に資産を受け取る際に税制優遇がありますが、受け取り方を事前に計画しておかないと、想定外の税負担が発生する可能性があります。

受け取り方には、一括で受け取る「一時金」と分割で受け取る「年金」、一時金と年金の併用があります。

  • 一時金: 退職所得控除が適用される
  • 年金: 公的年金等控除が適用される
  • 一時金と年金の併用:退職所得控除と公的年金等控除の両方が適用される 

会社の退職金と同じ年に一時金で受け取ると、退職所得控除の枠を使い切ってしまい、税負担が増えるケースがあります。

自身の退職金の有無や金額、公的年金の受給額などを考慮し、税負担が軽くなる受け取り方(出口戦略)を検討しておくことが必須です。


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知っておきたい企業型確定拠出年金のメリット

デメリットが注目されることもありますが、企業型DCは正しく活用すればメリットがある制度です。

ここでは、重要なメリットを解説します。

  • 掛金拠出時に税制優遇を受けられる:会社拠出分は所得税・住民税の対象外となり、マッチング拠出分は全額所得控除の対象です。
  • 運用益が非課税になる:通常は約20%課税される運用益に税金がかからず、効率的に再投資できます。
  • 受取時にも控除を利用できる:一時金は退職所得控除、年金形式は公的年金等控除の対象です。
  • 口座管理手数料の負担を抑えやすい:企業が手数料の大部分を負担するケースが一般的です。
  • 転職・退職時も資産を引き継げる:転職先の企業型DCやiDeCoへ移換し、運用を継続できます。
  • 会社が倒産しても資産は保全される:年金資産は会社の財産とは分けて管理されます。

3段階の税制優遇(掛金・運用益・受取時)

企業型DCの最大のメリットは、資産形成の3つの段階で手厚い税制優遇を受けられる点です。

掛金(拠出時)

会社が拠出する掛金は給与所得とみなされず、所得税・住民税の対象外です。また、社会保険料の算定基礎からも除外されます。従業員が掛金を上乗せする「マッチング拠出」を利用した場合、当該掛金は全額所得控除の対象となります。

運用益 

通常、投資で得た利益には約20.315%の税金がかかりますが、企業型DCの口座内での運用益は全額非課税です。非課税となった利益を再投資することで、複利効果をより高めることが期待できます。

受取時

60歳以降に受け取る際も、一時金なら「退職所得控除」、年金形式なら「公的年金等控除」が適用され、税負担が軽減されます。

口座管理手数料を会社が負担

個人で加入するiDeCo(個人型確定拠出年金)では、加入者自身が毎月、口座管理手数料を支払う必要があります。

一方、企業型DCでは、口座管理手数料の大部分を会社が負担してくれるケースが一般的です。従業員が負担するコストを低く抑えられるため、その分を運用に回すことができ、iDeCoよりも効率的に資産形成を進められる可能性があります。

長期運用において手数料の差は最終的なリターンに影響するため、会社が手数料を負担してくれる点はメリットです。

転職時に資産を持ち運べる

企業型DCで積み立てた年金資産は、個人の資産として管理されるため、転職や退職をしても年金資産がなくなることはありません。

ポイントの解説

転職先に企業型DC制度があれば、そこに資産を移換して運用を継続できます。もし転職先に制度がない場合や、独立して自営業者になる場合は、iDeCoに資産を移換して運用を続けることが可能です。

このように、積み立てた資産を次のキャリアに引き継ぐ「ポータビリティ(持ち運びやすさ)」も、企業型DCのメリットの1つです。

また、資産は会社の財産とは別に管理されているため、万が一会社が倒産した場合でも保全されます。

企業型確定拠出年金の活用法|具体的なアクションプラン

企業型DCで後悔しないためには、制度を理解し、主体的に運用に関わることが欠かせません。

ここでは、具体的なアクションプランを5つのステップで紹介します。

デメリット

デメリットの回避法(活用法)

デメリットの回避法(活用法)

元本確保型のまま放置すると実質目減りする可能性

デメリットの回避法(活用法)

初期設定を確認し、年齢やリスク許容度に合った資産配分へ見直す

信託報酬の差が最終受取額を左右する

デメリットの回避法(活用法)

信託報酬が年率0.3%以下の低コスト商品を目安に選ぶ

運用状況を放置するとリスクが偏る

デメリットの回避法(活用法)

年1回は運用状況を確認し、必要に応じてリバランスする

退職・転職時に自動移換されると運用が停止する

デメリットの回避法(活用法)

退職・転職後は6ヶ月以内に、転職先の企業型DCやiDeCoへ移換手続きを行う

60歳まで原則引き出せない

デメリットの回避法(活用法)

老後資金は企業型DC、近く使う予定のある資金はNISAなどで準備する

初期設定を見直す

企業型DCに加入した際、運用商品を指定しないと、多くの場合、元本確保型の商品が自動的に選ばれます。前述のとおり、元本確保型は安全性が高い一方で、低金利下では資産がほとんど増えません

まずは自身の現在の運用状況を確認し、もし初期設定のままであれば、自身の年齢やリスク許容度に合った資産配分(ポートフォリオ)に見直すことから始めましょう。

長期的な資産形成を目指すのであれば、株式や債券などを組み合わせた運用を検討することが推奨されます。

信託報酬0.3%以下の商品を選ぶ

運用商品を選ぶ上で重要な指標の1つが「信託報酬」です。長期運用では、手数料の差が将来の資産額に影響します。

ポイントの解説

商品を選ぶ際は、まず信託報酬が低いインデックスファンドを中心に検討するのが基本です。インデックスファンドとは、日経平均株価や米国のS&P500といった市場の指数に連動することを目指す投資信託です。

具体的な目安として、信託報酬が年率0.3%以下の商品を選ぶように心がけると、コストを抑えた効率的な運用が期待できます。

年1回は運用状況を確認する

一度資産配分を決めたら、それで終わりではありません。市場の変動により、当初設定した資産の比率が崩れてくることがあります。

例えば、株式市場が好調で株価が上昇すると、ポートフォリオに占める株式の割合が高まり、意図せずリスクを取りすぎている状態になる可能性があります。

そのため、年に1回程度は運用状況を確認し、資産配分を当初の比率に戻す「リバランス」を行うことが推奨されます。

リバランスによって、リスクをコントロールしながら安定した運用を続けることが期待できます。

退職・転職時は速やかに移換手続き

前述のデメリットでも触れましたが、退職や転職の際には、企業型DCの資産を6ヶ月以内に次の制度へ移換する手続きが必須です。

手続きを怠ると、資産は自動移換され、運用が停止し手数料だけが引かれ続ける状態になります。これは資産形成において損失です。

退職や転職が決まったら、総務や人事の担当者から自動移管に関する説明があります。よく確認して、次の移換先(転職先の企業型DCやiDeCo)を決めて、速やかに手続きを進めましょう。

NISAとの違い・併用の考え方

企業型DCとNISAは、どちらも運用益が非課税になる税制優遇を受けられますが、目的や性質が異なります。

  • 企業型DC: 老後資金の準備を目的としており、原則60歳まで引き出せない。
  • NISA: いつでも引き出し可能で、住宅購入や教育資金など、老後資金以外の目的にも柔軟に使える。

両制度は併用が可能です。老後のための長期的な資産形成は企業型DCで行い、中期的なライフイベントに備える資金はNISAで準備するなど、目的別に使い分けることで、より効果的な資産形成ができます。

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受取時の出口戦略|税負担を軽減するためのポイント

企業型DCの成果を最大化するためには、受け取り方、すなわち「出口戦略」が鍵となります。税負担を抑えるためのポイントを解説します。

一時金・年金・併用の選択肢

企業型DCの資産は、60歳以降に以下の3つの方法で受け取ることができます。

一時金

全額を一括で受け取る方法。税制上は「退職所得」として扱われ、「退職所得控除」が適用されます。勤続年数が長いほど控除額が増加し、税負担が軽くなる傾向があります。

年金

5年〜20年などの期間にわたって分割で受け取る方法。税制上は「雑所得」として扱われ、「公的年金等控除」が適用されます。ただし、老齢基礎年金や老齢厚生年金などの公的年金と合算して計算されるため、受給額によっては税負担や社会保険料が増える可能性があります。

併用

一部を一時金で、残りを年金で受け取る方法。

どの方法が有利かは、退職金の有無、公的年金の受給額、ライフプランなどによって異なります。事前にシミュレーションを行い、自身にとって最適な方法を選択することが必須です。

退職所得控除の5年ルールの改正に注意

一時金で受け取る際に適用される「退職所得控除」を最大限に活用するには、受け取るタイミングが鍵となります。会社の退職金と企業型DCの一時金を両方受け取る場合は注意が必要です。

ポイントの解説

退職所得控除の計算では、過去に受け取った退職金も考慮されます。もし会社の退職金と企業型DCの一時金を同じ年に受け取ると、控除額が合算されてしまい、控除枠を超えた部分の税負担が重くなる可能性があります。

対策として、受け取る年をずらすことで、それぞれの控除を別々に利用でき、税負担を軽減できる場合があります。

以前は、企業型DCやiDeCoの一時金を受け取った後に退職金を受け取る場合、受取時期が5年以上離れていれば両方で退職所得控除をフルに使えるという「5年ルール」がありました。しかし、2026年1月1日以後に支払われるDC一時金からは、「10年ルール」に変わっています。

自身の状況に合わせて、受け取りのタイミングを計画することが賢明です。

「入らない方がいい人」と「やった方がいい人」

企業型DCは誰にでも最適な制度とは限りません。勤務先が選択制DCやマッチング拠出を導入している場合、自身の状況に合わせて、加入や積極的な活用の是非を判断しましょう。

向いていない人の特徴

以下のような特徴に当てはまる人は、企業型DC(選択制DCやマッチング拠出)への加入や掛金の増額は慎重に検討する必要があります。

  • 十分な貯蓄がない人: 生活費の6ヶ月〜1年分程度の緊急予備資金がない状態で、60歳まで引き出せない制度にお金を回すのはリスクがあります。
  • 近いうちにまとまった支出を予定している人: 住宅購入の頭金や子どもの教育費など、数年以内にまとまった資金が必要な場合、資金が拘束される企業型DCは不向きな場合があります。
  • 収入が不安定な人: 収入の変動が大きい場合、毎月一定額の掛金を拠出することが生活の負担になる可能性があります。
  • 投資について学ぶ意欲がない人: 企業型DCは自己責任での運用が基本です。全く知識がないまま放置すると、資産を増やす機会を逃すだけでなく、損失を被る可能性もあります。

向いている人の特徴

一方で、以下のような特徴を持つ方は、企業型DCのメリットを活用できる可能性が高いです。

  • 所得が高く、節税メリットを重視する人: マッチング拠出の掛金が所得控除の対象になるため、所得税率が高い人ほど節税効果が高くなります。
  • 20代〜40代で長期的な運用が可能な人: 運用期間が長いほど、複利効果によって資産を増やしやすくなります。また、一時的な市場の下落があっても、時間をかけて回復を待つ余裕があります。
  • 預貯金など、別に生活防衛資金を確保できている人: 60歳まで引き出せないという流動性の低さをカバーできるため、安心して長期運用に取り組めます。
  • 計画的に老後資金を準備したい人: 「強制的に貯蓄する仕組み」として活用することで、着実に老後資金を積み上げることができます。

企業型DCに関するよくある質問

ここでは、企業型確定拠出年金に関してよく寄せられる質問にお答えします。

Q. 毎月いくら掛けるべき?掛金の目安

企業型DCの掛金の上限額は、会社の制度によって異なります。他の企業年金(確定給付企業年金など)がない会社の場合、法令上の上限は月額5万5000円です。マッチング拠出する場合、企業の掛金と従業員の掛金の合計金額も5万5000円に限定されます。

なお、2026年12月には、掛金上限の改定(企業型DCと他の企業年金、iDeCoの合計で6万2000円)が予定されています。

掛金の目安としては、まず生活費の6ヶ月〜1年分の緊急予備資金を確保した上で、無理のない範囲で設定することが基本です。

一般的には、手取り収入の10%〜20%を老後資金の積立に回すのが1つの目安とされています。

選択制DCの場合は、掛金を増やすほど節税効果は増加しますが、その分日々の生活で使える手取り額が減ることも考慮してバランスを考えましょう。また、給与が減ることになるため社会保険料が減る一方、社会保険の給付(老齢厚生年金や傷病手当金など)も減少します。

Q. 企業型DCをやめたい・解約できる?

企業型DCは老後資金の形成を目的とした制度であるため、原則として途中で解約することはできません

ただし、所定の条件を満たした場合に限り、「脱退一時金」として資産を受け取ることが可能です。

主な条件として、資産額が一定額以下であることや、国民年金保険料の免除者であることなどが挙げられます。

ほとんどの加入者は条件を満たさないため、基本的に60歳までは引き出せない制度と理解しておく必要があります。

Q. iDeCoとどちらがお得?併用できる?

勤務先に企業型DC制度がある場合でも、iDeCoに併用して加入することが可能です。

ただし、会社の制度で従業員が掛金を上乗せする「マッチング拠出」を利用している場合は、iDeCoとの併用はできません

勤務先が選択制DCを利用している場合、どちらがお得かは一概には言えませんが、一般的には、会社が口座管理手数料を負担してくれる企業型DCを優先し、さらに掛金の拠出枠に余裕があればiDeCoも活用するのがおすすめです。

iDeCoは自分で金融機関や商品を選べる自由度の高さが魅力です。

Q. 確定拠出年金と厚生年金は両方もらえる?

はい、両方受け取ることができます。厚生年金は国が運営する「公的年金」であり、会社員などが加入義務を負うものです。

一方、企業型確定拠出年金は企業が任意で導入する「私的年金」です。

両者は全く別の制度であるため、受給資格を満たせば、それぞれから年金を受け取ることが可能です。

企業型DCは、公的年金だけでは不足しがちな老後資金を補うための上乗せ部分と位置づけられています。

Q. 会社が倒産したら資産はどうなる?

勤務先の会社が倒産した場合でも、企業型DCで積み立てた自身の年金資産は全額保全されます。

確定拠出年金法に基づき、年金資産は会社の財産とは完全に分離され、信託銀行などの資産管理機関で個別に管理されています。そのため、会社の債権者が資産を差し押さえることはできません。

ただし、会社が倒産すると加入者資格を失うため、速やかにiDeCoなどへ資産を移換する手続きが必要です。

まとめ

企業型確定拠出年金は、制度を理解せずに放置すると「ひどい」と感じる結果になりかねませんが、仕組みを正しく理解し主体的に活用すれば、税制優遇を活かして効率的に老後資金を準備できるなどメリットのある制度です。

「60歳まで引き出せない」「元本割れリスクがある」といったデメリットがある一方、「掛金・運用益・受取時の3段階での税制優遇」や「会社による手数料負担」など、メリットも存在します。

本記事で解説した「初期設定の見直し」や「低コスト商品の選択」、「定期的な運用状況の確認」といった賢い運用法を実践することで、デメリットを回避し、メリットを最大限に享受することが可能です。

自身の状況に合わせて、企業型DCを賢く活用し、将来の安心を築いていきましょう。

自身の状況で企業型DCをどう活用すべきか、さらに詳しく知りたい場合は、お金の専門家に相談するのも1つの方法です。 

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監修
西岡 秀泰
  • 西岡 秀泰
  • 社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー

同志社大学法学部卒業後、生命保険会社に25年勤務しFPとして生命保険・損害保険・個人年金保険販売を行う。保有資格は社会保険労務士と2級FP技能士。2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所で相談員を兼務。

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執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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