
定期預金の中途解約のペナルティは?金利が下がって元本割れもある?
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定期預金を途中で解約すると、どのようなデメリットがあるのでしょうか。金利はどのように変わる?元本割れのリスクはある?など、不安に感じている人も多いでしょう。
そこでこの記事では、定期預金の中途解約による具体的なペナルティや、利息の差額シミュレーション、そして中途解約を避けるための有効な対策について、わかりやすく解説します。
- 定期預金を中途解約した場合のペナルティやデメリット
- 中途解約時の利息の計算方法や満期まで運用した場合との差額
- 定期預金の中途解約を避けるための対策
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定期預金の中途解約とは?
定期預金は、あらかじめ預け入れ期間を決めて、その期間中は原則として引き出さない約束で預ける預金で、普通預金よりも一般的に金利が高く設定されているのが特徴です。
しかし、満期が来る前に急な資金が必要になった場合など、やむを得ず預け入れ期間の途中で解約することも考えられます。この「満期前の解約」を中途解約といいます。
定期預金は満期前に中途解約できる?
定期預金は、基本的に満期前に中途解約することが可能です。
ただし、解約することで預金者にはいくつかのデメリットやペナルティが発生します。
もっとも大きなペナルティは、受け取れるはずだった利息が大幅に減額されてしまうことです。これは、定期預金が高い金利を提供しているのは、満期まで預け入れられることを前提としているためです。
また、定期預金の中には、一部だけを解約できる商品も存在しますが、多くの場合は全額を解約することになります。
一部の特別な定期預金商品、例えば期間限定のキャンペーン金利が適用されるものや、特定の条件を満たすことで高金利が適用される商品などでは、「満期まで解約不可」と契約時に明記されている場合もあります。
このような商品は、原則として中途解約が認められないため、契約時にしっかり確認しておく必要があります。
中途解約の手続き
定期預金を中途解約する際には、所定の手続きが必要です。その手続きは、預金の種類や利用している金融機関によって異なりますが、ここでは一般的な流れを説明します。
解約手続きの窓口
定期預金の中途解約手続きは、主に二つの方法があります。
①店頭窓口での解約手続き
1つは、金融機関の店頭窓口で行う方法です。定期預金の中途解約は、原則として預金者本人が手続きする必要があります。窓口へ必要な書類を持参し解約したい旨を伝えて手続きを行います。
一般的に利用できる本人確認書類としては、運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどが挙げられます。また、多くのケースで、解約する定期預金の通帳や証書、そして届け出ている印鑑(届出印)も必要となります。
②Webでの解約手続き
もう1つは、インターネットバンキングを利用する方法です。多くの金融機関では、インターネットバンキング上での手続きに対応しており、自宅や外出先から手軽に解約手続きを完了させることができます。
金融機関によってはインターネットバンキングで定期預金の解約ができないケースもあります。また、解約できる定期預金の種類に制限がある場合もあるため、利用を検討している場合は事前に確認しておきましょう。
定期預金を中途解約するペナルティ
定期預金を中途解約すると、いくつかのペナルティが発生します。計画的な資産運用を行うためにも、事前にペナルティを把握しておきましょう。
利息(金利)が減額される
定期預金の最大の魅力は、普通預金よりも高い金利で運用できる点です。しかし、これは「満期まで預け入れる」という条件と引き換えに得られるメリットです。
そのため、定期預金を中途解約した場合、当初約束されていた高い満期時の利率ではなく、解約時点での普通預金利率や、金融機関ごとに定められた所定の「中途解約利率」が適用されるのが一般的です。
中途解約利率は、定期預金の種類や預け入れ期間、そして解約までの期間などによって異なりますが、一般的に当初の約定利率よりもかなり低い金利が設定されています。
場合によっては、普通預金とほぼ変わらない、あるいはそれ以下の金利になることもあります。
キャンペーン金利や特典が無効になる
金融機関によっては、特定の期間に定期預金を預け入れた利用者に対して、通常よりも高いキャンペーン金利を適用したり、現金プレゼントや景品、ポイント付与などの特典を提供したりすることがあります。
これらのキャンペーン金利や特典は、多くの場合、「満期まで保有すること」や「一定期間以上(例えば1年以上など)の預け入れ」といった条件を満たすことで適用されたり、受け取れたりします。
もし、これらの条件を満たす前に中途解約してしまうと、適用されていたキャンペーン金利が無効となり、通常の中途解約利率が適用されます。
また、受け取るはずだった現金や景品、ポイントなどの特典も、無効になる可能性が高いでしょう。
中途解約での元本割れはある?
定期預金においては、預金保険制度(ペイオフ)によって基本的に1000万円まで(1金融機関あたり)は元本とその利息が守られます。そのため、円建ての定期預金を中途解約しても、預け入れた元本自体が減ることは通常ありません。
ただし、外貨建て定期預金の場合は注意が必要です。外貨建て定期預金は、預け入れた外貨の価値は保証されるものの、日本円に換算する際の為替レートの変動リスクがあります。
外貨ベースでは「元本割れ」ではありませんが、解約時に円高が進んでいる場合、当初預け入れた円貨額を下回る円貨を受け取る可能性があり、結果的に元本割れのように見えることがあります。
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中途解約をしたときの差額シミュレーション
定期預金を中途解約した場合、満期まで運用した場合と比べてどのくらい受け取れる利息が減ってしまうのでしょうか。具体的なシミュレーションで比較してみましょう。
・元本:100万円
・満期: 3年(36か月)
・定期預金の金利:年0.35%(複利計算、税引き前)
・中途解約のタイミング:1年後(12か月後)
・中途解約時の利率:年0.2%(単利計算、税引き前)
・税金:利息には20.315%の源泉徴収税がかかります
満期運用した場合
満期まで3年間、年0.35%(複利)で運用した場合の税引き前利息は以下の計算になります。
・100万円 × (1 + 0.0035)^3 = 101万537円
・利息 = 101万567円 - 100万円 = 1万537円(税引き前)
この利息から税金(20.315%)が差し引かれます。
・税引き後利息:1万567円 × (1 - 0.20315) = 8396円
満期時の受取総額は元本と税引き後利息の合計です。
・満期時の受取総額:元本100万円 + 利息8396円 = 100万8396円
1年で中途解約した場合
1年後に中途解約した場合、満期利率0.35%ではなく、中途解約利率0.2%が適用されます。中途解約の場合は単利計算となるのが一般的です。
100万円 × 0.002 × 1年 = 2000円(税引き前)
この利息から税金(20.315%)が差し引かれます。
・税引き後利息:2000円 × (1 - 0.20315) = 1593円
中途解約時の受取総額は元本と税引き後利息の合計です。
・解約時の受取総額: 元本100万円 + 利息1593円 = 100万1593円
シミュレーション結果の比較
このシミュレーションからわかるように、わずか1年で中途解約すると、本来受け取れるはずだった税引き後利息8396円が1593円に大幅に減額され、その差額は6828円にもなります。
中途解約を避けるための事前対策と代替案
定期預金の中途解約は、受け取れる利息が大幅に減るというデメリットがあります。そこで、こうした事態を避けるためにできる、事前の対策について解説します。
預入期間を慎重に検討する
定期預金は、一般的に預入期間が長くなるほど金利が高く設定される傾向があります。
しかし、高金利だけを見て安易に長期の預入期間を選択するのは危険です。なぜなら、その期間中に資金が必要になる可能性があるからです。
預入期間を選ぶ際は、自身のライフプランを考慮し、今後数年間にどのような資金ニーズが発生する可能性があるのかを具体的に検討することが大切です。
例えば、近い将来に車の購入資金や子どもの教育資金、住宅のリフォーム資金などが必要になりそうな場合は、その時期に合わせて預入期間を設定するか、定期預金以外の方法で資金を準備することを検討したほうがよいでしょう。
確実に使う予定のない「余裕資金」についてのみ、無理のない範囲で預入期間を設定することが、中途解約リスクを減らす第一歩となります。
生活防衛資金を普通預金などで確保しておく
病気やケガ、失業、家電の故障といった予期せぬ事態で急にまとまった資金が必要になることがあります。このような緊急時に備え、すぐに引き出せる「生活防衛資金」を事前に確保しておくことで、急な出費があった場合でも、定期預金を解約することなく対応できるようになります。
生活防衛資金は、一般的に手取り月収の6ヶ月分から1年分程度が目安とされていますが、自身の状況に合わせて適切な額を設定しましょう。
生活防衛資金は、いつでも出し入れ自由な普通預金に入れておくのが適しています。定期預金は、あくまで当面使う予定のない「余裕資金」で運用するという意識を持ちましょう。
「一部解約」が可能か確認しておく
定期預金の中には、預け入れた金額の一部だけを解約できる商品があります。
まとまった金額を一度に預け入れた場合でも、必要な分だけを引き出せる一部解約のサービスがあれば、残りの預金額については高い金利で運用を続けることができます。
定期預金を契約する際には、その商品が一部解約に対応しているかどうか、また一部解約の際の条件(最低残高や回数制限など)について、事前に金融機関に確認しておくとよいでしょう。
流動性の高い他の金融商品を検討する
定期預金以外にも、比較的安全性が高く、かつ定期預金ほど厳格な満期がないなど、流動性の高い金融商品がいくつか存在します。
資金を使う時期が不確実であったり、急な資金ニーズに対応できる柔軟性を重視したりしたい場合は、これらの商品を検討するのもよいでしょう。
貯蓄預金
貯蓄預金は、普通預金と定期預金の中間のような性質を持つ預金です。普通預金と同様に、基本的にいつでも出し入れが可能でありながら、預金残高に応じて段階的に金利が上がる仕組みになっているのが一般的です。
ただし、金利についても普通預金と定期預金の中間程度である場合がほとんどです。
それでも、必要な時にすぐに引き出せる流動性の高さと、普通預金よりは有利な金利というバランスが魅力の商品といえます。
個人向け国債
個人向け国債は、国が発行する債券で、個人でも比較的少額(1万円)から購入できます。定期預金と同様に元本割れのリスクが非常に低く、安全性の高い商品です。
特に「変動10年」というタイプの個人向け国債は、半年ごとに適用金利が見直されるため、市場の金利上昇に対応しやすい特徴があります。
また、発行から1年が経過すれば、額面金額と経過期間に応じた利子相当額に加えて、直前2回分の利子相当額(税引き前)を差し引いて中途換金が可能です。
定期預金のように満期まで資金が固定されるわけではなく、必要であれば1年経過後に換金できるため、定期預金よりも自由度の高い選択肢といえます。
定期預金の中途解約に関するQ&A
定期預金の中途解約について、よくある疑問にお答えします。
Q. 中途解約に手数料はかかる?
定期預金の中途解約にあたって、解約自体に直接的な「手数料」がかかることは基本的に少ないでしょう。
ただし、これはあくまで「手数料」という名目での費用が発生しないという意味であり、前述のように、本来受け取れるはずだった金利が大幅に減額されるという実質的なペナルティがあるため注意が必要です。
Q. ネット銀行の定期預金も中途解約できる?
はい、ネット銀行の定期預金も中途解約は可能です。
都市銀行や地方銀行などの実店舗を持つ金融機関と同様に、ネット銀行の定期預金も満期前でも基本的に解約はできます。
手続きの方法は、ネット銀行の特性上、原則としてインターネットバンキング上で行うことになります。Webサイトやアプリを通じて解約したい定期預金を選択し、画面の指示に従って手続きを進めます。
Q. 定期預金を中途解約したときの金利はいつ受け取れる?
定期預金を中途解約した場合、その時点までに発生した中途解約利率に基づく金利は、解約手続きが完了したタイミングで元本と一緒に支払われるのが一般的です。
通常、手続き完了から数営業日以内に、指定の普通預金口座などに入金されます。これは満期を迎えた場合と同様で、普通預金のように毎月や半年ごとなど定期的に金利を受け取れるわけではありません。
ただし、入金までの日数は金融機関によって異なる場合があります。詳しくは利用している金融機関に問い合わせるとよいでしょう。
Q. 定期預金の中途解約はキャンセルできる?
一度定期預金の中途解約手続きを完了させてしまうと、基本的にキャンセル(取り消し)することはできません。
もし、手続きの途中で間違いに気づいたり、解約を取りやめたくなったりした場合は、手続きが完了する前に金融機関に連絡して相談する必要があります。
ただし、手続きの進行状況によっては、すでにキャンセルが難しい場合もあるため、解約手続きは慎重に行うことが大切です。
まとめ
定期預金は、計画的な資産運用において有効な手段ですが、満期前に中途解約すると、さまざまなペナルティが発生します。
もっとも大きな影響は、当初期待していた高い金利ではなく、大幅に低い中途解約利率が適用され、受け取れる利息が激減してしまうことです。また、キャンペーン金利や各種特典も無効になる可能性が高いでしょう。
中途解約という事態を避けるためには、定期預金を始める前に、まず資金を使う可能性のある時期を踏まえて無理のない預入期間を検討することが大切です。また、急な出費に備えるための生活防衛資金を、いつでも引き出せる普通預金などに確保しておくことも重要です。
もし、引き出しの自由度を重視したい場合は、貯蓄預金や個人向け国債など、定期預金以外の金融商品の検討も視野に入ってくるでしょう。
定期預金は、余裕資金を確実に増やしたい場合に有効な選択肢ですが、その特性をよく理解し、計画的に利用することが大切です。中途解約による不利益を避けるためにも、事前の準備と検討をしっかり行いましょう。
将来資金が気になるあなたへ
将来、お金の不安なく暮らすために、老後資金の必要額を早めに把握して準備を始めましょう。マネイロでは、将来資金の準備を便利に進められる無料ツールを利用できます。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。