
FIREする方法・道筋を徹底解説。資金計算から達成後の出口戦略まで
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FIREする方法とは?そのステップを分かりやすく解説します。この記事では、FIRE達成者も実践する「4%ルール」の具体的な計算方法から、iDeCo・NISAなどの優遇制度を最大限活用した効率的な資産形成、さらには早期リタイア後の健康保険や住民税の最適化戦略まで、日本の制度に合わせたFIRE戦略を網羅します。
本記事を参考にFIRE達成のイメージをつかみ、成功への第一歩を踏み出しましょう。
- FIREの基本定義である「4%ルール」に基づいた、具体的な目標資金額の計算方法
- 日本の制度に基づいた効率的なFIRE達成ステップ
- 退職後の資産寿命を延ばすための出口戦略
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FIREとは?基本定義と日本の制度に合わせた目標設定
FIRE(Financial Independence, Retire Early/経済的自立と早期リタイア)とは、一定の資産を築くことでフルタイム労働から解放され、仕事をするかどうかを自分で選べる状態、すなわち、資産運用から得られる収益だけで生活費を賄える状態を目指すライフスタイルを指します。
FIREの実現において、特にベースとなる考え方が「4%ルール」です。
FIREの「4%ルール」
「4%ルール」とは、米国の著名な研究(トリニティ・スタディ)に基づき、年間支出を賄うための目標金額を設定するためのルールをいいます。
具体的な計算方法は、「年間支出の25倍の資産」を築き、その資産を年率4%で運用しながら、毎年資産の4%以内を取り崩して生活費に充てるという考え方に基づいています。このルールは、株式と債券を組み合わせた分散投資を行うことで、過去のデータにおいて資産が30年間で枯渇するリスクを抑えることを目的としています。
ただし、この4%ルールは、過去の米国市場の好調なパフォーマンスを前提に導き出されたものです。日本の生活者が注意すべきは、為替リスクとインフレです。また、現在の株価がすでに高い水準(株高)にある場合、これから投資を始めた時の平均的なリターンが想定より低くなる可能性や、リタイア直後の暴落リスクを考慮すると、4%という数字は楽観的すぎる場合があります。
そのため、より堅実な計画を立てる場合、安全性を高めるために目標取り崩し率を3~3.5%程度に設定することが、現代のFIRE戦略として推奨されます。
働かない完全FIRE
完全に労働から離脱し、生活費のすべてを資産運用益だけで賄うのが「完全FIRE」です。
フルFIRE(ファットFIRE)
フルFIREは、年間支出を多めに設定し、比較的豊かな生活水準を維持できるだけの大きな資産を築いてリタイアする形です。年間支出が400万円を超えるなど、生活の質を下げたくない場合に適しています。目標資金額は大きくなりますが、早期リタイア後の生活の満足度はもっとも高いといえます。
リーンFIRE
リーンFIREは、できるだけ支出を切り詰めた状態(年間200万円以下など)で生活できるだけの資産を築き、早期リタイアする形です。目標資金額が少なくて済むため、達成までの期間は短くなりますが、リタイア後の生活では常に節約を意識する必要があり、突然の大きな出費に対応しにくいリスクがあります。
働きながらFIRE
資産運用益だけでは生活費のすべてを賄えない場合や、働くこと自体に喜びを見いだすために、リタイア後も緩やかに働き続けるのが「働きながらFIRE」です。
サイドFIRE
サイドFIREは、資産運用益で生活費の一部を賄いつつ、残りの不足分を副業などの労働で補うスタイルです。フルFIREよりも目標資金額を低く設定できるため、達成しやすいのが最大のメリットです。また、労働収入があることで、市場の暴落時にも取り崩しを減らすことができ、資産寿命を延ばしやすいという利点もあります。
バリスタFIRE
バリスタFIREは、サイドFIREの中でも、フリーランスのような働き方ではなく、カフェのバリスタのように、雇用されて働くスタイルを指します。働き方によっては、厚生年金に加入し手厚い社会保障を受けることが可能なのが特徴です。
コーストFIRE
コーストFIREは、十分な投資元本を若いうちに確保した後、その元本を複利で増やす期間を設け、その後は追加の入金をせず、資産を運用する戦略です。リタイアまでの期間は働き続けますが、将来の資産形成の目処が立っているため、労働収入をすべて生活費に回すことができ、豊かな暮らしを実現できます。
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FIREする方法は?着実に進める4ステップ
FIREを達成するためのプロセスは、以下の4つのステップで着実に進めることができます。
ステップ1:目標金額の設定
FIREの目標金額は、基本の計算式である「年間支出×25」に基づいて設定します。この数字が、あなたが目指すべき「FIREナンバー」となります。
【シミュレーション】ケース別 必要資金額一覧表
年間支出から逆算した、ペルソナ別のFIRE必要資金額(年間支出×25倍)の目安は以下の通りです。
円安・インフレ時代における「修正4%ルール」も検討
現在の経済状況を鑑み、より安全性を追求するために、取り崩し率を3.5%に設定する「修正4%ルール」を検討することもFIREを継続するのに有効です。この場合、目標金額は年間支出の約28.5倍となり、必要な資金額は増えますが、将来のインフレリスクへの耐性が高まります。
ステップ2:支出の最適化~種銭作り
初期段階では、投資元本(種銭)をいかに短期間で大きくできるかが重要です。このフェーズでは、「節約」よりも「支出の最適化」を意識します。生活の満足度を大きく損なうことなく、効果的に支出を削減することが目的です。
もっとも効果が大きいのは、大きな固定費(住居・通信・保険)へのメス入れです。特に、生命保険は独身の場合や、資産が十分にある場合、高額な死亡保険は基本的に不要という判断基準があります。必要な保障は掛け捨て型に絞り、貯蓄性の高い保険を解約するなどして、浮いた資金を投資元本に回しましょう。
ステップ3:入金力の最大化
支出の最適化で土台を築いたら、次は投資元本を増やす力、すなわち「入金力」を最大化します。
入金力の最大化は、給与所得以外の収入源を作る重要性を認識することが不可欠です。副業やスキルアップによる昇進、より高給な企業への転職などを通じて、労働から得られる収入を増やしましょう。
特に、リタイア後も継続可能な副業スキルを身につけることは、サイドFIREやバリスタFIREを目指す上で強力な武器となります。
ステップ4:資産運用の実践
目標とするFIREナンバーを達成するために、効率的かつ税制優遇を活用した資産運用が求められます。
FIREを目指すための「NISA」活用法
2024年に恒久化・拡大されたNISA(少額投資非課税制度)は、運用益が非課税となるため、FIRE実現のための非常に強力なツールです。NISAの生涯投資枠1800万円(うち成長投資枠1200万円)を最大限に利用し、長期目線での分散投資を実践しましょう。
- つみたて投資枠:低コストでリスク分散されたインデックスファンドを選び、毎月継続的に積み立てる部分に使用します。
- 成長投資枠:まとまった資金を一度に投資する際や、よりリターンを狙う個別株・ETFへの投資に利用できます。もちろん、つみたて投資枠と同じインデックスファンドを購入し、非課税枠全体(最大1800万円)を使って手堅く市場平均リターンを狙う戦略も有効です。
iDeCoはFIRE直後の生活費には充てられない可能性
iDeCo(個人型確定拠出年金)は税制上のメリットが大きいものの、原則として60歳まで資金の引き出しができません。FIREは多くの場合、60歳以前のリタイアを目指すため、iDeCoの資金は「老後資金」として切り分け、FIRE直後の生活費はNISA口座や特定口座で賄う計画を立てるのが現実的です。
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FIRE達成後の「社会保険・税金」対策
FIRE達成後に生活費を圧迫する可能性があるのが、社会保険料と税金です。これらのコストを適切に管理することが、資産寿命を延ばすカギとなります。
退職翌年に来る「住民税」の恐怖と対策
住民税は、前年の所得に対して課税されます。そのため、会社員時代の高額な給与所得に基づいた住民税が、退職した翌年に一括または分割で請求されます。これが、FIRE生活開始直後に資金繰りを悪化させる原因となる「住民税の恐怖」です。
対策は?
FIREを決行する前に、翌年分の住民税を支払うための資金を予備費として確保しておきましょう。例えば、前年の給与所得が600万円だった場合、翌年の住民税は30~40万円程度が見込まれます。この資金を投資に回さず、確実に現金として残しておくことが重要です。
会社員の健康保険がなくなる影響
会社を退職すると、加入していた健康保険(協会けんぽなど)の資格を失います。主に以下の選択肢を検討することになります。
- 国民健康保険に加入:自治体が運営します。保険料は前年の所得によって決まるため、退職直後は高くなりますが、翌々年以降は所得減少に伴い軽減されるのが一般的です。
- 任意継続:会社の健康保険に最長2年間継続して加入できます。ただし、保険料は会社負担分もなくなり、全額自己負担となるため、倍額程度になる可能性があります。
- 家族の扶養に入る:配偶者が会社員で、自身の年収が130万円未満などの要件を満たせば、扶養に入れます。
FIRE達成者は、所得をコントロールしやすく、国民健康保険への加入がもっとも柔軟性が高い選択肢となることが多いです。
国民年金への切り替え手続きと付加年金の活用
会社員時代に加入していた厚生年金から、FIRE後は国民年金に切り替え手続きが必要です。国民年金保険料は定額で、満額納付することで老後の基礎年金が確保されます。
将来もらえる年金額を少しでも増やしたい場合は、付加年金の活用が有効です。国民年金保険料に月々400円を上乗せして納付することで、将来受け取れる年金額が増えます。2年以上受け取れば元が取れるため、もっとも手軽に老後資金を増やす方法の1つです。
資産寿命を延ばす「出口戦略(取り崩し)」の選択肢
FIRE達成後の資産取り崩し戦略は、資産寿命を左右します。計画的でない取り崩しは、市場の変動によって資産の早期枯渇を招く可能性があります。
定額取り崩し
定額取り崩しとは、毎年、一定の金額(年間支出相当額)を決めて資産から引き出す方法です。
メリットは、毎年の生活費の予算管理が容易である点です。デメリットは、株式市場が暴落し、資産価値が大きく減少している時期でも、定額を引き出し続けるため、資産の回復機会を奪い、早期の資産枯渇リスクが高まることです。特にリタイア直後の暴落(初期の暴落)は致命的になりやすいでしょう。
定率取り崩し
定率取り崩しとは、資産の一定割合(例:3.5%や4%)を毎年引き出す方法です。取り崩し額は資産残高に応じて変動します。
メリットは、市場が暴落して資産が減った際には取り崩し額も自動的に減るため、資産の回復を待つ余裕が生まれ、資産寿命が延びやすい点です。デメリットは、資産残高の変動により、生活費として使える金額も変動するため、生活水準の安定性が低くなる可能性があることです。
このデメリットを補うために、サイドFIREのように労働収入を組み合わせる戦略が有効です。
FIREする方法に関するよくある質問(Q&A)
FIREする方法に関するよくある疑問や質問にQ&A形式で回答します。
Q. FIREするには何年かかる?
FIRE達成にかかる年数は、貯蓄額よりも、「貯蓄率」(収入に対する貯蓄・投資に回す割合)に大きく依存します。以下は、クリスティー・シェン&ブライス・リャン著『FIRE 最強の早期リタイア術』からの引用図です。
目標資金額を年間支出の25倍(4%ルール)、運用利回りを5%程度と仮定した場合、貯蓄率が高ければ高いほど、達成までの期間は劇的に短縮されます。
- 貯蓄率 30%の場合:約29年
- 貯蓄率 50%の場合:約17年
- 貯蓄率 70%の場合:約8年
つまり、昇給や副業によって収入が増え、貯蓄率を50%以上に高められるかが、FIRE達成までの年数を決めるもっとも重要な要素になります。
Q. 独身でFIREするにはいくら必要?
独身者が求めるFIRE後の生活水準によって必要な金額は大きく異なります。もっとも支出を抑えた「リーンFIRE」を目指し、年間支出を200万円と設定した場合、必要な資産は25倍で5000万円となります。
一方、趣味や旅行も楽しみ、ゆとりある「フルFIRE」を目指し、年間支出を400万円と設定した場合、必要な資産は25倍で1億円となります。
独身の場合、扶養家族がいないため、高いリスク許容度を設定しやすいというメリットがありますが、まずは自分の望む年間支出を明確にすることが必要です。
Q. 日本でFIREする具体的な手順は?
日本でFIREを成功させるためには、この記事で解説した4ステップの資産形成と、退職後の制度への対策が必須です。
- 「年間支出×25倍」に基づき、目標金額を明確に設定する。
- 固定費(住居、保険など)を徹底的に見直し、支出を最適化する。
- 副業や転職で給与所得を増やし、入金力を最大化する。
- NISA(つみたて枠と成長枠)を最大限活用し、長期の国際分散投資を実践する。
- 退職前に、翌年の住民税や健康保険料の概算を把握し、支払いに備える。
- 退職後は、定率取り崩しなど、市場変動に強い出口戦略を採用する。
日本の税制優遇制度を最大限に活用し、社会保険や税金の負担を事前に計画することが、日本のFIREを成功させるもっとも確実な手順です。
まとめ
FIREする方法は、経済的自立と早期リタイアを実現するための体系的なアプローチであり、資金計算、優遇制度の活用、そして退職後の社会制度への適応を含む総合的な戦略です。
成功の鍵は、4%ルールに基づき目標資産を「年間支出の25倍」と設定し、NISAを中心とした国際分散投資で資産を増やし、退職後の住民税や社会保険料の負担増に備えておくことです。特に、日本の制度に最適化された戦略(NISAの活用、iDeCoの60歳拘束の理解、修正4%ルールの検討など)を計画的に実行することが、FIRE失敗を防ぎ、資産寿命を延ばすために不可欠です。
FIREの基本と王道のステップを理解して、成功への地盤を着実に固めていくことが非常に大切です。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。
