
2000万円でFIREできる?可能な選択肢と今後のアクションプランを解説
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「2000万円あればFIREできるのだろうか?」このような疑問を持つ方も多いかもしれません。
本記事では、2000万円でFIREを実現するためのロードマップを専門家の視点も交え詳しく解説します。特に現実的な「サイドFIRE」や「コーストFIRE」に焦点を当てながら、FIREに向けた準備やNISAを活用した税制最適化戦略などを網羅的に紹介します。
- 貯蓄2000万円で実現できる現実的なFIREのスタイル
- 資産を枯渇させないための具体的な出口戦略
- 2000万円でFIREを成功させるための事前準備
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2000万円でFIREはできる?
資産2000万円は大変な金額であり、達成できたことは素晴らしいことといえます。ではこの資産をもとにFIREすることは可能なのでしょうか?
完全FIREはかなり厳しい
結論からいうと、資産からの収入だけで生活費を賄う「完全FIRE」はかなり難しいといえます。
一般的にFIREの実現可能性を判断する際によく用いられるのが「4%ルール」です。これは、年間支出の25倍の資産を築き、その資産を年率4%で運用することで、理論上、資産を枯渇させずに生活費を賄えるという考え方です。この4%ルールに基づくと、2000万円の資産で取り崩せる年間生活費は、2000万円 × 4% = 80万円となります。
月々の取り崩し額に換算すると、約6万6000円です。この金額だけで生活費のすべてを賄おうとすると、極端なリーンFIRE(年間支出を極限まで抑えるFIRE)であったとしても、国民年金や国民健康保険の負担を考慮すると、生活の維持は困難といわざるを得ません。
したがって、フルFIREやリーンFIREといった「労働収入をゼロにする完全FIRE」を、貯蓄2000万円だけで達成するのは、現実的ではありません。
2000万円での現実的なFIREスタイルは?
2000万円という資産を最大限に活用し、早期リタイアのメリットを享受するためには、労働収入と資産運用収入を組み合わせた現実的なスタイルを選択する必要があります。具体的には、「サイドFIRE」または「コーストFIRE」が有力な選択肢となります。
1.サイドFIRE
サイドFIREとは、資産運用からの不労所得(資産取り崩し)に加え、自身の好きな仕事や趣味を活かした労働収入を得ることで生活費をまかなうスタイルです。2000万円の資産をもとに運用しながtら取り崩しを行うことで生活費の一部を賄いながら、働き方の選択肢を広げられる可能性があります。
サイドFIREの収支シミュレーション
FIREの王道である「4%ルール」に基づき、より安全に資産を維持するシミュレーションを考えてみましょう。仮に、年間支出を300万円と設定し、資産2000万円を「4%ルール」で取り崩す場合を考えます。
年間の資産取り崩し額は、2000万円 × 4% = 80万円となります。この80万円を不労所得として活用する場合、年間300万円の支出をまかなうために必要な労働収入は220万円です (300万円 - 80万円 = 220万円)。
月額に換算すると約18万3000円の労働収入を確保すれば、資産の枯渇リスクを低く抑えながらFIRE生活を送ることが可能になります。
2.コーストFIRE
コーストFIREは、すでに一定の資産形成が完了しており、その資産の複利運用のみで老後資金を十分にまかなえる状態を指します。コーストFIREを達成すると、それ以上、投資に新しい資金を回す必要がなくなります。
仮に2000万円をコーストFIREの元本として活用する場合、現在の生活費は労働収入で賄いますが、老後資金のために資産を取り崩す必要がなくなるため、精神的なゆとりが生まれます。
コーストFIREすると2000万円はいくらになる?
2000万円を元本とし、一切追加投資や取り崩しを行わず、年率4%で運用し続けた場合に、各年齢でコーストFIREを達成した後の60歳時点での資産額をシミュレーションしてみましょう。
試算参照:資産運用かんたんシミュレーション|アセットマネジメントOne
このシミュレーションから分かるように、若いうちに2000万円の元本を確保し、長期の複利効果を最大限に享受すれば、老後資金として十分に機能する資産を形成できることが分かります。
例えば、30歳で達成すれば、60歳までに約6486万円となり、ゆとりある老後を迎えるための基盤が確立されます。
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資産2000万円を枯渇させない「出口戦略」とリスク対策
FIRE後の生活において、資産をいかに長持ちさせるかは極めて重要です。資産の取り崩し方や、市場の急激な変化に対応するためのリスク管理(出口戦略)が成功の鍵を握ります。
取り崩しの優先順位:特定口座 vs NISA vs iDeCo
資産を取り崩す際の基本原則は、税負担が低いものから取り崩すことです。具体的な取り崩しシミュレーションの優先順位は以下のとおりです。
- NISAの成長投資枠・つみたて投資枠(売却益非課税):新NISAで得られた売却益や配当金はすべて非課税です。したがって、税制面でもっとも優遇されているNISA口座の資産を、まず最初に生活費として利用することが基本となります。
- 特定口座の譲渡益(分離課税20.315%):新NISA枠を使い果たした後、次に特定口座の資産を取り崩します。特定口座では、売却益に対して所得税および住民税、復興特別所得税を合わせた20.315%が課税されます。
- iDeCo(60歳以降・税制優遇):iDeCoは原則として60歳まで引き出しできません。60歳以降に受け取る際は、「退職所得控除(一時金)」や「公的年金等控除(年金)」といった強力な税制優遇が適用されます。したがって、60歳までは①NISA、②特定口座の順で取り崩し、60歳以降はiDeCoの非課税枠を使い切ることを優先しつつ、不足分を特定口座やNISAから補うなど、税負担が最小になるよう計画的に組み合わせる戦略が最適です。
マーケット暴落時の対応:生活費と現金の確保
FIREを達成した直後や途中に、リーマンショック級のマーケット暴落が発生するリスクはゼロではありません。資産の目減りを最小限に抑えるためにも、事前の準備が必要です。
暴落時に資産を取り崩し続けると、資産の回復力を大きく削いでしまい、早期の枯渇につながりかねません。これを防ぐために重要となるのが、「生活防衛資金」と「キャッシュの確保」です。
具体的には、通常、生活費の数年分(例えば3〜5年分)をあらかじめ現金や現金同等物として安全性の高い資産で保有し、暴落局面においては投資資産を取り崩さず、この現金で生活をまかなう戦略を取ります。これにより、暴落時に狼狽売りをしてしまうリスクや、資産の回復を待つ間に生活に困窮するリスクを低減できます。
さらに、サイドFIREの場合は、暴落時には柔軟に対応し、労働収入を一時的に増やして資産の取り崩しを止めるという対応も有効です。
コーストFIREの場合は老後まで資産に手を付けない
コーストFIREを選択した場合、現在の生活費は労働収入でまかなうことを前提としています。したがって、コーストFIRE用の資産2000万円には、老後資金として機能させるために、原則として老後まで手を付けてはいけません。
市場が暴落したとしても、あくまで老後のための資産であるため、短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期投資を継続する鉄の意志を持つことが重要となります。
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FIRE計画を成功に導くための5つの準備
2000万円でのFIREを成功させるには、単なる資産形成だけでなく、生活面や精神面での準備も不可欠です。
支出の準備(幸福の再定義)
FIRE成功の第一歩は、支出の最適化です。単なる節約ではなく、「自分にとっての幸福」とは何かを明確に見極め、その価値観に基づいて支出を最適化することが重要です。
具体的には、家計簿や支出記録を見直し、「幸福度が低いにもかかわらず、支出額が大きい項目」を見つけて削減する方法が有効です。例えば、惰性で契約しているサブスクリプションサービスや、特に価値を感じていない外食費などが見直しの対象となります。価値観に基づく支出の最適化により、FIRE後の生活の質を下げずに、必要経費を大幅に削減することが可能になります。
収入の準備
サイドFIREやコーストFIREでは、労働収入が必須です。あらかじめ、目標とする支出額と運用益から逆算し、稼ぐべき収入額を再確認し、それをどのように稼ぐのかを事前に具体的にイメージしておくことが極めて重要です。
例えば、サイドFIREで年間180万円の労働収入が必要であれば、ライティング、プログラミング、コンサルティング、趣味を活かした講師業など、場所や時間に縛られない働き方を模索する必要があります。
リスクへの心理的準備
FIRE後の生活でもっとも厳しい局面は、資産が減少した際の精神的なストレスです。事前に「もしFIRE直後にリーマンショック級の暴落が来たら?」というシナリオをシミュレーションし、心理的な耐性をつけておく必要があります。
仮に、FIRE直後に市場が暴落し、資産2000万円が30%減少して1400万円になってしまったと想定します。もし、取り崩し額を元の計画通り(年間80万円など)に変えなければ、資産の回復は遠のき、資産枯渇リスクが高まります。
しかし、このシナリオで労働による副業収入があれば、一時的に労働収入を増やし、資産の取り崩しを止めることで、資産が回復するまでの期間を乗り切ることができます。
生活防衛資金(現金)の重要性と、マーケットが下がっても狼狽売りしない鉄の意志こそが、心理的準備の核心です。
健康の準備
FIRE生活は長期にわたります。しかし、健康を損なうと、医療費の増加や労働収入の途絶により、計画が大きく狂います。資産形成だけでなく、日々の運動習慣や食生活に気を配るなど、健康への投資を怠らないことが重要です。
人間関係・生きがいの準備
早期リタイアは、社会との接点を失い、生きがいを見失うリスクを伴います。FIRE後の生活を豊かにするためには、新しいコミュニティや趣味を見つけ、人間関係や生きがいを事前に準備しておくことが成功の重要な要素となります。
2000万円でのFIREに関するQ&A
2000万円でのFIREに関するよくある質問にQ&A形式で回答します。
Q. 貯蓄2000万円でセミリタイアできるのは、具体的にどんな人?
貯蓄2000万円でセミリタイア(サイドFIRE)が現実的なのは、主に以下の条件を満たす人です。
- 生活費が極めて低い人:2000万円の運用益(利回り4%で年間80万円)に対し、必要な支出額が低ければ低いほど、労働収入の負担が軽減されます。
- 労働収入の確保が容易な人:自身のスキルを活かして、場所や時間を選ばずに月10万円から20万円程度の収入を継続的に得られる方。
- 住居費負担が少ない人:持ち家があり住宅ローンがない、または地方など物価の低い地域での生活を考えており、家賃や住居費の負担が小さい人は、FIREのハードルが大幅に下がります。
Q. 資産2000万円を達成した人は、上位何%に入る?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2024)」によると、金融資産保有額が2000万円以上の世帯は、決して多数派ではありません。
単身世帯の場合、金融資産保有額が2000万円以上(2000~3000万円未満と3000万円以上を合計)の方は、全体の13.1%に該当します。2人以上世帯の場合、金融資産保有額が2000万円以上の方は、全体の18.7%に該当します。
このデータから、貯蓄2000万円を達成している世帯は、日本の全世帯と比較して上位層に位置することが分かります。この資産基盤は、FIREを目指す上での大きなアドバンテージとなります。
Q. 貯蓄2000万でセミリタイアするには、年間いくらの労働収入が必要?
必要な年間労働収入は、目指すFIREスタイルと、資産の運用利回り、そして年間の生活費によって決定されます。
もし、年間生活費を300万円と設定し、資産2000万円を利回り4%(年間80万円の取り崩し)で運用する場合、
- 必要な年間労働収入 = 300万円(支出) - 80万円(運用益) = 220万円
同じく年間生活費を300万円と設定し、資産2000万円を利回り6%(年間120万円の運用益)で運用できる場合は、
- 必要な年間労働収入 = 300万円(支出) - 120万円(運用益) = 180万円
必要な労働収入額は、年間で180万円から220万円程度がひとつの目安となります。
まとめ
資産2000万円だけでフルFIRE(完全リタイア)を実現するのは困難ですが、労働収入と組み合わせるサイドFIREや、老後資産の土台を築くコーストFIREであれば、現実的な選択肢となります。
特にコーストFIREであれば、2000万円の達成が早いほど有利です。「資産に手をつけない」という鉄則を守りながら運用ができればゆとりのある老後生活を遅れる可能性が高くなるでしょう。
なお、いずれのFIREのケースでも、成功のためにはNISAを優先的に活用する税制最適化された出口戦略や、暴落時に備えて生活防衛資金と現金を用意しておくことが不可欠です。また、支出の最適化、収入源の確保、そしてリスクへの心理的準備を含む5つの準備を徹底しながら、公的制度を最大限に活用した計画を進めることが、FIRE成功へのカギとなります。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
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