マネイロ

iDeCoはデメリットしかない?やめとけと言われる5つの理由と後悔しないための対策

iDeCoはデメリットしかない?やめとけと言われる5つの理由と後悔しないための対策

iDeCo2026/08/21

    »iDeCoで老後資金は十分?無料診断

    iDeCoはデメリットしかない?」「始めると後悔する?」と不安に感じている人もいるでしょう。

    iDeCoには、原則60歳まで資産を引き出せない、運用商品によっては元本割れの可能性がある、手数料がかかるなどのデメリットがあります。また、所得や働き方によっては、掛金の所得控除によるメリットを十分に得られないケースもあります。

    一方で、掛金の所得控除や運用益の非課税など、老後の資産形成に役立つ税制優遇もあります。そのため、「デメリットしかない」と一概にはいえません。

    本記事では、iDeCoのデメリットや注意点、メリットを得やすい人・慎重に検討したい人の特徴をわかりやすく解説します。

    この記事を読んでわかること
    • iDeCoが「デメリットしかない」と言われる5つの理由
    • デメリットを上回る3つの強力な税制優遇メリット
    • iDeCoに向いている人・向いていない人の具体的な特徴


    iDeCoの活用を迷っているあなたへ

    資産運用の不安を解消するために、マネイロではさまざまなサポートを無料でご提供しています。

    3分投資診断:必要な老後資金とあなたに合う投資がわかる

    プロも実践するiDeCoの活用法:専門家が解説する30分のWebセミナー

    iDeCoシミュレーション:節税効果をチェック

    「デメリットしかない・やめとけ」は本当?結論から検証

    iDeCo(個人型確定拠出年金)について調べると、「デメリットしかない」「やめとけ」といった否定的な意見を目にすることがあります。

    しかし、結論からいえば、iDeCoは多くのメリットを持つ一方で、いくつかの注意点が存在する制度です。

    「デメリットしかない」という極端な評価は、制度の一側面だけを切り取ったものといえるでしょう。

    大切なのは、メリットとデメリットの両方を正しく理解し、自身の状況に合っているかを判断することです。

    「デメリットしかない」と言われる背景

    iDeCoが「デメリットしかない」と言われる背景には、制度が持ついくつかの厳しい制約が関係しています。

    iDeCoが敬遠されがちな主な理由

    • 原則60歳まで資産を引き出せない
    • 運用商品によっては元本割れのリスクがある
    • 口座管理手数料が継続的にかかる

    iDeCoは老後資金の形成を目的とした年金制度であるため、途中で資金が必要になっても、原則として60歳になるまで引き出すことができません

    住宅購入や子どもの教育費といったライフイベントで急に資金が必要になった場合にも、iDeCoの資金を引き出すことはできません。資金の流動性が低い点がデメリットとして強調されがちです。

    また、元本変動型商品(投資信託)で運用する場合、市場の動向によっては元本割れのリスクも伴います。

    さらに、加入時や運用期間中に手数料が発生するため、これらの点を捉えて「デメリットしかない」という意見につながっていると考えられます。

    実際は"人によって向き不向きがある"だけ

    iDeCoは「デメリットしかない」わけではなく、実際には「人によって向き不向きがある」制度です。iDeCoのメリットを最大限に活かせる人もいれば、制度の特徴がライフプランに合わない人もいます。

    例えば、所得が高く、節税効果を重視する人にとっては、掛金が全額所得控除になるiDeCoは魅力的な制度です。

    また、老後資金を計画的に、かつ半強制的に準備したいと考える人にとっても、60歳まで引き出せないという仕組みがむしろメリットとして機能します。

    一方で、収入が不安定な人や、近い将来に住宅購入などでまとまった資金が必要になる可能性がある人にとっては、資金が長期間拘束されるiDeCoは不向きといえるでしょう。

    また、所得が少なく所得税や住民税をほとんど払っていない場合、最大のメリットである所得控除の恩恵を受けられません。

    このように、自身の収入状況、年齢、ライフプラン、そして資産形成の目的によって、iDeCoの評価は変わります。制度の特徴を理解し、自身の状況と照らし合わせることが欠かせません。

    iDeCoの基本と3つの節税メリット

    iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を拠出し、自分で運用商品を選んで資産を形成する私的年金制度です。公的年金に上乗せする形で老後の資産を準備することを目的としており、手厚い税制優遇が特徴です。

    原則として20歳以上65歳未満の国民年金被保険者であれば加入でき、掛金は月額5000円から始められます。

    この制度を理解する上で欠かせないのが、「拠出時」「運用時」「受取時」の3つのタイミングで受けられる節税メリットです。

    掛金全額所得控除/運用益非課税/受取時控除

    iDeCoには、資産形成の各段階で税制上の優遇措置が設けられています。

    掛金が全額所得控除の対象になる(拠出時)

    iDeCoの最大のメリットは、年間の掛金が全額「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、拠出した年の所得税と翌年の住民税が軽減される点です。例えば、年収400万円(所得税率5%)の会社員が毎月2万3000円(年間27万6000円)を拠出した場合、所得税と住民税を合わせて年間約4万1600円の節税効果が期待できます。

    運用益が非課税になる(運用時)

    通常、投資信託や預金などで得た利益(運用益)には約20%の税金がかかります。しかし、iDeCoの口座内で得た運用益はすべて非課税です。利益が再投資に回されるため、複利効果を最大限に活かした効率的な資産形成が可能です。

    受け取り時にも控除がある(受取時)

    60歳以降に積み立てた資産を受け取る際にも税制優遇があります。一時金として一括で受け取る場合は「退職所得控除」、年金として分割で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用され、税負担が軽減されます。これにより、長年積み立てた資産をより多く手元に残すことができます。

    (参考:iDeCoシミュレーション | iDeCo公式サイト

    2026年12月の掛金上限引き上げ・加入年齢70歳未満へ

    iDeCoは、より多くの人が老後資金を準備しやすくなるよう、制度改正が予定されています。

    ポイントの解説

    2026年12月からは、掛金の上限額が引き上げられる見込みです。自営業者などの第1号被保険者は月額7万5000円に、会社員などの第2号被保険者は企業年金の掛金と合わせて月額6万2000円に引き上げられる案が検討されています。

    これにより、これまで以上に多くの資金を非課税の恩恵を受けながら積み立てることが可能になります。

    また、加入可能年齢も現行の65歳未満から70歳未満へと引き上げられる方針です。これにより、60代で働き続ける人や、退職後も資産運用を継続したいと考える人が、より長くiDeCoの税制優遇を活用できるようになります。

    これらの制度改正は、iDeCoをさらに魅力的な制度へと進化させるものであり、今後の資産形成計画を立てる上で重要なポイントとなるでしょう。

    (参考:2025年の制度改正 | 厚生労働省


    iDeCoの活用を迷っているあなたへ

    資産運用の不安を解消するために、マネイロではさまざまなサポートを無料でご提供しています。

    3分投資診断:必要な老後資金とあなたに合う投資がわかる

    プロも実践するiDeCoの活用法:専門家が解説する30分のWebセミナー

    iDeCoシミュレーション:節税効果をチェック

    iDeCoが「デメリットしかない」と言われる5つの理由

    iDeCoには強力な節税メリットがある一方で、いくつかの制約やリスクも存在します。これらの点が、「デメリットしかない」「やめとけ」といった意見につながる主な理由です。

    加入を検討する際には、これらの注意点を正しく理解しておくことが不可欠です。

    60歳まで引き出せない(流動性)

    iDeCoの特徴であり、デメリットとして頻繁に指摘されるのが、原則として60歳になるまで積み立てた資産を引き出せない点です。

    iDeCoは老後の生活資金を確保するための年金制度です。長期的な資産形成を促す目的で、引き出しに制限が設けられています。

    しかし、人生においては住宅購入の頭金、子どもの教育費、急な病気や失業など、予期せぬタイミングでまとまった資金が必要になることがあります。そのような場合でも、iDeCoの資産を引き出して利用することはできません

    この資金の流動性の低さは、20代や30代といった、これからライフイベントを控えている世代にとっては、デメリットとなる場合があります。

    iDeCoを始める際は、当面使う予定のない余裕資金で行うことが重要です。

    価格変動・元本割れの可能性

    iDeCoでは、自分で運用商品を選ぶ必要がありますが、選択によっては元本割れのリスクが伴います。

    iDeCoで選択できる商品は、「元本確保型」と「元本変動型」の2種類に分けられます。

    • 元本確保型: 定期預金または保険。元本を確保しながら運用する商品ですが、リターンは低い傾向にあります。
    • 元本変動型: 株式や債券などに投資する投資信託など。高いリターンが期待できる一方、市場の価格変動により、投資した元本を下回る可能性があります。

    元本変動型商品である投資信託を選んだ場合、経済情勢や市場の動向によっては資産価値が減少し、結果として「元本割れ」を起こすことがあります。

    ただし、元本割れのリスクはiDeCo特有のものではなく、投資全般に共通するものです。長期的な積立・分散投資を心がけることで、価格変動リスクをある程度抑えることは可能とされています。

    リスクを避けたい場合は元本確保型商品を選ぶこともできますが、その場合は手数料負けのリスクに注意が必要です。

    掛金が少ないと手数料負け

    iDeCoは、運用益や節税効果が期待できる一方で、継続的に手数料がかかる点もデメリットとして挙げられます。

    掛金が少額の場合、この手数料が運用リターンを上回り、実質的に資産が目減りする「手数料負け」のリスクがあります。

    iDeCoで発生する主な手数料は以下の通りです。

    • 加入時手数料: 約2829円(初回のみ)
    • 口座管理手数料: 最低でも月額171円(国民年金基金連合会105円と事務委託先金融機関66円)
    • 運営管理手数料: 金融機関によって異なり、月額0円〜数百円
    • 信託報酬: 投資信託で運用する場合に、保有額に対して年率でかかる

    例えば、運営管理手数料が無料の金融機関を選んだとしても、毎月171円(年間2052円)の手数料は必ずかかります

    もし元本確保型の定期預金(金利がほぼ0%)で月々5000円の最低掛金を拠出した場合、運用による利益はほとんど期待できません。そのため、手数料の負担が運用益を上回り、結果として資産残高が目減りする可能性があります。

    なお、口座管理手数料に含まれる国民年金基金連合会への手数料は2027年1月以降120円に引き上げられます。これにより、毎月最低でもかかる費用は186円(年間2232円)となります。

    手数料負けを避けるためには、運営管理手数料が無料の金融機関を選ぶことや、手数料を上回るリターンが期待できる運用商品を選ぶことなどが対策として考えられます。

    (参考:リーフレット「iDeCo加入者に係る手数料を見直します」|国民年金基金連合会

    所得の少ない人(専業主婦等)は節税効果が小さい

    iDeCoの最大のメリットである「掛金の全額所得控除」は、所得税や住民税を納めている人が恩恵を受けられる仕組みです。そのため、所得が少ない、あるいは全くない方は、この節税メリットを享受できません

    例えば、専業主婦(夫)の人や、扶養内で働いていて所得税・住民税がかからない人は、iDeCoに加入して掛金を拠出しても、所得控除による税金の還付や軽減効果は得られません。

    もちろん、運用益が非課税になるメリットや、受取時の控除が適用されるメリットはあります。

    しかし、iDeCoの魅力の大部分を占める所得控除による節税効果が小さいため、手数料を考慮すると、他の資産形成手段(例えばNISA)を優先した方が適しているケースがあります。

    自身の所得状況を確認し、所得控除のメリットがどの程度見込めるかを把握した上で、iDeCoへの加入を判断することが肝となります。

    受取時に課税される場合がある

    iDeCoは「受取時にも税制優遇がある」とされていますが、必ずしも全額が非課税になるわけではなく、受け取り方や金額によっては税金がかかる場合があります。この点が誤解されやすく、後から「話が違う」と感じるデメリットの1つです。

    iDeCoの資産は、60歳以降に「一時金」または「年金」形式で受け取ります。

    一時金で受け取る場合

    退職所得」として扱われ、「退職所得控除」が適用されます。ただし、会社の退職金なども受け取る場合、受取時期によっては退職所得控除が調整され、控除額を超えた部分に所得税と住民税が課税されることがあります。

    年金で受け取る場合

    公的年金等に係る雑所得」として扱われ、「公的年金等控除」が適用されます。公的年金(国民年金・厚生年金)などと合算した金額が控除額を超えると、超過分に所得税と住民税が課税されます。

    会社の退職金や公的年金の受給額によっては、iDeCoの受取時に課税される可能性があります。

    出口戦略として、受取時期や受取方法(一時金・年金)を事前に検討することが重要です。

    デメリットを避ける・後悔しないための対策

    iDeCoのデメリットは、事前に対策を立てることで、影響を軽減することが可能です。「デメリットしかない」と諦める前に、後悔しないための具体的な方法を確認しておきましょう。

    自身のライフプランと照らし合わせながら、賢く制度を活用するための準備が鍵となります。

    生活防衛資金の確保

    iDeCoの「60歳まで引き出せない」というデメリットに対する対策は、iDeCoを始める前に十分な生活防衛資金を確保しておくことです。

    生活防衛資金とは、病気や怪我、失業といった不測の事態に備えるための緊急用の資金です。一般的に、生活費の6ヶ月〜1年分程度が目安とされています。

    この資金を、普通預金や定期預金など、いつでも自由に引き出せる流動性の高い口座に用意しておくことで、万が一の時にもiDeCoの資産に頼ることなく対応できます。

    iDeCoへの拠出は、あくまでも生活防衛資金を確保した上で、さらに余剰資金で行うのが鉄則です。

    将来の老後資金と、目先の緊急資金を明確に区別して管理することが、後悔しないための第一歩となります。

    手数料負け対策

    掛金が少ない場合に起こりうる「手数料負け」を避けるためには、コストを意識した対策が有効です。

    運営管理手数料が無料の金融機関を選ぶ

    iDeCoの口座管理手数料のうち、「運営管理手数料」は金融機関によって異なります。月々数百円かかる金融機関もあれば、無料のところもあります。長期にわたる運用では、この手数料の差がコストの差につながるため、運営管理手数料が0円の金融機関を選ぶことが手数料負け対策の基本です。

    運用商品を見直す

    元本確保型の商品だけで運用すると、現在の低金利環境ではリターンが手数料を下回り、資産が目減りしてしまいます。手数料負けを避けるためには、信託報酬の低いインデックスファンドなどを組み合わせ、手数料を上回るリターンを目指すことも1つの方法です。

    もちろん元本割れのリスクはありますが、長期的な視点で見れば、リスクを抑えつつリターンを追求することが可能です。

    これらの対策により、iDeCoのコストを最小限に抑え、効率的な資産形成を目指すことができます。

    商品選び

    元本割れのリスクを管理するためには、自身のリスク許容度に合わせた商品選びが鍵となります。

    iDeCoでは、リスク・リターンの異なるさまざまな商品が用意されています。自身の投資経験や年齢、資産状況などを考慮して、どの程度のリスクなら受け入れられるかを考えましょう。

    リスクを避けたい人

    定期預金や保険といった元本確保型商品を中心に配分することで、元本割れのリスクを抑えることが期待できます。ただし、リターンは期待できず、手数料負けの可能性も考慮する必要があります。

    リターンを狙いたい人

    株式や債券に投資する投資信託(元本変動型)を組み合わせます。リスクを抑えるためには、1つの資産に集中投資するのではなく、国内外の株式や債券などに幅広く投資する分散投資が基本です。また、長期的な視点で運用を続けることで、短期的な価格変動の影響を和らげることができます。

    多くの金融機関では、年齢やリスク許容度に応じて資産配分を自動で調整してくれる「ターゲットイヤー型」の投資信託も用意されています。

    商品選びに迷う場合は、こうした商品を活用するのも1つの手です。

    受取時の控除活用

    受取時の税負担を軽減するためには、受取時期受取方法を事前に検討することが重要です。

    一時金で受け取る場合には「退職所得」、年金形式で受け取る場合には「雑所得」として扱われ、それぞれ退職所得控除や公的年金等控除の対象となります。

    ポイントの解説

    ただし、会社の退職金がある人は、退職金とiDeCoの受取時期によっては、退職所得控除の適用が調整される場合があります。 また、公的年金の受給額が多い場合は、年金形式で受け取ることで税負担が増えるケースもあります。

    一方で、公的年金の受給額が少ない人は、年金形式で受け取ることで公的年金等控除を活用できる場合があります。また、一時金と年金の組み合わせを選択できるケースもあります。

    どの受け取り方が有利になるかは、退職金の額や公的年金の受給見込額などによって異なります。受取時期や受取方法は、制度改正の内容も踏まえて、事前にシミュレーションした上で決めることが大切です。

    »あなたはiDeCoをやるべき?今やるべき投資がわかる3分診断

    iDeCoに向いていない人・向いている人

    iDeCoは、制度の特徴からすべての人におすすめできる制度ではありません。自身のライフプランや収入状況によって、メリットを享受できる人と、そうでない人が明確に分かれます。

    ここでは、どのような人がiDeCoに向いていて、どのような人が向いていないのかを具体的に解説します。

    向いていない人(所得が少ない・60歳まで拘束が不安・短期志向)

    以下のような特徴に当てはまる人は、iDeCoのメリットを十分に活かせないか、デメリットを感じられる可能性があるため、加入は慎重に検討する必要があります。

    収入が少ない、または不安定な人

    専業主婦(夫)やパートタイマー、フリーランスなどで所得が少ない、あるいは所得税・住民税を納めていない人は、所得控除による節税効果が小さくなります。また、収入が不安定な場合、毎月の掛金拠出が負担になる可能性もあります。

    60歳までの資金拘束が不安な人

    近い将来、住宅購入や子どもの教育費、起業資金など、まとまったお金が必要になる可能性がある人にとって、60歳まで引き出せないという制約はデメリットとなります。十分な貯蓄がない状態でiDeCoを始めると、いざという時に資金不足に陥る可能性があります。

    短期的な資産形成を目指す人

    iDeCoはあくまで老後資金を準備するための長期運用を前提とした制度です。数年単位での利益を求める短期的な投資には向いていません。資金の流動性を重視し、短期・中期的な目標のためにお金を増やしたい場合は、NISAなど他の制度を優先したほうが適している場合があります。

    向いている人(節税効果が大きい・長期で老後資金・企業型DC併用)

    一方で、以下のような特徴を持つ人は、iDeCoのメリットを最大限に活用し、効率的に老後資金を準備できる可能性が高いといえます。

    所得が高く、節税メリットを重視する人

    所得税率が高い高所得者ほど、掛金の全額所得控除による節税効果は増えます。節税しながら将来の資産を形成できるため、iDeCoは有効な手段です。厚生年金がない自営業者は掛金上限額も高いため、節税効果が期待できます。

    長期的な視点で老後資金を準備したい人

    20代や30代など、運用期間を長く確保できる人は、複利効果を最大限に活かすことができます。また、「60歳まで引き出せない」という制約を、貯蓄が苦手な人が着実に資産を積み上げるための「強制力」と捉えられる人にも向いています。

    企業型DCと併用して、さらに手厚い準備をしたい会社員

    勤務先に企業型DC(企業型確定拠出年金)がある会社員も、マッチング拠出を利用している場合などを除き、iDeCoを併用できます。会社の制度に加えて、自身の意思で追加の老後資金を準備したいと考える人にとって、iDeCoは有力な選択肢となります。

    iDeCoとNISA、どっちを優先?併用のすすめ

    老後資金や資産形成を考える上で、iDeCoと並んでよく比較されるのがNISA(少額投資非課税制度)です。どちらも税制優遇のある魅力的な制度ですが、制度の目的や仕組みは異なります。

    それぞれの違いを理解し、自身の目的に合わせて使い分ける、あるいは併用することが賢い資産形成の鍵となります。

    iDeCoとNISAの違いと使い分け

    iDeCoとNISAは、どちらも税制優遇を受けながら資産形成ができる制度ですが、目的や仕組みに違いがあります。

    項目

    iDeCo(個人型確定拠出年金)

    iDeCo(個人型確定拠出年金)

    NISA(少額投資非課税制度)

    NISA(少額投資非課税制度)

    目的

    iDeCo(個人型確定拠出年金)

    老後資金の形成

    NISA(少額投資非課税制度)

    自由(制限なし)

    引き出し

    iDeCo(個人型確定拠出年金)

    原則60歳まで不可

    NISA(少額投資非課税制度)

    いつでも可能

    税制優遇

    iDeCo(個人型確定拠出年金)

    ①掛金が全額所得控除 ②運用益が非課税 ③受取時に控除あり

    NISA(少額投資非課税制度)

    運用益が非課税

    手数料

    iDeCo(個人型確定拠出年金)

    口座管理手数料などがかかる

    NISA(少額投資非課税制度)

    原則無料(金融機関による)

    年間投資上限

    iDeCo(個人型確定拠出年金)

    職業などにより異なる(年24万〜81.6万円)

    NISA(少額投資非課税制度)

    最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)

    ※令和8年12月からiDeCoの年間投資上限額は引上げ予定です。

    使い分けのポイント

    • iDeCoを優先する人: 節税効果を最大限に活用したい高所得者や、強制的にでも老後資金を貯めたい人。「老後資金専用の貯金箱」と位置づけるのがよいでしょう。
    • NISAを優先する人: 住宅購入や教育資金など、老後以外の目的にも備えたい人や、資金の流動性を重視する人。「多目的に使える非課税の投資口座」として活用できます。
    ポイントの解説

    理想的なのは、両制度の併用です。まずはiDeCoで所得控除のメリットを受けながら老後の基盤を固め、さらに余裕のある資金をNISAで運用することで、流動性を確保しつつ、より非課税メリットを享受できます。

    (参考:私的年金制度、iDeCoの改正のポイント | 厚生労働省

    個人年金保険との併用

    iDeCoは、個人年金保険と併用することでも、老後資金準備の安定性を高めることができます。

    iDeCoは自分で運用商品を選んで老後資金を準備する制度です。選択する商品によって、リスクやリターンは異なります。

    一方で、個人年金保険は、契約内容に応じて将来受け取る年金を準備する保険商品です。一般的な個人年金保険は契約時に将来受け取れる年金額が確定していますが、変額個人年金保険のように運用実績によって受取額が変動する商品もあります。

    iDeCoと個人年金保険の役割分担

    • iDeCo: リスク許容度に応じて運用商品を選び、老後資金を準備できる
    • 個人年金保険: 契約内容に応じた年金を準備できる()

    また、税制面でもそれぞれにメリットがあります。iDeCoは「小規模企業共済等掛金控除」、個人年金保険は「生命保険料控除(個人年金保険料控除)」と、異なる控除枠を利用できるため、両方に加入することで節税効果を高めることも可能です。

    iDeCoと個人年金保険は、それぞれ特徴が異なります。両制度を組み合わせることで、自身のリスク許容度やライフプランに合わせた老後資金の準備が期待できます。

    iDeCoのデメリットに関するよくある質問

    iDeCoのデメリットについて、多くの人が抱く疑問にお答えします。

    Q. iDeCoをやめたほうがいい人は?

    収入が少ない、または不安定で掛金の拠出が負担になる人近い将来に住宅購入などで資金が必要な人、60歳まで資金が拘束されることに強い抵抗がある人などは、iDeCo以外の方法を検討するほうがよいでしょう。

    Q. iDeCoの落とし穴・失敗例は?

    代表的な失敗例は、掛金が少額で元本確保型商品のみで運用した結果、手数料で資産が目減りする「手数料負け」です。

    また、退職金や公的年金との兼ね合いを考慮せずにiDeCoの受取方法や受け取り時期を決めた結果、想定より税負担が大きくなるケースもあります。

    Q. iDeCoとNISA、どっちを優先すべき?

    一概には言えませんが、所得控除による節税メリットを重視するならiDeCo、資金の引き出しやすさ(流動性)を重視するならNISAが優先されます。

    自身のライフプランや資産形成の目的に合わせて判断することが大切です。

    Q. iDeCoをおすすめしない理由は?

    iDeCoをおすすめしない主な理由は、原則60歳まで資金を引き出せないという強い拘束力元本割れのリスク、そして継続的にかかる手数料の3点です。

    これらのデメリットが自身の状況や考え方に合わない場合に、おすすめできないと判断されます。

    Q. iDeCoで厚生年金は減る?

    いいえ、iDeCoに加入しても、将来受け取る厚生年金の額が直接減ることはありません

    ただし、一部の企業が導入している「選択制DC」では、掛金が給与の一部と見なされるため、標準報酬月額が下がり、結果として将来の厚生年金額に影響が出る場合があります。

    Q. 運用益非課税は少額だと意味がない?

    意味がないわけではありません。たとえ少額でも、長期間運用を続けることで複利効果が働き、効率的に資産を増やす効果が期待できます。

    積み重なった利益全体が非課税になるため、期間が長くなるほど非課税の恩恵は増えます。

    Q. iDeCoで大損・元本割れすることはある?

    はい、あります。投資信託などの元本変動型商品で運用した場合、市場の動向によっては購入時よりも資産価値が下がり、元本割れする可能性があります。

    リスクを避けたい場合は、定期預金などの元本確保型商品を選ぶこともできます。

    まとめ

    iDeCoはデメリットしかない」という意見は、制度の一側面を捉えたものであり、必ずしもすべての人に当てはまるわけではありません

    原則60歳まで引き出せない資金の拘束や、元本割れのリスク、手数料の発生といったデメリットは確かに存在します。

    しかし、それらを上回る「掛金の全額所得控除」「運用益の非課税」「受取時の控除」という3つの税制メリットを組み合わせて受けられる点は、iDeCoならではの魅力です。

    重要なのは、これらのメリット・デメリットを正しく理解し、自身の収入状況やライフプラン、資産形成の目的に照らし合わせて、iDeCoが有効な手段であるかを見極めることです。

    本記事で解説した対策を参考に、後悔のない選択をしましょう。

    自身の状況でiDeCoを始めるべきか、NISAとどう使い分けるべきか、専門家のアドバイスを参考に判断したい方もいるでしょう。

    まずは自身の投資タイプを診断してみてはいかがでしょうか。 

    »あなたはiDeCoをやるべき?今やるべき投資がわかる3分診断


    iDeCoの活用を迷っているあなたへ

    資産運用の不安を解消するために、マネイロではさまざまなサポートを無料でご提供しています。

    3分投資診断:必要な老後資金とあなたに合う投資がわかる

    プロも実践するiDeCoの活用法:専門家が解説する30分のWebセミナー

    iDeCoシミュレーション:節税効果をチェック

    ご留意事項

    • 本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品の取引を勧誘するものではありません。
    • 本記事の内容は記事公開時または更新時点の情報に基づいています。制度・法令・税制等の変更により、現在の情報と異なる場合があります。
    • 本記事の内容の正確性、完全性、最新性を保証するものではなく、予告なく変更または更新する場合があります。
    • 投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任とご判断のもとで行っていただきますようお願いいたします。

    オススメ記事

    監修
    森本 由紀
    • 森本 由紀
    • ファイナンシャルプランナー/AFP(日本FP協会認定)/行政書士

    行政書士ゆらこ事務所(Yurako Office)代表。愛媛県松山市出身。神戸大学法学部卒業。法律事務所事務職員を経て、2012年に独立開業。メイン業務は離婚協議書作成などの協議離婚のサポート。離婚をきっかけに自立したい人や自分らしい生き方を見つけたい人には、カウンセリングのほか、ライフプラン、マネープランも含めた幅広いアドバイスを行っている。法律系・マネー系サイトでの記事の執筆・監修実績も多数。

    記事一覧

    執筆
    マネイロメディア編集部
    • マネイロメディア編集部
    • お金のメディア編集者

    マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。

    一覧へもどる