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投資信託の組み合わせ例をプロが解説!目的別ポートフォリオと1本で十分なケース

投資信託の組み合わせ例をプロが解説!目的別ポートフォリオと1本で十分なケース

投資信託2026/02/04
  • #初心者向け

»投資信託の組み合わせは必要?まずは必要資金を無料診断

投資信託は、1本だけでなく複数を組み合わせることで、リスクとリターンのバランスを取りやすくなります。株式に偏りすぎると値動きが大きくなり、一方で守りに寄せすぎると資産が増えにくくなるため、目的に応じた組み合わせが大切です。例えば、全世界株式を軸にしつつ、国内外の債券や安定資産を加えることで、値動きを抑えた運用が可能になります。

本記事では、投資初心者でも考えやすい投資信託の組み合わせ例と、組み合わせを考える際のポイントをわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 投資信託を1本にするか複数にするかの判断基準
  • 目的別の具体的な組み合わせポートフォリオ例
  • 組み合わせる際に失敗しないための重要ポイント


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投資信託は1本だけ?それとも複数組み合わせる?

銘柄を組み合わせるべきかどうかは人によって異なります。重要なのは、自身の投資目的に対して、どの程度のリスクとリターンを許容できるかを明確にすることです。そのうえで、必要に応じて分散投資を取り入れる判断が求められます。

そもそも銘柄を組み合わせる主な目的は「分散投資」にあります。分散投資の本質は、価格変動リスクを抑えることです。

一方で、リスクを下げることと引き換えに、期待リターンが低下する点には注意が必要です。

分散投資の注意点

ケースによっては、分散しすぎることでリターンが抑えられ、目標金額に到達できない可能性もあります。

たとえば、月3万円の投資で、30年間かけて老後資金3000万円を準備したい場合を考えてみましょう。

例①リスクを取ってリターンを狙う場合

  • 想定年率6%で毎月3万円を積立投資:2924万円

例②リスクを抑えるために銘柄を組み合わせた場合

  • 想定年率6%で毎月1万円を積立投資:975万円
  • 想定年率2%で毎月2万円を積立投資:983万円
  • 合計:1958万円

(参考:つみたてシミュレーター2026年1月時点|金融庁
※上記の試算は概算値です。運用に関するリスク、手数料、税金、為替等は考慮しておらず、実際値とは異なる場合があります

現在30歳でNISAを活用し、想定年率6%のリターンを見込んで毎月3万円を投資した場合、30年後の資産額は約2924万円の試算となります。

一方、同じ月3万円でも、2万円・1万円に分けてリスクを抑えた運用を行った場合、最終的な資産額は約1958万円にとどまります。

このように、分散投資によってリスクは低下するものの、リターン不足により目標金額に届かないケースも起こり得ます。

そのため、投資を始める前に

  • 投資目的
  • 目標金額
  • 運用期間
  • リスク許容度

を整理しておくことが不可欠です。

特にリスク許容度は、年齢や家族構成、収入状況などのライフステージによって変化します。定期的に投資バランスを見直しながら、現状に合った運用を行うことが重要です。

投資信託を組み合わせるメリット

複数の投資信託を組み合わせる主なメリットは、「地域・資産の配分調整」「リスクの抑制」「配当・分配金の獲得」の3つがあります。

地域・資産の配分を自分好みに調整できる

投資信託を組み合わせることで、資産配分を自分の考えに合わせて自由に調整することができます。

例えば、オルカンで知名度の高い「eMAXIS Slim 全世界株式オール・カントリー)」は、この構成比の約6割を米国株式が占めています。これは現在の世界経済の時価総額を反映した自然な比率ですが、投資家によっては「もっと米国の成長に賭けたい」あるいは「日本の比率を増やして為替リスクを抑えたい」といった個別の考えがあるでしょう。

S&P500やTOPIXに連動する投資信託を追加で購入することで、特定の国や地域への投資比率を意図的に高めることができます。

これにより、既成の全世界株式ファンドを、自分だけのオリジナルポートフォリオにカスタマイズすることが可能になります。

リスクを抑えながら運用できる

2つ目のメリットは、ポートフォリオ全体の値動きを穏やかにし、リスクを抑制することです。

株式100%の投資信託は、経済成長の恩恵を受けやすく高いリターンが期待できる一方、経済危機などの際には資産価値が下落する可能性があります。この価格変動の振れ幅(リスク)を小さくするために、株式とは異なる値動きをする傾向のある資産を組み合わせます。

この代表例が「債券」です。一般的に、株価が下落する不況期には、安全資産とされる債券が買われる傾向があり、ポートフォリオ全体の下落を緩和するクッションのような役割を果たすことが期待できます。

株式ファンドに債券ファンドを加えたり、あらかじめ複数の資産に分散されているバランスファンドを組み合わせたりすることで、自身の年齢や投資経験に応じたリスク許容度に合わせた調整が可能になります。

配当・分配金も受け取ることができる

3つ目のメリットは、資産の成長だけでなく、定期的な現金収入インカムゲイン)を得ることです。

多くのインデックスファンドは、得られた配当を自動で再投資することで、複利効果を最大化し効率的に資産を増やすことを目指しています。そのため、定期的に分配金が支払われることはありません。

資産を育てながらも定期的にお金を受け取りたい場合は、ポートフォリオの一部に「高配当株式ファンド」や不動産に投資する「REITリート)」などを組み入れることを検討します。

これらのファンドは、投資先から得られる配当金や家賃収入を原資として、投資家に分配金を支払うことを目的としています。

注意点

ただし、分配金を受け取るとその分、元本への再投資額が減るため、長期的な資産の成長スピードは緩やかになる点には注意が必要です。


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投資信託の選び方・組み合わせ例【目的別】

ここからは、具体的な投資目的やリスク許容度に応じた投資信託の組み合わせポートフォリオをパターンに分けてご紹介します。

自身の考えに近いモデルケースを見つけ、銘柄選びの参考にしてください。

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シンプル重視|全世界株式1本

  • インデックスファンド(全世界株式):100%

この1本だけで世界中の株式に幅広く分散投資が完了するため、管理の手間が一切かかりません。

また、投資先の国や地域の比率も市場の変化に合わせて、定期的に銘柄の入れ替えがされます。

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米国重視|S&P500+全世界株式

世界経済全体に分散しつつ、米国の成長性に期待したい人向けの組み合わせです。

  • インデックスファンド(全世界株式):100%
  • インデックスファンド(米国株式):30%

全世界株式ファンドの構成比の約6割は米国株ですが、S&P500連動ファンドを追加することで、ポートフォリオ全体の米国比率をさらに高めることができます。

この例では、米国比率が約72%(60%×0.7 + 100%×0.3)となり、より積極的に米国の成長を取り込むことを目指します。

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リスク抑制|株式+債券・バランスファンド

株式市場の下落に備え、ポートフォリオ全体の値動きを穏やかにしたい人向けの組み合わせです。

  • インデックスファンド(全世界株式):70%
  • バランスファンド(8資産均等型):30%

株式100%のポートフォリオに、国内外の債券やREIT(不動産投資信託)を含むバランスファンドを加えることで、リスクの分散効果を高めます。

株式市場が下落した際にも、債券などがクッションとなり、資産全体の減少幅を抑える効果が期待できます。安定性を重視したい人や、退職が近い年代の人に適しています。

配当重視|全世界株式+J-REIT

資産の成長を目指しながら、定期的な分配金(インカムゲイン)も得たい人向けの組み合わせです。

  • インデックスファンド(全世界株式):80%
  • インデックスファンド(J-REIT):20%

オルカン(全世界株式)は約60%が米国株で構成されていますが、J-REITを加えることで、「資産株と不動産)」と「地域海外と国内)」の両方を効果的に分散できます。

J-REITは比較的利回りが高く、定期的な分配金が期待できるため、相場が停滞している時期の精神的な支えにもなります。また、将来円高になった場合の為替リスクを緩和する効果も期待できます。

ただし、分配金を受け取る分、複利効果はやや薄れる点に注意が必要です。

新興国重視|全世界株式+新興国株式

将来の高い成長ポテンシャルに期待し、新興国への投資比率を高めたい積極的な投資家向けの組み合わせです。

  • インデックスファンド(オール・カントリー):80%
  • インデックスファンド(新興国株式):20%

全世界株式ファンドにおける新興国の比率は約10%程度ですが、この組み合わせによってポートフォリオ全体の新興国比率を約28%(10%×0.8 + 100%×0.2)まで引き上げることができます。

新興国市場は先進国に比べて価格変動リスクが大きいですが、先進国を上回る経済成長率(GDPの伸び)が期待されているため、長期的な視点で投資できる若い世代などに適した戦略です。

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組み合わせる際に押さえておきたいポイント

複数の投資信託を組み合わせる際には、いくつか注意すべき点があります。

意図しないリスクを抱えたり、管理が複雑になったりするのを避けるため、以下の4つのポイントを必ず押さえておきましょう。

投資対象が重複していないか確認する

複数のファンドを組み合わせる際は、投資対象が意図せず重複していないかを確認することが欠かせません。

例えば、「eMAXIS Slim 全世界株式」と「eMAXIS Slim 米国株式S&P500)」を半分ずつ組み合わせたとします。全世界株式の約6割は米国株で構成されているため、このポートフォリオの実質的な米国株比率は約80%(50%×0.6 + 50%×1.0)にも達します。

これは「米国重視」という明確な意図があれば問題ありませんが、「分散しているつもり」でいると、想定以上に米国市場へのリスクが集中していることになります。

投資信託の月次レポート(マンスリーレポート)を見れば、国や地域別の構成比率が記載されています。購入前には必ず目を通し、自身が意図した資産配分になっているかを確認する習慣をつけましょう。

銘柄数は増やしすぎない

銘柄数を増やせば分散効果が高まるわけではありません。むしろ、保有銘柄が多すぎると、それぞれの値動きや資産全体の状況を把握するのが難しくなります。管理が複雑になると、投資を続けること自体が負担になりかねません。

そもそも投資信託は1本でも数百から数千の銘柄に分散投資されている商品です。まずは1本か2本のシンプルな構成から始め、運用に慣れてから、必要に応じて銘柄の追加を検討するのが、長期的に投資を継続するためのコツです。

信託報酬を確認する

信託報酬は、投資信託を保有している間、毎日継続してかかる運用管理費用です。このコストは、長期的なリターンに直接影響を与えるため、必ず確認しましょう。

例えば、100万円を年率5%で20年間運用した場合、信託報酬が年率0.1%のファンドは約260万円になりますが、年率0.5%のファンドでは約241万円となり、19万円もの差が生まれます。

同じ株価指数(例:S&P500)に連動するインデックスファンドを比較する場合は、運用成績にほとんど差がつかないため、信託報酬の低さがこのままリターンの高さに直結します。

(数字参考:みらい電卓 20260130時点|野村證券)

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定期的なリバランスは必要か

複数の銘柄を組み合わせている場合、時間の経過とともに各資産の値動きによって当初決めた配分比率が崩れてきます。この崩れた比率を元の状態に戻す作業を「リバランス」と呼びます。

例えば、「株式70%:債券30%」で始めたポートフォリオが、株価の上昇により「株式80%:債券20%」になった場合、当初想定していたよりもリスクの高い状態になっています。この場合、株式の一部を売却し債券を買い増すことで、元の比率に戻します

ただし、NISAでは商品を売却しても生涯投資枠(保有限度額)の空き枠が復活するのは翌年です。頻繁な売却は非課税メリットを損なう可能性があるため、新規の積立額の配分を調整する方法が推奨されます。

比率が増えた資産への積立を減らし、比率が減った資産への積立を増やすことで、売却せずにリバランスを行うことができます。リバランスの頻度は、年に1回程度で十分でしょう。

よくある組み合わせの疑問を解消

投資信託の組み合わせを考える上で、多くの人が抱く疑問について解説します。

人気の高い銘柄同士の組み合わせや、ファンドの種類の選択について、専門家の視点からこの有効性を考えていきましょう。

オルカンとS&P500の組み合わせは意味がある?

結論からいうと、「米国への投資比率を意図的に高めたいという明確な目的がある場合に限り、意味があります。

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の構成資産の約6割は米国株式です。ここにS&P500連動ファンドを追加すると、ポートフォリオ全体に占める米国株の比率はさらに高まります。これは、米国の今後の経済成長に強く期待する投資家にとっては有効な戦略です。

しかし、「人気のある銘柄だから両方買っておこう」といった漠然とした理由で組み合わせるのは推奨されません。それは、分散しているつもりで、実際には意図せず米国市場へのリスク集中を高めてしまう可能性があるためです。

自身の投資方針を明確にした上で、この組み合わせを検討することが肝となります。

バランスファンド1本と株式複数銘柄、どちらがよい?

投資にかけられる手間と求めるリターンのバランスによって決まります。

バランスファンド1本のメリット・デメリット

  • メリット:1本で株式や債券など複数の資産に分散でき、資産配分の調整(リバランス)も自動で行ってくれます。管理の手間がかからず、値動きも比較的穏やかなため、初心者でも安心して保有できます。
  • デメリット:株式100%のポートフォリオと比較して、長期的な期待リターンは低くなる傾向があります。

株式複数銘柄のメリット・デメリット

  • メリット:自身で資産配分を自由に決めることができるため、より高いリターンを狙う積極的なポートフォリオを組むことが可能です。
  • デメリット:資産配分の管理やリバランスを自身で行う手間が発生します。

投資に手間をかけたくない人や安定性を重視する人はバランスファンド1本、自身でリスクを管理しながらより高いリターンを目指したい人は株式の組み合わせが適しているでしょう。

つみたて投資枠と成長投資枠で分けるべき?

NISAの2つの非課税投資枠を効果的に使い分ける方法として「コア・サテライト戦略」という考え方があります。

  • コア(核)部分:つみたて投資枠

資産形成の土台となる部分です。全世界株式インデックスファンドなど、長期的に安定した成長が見込める低コストな商品を、毎月コツコツと積み立てていきます。

  • サテライト(衛星)部分:成長投資枠

コア部分を補完し、より高いリターンを狙う部分です。つみたて投資枠では購入できない個別株や、特定のテーマ(AI、半導体など)を持つアクティブファンド、米国高配当ETFなどに投資します。

必ずしもこの戦略に沿って分ける必要はありませんが、安定的な資産形成と積極的なリターン追求を両立させたい場合に有効な考え方です。

投資初心者は、まずつみたて投資枠でコア資産をしっかりと築くことから始めるのがよいでしょう。

まとめ

投資信託の組み合わせに正解はなく、自身の投資目的やリスク許容度によって最適解は異なります。多くの場合、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のようなインデックスファンド1本でも、十分に分散されたポートフォリオを構築することが可能です。

複数の銘柄を組み合わせるのは、「米国株の比率を高めたい」「リスクを抑えたい」といった明確な目的がある場合に有効な手段となります。その際も、管理のしやすさから3本以内に抑えるのが現実的です。

大切なのは、老後にいくら必要で、今の積立ペースでどれくらい届くのかを把握したうえで、株式・債券・地域分散をどう組み合わせるかを考えることです。

ここが整理できれば、「組み合わせすぎ」「偏りすぎ」を防げます。

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執筆・監修
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

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