マネイロ

「S&P500だけでいい」は危険?投資のプロが2大注意点と運用のポイントを解説

「S&P500だけでいい」は危険?投資のプロが2大注意点と運用のポイントを解説

投資信託2026/08/03

    »あなたは資産運用するべき?合った運用を3分で診断

    S&P500だけに投資していれば十分?」「オルカンやほかの商品と組み合わせるべき?」と迷う人もいるでしょう。

    S&P500は、米国を代表する大型株に分散投資できる指数であり、長期的な資産形成の選択肢として人気があります。一方で、投資先は米国企業に集中するため、米国経済や米国株式市場の影響を大きく受ける点には注意が必要です。

    また、これまで米国市場が好調だったからといって、今後も同じように成長し続けるとは限りません。市場のトレンドは変わるため、定期的に運用状況を確認し、自分に合った資産配分を見直すことが大切です。

    本記事では、S&P500だけでよいのか、米国集中投資の注意点や、ほかの資産と組み合わせる考え方をわかりやすく解説します。

    ※本記事では全世界株式を投資対象とする代表的なインデックスファンド(投資信託)として、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、米国株式を投資対象とする代表的なインデックスファンド(投資信託)として「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を例に挙げて解説しています

    この記事を読んでわかること
    • S&P500は過去の高いリターン実績と低コストから人気がある
    • 「S&P500だけでいい」という投資は、米国への集中投資や為替変動などのリスクを伴う
    • オルカンや債券など他の資産と組み合わせることで、リスクを抑えた運用が可能になる


    投資信託の選び方・運用法が気になるあなたへ

    マネイロでは、資産運用の不安を解消するために、さまざまなツールを無料でご提供しています。

    3分投資診断:iDeCoやNISAなど、相性の良い資産運用がわかる

    事例付きで株価暴落対策が学べる:スマホで簡単!30分の無料セミナー

    ファンドアナリストが語る2026年の投資信託選び:投資信託選びを解説するWebセミナー

    S&P500とは

    S&P500は、米国の代表的な株価指数の1つです。

    ポイントの解説

    S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表しており、ニューヨーク証券取引所やナスダックなどに上場している企業の中から、厳しい基準をクリアした主要500社で構成されています。

    構成銘柄は米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしており、指数は「時価総額加重平均型」という方法で算出されます。

    そのため、アップルやマイクロソフト、エヌビディアといった時価総額の大きい企業の株価動向が、指数全体に与える影響が増すのが特徴です。

    米国市場全体の値動きを表す重要な指標として、世界中の投資家から注目されています。

    なぜ「S&P500だけでいい」と言われるのか?

    多くの投資家がS&P500を高く評価し、「S&P500だけでいい」とまで言われるのには、明確な理由があります。

    米国経済の成長を背景とした3つの特徴を見ていきましょう。

    特徴①過去30年のリターン実績

    S&P500が支持される最大の理由は、長期的なパフォーマンスの高さにあります。配当を再投資した場合のトータルリターンで見ると、過去30年間で年率平均10%前後という高い実績を記録しています。

    ITバブルの崩壊やリーマンショックなど、世界経済を揺るがす危機を何度も乗り越えながらも、右肩上がりの成長を続けてきました。

    同期間の他の先進国株式や全世界株式の平均リターンを上回る実績は、S&P500への投資が資産形成において有力な選択肢であることを示しています。

    特徴②定期的な銘柄入れ替えで成長力を維持

    S&P500は、構成銘柄が固定されているわけではありません。四半期ごとに構成銘柄の見直しが行われ、業績や時価総額などの基準を満たせなくなった企業は除外され、代わりに成長著しい新興企業が新たに組み入れられます。

    この「新陳代謝」の仕組みにより、S&P500は常に時代の競争力が高い企業群で構成され続けます。

    投資家は自ら個別銘柄を選び直す手間をかけることなく、市場の進化と成長の恩恵を自動的に受けることが期待できるのです。

    このダイナミックな仕組みが、指数の長期的な成長力を支えています。

    特徴③低コストで分散投資が可能

    S&P500に連動するインデックスファンドやETF(上場投資信託)は、運用コストである信託報酬が比較的低く設定されている傾向にあります。

    これは、指数に連動することを目指す「パッシブ運用」であるため、ファンドマネージャーが個別銘柄を調査・分析する手間が少なく、コストを抑えやすいからです。

    投資信託をご利用の際には、申込手数料、信託報酬、信託財産留保額などの手数料がかかります。具体的な手数料は商品によって異なりますので、投資を検討する際は目論見書などで必ずご確認ください。

    また、S&P500に投資するだけで、米国の主要な500社に自動的に分散投資されることになります。

    個別株でこれだけの分散を実現するには多額の資金と手間が必要ですが、投資信託なら少額からでも手軽に分散効果を得られます。

    低コストと分散効果を両立できる点が、多くの投資家にとってメリットとなっています。


    投資信託の選び方・運用法が気になるあなたへ

    マネイロでは、資産運用の不安を解消するために、さまざまなツールを無料でご提供しています。

    3分投資診断:iDeCoやNISAなど、相性の良い資産運用がわかる

    事例付きで株価暴落対策が学べる:スマホで簡単!30分の無料セミナー

    ファンドアナリストが語る2026年の投資信託選び:投資信託選びを解説するWebセミナー

    「S&P500だけでいい」はNG?注意点と6つのリスク

    S&P500は優れた投資対象ですが、すべての資産をS&P500だけに集中させることには注意が必要です。メリットだけでなく、潜んでいるリスクも正しく理解したうえで投資判断をすることが大切です。

    ここでは、主な注意点とS&P500に投資をするにあたっておさえておきたい6つのリスクについて解説します。

    主なリスク

    内容

    内容

    株価変動リスク

    内容

    S&P500は実質的に米国株へ集中投資する商品。米国市場が下落すれば、資産価値も大きく下がる可能性がある

    為替変動リスク

    内容

    S&P500は米ドル建て資産のため、円高が進むと、株価が上がっていても円換算では資産価値が目減りする可能性がある

    カントリーリスク

    内容

    米国の政治情勢、災害、国際関係の悪化などにより、米国経済全体が影響を受ける可能性がある

    成長鈍化リスク

    内容

    過去に米国市場が好調だったからといって、今後も同じように成長するとは限らない

    世界経済の勢力図の変化

    内容

    新興国の台頭などにより、10年後・20年後には世界経済の中心が変わる可能性がある

    過信によるリスク

    内容

    現時点の経済力だけを見て「米国に投資すれば安心」と考えると、長期的にはリスクになりうる

    注意点①米国への集中投資に伴うリスク

    S&P500への投資は、実質的に米国という1つの国に100%投資することを意味します。そのため、米国経済に特有のリスクを直接受けることになります。

    株価変動リスク

    過去に高い成長を遂げてきた米国市場ですが、将来も同じ成長が続く保証はありません。リーマンショックやコロナショックのように、経済全体が冷え込み、株価が下落する局面は今後も起こりえます。

    為替変動リスク

    S&P500は米ドル建ての資産であるため、日本の投資家は為替レートの変動リスクを負います。例えば、株価が上昇しても、それ以上に円高が進むと、円換算での資産価値は目減りしてしまいます。

    国際情勢リスク(カントリーリスク)

    米国の政治情勢の混乱や大規模な災害、他国との関係悪化などが起きた場合、米国経済全体が影響を受け、S&P500も下落する可能性があります。資産を1つの国に集中させることは、こうしたカントリーリスクをすべて引き受けることになります。

    注意点②米国市場が今後も成長し続けるとは限らない

    「米国は将来も高い経済成長が期待できる」と盲信することは避けるべきです。市場の勢力図は常に変化します。

    例えば、1980年代には世界経済を牽引していた日本が、その後に長期的な停滞に陥った歴史があります。

    ポイントの解説

    また、国際通貨基金(IMF)が発表した予測(※1)によると、当面は米国と中国が経済規模で上位2ヶ国を維持するものの、2026年にはインドが日本を抜き、2029年にはドイツも抜いて世界第3位に浮上すると見込まれています。さらに、2030年には英国が日本を上回り世界第5位になるという見通しも示されています。

    現在は米国が高い経済成長力を誇っていますが、10年後、20年後には新興国などが台頭し、世界経済の中心や上位の顔ぶれが大きく変わっている可能性も十分に考えられます。

    現時点での経済力だけを見て「米国に投資すれば安心」と過信することは、長期的な視点ではリスクとなりえます。

    (※1)出典:IMF「世界経済見通し(2025年10月)」のデータに基づく。なお、各機関の予測は発表時点のものであり、将来の経済成長や市場の動向を約束・保証するものではありません。

    トレンドは変わり続けるため都度対応することが大切

    株式市場のトレンドは、時代とともに変化します。現在注目されているセクターや銘柄が、将来も同じように市場を牽引するとは限りません。

    例えば、過去10年間では米国の成長株(グロース株)が高く評価される傾向がありましたが、近年では割安株(バリュー株)が注目される局面も見られます。

    2000年代初頭のITバブル崩壊のように、過度な成長期待が一転し、特定のセクターが値を下げる可能性も常に存在します。

    S&P500は現在、情報技術セクターの比率が高く、一部の巨大テック企業の動向に指数全体が左右されやすい構造になっています。

    もちろん、S&P500は四半期ごとに構成銘柄や比率の見直しが行われるため、時代に合わせて成長産業を自動的に取り込む仕組みを持っています。

    しかし、短・中期的には「500社に分散している」とはいえ、上位の特定セクターや少数の銘柄の値動きに偏るリスク(集中リスク)を伴う側面がある点には留意が必要です。

    S&P500 vs オルカン(全世界株式)どう違う?

    S&P500と並んで人気が高いのが、通称「オルカン」と呼ばれる全世界株式インデックスファンドです。どちらも優れた投資信託ですが、投資方針に明確な違いがあります。

    自分に合った選択をするために、両者の違いを理解しておきましょう。

    比較項目

    S&P500

    S&P500

    オルカン(全世界株式)

    オルカン(全世界株式)

    投資対象

    S&P500

    米国の主要企業約500社

    オルカン(全世界株式)

    日本を含む先進国・新興国の数千社

    分散性

    S&P500

    米国株に集中

    オルカン(全世界株式)

    世界中の株式に広く分散

    投資スタイル

    S&P500

    米国経済の成長に期待する積極型

    オルカン(全世界株式)

    世界全体に分散するバランス型

    米国株の比率

    S&P500

    ほぼ100%

    オルカン(全世界株式)

    約6割程度

    過去リターン

    S&P500

    近年は米国株好調により高いリターンを記録した期間が多い

    オルカン(全世界株式)

    S&P500より控えめな期間もあるが、米国以外の成長も取り込める

    主なリスク

    S&P500

    米国市場への集中リスクがある

    オルカン(全世界株式)

    米国以外の低成長地域も含むため、リターンが抑えられる場合がある

    向いている人

    S&P500

    今後も米国が成長すると考え、高いリターンを狙いたい人

    オルカン(全世界株式)

    どの国が成長するかわからないため、広く分散したい人

    選び方のポイント

    S&P500

    米国集中リスクを受け入れられるか

    オルカン(全世界株式)

    世界全体に分散して安定的に運用したいか

    併用の考え方

    S&P500

    オルカンと組み合わせて米国比率を高める選択も可能

    オルカン(全世界株式)

    S&P500と組み合わせて、米国株への投資比率を調整できる

    投資対象と分散の違い

    両者の最大の違いは、投資対象となる国の範囲です。

    • S&P500:米国の主要企業約500社のみに投資します。米国経済の成長に100%集中する、積極的なスタイルといえます。
    • オルカン(全世界株式):日本を含む先進国から新興国まで、世界中の数千社の株式に投資します。どの国が成長するかを予測せず、世界全体に広く分散投資する、バランス重視のスタイルです。

    ただし、オルカンも構成比率は各国の株式市場の時価総額に応じて決まるため、現状では米国株が約6割を占めています。

    それでも、S&P500に比べれば、米国以外の国々にも分散されている点が特徴です。

    過去リターンの差

    過去のパフォーマンスを比較すると、米国市場が好調だった近年においては、S&P500がオルカンを上回るリターンを記録する期間が多く見られました。これは、オルカンに含まれる他の国々の株式市場が、米国市場ほど力強い成長を見せなかったためです。

    しかし、これはあくまで過去の実績です。今後、米国以外の国や地域が米国を上回る経済成長を遂げる局面が来れば、オルカンのリターンがS&P500を上回る可能性も十分にあります。

    どちらが優れているというよりも、異なる市場環境でそれぞれ強みを発揮する可能性があると理解しておくのがよいでしょう。

    どちらを選ぶべきか

    S&P500とオルカンのどちらを選ぶべきかは、個人の投資方針やリスク許容度によって決まります。

    • S&P500が向いている人:今後も米国が世界経済を牽引し続けると強く信じており、より高いリターンを狙いたい人。米国一国への集中リスクを受け入れられる人。
    • オルカンが向いている人:どの国が成長するかを予測するのは難しいと考え、できるだけ広く分散してカントリーリスクを抑えたい人。世界経済全体の平均的な成長を安定的に享受したい人。

    どちらか1つに絞る必要はなく、両方を組み合わせて保有し、自分なりの米国株比率に調整することも有効な戦略です。

    最終的には、自分が納得して長期的に保有し続けられるほうを選ぶことが欠かせません。

    S&P500を軸にした実践的な運用戦略

    「S&P500だけでいい」という戦略はシンプルで強力ですが、すべての人にとって最適とは限りません

    S&P500を資産形成の「中核(コア)」と位置づけ、他の資産と組み合わせることで、リスクを管理しながらより安定した運用を目指すことも可能です。

    ここでは、いくつかの実践的な戦略を紹介します。

    S&P500を100%保有する場合

    ポートフォリオのすべてをS&P500連動の投資信託やETFで構成する戦略です。この方法は、管理がシンプルで、米国経済の成長を最大限に享受できる可能性があります。

    投資判断に迷うことが少なく、一度積立設定をすれば「ほったらかし運用」も可能です。

    ただし、資産のすべてが米国株式市場と為替の変動に晒されるため、高いリスク許容度が求められます。

    20年以上の長期的な視点で、短期的な価格下落にも動じずに積立を継続できる人に向いています。

    S&P500とオルカンを組み合わせる場合

    S&P500とオルカン(全世界株式)を両方保有する戦略です。これにより、米国への集中度合いを自分で調整できます。

    例えば、S&P500とオルカンを50%ずつ保有した場合、ポートフォリオ全体の米国株比率は約80%(S&P500の50% + オルカン内の米国株約30%)となり、S&P500単体よりは米国への集中を和らげつつ、依然として高い成長を期待できます。

    米国経済の成長は期待したいが、100%集中は不安」という場合に、リスク分散の効果を高める有効な手段です。

    S&P500と債券・現金を組み合わせる場合

    株式(S&P500)と、株式とは異なる値動きをする傾向がある債券や現金を組み合わせる、伝統的な分散投資戦略です。

    ポイントの解説

    株式と債券は必ずしも逆の値動きをするとは限りませんが、異なる要因で価格が変動する傾向があるため、組み合わせて保有することで、株式市場が下落した際にポートフォリオ全体の資産価値の減少を和らげる効果が期待できます。

    S&P500を「成長を狙う資産」、債券や現金を「相対的に価格変動が穏やかな資産」と位置づけることで、資産全体の値動きをマイルドにできます。

    リスク許容度が低い人や、退職が近づき資産を守る運用へ切り替えたい場合に重要な戦略です。例えば、S&P500を70%、債券ファンドを30%といった比率で組み合わせます。

    S&P500の運用に不安がある場合は「マネイロ」に無料相談

    マネイロは相談から運用サポートまで無料

    「自分に合った資産の組み合わせ方がわからない」「S&P500一本で本当に大丈夫か専門家の意見が聞きたい」という人は、ぜひマネイロの無料オンライン相談をご活用ください。

    家計管理・資産運用の専門家であるファイナンシャルアドバイザーが、一人ひとりの資産状況やご意向を踏まえたマネープランを ご提案します。

    • 相談は何度でも無料
    • オンラインで全国どこからでも相談可能
    • 相談者からの依頼がない限り、マネイロからの取引の勧誘はなし

    長期的な資産形成を成功させるためにも、まずはお気軽にご相談ください。

    年代別の資産配分例

    資産運用では、年齢やライフステージに応じてリスクの取り方を変えていくことが欠かせません。

    ここでは、S&P500を軸とした年代別の資産配分(アセットアロケーション)の考え方の一例を紹介します。

    20代:S&P500を中心に積極運用

    • 運用期間が長いため、S&P500を中心にリスクを取りながら、長期的な資産成長を目指しやすい。

    30代:資産形成を意識した運用

    • S&P500を軸にしつつ、オルカンなどを一部組み合わせることで、米国集中リスクを少し抑えられる。

    40代:リスクと安定性のバランスを取る

    • 老後資金の準備を意識し、S&P500の比率をやや下げて債券ファンドを組み合わせる選択肢がある。

    50代:債券や現金も組み合わせる

    • 退職が近づくため、S&P500の比率を下げ、債券や現金を増やして資産を守る運用を意識したい。

    20代:S&P500を中心に積極運用

    20代は、定年までの運用期間が長く、時間を味方につけることができます。短期的な価格変動があっても長期で回復を待つ余裕があるため、積極的にリスクを取り、高いリターンを目指す運用が適しています。

    • 資産配分例:S&P500 100%

    資産の大部分をS&P500に投資し、複利効果を最大限に活かして資産を育てることを目指します。まずは少額からでも積立投資を始めることが欠かせません。

    30代:資産形成を意識した運用

    30代も引き続き長期的な視点での資産形成が中心となりますが、結婚や住宅購入、子どもの教育費など、ライフイベントが増える時期でもあります。そのため、積極的な運用を続けつつも、少しずつリスク管理を意識し始めるのがよいでしょう。

    • 資産配分例:S&P500 80%、全世界株式(オルカン)20%

    S&P500を中核としながら、一部をオルカンに振り分けることで、米国以外の地域へも分散投資します。これにより、カントリーリスクを少しだけ低減できます。

    40代:リスクと安定性のバランスを取る

    40代は、老後資金の準備が本格化する時期です。まだ運用期間は残されていますが、20代・30代に比べると短くなるため、資産を増やす「攻め」の運用と、資産を守る「守り」の運用のバランスが重要になります。

    • 資産配分例:S&P500 70%、債券ファンド 30%

    株式(S&P500)の比率を少し下げ、値動きが比較的安定している債券ファンドを組み合わせます。

    これにより、株式市場が下落した際の影響を和らげ、ポートフォリオ全体の安定性を高める効果が期待できます。

    50代:債券や現金も組み合わせる

    50代は、退職が視野に入り、資産形成の最終段階に入ります。これからは資産を増やすことよりも、「今ある資産を減らさないこと」を重視する運用へシフトしていく必要があります。

    • 資産配分例:S&P500 50%、債券ファンド 40%、現金 10%

    株式(S&P500)の比率をさらに下げ、債券や現金の割合を増やして安定性を高めます。市場の変動から資産を守り、着実に老後に備えるポートフォリオです。

    ライフステージの変化に合わせて、徐々に保守的な配分に見直していくことが大切です。

    S&P500に投資をする時におさえておきたいポイント

    S&P500への投資で失敗しないためには、いくつかの重要なポイントをおさえておく必要があります。

    これから解説する3つのポイントを意識して、賢く資産運用を行いましょう。

    ①長期運用は不可欠

    S&P500への投資は、短期的な利益を狙うものではなく、長期的な視点で資産を育てていくことが基本です。

    株式市場は短期的には変動しますが、歴史的に見ると経済成長とともに右肩上がりに成長してきました。

    長期運用を行うことで、一時的な下落局面を乗り越え、安定的なリターンを期待できます。

    また、運用で得た利益がさらに利益を生む「複利効果」は、運用期間が長くなるほど増大します。

    資産を雪だるま式に増やすためにも、最低でも10年以上の長期的な視点を持つことが重要です。

    ②リスクを抑えるために分散投資を行う

    「S&P500だけでいい」という戦略も1つの選択肢ですが、よりリスクを抑えたい場合は、他の資産クラスとの分散投資を検討することが鍵となります。

    S&P500は株式100%の資産であり、株式市場全体が下落する局面では資産価値が減少する可能性があります。

    そこで、株式とは異なる値動きをする傾向がある債券や、金(ゴールド)などの資産をポートフォリオに加えることで、リスクを分散できます。

    例えば、株式が下落する局面で債券の価値が上昇すれば、資産全体の減少を和らげることができます。

    どのようなバランスでどの資産を保有すればよいか分からない場合は、専門家への相談も有効な選択肢です。

    ③市場やライフステージの変化に合わせて運用をする

    資産運用は、一度始めたら終わりではありません。自身のライフステージや市場の状況に応じて、柔軟に見直しを行うことが大切です。

    ポイントの解説

    例えば、20代や30代では積極的にリスクを取る運用が適していても、退職が近づく50代、60代では資産を守る運用へと切り替える必要があります。

    また、市場が予測不能な変化を見せた際には、それに対応した運用戦略の調整も求められます。

    年に1回など定期的にポートフォリオの状況を確認し、当初の計画とずれていないか、現在の自分にとって最適な資産配分になっているかを見直す習慣をつけましょう。

    S&P500投資に関するよくある質問

    S&P500への投資を検討する際によく寄せられる質問について、専門家がお答えします。

    Q. S&P500は今買うべき?

    A. S&P500への投資は、長期的な資産形成を目的とする場合、特定の「買い時」を狙う必要は少ないとされています。市場のタイミングを正確に予測することはプロでも困難です。

    毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」を活用する場合、株価が高い時には少なく、安い時には多く購入することになるため、長期的に見れば購入単価が平準化されます。

    そのため、相場の上下に一喜一憂せず、淡々と積立を継続することが欠かせません。

    結論として、長期投資を前提とするならば、「始めよう」と思った時が最適なタイミングといえるでしょう。

    Q. S&P500とオルカン、どちらがよい?

    A. どちらがよいかは、個人の投資方針やリスク許容度によって異なります

    • S&P500:米国経済の成長を信じ、より高いリターンを期待する人向け。ただし、米国一国への集中リスクがあります。
    • オルカン(全世界株式):世界中に分散投資し、カントリーリスクを抑えたい人向け。世界経済全体の平均的な成長を目指します。

    近年は米国株が好調だったためS&P500のリターンが上回りましたが、将来は分かりません。

    リスクを抑えたいならオルカン、より積極的なリターンを狙うならS&P500が選択肢となります。自分が納得できるほうを選ぶことが大切です。

    Q. S&P500は20年で何倍になる?

    A. 将来のパフォーマンスを保証することはできませんが、過去の実績を基にシミュレーションすることは可能です。S&P500の過去の年率平均リターンが約10%だったと仮定します。

    例えば、毎月3万円を20年間積み立て投資した場合、元本720万円に対して、運用収益を含めた総額は約2155万円になる計算です。これは元本の約3倍に相当します。

    シミュレーション条件

    • 毎月積立額:3万円
    • 積立期間:20年
    • 想定利回り:年率10%

    あくまで過去のデータに基づく試算であり、将来のリターンを保証するものではありません。

    記載の将来予測は特定のシナリオに基づくものであり、実際の金利動向や運用成果を保証するものではありません。しかし、長期積立投資による複利効果の大きさを理解する1つの目安となります。

    (参考:つみたてシミュレーター | 金融庁

    まとめ

    S&P500は、過去の高いリターン実績、優れた仕組み、低コストといった点から、資産形成の中核となりうる強力な投資対象です。

    そのため、「S&P500だけでいい」という戦略は、長期的な視点を持ち、米国経済の成長を信じる投資家にとっては合理的な選択肢といえます。

    しかし、米国一国への集中投資には、カントリーリスクや為替リスクが伴います。

    これらのリスクが不安な方や、より安定的な運用を目指す方は、全世界株式(オルカン)や債券など、他の資産と組み合わせる分散投資を検討するとよいでしょう。

    最終的に重要なのは、他人の意見に流されるのではなく、自身の投資目的やリスク許容度を理解し、納得のいくポートフォリオを組むことです。

    本記事で解説したポイントを参考に、自身に合った投資戦略を検討してみてください。

    自身の投資方針に迷いがあるなら、まずは客観的な診断を通じて、自分に合った資産運用のスタイルを見つけることから始めてみてはいかがでしょうか。 

    »老後資金の不足リスクとあなたに合う運用方法を3分で診断


    投資信託の選び方・運用法が気になるあなたへ

    マネイロでは、資産運用の不安を解消するために、さまざまなツールを無料でご提供しています。

    3分投資診断:iDeCoやNISAなど、相性の良い資産運用がわかる

    事例付きで株価暴落対策が学べる:スマホで簡単!30分の無料セミナー

    ファンドアナリストが語る2026年の投資信託選び:投資信託選びを解説するWebセミナー

    ご留意事項

    • 本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品の取引を勧誘するものではありません。
    • 本記事の内容は記事公開時または更新時点の情報に基づいています。制度・法令・税制等の変更により、現在の情報と異なる場合があります。
    • 本記事の内容の正確性、完全性、最新性を保証するものではなく、予告なく変更または更新する場合があります。
    • 投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任とご判断のもとで行っていただきますようお願いいたします。

    オススメ記事

    監修
    高橋 明香
    • 高橋 明香
    • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

    みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

    記事一覧

    執筆
    鶴田 綾
    • 鶴田 綾
    • ファイナンシャルアドバイザー

    福岡女学院大学・人文学部英語学科卒。卒業後、日本郵便株式会社にてリテール営業に従事。投資信託や生命保険の販売では商品分析を得意とし、豊富な商品知識を持つ。現在はこれまでの金融商品の知識を生かし、Instagramを中心に、SNSにて資産運用のはじめ方や資産形成のコツについて積極的に情報発信をしている。一種外務員資格(証券外務員一種)、保険募集人資格などを保有。

    一覧へもどる