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NISAの意外と知られていない4つのデメリット~失敗例と損しないためのコツを解説

NISAの意外と知られていない4つのデメリット~失敗例と損しないためのコツを解説

著者: 宮内 勇資監修: 伊藤 亮太 (ファイナンシャルプランナー)2022/06/07 (最終更新:2022/07/01)
  • #NISA/つみたてNISA

NISAは少額から投資ができる非課税制度です。

メリットも多い制度ですが、実は意外と知られていないデメリットがいくつかあります。また、非課税枠の期限を忘れて損をしてしまうなど、そういった失敗例も多く見かけます。

本記事では「NISAって本当はデメリットしかないのでは?」「損をしないためにはどうすれば良いの?」と思っている人に向けて、主なデメリットと失敗例、損しないコツについて解説していきます。

この記事を読んでわかること
  • NISA制度には配当金や売却益に税金がかからない、上限額内であれば何度でも売買OKなどのメリットがある
  • 一方で、一般NISAとつみたてNISAの併用ができなかったり、節税メリットが少なかったり、デメリットもある
  • NISA制度で損をしないコツは非課税枠の状況を把握すること、成長する資産に長期投資すること…などがある

NISAとはどんな制度?

NISA制度とは?

利益や配当金が非課税になる少額投資非課税のことです

NISA制度とは、投資で得られた利益や配当金が非課税になる「少額投資非課税制度」です。

投資信託の仕組みを活用した制度の1つであり、近年利用者も増えています。

現行のNISA制度には、一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA(2023年末で終了)の3種類があり、それぞれの特徴は下記のとおりです。

2023年までのNISA

NISAのメリット

NISAには主に下記のメリットがあります。

ポイントの解説
  • 配当金や売却益に税金がかからない
  • 初心者でも少額から積立投資ができる
  • 上限額内であれば何度でも売り買いしてOK
  • いつでも引き出し可能(一般NISA・つみたてNISAのみ)
  • 非課税期間を延長できる(一般NISA・ジュニアNISAのみ)

NISAの大きなメリットは投資で得た利益が非課税になる制度のため、配当金や売却益に税金がかからないことです。

投資初心者でも少額から積立投資ができる点も魅力です。証券会社によって異なりますが、100円から始められる場合もあります。

そして、上限額内であれば何度でも売り買いができます。

既に売却してしまった枠を回復させることはできませんが、年間の非課税投資可能枠に残りがあれば、その枠を活用して再度購入することが可能です。

ポイントの解説

一般NISAとジュニアNISAの場合、【ロールオーバー】をすることで、非課税期間の延長ができます。

ロールオーバーとは?

非課税期間が終了した際に、保有している金融商品を翌年の非課税投資枠に移行(移管)すること

また、NISAとよく比較される制度にiDeCo(個人型確定拠出年金)があります。

iDeCoの場合、原則60歳まで引き出すことができませんが、NISAの場合はいつでも引き出しが可能です。

NISAの意外と知られていない4つのデメリット

NISAは魅力的な制度ではありますが、意外と知られていない4つのデメリットがあります。

ポイントの解説
  • 元本保証ではなく、投資した額を下回る可能性がある
  • 他のNISA制度との併用ができない
  • 自分で判断しなければならない場面が多い
  • 節税メリットが少ない

①元本保証ではなく、投資した額を下回る可能性がある

NISAは投資信託や株式等を活用した制度であり、日々値動きによる変動があります。
そのため元本保証ではなく、投資した額を下回る可能性があります。

元本割れしてしまうリスクをあらかじめ理解しておきましょう。

②他のNISA制度との併用ができない

注意点

一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISA、それぞれの制度を併用することはできません。

1つの名義に対して開設できるNISA口座の数は1つだけです。
一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAを併用することができないため注意しましょう。

ただし、一般NISAからつみたてNISA、つみたてNISAから一般NISAなど、途中から切り替えることは可能です。

切り替えられるタイミングなどは証券会社によって異なる場合があるため、詳しくは口座を開設した証券会社のHPなどで確認しましょう。

③自分で判断しなければならない場面が多い

NISAを利用する際、どこで口座を開設するのか、どういった商品を選ぶべきなのかを決めるだけではなく、運用後の売却タイミングも自分で判断しなければなりません。

また、NISAにはそれぞれ決められた非課税枠があり、非課税枠の空き状況の管理非課税枠がなくなるタイミングで売却するかどうかの判断をしなければなりません。

例えば一般NISAの場合、毎年120万円まで5年にわたって非課税枠を使った投資ができます。
5年間一般NISAで運用した場合は、非課税枠5本分、それぞれの管理と売却判断が必要になります。(図の★部分)

NISAは初心者でも始めやすい制度ではあるものの、自分で判断しなければならない場面が多いため、あらかじめその点を理解しておきましょう。

もし、1人で始めるのが不安な方は資産運用のプロであるファイナンシャルアドバイザーなどに相談しましょう。

現在の資産状況や目標に合わせてプロがアドバイスします!

④節税メリットが少ない

NISAはiDeCoのように毎年の掛金を所得控除できるような税制メリットはありません。

また、一般的に株取引などで損失が出た場合は損益通算や損失の繰越控除ができます。これらは通常の課税口座で運用した場合に適用されますが、NISAは非課税口座のため対象外となります。

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NISAでやりがちな失敗例と対策

NISAでやりがちな失敗例と対策についてファイナンシャルアドバイザーが解説します。

失敗例:非課税枠の状況を考えずスイッチングしてしまった

注意点

NISA(一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISA)の非課税枠は、一回使用すると回復せず、残った場合でも再利用できません。

例えば、一般NISAで70万円投資をすると、その年度の枠は残り50万円となります。

その後70万円を売却しても、一度使用した非課税枠は回復せず、非課税枠の残りは50万円のままです。

つまり、70万円を非課税のままスイッチング(銘柄の入れ替え)をすることはできないということになります。

NISA制度の非課税枠は一度使用すると回復しないこと、残った枠も翌年に繰越はできないことをあらかじめ理解しておきましょう。

失敗例:非課税期間の期限を忘れてそのまま放置してしまった

課税される仕組み

一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAそれぞれ非課税期間が終了すると、保有商品はそのまま課税口座に移管されます。

例えば、一般NISAで70万円の投資をした際、非課税期間終了時に40万円に値下がりしていたとします。その後、課税口座に移管して60万円で売却。

この場合、税金がかからないと思っている人もいるかもしれませんが、実はこのケースは税金がかかります。

NISAから課税口座に移管の際、課税口座に移管された時の価格が商品価格になります。

そのため、40万円で購入、60万円で売却していることになり、利益は20万円になります。つまり、利益に対して税金がかかってしまうことになるのです。

このように放置していると、当初の投資金額よりも損しているのに税金がかかってしまうケースがあるのです。

そのような事態にならないためにも、非課税枠の投資状況を定期的に確認しましょう。

失敗例:成長が見込めない資産に投資していた

成長が見込めない資産に投資をすると利益が増えないため、非課税制度を上手く活用できません。

例えば、日本の株価指数である日経平均株価に連動する投資信託に投資をするケースです。

日経平均株価はバブル崩壊以降、現在に至るまで高値を更新できていません。
そのため、成長が見込めない資産といえるでしょう。

世界株式など、成長し続けている資産に長期間投資をすることを心がけましょう。

失敗例:価格変動に動揺し、すぐに売却してしまった

投資信託は株式や債券などに分散投資をしているため、日々価格が変動する金融商品です。よって元本割れのリスクがあることを認識しておく必要があります。

この認識が不十分のまま投資をしてしまうと、日々の価格変動が気になってしまい、最悪の場合、短期間で売却してしまうケースも。

長期運用をすることでリスク・リターンが安定し、さらに十分な複利効果を得る可能性もあります。

日々の価格変動に動揺しないためにも、元本割れのリスクや金融商品の特徴を認識しておきましょう。

NISAをやるなら知っておきたい損しないコツ

NISAでなるべく損しない4つのコツをファイナンシャルアドバイザーが紹介します。

ポイントの解説
  • 非課税枠の状況を把握しておく
  • 非課税枠期間が終了したら放置せずにきちんと対応する
  • 成長する資産に長期間投資することを心がける
  • 投資信託選びや売却タイミングに悩んだらプロに相談する

コツ1:非課税枠の状況を把握しておく

NISAは一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAそれぞれ毎年の非課税枠が決まっています。

万が一スイッチングしたい場合に、その分の非課税枠が使えるように、今年の非課税枠が現在どの程度残っているのか、把握しておくことが大切です。

コツ2:非課税枠期間が終了したら放置せずにきちんと対応する

NISAにおける非課税のメリットはとても魅力的ではあるものの、非課税枠期間は無期限ではありません。期間が終了した後、放置をしてしまうとそのまま課税口座に移管され、損をしているのに課税される可能性もあります。

非課税枠の期間が終了したら、下記のいずれかの方法で対処しましょう。

ポイントの解説
  • ロールオーバーして非課税期間を延ばす
  • 一般口座などの課税口座で運用を続ける
  • 売却して現金化する

対処法①ロールオーバーして非課税期間を延ばす

NISA制度の中で一般NISAとジュニアNISAはロールオーバーが可能です。

ロールオーバーとは?

今年非課税期間が満了となるものを翌年の非課税枠を活用し、非課税期間を再スタートすること

一般NISAはロールオーバーできるため、ロールオーバーすれば非課税期間を5年間延長することができます。また、使用した枠が120万円分であれば、購入した商品が120万円以上になっていてもロールオーバーすることができます。

ただし、2014年に投資していたものを5年間運用し、2019年にロールオーバーしても、現状の一般NISAは2023年までしか投資ができないため、注意しましょう。


対処法②一般口座などの課税口座で運用を続ける

ロールオーバーしないで運用することも検討の一つです。

一般NISAで購入した120万円が非課税満了時に200万円になっていたとします。その後課税口座に移し、10年間運用し300万円になっていたとします。

当初の購入金額は120万円ですが、課税口座に移った時は200万円、200万円から300万円に増えたとみなされ、100万円分に対する税金で済みます。


対処法③売却して現金化する

非課税期間満了時までに売却すれば、運用益全部が非課税で受け取ることができます。

非課税期間中に売却しようと考えているのであれば、非課税満了時の少し前からタイミングを見計らうと良いでしょう。


Q.口座開設後、全く使用せずに放置するとどうなる?

NISA口座を開設したものの、売買を一切せずに放置しています。何か問題あったりしますか?

非課税枠はそのままなくなります。ただ、非課税枠を使用しないままだったとしても、手数料がかかったり、特別な手続きが発生することはありません。

NISA口座開設後、非課税枠を全く使わず放置している人もいるかもしれません。

その場合、非課税枠は年度中に使用しないと消化されます。非課税枠を使わなかったからといって、何か特別な手続きが発生したり、手数料が発生することはありません。

ただし、過去の分に遡って非課税枠を使用することはできないため注意しましょう。


Q.途中で口座変更すると、どんなデメリットがある?

証券会社AでNISA口座を開設して運用していましたが、証券会社Bに口座を変更したいのですが、デメリットはありますか?

証券会社Aで保有していた商品は証券会社Bに移管・ロールオーバーはできないため、一度全て売却する必要があります。

NISA口座の変更をしたい場合、まず、NISA口座を移管する手続きが必要になります。

以前使っていたNISA口座で購入したものは移管できず、ロールオーバーもできません。そのため、最初にどんな商品をどの金融機関で購入するか、しっかり検討しておくと良いでしょう。

口座切替が可能になる時期や手続きは金融機関によって異なるため、HPなどでしっかり調べておきましょう。


コツ3:成長する資産に長期間投資することを心がける

NISAは運用で増えた利益に対する税金が非課税となる制度です。増えにくい資産に投資をしてしまうと非課税のメリットを享受できません。

そのため、資産が右肩上がりで増えていく、成長の可能性が高い資産に長期投資すると良いでしょう。

コツ4:投資信託選びや売却タイミングに悩んだらプロに相談する

NISAで購入する投資信託選びや売却するタイミングに悩んだら、プロに相談するのも一つのコツです。

運用のプロは、日々金融・経済に関する情報を収集しているため、判断の精度が高い場合が多いです。
投資経験がない人やお金の知識がない人がずっと悩んでいたことも、専門家に相談をすればすぐに解決できることもあります。

専門性のある資格を保持し、資産運用の経験があるファイナンシャルアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。

プロと一緒にNISAを始めてみませんか?

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一般NISAとつみたてNISAの違い

一般NISAとつみたてNISAの違い

一般NISAとつみたてNISAは購入できる商品・非課税期間・非課税枠の上限額が異なります。

一般NISAは拠出額の上限が年間120万円、非課税期間が5年間のため、短期的な資産形成に向いています。また、投資できる商品の種類もつみたてNISAより多いです。

つみたてNISAの場合は拠出額の上限が年間40万円の一般NISAと比べて少ないものの、非課税期間が20年間あるため、長期での資産形成が可能です。

長期でしっかりと資産形成をしていきたい場合はつみたてNISA、多少のリスクはあるものの短期的に増やしていきたい場合は一般NISAを活用すると良いでしょう。

つみたてNISAのメリット

つみたてNISAの主なメリットは現制度のNISAの中で最も多く掛け金を拠出できることです。
年間の拠出額の上限は40万円ですが、非課税期間は20年になるため、累計800万円を拠出できます。

一方、NISAの場合は年間の拠出額上限は120万円ですが、非課税期間は5年になるため、累計600万円までしか拠出ができません。

いつでも現金化できる特徴はメリットであるものの、老後のために資金づくりをしたい人はつみたてNISAを活用して長期運用すると良いでしょう。

また、つみたてNISAで購入できるのは金融庁が厳選した長期投資に向いている投資信託です。

販売コストはかからず、信託報酬も一定以下のものが選別されているため、低コストで運用が可能です。

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つみたてNISAのデメリット

つみたてNISAのデメリットは一般NISA、ジュニアNISAと同様に金融機関選びや商品選び、売却タイミングなど、自分で判断しなければならない場面が多いことです。

特に、つみたてNISAの場合は毎年40万円を20年にわたって保有できるため、年単位で非課税枠の管理が必要になります。

例えば、20年間つみたてNISAで運用した場合は、20本分の非課税枠の管理が必要です。つまり、最大20回、投資判断をしなければなりません。

つみたてNISAは非課税期間が長い分、管理が煩雑化しやすく、投資判断の回数が多いことを理解しておきましょう。

また、つみたてNISAは一般NISAやジュニアNISAと比べて投資できる商品が少ないです。

もっと幅広い商品の中から自分に合う商品を見つけたい人にとっては物足りないかもしれません。

2024年から変わる新しいNISAとは

2024年以降、一般NISAは、より多くの国民に積立・分散投資による安定的な資産形成を促す観点から制度が見直しされます。

年間非課税枠が下記のように2階建てになります。

1階部分…つみたてNISAと同様の仕組み
2階部分…現行一般NISAと同様の仕組み※

※ただし、高レバレッジ投資信託などの安定的な資産形成に不向きな一部の商品を取り除く予定

そのため、1階部分は20万円の非課税枠、2階部分は102万円の非課税枠となります。

まとめ:NISAを活用して効率よく資産運用しよう

NISA制度とは、投資で得られる利益や配当金に対して発生する税金が非課税になる制度です。

少額から始めやすい制度ではありますが、注意点などを把握せずに運用をしてしまうと、効率よくお金を増やせずに損をしてしまうこともあります。

NISAは自分で判断しなければならない場面が多い制度でもあるため、一人で始めるのが不安な人もいるでしょう。

また、一般NISAとつみたてNISAどっちを選んだら良いかわからないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

そんな時は信頼できる資産運用のプロに相談しましょう。


※本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合がございます。
※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください。


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監修
伊藤 亮太
  • 伊藤 亮太
  • ファイナンシャルプランナー/CFP®認定者

慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻修了。在学中にCFPを取得する。その後、証券会社にて営業、経営企画、社長秘書、投資銀行業務に携わる。2007年11月に「スキラージャパン株式会社」を設立。現在、富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。著書に『図解即戦力 金融業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)、『ゼロからはじめる!お金のしくみ見るだけノート』(宝島社)など多数。

著者
宮内 勇資
  • 宮内 勇資
  • ファイナンシャルアドバイザー

ファイナンシャルアドバイザー。専修大学商学部卒業後、水戸証券株に入社。リテール営業に従事し、国内外株式、投資信託、債券などが得意分野。キャリアの途中からは人材育成にも携わり、主に若手社員の能力向上に大きく貢献した。2021年に株式会社OneMile Partnersに入社。現在は個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。AFP(Affiliated Financial Planner)、一種外務員資格(証券外務員一種)保有

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