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つみたてNISAとiDeCo、イイトコ取り欲張り活用法

つみたてNISAとiDeCo、イイトコ取り欲張り活用法

著者: 谷口 裕梨監修: 泉田 良輔 (証券アナリスト)2021/08/18 (最終更新:2021/11/17)
  • #資産運用全般
  • #NISA
  • #iDeCo

つみたてNISAとiDeCoは併用して運用することができます。

この記事ではそれぞれの制度の解説、2つの制度をイイトコ取りしながら運用するポイントをご紹介したいと思います。


※本記事で記載している情報は記事公開時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合もあるため、制度を利用する際は各金融機関に確認しましょう

1. つみたて投資のススメ

欲張り活用法」を最初にお読みになる方はこちらにお進みください!

1.1. 今つみたて投資がアツイ!

今20代~40代のはたらく世代が「つみたて投資」にアツイ視線を向けているのをご存知でしょうか?

これまで書店の投資関係のコーナーでは中高年の男性が多かったように思います。

しかし最近では20代や30代の男性や女性の姿が目立つようになりました。

はたらく世代は自分たちの老後生活のために「つみたて投資」を取り入れざるを得ないことに気付きはじめたと言えるかもしれません。

1.2. 「複利」は人類最大の発明!?

The power of compound interest the most powerful force in the universe.
(歴史上最大の数学的発見、それは複利である)

かの有名なアインシュタインが言ったとされている有名な一文です。

複利」という言葉を耳にされたことはありますか?

「複利」とは、利息の計算方法の一つです。

例えば銀行にお金を預けた時、満期がくると元本に対して利息が付きます。

この利息を元本に組みこんで次の満期まで運用する。これを繰り返していくのが「複利」です。

利息にも利息がつきますので、「雪だるま式に増える」という言い方もしますね。

この「複利」の力を借りて「つみたて投資」をすることで、投資元本も雪だるま式に増えることが期待できます。

資産運用で出る収益は、分配金として都度切り崩さずに、再投資をする方が長期運用に適しています。

1.3. ドル・コスト平均法とは?

ドル・コスト平均法とは、価格が変動する投資商品を、あらかじめ決めた一定の額で定期的に購入していく方法です。

ドル・コスト平均法の図。価格が高い時は少なく購入でき、価格が安い時は多く購入できる

あらかじめ購入金額は決まっているため、価格が下がっているときはたくさんの量(口数)を買うことができます。

さらに価格が上がっているときはたくさん買わなくてすむ、という効果が期待できます。

価格が下がっている時にたくさんの量(口数)を買うことができるため、購入金額を平均化するとき、平均金額を下げることが期待できます。

誰しも投資をするときは下がった時に一気に買って、上がったら一気に売りたいと考えるところです。

しかし、タイミングはプロでも予想するのは難しいと言われています。

ただでさえ忙しい「はたらく世代」。

ほったらかし運用で結果を出すにはドル・コスト平均法を利用しましょう。

毎月同じ金額をコツコツ継続して買っていくことが成功の秘訣です。

2. つみたてNISAってどんな制度?

つみたてNISAは、毎年40万円を上限として投資信託を購入すると、購入した年から20年間、運用益(分配金や売却益)が非課税となる制度です。

仕組みやメリットやデメリットなどを知りたい人は、マネイロの「つみたてNISAとは?メリットや仕組みを分かりやすく解説」もご覧ください。

ここからはつみたてNISAについて、よくある質問をもとにみていきたいと思います。

2.1. つみたてNISAは何が非課税になるのですか?

A.)つみたてNISAなどのNISA制度は、非課税期間中に運用で得た収益が非課税になる制度です。

通常、投資から得られる運用益には20.315%の税金がかかります。

つみたてNISAは毎年40万円まで非課税で運用できる枠が設けられています。

この枠内で購入した投資信託は、購入した年から20年目の年末まで非課税で運用できます。

2.2. どんな商品に投資できるのですか?

A.)つみたてNISAの投資対象商品は長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託です。

例えば公募株式投資信託の場合、

・販売手数料がゼロ(ノーロード)(ETFは除く)
・信託報酬は一定水準以下に限定(国内インデックス投信の場合0.5%以下
・分配頻度が毎月でないこと
などの条件を満たした投資信託に限定されています。

そのため手数料の高いアクティブファンドや株式は対象外となります。

2.3. どんなコストがかかりますか?

A.)つみたてNISA口座を保有するだけで手数料がかかることはありません。

ただし、つみたてNISA口座で投資信託を運用する場合は、投資信託の商品に対して信託報酬(運用にかかる手数料)等がかかります。

2.4. 金額の変更やつみたての中断はできますか?

A.)つみたてNISAはつみたて金額の変更やつみたての中断をすることができます

ただし、つみたてNISAは年間の投資上限金額が40万円に定められているため、1ヶ月の投資金額は3万3333円が上限となります。

金融機関によっては年に2回ボーナス月に増額をすることができますが、年間の投資上限額40万円を越える範囲で設定することはできません。

また、つみたてNISAはいつでもつみたての中断、一部解約、全部解約をすることができます。

2.5. 一般NISAから切替はできますか?

A.)一般NISAからつみたてNISAへ切り替えることができます。また、つみたてNISAから一般NISAへの切替も可能です。

一般NISAからつみたてNISAに切り替える場合は、切り替えたい年の9月末までに金融機関で手続きが必要になります(金融期間によって切替申込み締め切りが異なる場合があります)。

ただし、切替を希望する年にすでにNISA口座で買付をした場合は翌年からの変更となります。

2.6. 運用の途中で海外転勤が決まりました。どうすればいいですか?

A.)NISA口座を開設できるのは日本国内に住む20歳以上の人です。

2019年に制度が改正され、5年以内に帰国する場合はNISA口座を引き続き保有できるようになりました。

非居住者の場合は新規買付はできません。また、この措置は会社の命令などやむを得ない事情で出国する場合に限ります。


>>【顔出し無しでOK!オンライン無料相談受付中】つみたてNISAに興味があるけど、本当に自分で運用できるか心配…不安やお悩みはプロに相談して解決しましょう!

3. iDeCoってどんな制度?

iDeCo(確定拠出年金)は、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金制度です。

国民年金や厚生年金などの公的年金と異なり、加入は任意です。

公的年金との違いや特徴などを知りたい人は、マネイロの「iDeCoとNISA、比較でわかる活用術(2021年版)」もご覧ください。

ここからはiDeCoについてよくある質問をもとにみていきたいと思います。

3.1. 何が非課税になるのですか?

A.)iDeCoは3つのタイミングで非課税ポイントがあります。

【3つのタイミングとは】
・入口:掛金を拠出する(毎月積み立てる)とき
・途中:運用益が非課税で再投資されるとき
・出口:資産を受取るとき

まず1つ目は毎月積み立てた掛金が年末調整や確定申告で全額所得控除の対象になります。

2つ目は運用している間、運用で出た収益が非課税で再投資されます。

3つ目は60歳以降に資産を引き出す時、一括で受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」を利用して控除枠の範囲内で非課税で引き出すことができます。

3.2. どんな商品に投資できますか?

A.)iDeCoで投資できる商品は、主に「投資信託」「保険商品」「定期預金」となり、商品のラインナップは金融機関によって異なります

投資信託の中にも外国株式や国内株式、外国債券、国内債券、外国不動産、国内不動産、バランス型などさまざまな種類があります。

3.3. どんなコストがかかりますか?

A.)iDeCoには、主に以下の手数料がかかります。

国民年金基金連合会に払う手数料】
・加入時または企業型確定拠出年金からの移換時に2829円
・掛金納付の都度105円
・還付する必要が生じた場合の還付手数料が1048円
※将来年金として受取る際は年金給付1回につき440円(税込)の手数料がかかる
金融機関に払う手数料】
金融機関により異なる(およそ月171円~629円程度)

これに加え、投資信託で運用する場合は商品に応じた信託報酬(運用にかかる手数料)がかかります。

3.4. 金額の変更やつみたての中断はできますか?

A.)iDeCoは年に1回を限度につみたて金額の変更ができます。

また、つみたての中断はできますが、中断している間も手数料はかかりますので注意が必要です。

3.5. 途中で解約したくなったらどうなるのですか?

A.)iDeCoは原則60歳まで積み立てた元金を払い戻すことができません。

毎月の払込が難しくなったら中断もしくは掛金を減額するなどの方法を取ることになります。

3.6. 転職した時ほったらかしにしてしまいました。どうなりますか?

A.)転職前の職場に企業型確定拠出年金があった場合、転職先に同様の制度がない場合には転職後6ヶ月以内iDeCoに切替の手続きが必要になります。

もしこれをほったらかしにしてしまうと企業型確定拠出年金で運用してきた資産が国民年金基金連合会に自動移換されます。

移換されると運用が継続できないことに加え、手数料が取られ続け、さらに受給可能年齢が変更になる場合もあります。

転職後は速やかに手続をするようにしましょう。

(関連記事:【簡単図解】iDeCoとは?知っておくべきメリット・デメリットをわかりやすく解説

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コラム:誰かに教えたくなる豆知識【投資信託とは】

知っているようで意外と知らない「投資信託」。

「投資信託(ファンド)」とは、簡単に言えば私たちから集めたお金を一つの大きな金庫にまとめ、その金庫のお金で資産運用のプロが株式や債券などいくつもの運用商品を売買します。

その運用成果は私たちに、出した金額に応じて分配されます。

そのため、一つの投資信託を購入しただけで様々な株式や債券、不動産などに分散投資ができます。

100円や1000円など少額からたくさんの株式に投資ができるので初心者が投資を気軽に始めやすいというメリットがあります。

ただし、いくら投資家だからといって、「あの株多めに買いなさいよ!」「まだこの株持ってるの?早く売っちゃってよ!」などと注文をつけることはできません。

投資信託には目論見書(もくろみしょ)という説明書があります。

これを読むとその投資信託の運用方針や銘柄の選定基準などが書いてあります。様々な投資信託の目論見書をみてみると面白いですよ!


(関連記事:投資とは?なぜ必要?基本知識と初心者でも失敗しないコツをわかりやすく解説

4. つみたてNISAとiDeCo、イイトコ取り活用法

つみたてNISAとiDeCoは併用して運用することができます。ここではこの2つの税制優遇制度をイイトコ取りしながら運用するポイントをご紹介したいと思います。

4.1. つみたてNISAとiDeCoは併用できる!

4.1.1. 併用のメリット

これまでにつみたてNISAとiDeCoについてみてきましたが、それぞれの制度にはメリットとデメリットがあります。

例えばつみたてNISAはいつでも換金できる流動性の高さがメリットですが、商品を金融庁が厳選するため、積立投資ができる商品が限られています。

一方でiDeCoは金融機関が取り扱い商品を設定するため、コストがかかってもハイパフォーマンスが期待できるアクティブファンドに投資することもできます。

しかし、60歳まで換金することができません。

それぞれのメリットとデメリットですが、併用することでカバーし合えると思いませんか?

ここからはつみたてNISAとiDeCoをイイトコ取りしながら活用できる手法をみていきたいと思います。

4.1.2. 併用するときの注意点

つみたてNISAとiDeCoを併用して老後の資産形成をスタートする前に、注意したいことがあります。

それは、投資をスタートするためには、いざというときの円預金も積み立てておく必要があるということです。

今は健康で毎月安定した給与収入がある人でも、病気やケガで働けなくなる、あるいは勤務先の都合で休業もしくは退職せざるをえなくなるといった事態にいつ見舞われるか分からないためです。

できれば生活費の半年から1年分の円預金があると安心でしょう。

円預金が十分確保できないうちは、医療保険や所得補償保険、終身保険などで備えておくとよいでしょう。

4.2. 年齢別活用法

4.2.1. 20代〜つみたてNISAと円預金積立からスタート!〜

【20代のポイント】
・つみたてNISAでインデックスファンド積立
・貯蓄が十分でない20代は保障と投資のバランスが重要
・円預金が貯まってきたら少額でiDeCoをスタート

20代で資産運用をスタートする人は、とても強力な武器を備えています。それは「時間」です。

20代のあなたはまずはこのアドバンテージを活かし、長期つみたて投資をはじめてみることをお勧めします。

始める順番としては、iDeCoよりもつみたてNISAを先にすることをお勧めします。

20代では貯蓄が十分に積みあがっていないケースも多く、60歳まで資金の引き出しができないiDeCoよりも、まずはつみたてNISAの人が、精神的な負担なく始められるのではないでしょうか。

資産運用を始める入口としてつみたてNISAを位置づけ、まずは少額から始めてみる。そのうえで、子供の教育資金、老後資金など、目的に応じた金融商品を組み合わせていくのです。

少し余力がある人(月に2万円以上貯められる人)は、20代の内に将来の介護リスクなどをヘッジするために生命保険に加入しておくと良いでしょう。

つみたてNISAやiDeCoのように、3年後でも10年後でも始められるものとは異なり、保険は若く健康な時に最も好条件で加入でき、体に異変が出ると保険会社の審査に通らなくなってしまう、時限性のある金融商品だからです。

攻めと守りの両方を意識して、いま好条件で手にいれることができるものから始める習慣をつけると良いでしょう。

ではiDeCoは?というと、20代後半に収入が増えてきてから始めれば十分です。

iDeCoは所得が多い人ほど節税効果が高くなる制度です。

収入が少ないうちに無理をして始める意味は乏しく、つみたてNISAや生命保険料を払ってもなお余裕がでてきたら検討するので十分ではないでしょうか。

4.2.2. 30代〜長期つみたて投資を始める黄金期

【30代のポイント】
・教育資金の「一部」につみたてNISAを使うのは選択肢
・老後資金作りに向けて、①最低でも20年以上のつみたて投資を意識し、②保障を備えることが重要

4.2.2.1. 教育資金の「一部」につみたてNISAを使うのは選択肢

30代は結婚し子供を持つ人が増えてくるでしょう。

結婚、住宅購入、出産と、20代と比較して支出が増える世代です。

また、子供の将来の学費に備えて貯蓄を増やしておきたい年代でもあります。

教育資金に関しては30代の人は、つみたてNISA枠を教育資金作りの「一部」として活用することも選択肢です。

教育資金は、使う時期が明確に決まっている上に、資金作りに失敗が許されない性質のものです。

つみたてNISAは、投資信託を使った資産運用ですので「期限を切られた状態で相応のリスクを取る」ことになります。

つみたてNISAは教育資金作りの「一部」と考え、保険商品などリターンの見通しが立ちやすいものと組み合わせて考えるのが現実解です。

4.2.2.2. 老後資金作りに向けて

30代は老後資金についても考え始める時期です。

この時に重要なのが、①最低でも20年以上、できれば30年目線でつみたて投資を継続できる仕組みを作ること。

そして、②長い長いつみたて投資の期間に、ご自身にアクシデントがあってもつみたて投資を継続できるよう保障を組み合わせておくことです。

資産運用というと、とかくお金を増やすことに意識が向きがちですが、健康で仕事を続けることができて初めてつみたて投資ができるという大前提は常に意識していただきたいと思います。

若くて健康な間に安心して長期つみたて投資ができる座組を作っていただきたいと思います。

老後資金作りにおいても、つみたてNISAは「一部」を作る候補になります。

iDeCoも「一部」を作る候補です。

貯蓄型の保険や変額保険も「一部」を作る候補です。

30代は上記の選択肢を自在に組み合わせやすく(注:保障は健康状態も含む保険会社の審査次第)、老後に向けての資産運用を始めるには「黄金期」と言える、素晴らしい時期です。

思い込みや知識不足で特定の制度や金融商品を盲信したり、不適切なリスクを採らないよう、ファイナンシャルアドバイザーに相談してみるのが良いでしょう。


(関連記事:老後資金本当はいくらあれば安心?ない場合は?必要額の計算とすぐできる貯め方と増やし方

4.2.3. 40代〜投資も保障も早めの行動が吉〜

【40代のポイント】
・教育資金の「一部」につみたてNISAを使うのは選択肢
・老後資金作りについては待ったなし

40代の人に関する教育資金、老後資金作りに関する留意点は、30代の人と基本的には同じですが、以下の二点は大きく違う点です。

4.2.3.1. 老後資金作りにおける時間的な余裕度

30代の人に比べると、老後までの時間が短い分、月々の積立投資額を増やす努力は必要になります。

つみたてNISA、iDeCo、貯蓄型の保険商品や変額保険のいずれも、老後資金の「一部」を作る候補になり得ます。

しかし、iDeCoについては資金拠出が60歳までのため、仮に40代後半から始める場合、時間分散の効果は限定的となることは意識したいところです。

「節税」を意識するあまり、つみたてNISAやiDeCoに固執して部分最適に陥らないよう、十分に気を付けてください。

4.2.3.2. 健康状態の変化

あくまで一般的な傾向にはなりますが、40代になると健康診断で色々な指摘が増える傾向が高く、いざ「保障がほしい」と思った時には保険会社の審査に通らないということがままあります。

長期つみたて投資と、それを支える保障は早めに準備しておくのが良いでしょう。

4.2.4. 50代〜課税口座でマイペースな長期運用を〜

【50代のポイント】
・課税口座で長期運用を選択肢に
・NISAやつみたてNISA、iDeCoは余剰資金で

iDeCoは現状60歳までの積立、NISAやつみたてNISAも非課税期間がそれぞれ最長5年、20年と、50代の人にとって十分な時間をかけることは難しいと言えます。

そこでここは思い切って発想を転換し、課税口座をメインに利用することをおすすめします。

課税口座とは、少額投資非課税制度が適用されるNISA口座以外の口座のことです。

NISAやiDeCoと異なり、譲渡益や配当金に対して20.315%課税されてしまいます。

しかし、その代わりに非課税期間や年齢制限がなく、時間を気にせずマイペースに長期運用することができます。

この課税口座を利用して、可能な限り長期間の資産運用を行っていきましょう。

制度を利用して節税することも大事です。

しかし、万が一含み損を抱えている状態で売却のタイミングを迎えたらどうなるでしょうか。

老後資金というミスできないお金を、期限を決めて運用するのはリスクの伴う行為です。

どうしても非課税制度をご利用したい場合は、課税口座で運用した上に余裕資金で始めると良いでしょう。

4.3. 職業別活用法

4.3.1. 自営業者

【自営業のポイント】
・老後資金はiDeCoを中心に形成
・必要に応じてつみたてNISAを利用

自営業の人は老後への不安がことさら大きいでしょう。

自営業者にはサラリーマンのような厚生年金や退職金がありません。

そのため自営業者はiDeCoで毎月6万8000円まで積立が可能です。
(国民年金基金の掛け金と合算して6万8000円です)

また、60歳以降に引き出す時も退職所得控除が利用できるので、老後資金の積立はiDeCoを中心にするとよいでしょう。

ただし、iDeCoは60歳まで払い戻しができませんので、いざという時の運転資金としては利用できません。

その点つみたてNISAはいつでも換金が可能ですので(ただし資金が口座に入金されるまで1週間程度の時間がかかります)自営業者の人はiDeCoだけではなく、必要に応じてつみたてNISAも併用する方がよいでしょう。

4.3.2. 会社員

【会社員のポイント】
・勤務先の年金を確認しながらiDeCoを利用
・必要に応じてつみたてNISAも

会社員の人は、まずは自分の勤務先にiDeCoがいくらまで積立できるかを確認しましょう。

通常会社員は毎月2万3000円まで積立が可能ですが、勤務先で企業型確定拠出年金(企業型DC)や厚生年金基金や私学共済を含む、確定給付企業年金(DB)に加入している人は積立限度額が異なります。

勤務先で企業型DCのみに加入している人は毎月2万円まで、企業型DCとDBに併せて加入している人、DBのみに加入している人は毎月1万2000円までしか利用できません。

この金額で老後資金を積み立てるのは少し心許ないですね。

会社員の人もiDeCoだけでなくつみたてNISAを併用して運用しましょう。

その時のバランスについては前述の年代別の運用法を参考にスタートする年代に応じて設定すると良いでしょう。
(関連記事:会社員でもiDeCoに加入できる?企業型DCとの違いや上限金額をタイプ別に簡単解説

4.3.3. 公務員

【公務員のポイント】
・iDeCoにこだわりすぎず公的年金をメインに
・加えて、つみたてNISAで積極的に運用
・特定口座や貯蓄性保険の利用も視野に

公務員の人は、iDeCoで毎月1万2000円までしか積立ができません。

そのため公務員の人はつみたてNISAメインでの運用となるでしょう。

公務員の人は退職金もしっかり受け取れるでしょうから、自分の退職金だけで退職所得控除を使い切ってしまう人もいるかもしれません。

公的年金もしっかりあるので公的年金控除と併用しても課税されてしまう可能性があります。

そうなると手数料がかかり続けるiDeCoにこだわる必要はないかもしれません。

公務員の人はつみたてNISAを主軸に非課税枠を積極的に利用して運用し、必要に応じて特定口座での投信運用や貯蓄性保険を組み合わせて資産形成すると良いでしょう。

4.3.4. パート主婦(夫)

【パート主婦(夫)のポイント】
・主婦(夫)にとってiDeCoはあまりメリットなし
・つみたてNISAメインがおすすめ

パート主婦(夫)、もしくは専業主婦(夫)の人は残念ながらiDeCoで運用するメリットはあまりないと言えます。

そもそも所得税、住民税の負担がほとんどないため、iDeCoの最大のメリットである所得控除の意味がないためです。

主婦(夫)の人にはつみたてNISAが最適でしょう。

少額から積み立てられますし、投資できる商品も低コストのものばかりです。

また、パート主婦(夫)、もしくは専業主婦(夫)の人はつみたてNISAに加えて貯蓄性保険も活用するのもおすすめです。

「私に死亡保障はいらない」と思っている人はいませんか?

主婦(夫)の人に万が一のことがあると遺された家族の精神的、経済的負担は想像以上に大きいと言えます。

家事だって有料サービスに頼らざるをえなくなるでしょう。

保育サービスなどに子どもを預ける、祖父、祖母を介護施設に預ける、となると施設費用が嵩みますね。

パート主婦(夫)も保障と投資のバランスを見ながら運用する必要があると言えるでしょう。

4.4. 運用スタイル別活用例

ここからは年代や職業から離れて、運用資産にフォーカスをあててイイトコ取りの併用方法をみていきたいと思います。

4.4.1. 投資信託の種類(インデックスとアクティブ)

【インデックスファンド】
・指数に連動する運用を目指している
・手数料が安い傾向
【アクティブファンド】
・指数を上回る運用を目指している
・手数料が高い傾向

投資信託には、インデックスファンドとアクティブファンドがあります。

投資信託を運用する人たちが投資信託を設計する際、どの国の、どの資産の、どの指数を指標にするかを決めます。

この指標が「ベンチマーク」と呼ばれています。

日本株式なら「日経平均株価」や「TOPIX」。
アメリカ株式なら「S&P500」「NASDAQ」「ダウ平均株価」など、聞いたことがあるのではないでしょうか。

この設定された指数に連動する運用を目指しているものが「インデックスファンド」。

一方で、この指数を上回る運用を目指しているものが「アクティブファンド」です。

一般的にインデックスファンドは手数料が安く、アクティブファンドは手数料が高い傾向があります。

アクティブファンドは指数を上回る運用を目指すので、ファンドマネージャーと呼ばれる「投資信託の中の人」が独自の情報や分析により、イチオシ銘柄を探し出しています。

定期的に銘柄を組み入れたり外しながら運用していますから、時間や労力がかかっています。

手数料が高いのは、個別銘柄の分析やポートフォリオの管理に労力をかけているからとも言えますね。

インデックスファンドはオートメーションの機械で量産されるコスパのいい機能的バッグ、アクティブファンドはラグジュアリーなブランドの職人が作った匠のバッグといったイメージです。

どちらが良いか、ではなく、自分の使用目的にどっちが合致しているかです。

コスパの良いバッグの方がふさわしい場面があれば、ブランドバッグの方がいい場面もあるでしょう。

そのため、インデックスファンドとアクティブファンドどちらかを持つ、のではなく、ここもイイトコ取りで活用することをおすすめします。

4.4.2. インデックスとアクティブを組み合わせる

それでは、つみたてNISAとiDeCoを活用してインデックスとアクティブに分散投資をするにはどうすればいいかについてご紹介します。

つみたてNISAで運用できる商品は、そのほとんどがインデックスファンドです。

つみたてNISAの商品選定条件に、「手数料が安いこと」があるためです。

そのため、つみたてNISAでインデックスファンドiDeCoでアクティブファンド、という形で設計すると良いでしょう。

ただし、アクティブファンドは各運用会社が独自の視点で定めた運用方針に沿い、最適と判断したポートフォリオをそれぞれ組んでいます。

アクティブファンドを選ぶときは資産運用のプロのアドバイザーの目利きが不可欠です。

4.4.3. 異なるインデックスを組み合わせる

コスト重視で運用したい人は、異なるインデックスに分散するのも一案です。

インデックスファンドは、よくも悪くもベンチマークに連動して値動きします。

そのため、つみたてNISAの銘柄とiDeCoの銘柄がどちらも同じベンチマークの商品だと、ポートフォリオ(自分の投資資産の構成比率)が偏ってしまい、リスクが高まる傾向があります。

例えばつみたてNISAは全世界株式のインデックスファンド、iDeCoは先進国債券のインデックスファンドのように、全体のバランスを意識しながら組み合わせると良いでしょう。

ただし、ここで注意したいことは、一般的にアクティブファンドの方が値動きが激しい傾向があると言えますが、「インデックスファンド=ローリスク・ローリターン」ではありません。

インデックスファンドも、設定しているベンチマークによって大きく値動きします。

また、リーマンショックのような世界的な経済危機の時は、インデックスファンド、アクティブファンド関係なく下落することがあります。

インデックスファンドは安心、というわけでは決してありませんので銘柄選びは慎重にすることをおすすめします。

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コラム2:誰かに教えたくなる豆知識【長期運用に世界株運用のススメ】

つみたてNISAやiDeCoも気になるけれど、やはり重要なことは「商品選び」です。

つみたてNISAとiDeCoはいずれも長期・積立・分散投資を推奨している税制優遇制度です。

せっかく長期運用をするのなら、長期的に成長する資産に投資をしたいですね。
そこで今回は世界株式の魅力をご紹介します。

世界のGDPと世界株式の推移

世界の株価をみてみると、長期的に世界の経済成長に連動していることが分かります。

世界のGDPと人口の予測表

日本はバブルの崩壊後、低迷している期間が長いイメージです。

一方で世界はこれからも人口の増加が予想されています。

人口が増えると働く人が増えます。それに伴って経済成長が期待できますね。

世界の株式で運用する投資信託だと、この成長力を自分の資産運用に活用できます。

(関連記事:投資とは?なぜ必要?基本知識と初心者でも失敗しないコツをわかりやすく解説
(関連記事:【初心者向け】資産運用とは?失敗しないコツと知っておくべき知識をわかりやすく解説

5. つみたてNISAとiDeCo、金融機関の選び方

ここではつみたてNISAとiDeCoを始める時の金融機関の選び方についてみていきたい と思います。

5.1. ネット証券が向いているのは

何でも自分でやりたい人」はネット証券が向いています。

ネット証券は、取り扱いしている商品や公開している情報量が多い反面、商品選びのサポートを受けることはできません。

DIY(Do It Yourself)」、セルフサービスでコストを抑えたいという人は、ネット証券がおすすめです。

5.2. 店舗型の金融機関が向いているのは

商品選びをサポートしてほしい人」は、店舗型の金融機関が向いています。

例えば近所の銀行や証券会社に行くと、投資信託のパンフレットがたくさんおいてありますね。

どの商品を買えばいいのか分からない、誰かにサポートしてもらいたい、という人は担当者とフェイスtoフェイスで相談できる店舗型の金融機関がよいでしょう。

すでに銀行に馴染みの担当者がいる人は、担当者に相談してみると始めやすいですね。

5.3. IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)が向いているのは

「商品選びからアフターフォローまで常に伴走してくれるパートナーがほしい人」は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)が向いています。

IFAとは、金融機関から独立した立場で投資のアドバイスから商品提案、アフタフォロー、売買の仲介まですべてこなせる資産運用のスペシャリストです。

金融機関は定期的に担当者が変わるのが不安、という人は、ずっと伴走してくれるIFAが最適です。

(関連記事:IFA(資産運用アドバイザー)はFPと何が違う?相談するメリットと失敗しない選び方

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6. まとめ

今回はつみたてNISAとiDeCoをイイトコ取りで併用するための活用法についてみてきました。

どちらもとても税メリットのある制度ですので、これから資産運用を始めたいという人はぜひ有効に活用していただきたいと思います。

ただ、つみたてNISAもiDeCoもそれぞれメリットとデメリットをしっかり把握しないまま運用をスタートしてしまうと、後々「こんなはずじゃなかった」という事態に遭遇する危険があります。

毎月大切な給料の中から数万円投資をするということは、決して簡単なことではありません。

大切なお金のことだからこそ、最初がとても肝心です。

制度の内容や投資のリスクなど、しっかり理解した上でスタートさせましょう。

>>1人で制度や投資の勉強するのはやっぱり大変…そういう時はプロに聞けばすぐ解決!あなたに合った資産運用のアドバイスをします【事前準備不要!オンライン無料相談受付中】



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泉田 良輔
  • 泉田 良輔
  • 証券アナリスト/経営者/元機関投資家

株式会社OneMile Partners代表取締役。2018年にmoneiro(マネイロ)を運営するOneMile Partnersを創業。それ以前は日本生命やフィデリティ投信で外国株式や日本株式運用のファンドマネージャーや証券アナリストとして従事。慶應義塾大学商学部卒。東京工業大学大学院非常勤講師。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。Amazon「一般・投資読み物」カテゴリで第1位を記録した『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法』 など著書多数

著者
谷口 裕梨
  • 谷口 裕梨
  • ファイナンシャルアドバイザー

同志社大学卒。大学卒業後、京都中央信用金庫で投資信託や生命保険などを活用した資産運用アドバイス、相続相談、融資、為替業務などに従事。その後は福知山市役所で主に中小企業支援などに携わる。現在はこれまでの金融商品の知識を生かし、個人向け資産運用のサポート業務を行う。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などを保有。

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