
10年国債利回りとは?価格との関係から生活への影響までわかりやすく解説
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「ニュースでよく聞く『10年国債利回り』って、一体何のこと?」「私たちの生活にどう関係があるの?」といった疑問をお持ちではありませんか?
この言葉は少し難しく聞こえるかもしれませんが、実は経済の動きを理解し、自身の家計や資産運用を考えるうえでとても重要な指標です。
本記事では、10年国債利回りの基本的な意味から、私たちの生活に与える具体的な影響までをわかりやすく解説します。この機会に知識を深め、将来の資産計画に役立てていきましょう。
- 10年国債利回りの基本的な仕組み
- なぜ経済の重要な指標として注目されるのか
- 住宅ローンや保険など生活への具体的な影響
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10年国債利回りとは何か
10年国債利回りとは、国が発行する満期までの期間が10年の債券、すなわち「新発10年物国債」に投資した場合に得られる年間の収益率のことです。
国債は国が資金を調達するために発行する「借用証書」のようなもので、その中でも10年国債は取引量が多く、市場の動向を反映しやすいことから、金融市場で重要な指標とされています。
「日本国債10年」は国が発行する10年満期の借金証書
国債とは、国が公共事業や社会保障などの財源を確保するために資金を調達する目的で発行する債券です。債券を購入するということは、発行体である国にお金を貸すことを意味します。
投資家は国債を購入することで、国に対してお金を貸し、その見返りとして定期的に利子を受け取り、満期(償還日)になると元本が返済される仕組みです。
「日本国債10年」とは、満期までの期間が10年に設定されている日本国が発行する国債を指します。国が発行するため信用度が高く、金融商品の中では比較的リスクが低いとされています。
「利回り」は年間の収益率を示す指標
利回りとは、投資した金額に対して1年間で得られる収益の割合を示す指標です。
国債の収益には、発行時に定められた利率(表面利率またはクーポンレート)に基づいて定期的に支払われる「利子(インカムゲイン)」と、市場で売買した際の「売買損益(キャピタルゲイン)」の2種類があります。
利回りは、その利子収入に加えて、購入価格と満期時に受け取る額面金額との差額(または途中売却時の価格との差額)も考慮して計算されるため、投資家にとっての実質的な収益率を表します。
そのため、単に表面利率を見るだけでなく、利回りを確認することが欠かせません。
なぜ10年国債の利回りが注目されるのか
10年国債の利回りが頻繁にニュースで取り上げられるのは、それが単なる1つの金融商品のリターンを示すだけでなく、経済全体の金利水準を測るための重要なものさし、すなわち「長期金利の代表的な指標」と見なされているからです。
さらに、将来の景気や物価の動向に対する市場参加者の予測を反映するため、「経済の体温計」とも呼ばれ、経済の現状と先行きを判断する上で欠かせない情報源となっています。
長期金利の代表的な指標
金利には、期間が1年未満の「短期金利」と1年以上の「長期金利」があります。10年国債の利回りは、その長期金利の代表的な指標として広く用いられています。
償還期間が10年という長さは、短期的な市場の変動だけでなく、中長期的な経済の見通しを反映するのに適しているとされています。
また、10年国債は市場での取引量が多く流動性が高いため、多くの市場参加者の期待が価格に反映されやすく、信頼性の高い指標となります。
そのため、銀行が住宅ローン(固定金利型)や企業への長期貸し出しの金利を決める際の基準として利用されるなど、社会のさまざまな金利のベースとなっています。
経済の体温計としての役割
10年国債利回りは、しばしば「経済の体温計」と表現されます。これは、利回りの動きが将来の経済状況に対する市場参加者の予測を敏感に反映するためです。
例えば、多くの投資家が「これから景気が良くなり、物価が上昇(インフレ)するだろう」と予測すると、将来の金利上昇を見越して国債を売る動きが強まります。その結果、国債の価格が下がり、利回りが上昇します。
逆に、「景気が後退し、物価が下落(デフレ)するだろう」と予測されれば、安全資産である国債を買う動きが強まり、価格が上がって利回りは低下します。
このように、10年国債利回りの変動を見ることで、市場が経済の先行きをどのように見ているかを読み取ることができます。
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10年国債利回りが変動する要因
10年国債利回りは、さまざまな経済的な要因によって日々変動しています。
その中でも影響が大きいのが、「日銀の金融政策」「市場の需給バランス」「景気・物価の見通し」の3つです。
これらの要因がどのように利回りを動かすのかを理解することで、ニュースの背景がより深くわかります。
日銀の金融政策
日本銀行(日銀)が行う金融政策は、10年国債利回りに大きな影響を与えます。日銀は、物価の安定と経済の健全な発展を図るために、政策金利を操作したり、市場から国債を大量に買い入れたりします。
例えば、日銀が政策金利を引き上げると、市場全体の金利が上昇するとの観測から、国債利回りにも上昇圧力がかかります。逆に、金融緩和のために日銀が国債を大量に購入すると、国債の需要が増えて価格が上昇し、利回りは低下します。
短期金利は日銀の政策金利に直接的に連動しますが、10年国債利回りのような長期金利は、こうした日銀の現在の政策だけでなく、将来の政策変更に対する市場の予測も織り込んで変動するのが特徴です。
市場の需給バランス
国債の利回りは、市場における需要と供給のバランスによっても変動します。これは、株式や他の商品と同じ原理です。
国債を買いたいと考える投資家(需要)が、売りたいと考える投資家(供給)よりも多ければ、国債の価格は上昇します。前述の通り、価格が上がると利回りは低下します。年金基金や生命保険会社など、安定運用を求める国内外の投資家からの買いが増えると、利回りは低下しやすくなります。
逆に、国債を売りたい投資家が多ければ、価格は下落し、利回りは上昇します。例えば、政府が財政赤字を補うために国債を大量に発行すると、市場への供給が増えるため、価格が下がって利回りが上昇する要因となります。
景気・物価の見通し
市場参加者による将来の景気や物価に対する見通し(期待)は、10年国債利回りを動かす重要な要因です。
多くの人が「今後、景気が拡大し、企業の業績が向上する」と予測すれば、より高いリターンが期待できる株式などへ資金を移すため、国債を売る動きが出やすくなります。これにより国債価格は下落し、利回りは上昇します。
また、「物価が持続的に上昇する(インフレになる)」と予想される場合も、お金の価値が目減りすることを補うため、より高い利回りが求められるようになり、利回りは上昇する傾向があります。
反対に、景気後退やデフレが懸念される局面では、安全資産である国債への需要が高まり、価格が上昇して利回りは低下します。
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国債の価格と利回り(金利)は逆相関
国債について理解するうえで重要なのが、「価格」と「利回り(金利)」の関係です。これら2つはシーソーのように動く「逆相関」の関係にあります。
つまり、国債の市場価格が上がれば金利は下がり、価格が下がれば金利は上がります。
この仕組みを理解するために、発行時に決められている「表面利率(金利)」と、市場で日々変動する「市場価格」を区別して考えることがポイントです。
金利が上がると価格は下がる
具体例で考えてみましょう。額面100円、金利3%の10年国債(新発債)が発行されたとします。この国債を持っていると、毎年3円の利子が受け取れます。
その後、新発債の金利が4%に上昇すると、3%で発行された上記の国債(既発債)の魅力は相対的に薄れます。
すると、この既発債の人気はなくなり、市場価格が下がることになります。
金利が下がると価格は上がる
反対に、新発債の金利が2%に低下した場合、3%の既発債の魅力は相対的に上がることになります。
するとこの既発債を買いたい人が増え、市場価格は上昇していきます。
表面利率は変わらない
ここで重要なのは、国債は、満期を迎えるまで発行される時に決められた「表面利率(クーポンレート)」が変わらないという点です。
例えば、表面利率が年1%の国債であれば、市場価格がどう変動しようとも、その国債を保有している限り、額面金額に対して年1%の利子が約束通り支払われます。
変動するのはあくまで市場での「価格」と、その価格で購入した場合の「利回り」です。この2つと表面利率を区別して理解することが、国債投資の基本となります。
例えば、同じ表面利率が年2%の国債でも、価格が安くなったタイミングで購入できた場合、実質的な利回りは高くなります。
市場価格は日々変動する
国債は、一度発行されると「既発債」として、投資家たちの間で自由に売買されるようになります。この取引が行われるのが債券市場です。
株式と同じように、国債の価格も債券市場の需給バランスや経済情勢、金利の見通しなど、さまざまな要因によって日々変動します。
ニュースで報じられる「10年国債利回り」は、この日々変動する市場価格から計算された、その時点での実質的な収益率を指しているのです。
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10年国債利回りが生活に与える影響
10年国債利回り(長期金利)の変動は、金融市場だけの話ではありません。住宅ローンや保険、銀行預金といった、私たちの家計に直結するさまざまな金融サービスの金利に影響を及ぼします。
金利の動きが具体的にどのような影響を与えるのかを知っておくことは、将来のライフプランを考えるうえで欠かせません。
住宅ローン金利への影響
10年国債利回りの影響を受けやすいのが、住宅ローンの固定金利です。多くの金融機関は、10年国債利回りを基準にして、固定型の住宅ローン金利を決定しています。
そのため、10年国債利回りが上昇すると、それに連動して住宅ローンの固定金利も引き上げられる傾向があります。これから住宅の購入を検討している人にとっては、同じ借入額でも月々の返済額や総返済額が増えることになります。
例えば、金利が1%違うだけで、長期のローンでは総返済額が数百万円単位で変わることもあります。
すでに変動金利でローンを組んでいる人も、長期金利の上昇が将来的な短期金利の上昇につながる可能性を考慮しておく必要があります。
保険の予定利率への影響
貯蓄性のある生命保険や個人年金保険、学資保険などの保険料は、「予定利率」を基に計算されています。予定利率とは、保険会社が契約者から預かった保険料を運用する際に約束する利回りのことです。
この予定利率は、主に10年国債利回りなどの長期金利を参考に設定されます。長期金利が上昇すると、保険会社はより高いリターンで資産を運用できると見込むため、予定利率を引き上げることが可能になります。
予定利率が上がると、同じ保障内容であれば保険料が割安になったり、将来受け取れる満期保険金や年金額が増えたりする可能性があります。
預金金利への影響
銀行の預金金利、期間の長い定期預金の金利も、長期金利の動向に影響を受けます。銀行は、預金者から集めた資金を国債などで運用しているため、長期金利が上昇すれば運用のリターンが改善します。
その結果、預金者に支払う金利を引き上げる余力が生まれるため、定期預金の金利も上昇する傾向があります。
長らく続いた低金利環境では、預けていてもほとんど利子がつかない状況でしたが、長期金利が上昇する局面では、預金という安全な方法でも資産を少しずつ増やせる可能性が出てきます。
株式市場への影響
10年国債利回りの上昇は、一般的に株式市場にとってマイナスの影響を与えることがあります。理由は主に2つあります。
第1に、企業の資金調達コストが増加することです。金利が上がると、企業が銀行から借り入れをしたり、社債を発行したりする際の利子負担が重くなります。これにより利益が圧迫されるとの懸念から、株価が下落しやすくなります。
第2に、投資家の資金が株式から債券へシフトする可能性があることです。国債の利回りが上昇すると、「リスクを取って株式に投資するよりも、安全な国債で安定したリターンを得たい」と考える投資家が増えます。その結果、株式市場から資金が流出し、株価の下落圧力となります。
逆に、利回りが低下する局面では、低金利を背景に企業の活動が活発になると期待され、株式市場に資金が流入しやすくなります。
10年国債利回りに関するよくある質問
ここでは、10年国債利回りに関して多くの人が抱く疑問について、Q&A形式で簡潔にお答えします。
Q.利回りが上がるのは良いこと?
一概に「良い」「悪い」とはいえません。利回りの上昇は、個人の立場によってメリットにもデメリットにもなります。
メリットを受ける人
- これから国債や社債に投資する人(より高い利回りを得られる)
- 銀行に預金している人(定期預金金利の上昇が期待できる)
デメリットを受ける人
- これから住宅ローンなど長期の借り入れをする人(金利が高くなり返済負担が増える)
- すでに価格の高い(利回りの低い)債券を保有している人(保有債券の市場価格が下落する)
このように、自身が「お金を貸す側」なのか「借りる側」なのかによって、影響は正反対になります。
Q.10年国債利回りはどこで確認できる?
10年国債利回りは、公的な情報源や民間の金融情報サイトで誰でも簡単に確認することができます。代表的な情報源は以下の通りです。
- 日本銀行のWebサイト: 「国債金利情報」のページで、日々の国債利回りが公表されています。
- 各種金融情報サイト: 大手の証券会社やニュースサイト(日本経済新聞電子版など)のマーケット情報ページで、リアルタイムに近いデータを見ることができます。
- テレビの経済ニュースや新聞: 毎日のマーケット情報の一部として報じられています。
これらの情報源を活用し、日々の利回りの動きをチェックする習慣をつけると、経済への理解がより深まるでしょう。
Q.利回りがマイナスになることはある?
はい、実際にあります。
日本や欧州の一部の国では、過去に中央銀行が大規模な金融緩和策の一環として「マイナス金利政策」を導入した際、国債の利回りがマイナスになる現象が見られました。
利回りがマイナスということは、満期まで国債を保有すると、投資した元本よりも受け取る金額が少なくなる(元本割れする)ことを意味します。
それでも国債が買われる理由としては、「他に安全な投資先がない」「中央銀行が買い支えてくれるため、価格がさらに上昇して売却益を狙える」といった市場の特殊な状況が背景にありました。これは極めて異例な状態であり、通常の経済環境では利回りはプラスとなります。
まとめ
10年国債利回りは、満期が10年の国債に投資した際の年間収益率を示し、日本の「長期金利」を代表する重要な経済指標です。
市場での国債価格と利回りはシーソーのような逆相関の関係にあり、価格が下がれば利回りは上がり、価格が上がれば利回りは下がります。この利回りの動きは、日銀の金融政策や景気の先行きに対する市場の期待を反映するため、「経済の体温計」とも呼ばれています。
長期金利の変動は、住宅ローンの固定金利や保険の予定利率、預金金利など、私たちの生活に密接に関わる金融サービスに直接的な影響を与えます。
日々のニュースで10年国債利回りの動向に注目することは、経済全体の流れを理解し、自身の家計や資産計画を見直すよいきっかけとなるでしょう。
まずはその意味と影響を正しく理解することから始めてみましょう。
≫債券投資はすべき?あなたのケースで診断
将来のお金が気になるあなたへ
この先、お金の不安なく暮らすために、将来の必要額を早めに把握して準備を始めましょう。マネイロでは、将来資金の準備を便利に進められる無料ツールを利用できます。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。



