マネイロ知識ゼロでも
ただしい資産運用を

貯金1000万円はすごい?年代別の割合&達成方法・達成後の注意点を解説

貯金1000万円はすごい?年代別の割合&達成方法・達成後の注意点を解説

貯蓄2025/09/29
  • #初心者向け

>>老後はいくら不足する?あなたが準備すべきお金を3分で診断

貯金1000万円」という目標は、多くの方にとって経済的な安心感を得るための大きなマイルストーンです。しかし、実際に1000万円を保有している人がどのくらいいるのか、自分の年代と比較して「すごい」ことなのかどうかは気になるところでしょう。

本記事では、金融広報中央委員会のデータに基づき、年代別・世帯別の1000万円超えの割合を徹底解説します。さらに、達成するための具体的なステップや、達成後に陥りやすい注意点まで分かりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 年代別・年収別の貯金1000万円を保有している人の割合
  • 貯金1000万円を達成するための具体的なステップ
  • 貯金1000万円を達成した後に陥りやすい罠とリスク


将来に向けた貯蓄が気になるあなたへ

老後をお金の不安なく暮らすために、まずは将来の必要額を知ることから始めましょう。マネイロでは、老後資金づくりをサポートする無料ツールを利用いただけます。

老後資金の無料診断:老後に必要な金額が3分でわかる

賢いお金の増やし方入門:貯金と投資でコツコツ増やす方法がわかる

年金の基本と老後資金準備:年金を増やす方法や制度の落とし穴を学ぶ

関連記事
関連記事

貯金1000万円はすごい?全体の何割?

結論からいうと、貯金1000万円は一部の人が達成できる十分に「すごい」額であるといえます。それは、金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」からもデータとして表れています。

データによると、金融資産保有額が1000万円以上の世帯の割合は以下の通りです(金融資産非保有世帯を含む)。なお、当記事で紹介する金融広報中央委員会のデータ内の「金融資産保有額」には、現金の他、株式や投資信託、債券、生命保険などの金融商品も含みます

【世帯別の金融資産保有額(1000万円以上)と平均・中央値】

世帯区分

1000万円以上保有割合(合計)

1000万円以上保有割合(合計)

平均値

平均値

中央値

中央値

単身世帯

1000万円以上保有割合(合計)

21.5%

平均値

989万円

中央値

100万円

2人以上世帯

1000万円以上保有割合(合計)

31.9%

平均値

1374万円

中央値

350万円

このデータから、単身世帯では上位20%強、2人以上世帯では上位30%強が、1000万円以上の資産を保有していることが分かります。次からは、さらに細かい分類でデータを見ていきましょう。

年代別・年収別の1000万円保有割合は?(300字±100字)

1000万円以上の金融資産を保有している割合は、世帯の属性、特に年代や年収によって大きく異なります。以下の表は、単身世帯と2人以上世帯について、年代別および年収別に1000万円以上の金融資産を保有している世帯の割合、平均値、中央値をまとめたものです。

いずれのデータからも、年齢が上がるほど、1000万円以上の金融資産を保有している割合は高まること、また年収が上昇するにつれて、1000万円以上の保有割合が高まることが分かります。

単身世帯:年代別・年収別 1000万円以上保有割合(金融資産非保有を含む)

【年代別】

年代

1000万円以上保有割合

1000万円以上保有割合

平均

平均

中央値

中央値

20代

1000万円以上保有割合

3.2%

平均

161万円

中央値

15万円

30代

1000万円以上保有割合

12.7%

平均

459万円

中央値

90万円

40代

1000万円以上保有割合

21.0%

平均

883万円

中央値

85万円

50代

1000万円以上保有割合

23.8%

平均

1087万円

中央値

30万円

60代

1000万円以上保有割合

33.7%

平均

1679万円

中央値

350万円

70代

1000万円以上保有割合

35.6%

平均

1634万円

中央値

475万円

【年収別】

収入なし

8.8%

8.8%

249万円

249万円

0円

0円

300万円未満

8.8%

16.3%

249万円

655万円

0円

50万円

300~500万円未満

8.8%

24.7%

249万円

1096万円

0円

180万円

500~750万円未満

8.8%

44.5%

249万円

2365万円

0円

800万円

750~1000万円未満

8.8%

47.7%

249万円

2976万円

0円

900万円

1000~1200万円未満

8.8%

41.2%

249万円

2462万円

0円

900万円

1200万円以上

8.8%

58.9%

249万円

4343万円

0円

2200万円

2人以上世帯:年代別・年収別 1000万円以上保有割合(金融資産非保有を含む)

【年代別】

属性

1000万円以上保有割合

1000万円以上保有割合

平均

平均

中央値

中央値

20代

1000万円以上保有割合

8.7%

平均

382万円

中央値

84万円

30代

1000万円以上保有割合

18.4%

平均

677万円

中央値

180万円

40代

1000万円以上保有割合

24.0%

平均

944万円

中央値

250万円

50代

1000万円以上保有割合

28.4%

平均

1168万円

中央値

250万円

60代

1000万円以上保有割合

42.7%

平均

2033万円

中央値

650万円

70代

1000万円以上保有割合

44.7%

平均

1923万円

中央値

800万円

【年収別】

収入なし

4.7%

4.7%

369万円

369万円

0円

0円

300万円未満

4.7%

17.8%

369万円

661万円

0円

52万円

300~500万円未満

4.7%

28.7%

369万円

1065万円

0円

300万円

500~750万円未満

4.7%

31.8%

369万円

1233万円

0円

400万円

750~1000万円未満

4.7%

43.8%

369万円

1939万円

0円

800万円

1000~1200万円未満

4.7%

51.0%

369万円

2069万円

0円

1000万円

1200万円以上

4.7%

65.6%

369万円

4178万円

0円

1650万円

各年代の保有資産の分布

次に、年代ごとの保有資産の分布を詳しくチェックしてみましょう。1000万円というラインが各ライフステージにおいてどのような位置づけにあるのかを把握することができます。ここでは、単身世帯と2人以上世帯に分けて、金融資産保有額の分布を確認します。

単身世帯

単身世帯における世帯主の年齢別金融資産保有額の分布(金融資産非保有世帯を含む)は以下の通りです。この表から、年代が上がるにつれて、金融資産を保有している世帯の割合が増加し、特に40代以降では3000万円以上の高資産層の割合が顕著に増加していることがわかります。

資産区分

20代

20代

30代

30代

40代

40代

50代

50代

60代

60代

70代

70代

金融資産非保有

20代

36.6%

30代

33.4%

40代

33.3%

50代

40.2%

60代

27.7%

70代

27.0%

100万円未満

20代

26.3%

30代

15.3%

40代

15.4%

50代

13.1%

60代

8.9%

70代

5.1%

100万円~200万円未満

20代

9.5%

30代

8.3%

40代

7.7%

50代

4.1%

60代

5.6%

70代

5.7%

200万円~300万円未満

20代

4.9%

30代

5.8%

40代

5.2%

50代

2.7%

60代

3.0%

70代

4.9%

300万円~400万円未満

20代

4.8%

30代

5.2%

40代

4.0%

50代

3.8%

60代

3.3%

70代

3.9%

400万円~500万円未満

20代

2.4%

30代

2.5%

40代

1.2%

50代

1.9%

60代

2.8%

70代

2.2%

500万円~700万円未満

20代

4.6%

30代

6.1%

40代

4.9%

50代

3.3%

60代

5.8%

70代

7.3%

700万円~1000万円未満

20代

4.0%

30代

8.0%

40代

4.6%

50代

3.8%

60代

5.1%

70代

5.9%

1000万円~1500万円未満

20代

2.4%

30代

4.3%

40代

5.9%

50代

5.5%

60代

8.2%

70代

8.9%

1500万円~2000万円未満

20代

0.4%

30代

2.5%

40代

2.8%

50代

3.3%

60代

2.6%

70代

4.7%

2000万円~3000万円未満

20代

0.4%

30代

2.8%

40代

3.7%

50代

3.8%

60代

6.1%

70代

6.1%

3000万円以上

20代

0.0%

30代

3.1%

40代

8.6%

50代

11.2%

60代

16.8%

70代

15.9%

無回答

20代

3.8%

30代

2.8%

40代

2.5%

50代

3.3%

60代

4.2%

70代

2.4%

単身世帯において、特に若年層では金融資産を持たない割合が高い傾向にあります。20代では、金融資産非保有が36.6%ともっとも多く、1000万円以上を保有しているのはわずか3.2%にとどまります。しかし、40代以降は1000万円以上保有層が2割を超え、資産形成が進んでいることが分かります。

2人以上世帯

2人以上世帯における世帯主の年齢別金融資産保有額の分布は以下の通りです。全体的に単身世帯よりも金融資産非保有の割合が低く、資産形成が進んでいることが見て取れます。

資産区分

20代

20代

30代

30代

40代

40代

50代

50代

60代

60代

70代

70代

金融資産非保有

20代

22.8%

30代

24.5%

40代

25.7%

50代

29.2%

60代

20.5%

70代

20.8%

100万円未満

20代

23.4%

30代

13.1%

40代

11.2%

50代

8.7%

60代

6.5%

70代

5.4%

100万円~200万円未満

20代

11.1%

30代

11.3%

40代

6.2%

50代

5.9%

60代

5.3%

70代

4.9%

200万円~300万円未満

20代

5.3%

30代

7.6%

40代

6.1%

50代

5.1%

60代

3.7%

70代

3.4%

300万円~400万円未満

20代

4.1%

30代

4.9%

40代

4.6%

50代

3.7%

60代

3.1%

70代

3.7%

400万円~500万円未満

20代

6.4%

30代

3.1%

40代

3.3%

50代

3.2%

60代

3.1%

70代

2.3%

500万円~700万円未満

20代

5.8%

30代

6.2%

40代

7.7%

50代

6.3%

60代

6.3%

70代

4.9%

700万円~1000万円未満

20代

4.1%

30代

7.3%

40代

6.4%

50代

5.8%

60代

5.3%

70代

6.4%

1000万円~1500万円未満

20代

5.8%

30代

7.9%

40代

8.2%

50代

7.6%

60代

8.9%

70代

10.2%

1500万円~2000万円未満

20代

0.6%

30代

3.5%

40代

3.8%

50代

3.8%

60代

5.8%

70代

6.6%

2000万円~3000万円未満

20代

0.0%

30代

4.2%

40代

5.5%

50代

6.3%

60代

8.0%

70代

8.9%

3000万円以上

20代

2.3%

30代

2.8%

40代

6.5%

50代

10.7%

60代

20.0%

70代

19.0%

無回答

20代

8.2%

30代

3.7%

40代

4.9%

50代

3.8%

60代

3.6%

70代

3.5%

2人以上世帯では、30代ですでに1000万円以上を保有する世帯が18.4%おり、40代以降は着実に割合が増加します。特に60代・70代では、1000万円以上の保有割合が4割を超えており、3000万円以上の高資産層がそれぞれ20%、19%を占めています


将来に向けた貯蓄が気になるあなたへ

老後をお金の不安なく暮らすために、まずは将来の必要額を知ることから始めましょう。マネイロでは、老後資金づくりをサポートする無料ツールを利用いただけます。

老後資金の無料診断:老後に必要な金額が3分でわかる

賢いお金の増やし方入門:貯金と投資でコツコツ増やす方法がわかる

年金の基本と老後資金準備:年金を増やす方法や制度の落とし穴を学ぶ

貯金1000万円を目指す人向け・達成のための5ステップ

貯金1000万円を達成するためには、漫然と貯蓄するのではなく、計画的かつ戦略的に行動する必要があります。ここでは、これから貯金1000万円達成を目指していきたい人に向けて、貯蓄を加速させるための5つのステップを紹介します。

ステップ1.支出の見える化・最適化

貯蓄の第一歩は、現状の家計を正確に把握することです。家計簿アプリやクレジットカードの利用明細などを活用し、毎月の収入と支出を「見える化」しましょう。

特に、何にどれくらいの費用がかかっているのか、固定費と変動費のバランスはどうなっているのかを明確にすることが重要です。この作業を行うことで、無意識に使ってしまっている「ムダ遣い」を発見し、支出の最適化を行う土台ができます。

ポイントの解説

単に切り詰めるのではなく、自分の価値観に合わない支出を削り、満足度の高い支出に資金を回す意識が大切です。

ステップ2.固定費の見直し

支出を見える化したら、次に着手すべきは「固定費」の見直しです。固定費は、一度削減すれば永続的に効果が続くため、貯蓄の入金力を大きく高めるもっとも有効な手段です。具体的には、以下のような項目を見直しましょう。

  • 住居費:賃貸であれば家賃交渉や引っ越し、住宅ローンであれば借り換えを検討する
  • 通信費:利用状況に合わせて、格安SIMや契約プランの見直しを検討する
  • 保険料:不要な特約がないか確認し、保障内容を本当に必要なものに絞り込む
  • サブスクリプション:利用頻度の低い動画配信サービスや定期購読サービスを解約する

ステップ3.先取り貯蓄の仕組みづくり

支出の最適化ができたら、「残ったお金を貯める」のではなく、「先に貯蓄分を取り分ける」仕組みを作りましょう。これが「先取り貯蓄」です。給与が振り込まれた直後に貯蓄専用口座や投資口座へ自動的に資金を移動させることで、強制的に資産形成を進めることができます。

積立定期預金

定期積立預金は、事前に設定した金額を毎月自動的に預金口座へ積み立てることができる預金方法です。積立日を自由に設定できるため、給料日直後に設定しておくことで、先取り貯蓄の仕組みを作ることができます。

NISA(少額投資非課税制度)の活用

先取り貯蓄の仕組みとして、成長性の高い資産形成を可能にするNISAは非常に有効です。NISAは2024年に刷新され、非課税保有限度額が大幅に拡大したことで長期的な資産形成をさらに有利に進められるようになっています。

NISA口座を通じて、毎月定額を自動で積立投資することで、市場の成長の恩恵を受けながら、非課税で効率的に1000万円達成を目指すことができるでしょう。

関連記事
関連記事

iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用

iDeCoは、将来の年金資産を形成するための制度であり、NISAと並行して活用することで、さらなる税制優遇を受けられます。iDeCoで積み立てた掛金は全額所得控除の対象となり、年末調整や確定申告を行うことで所得税・住民税が軽減されます。

これは、実質的に手取り収入が増えることと同じ効果をもたらし、貯蓄の「入金力」を間接的に高めることにつながります。

ただし、iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、短期の目標である1000万円達成後の長期資産の柱として活用を検討するとよいでしょう。

関連記事
関連記事

ステップ4.「入金力」を高めるための副業も検討

支出の管理と投資による効率化を進めた上で、貯蓄スピードを決定的に高めるのが「入金力(貯める力)」です。特に若いうちは、本業以外に副業を検討することで、純粋な手取り収入を増やし、貯蓄に回せる金額を増やせます。副業は、スキルアップや将来的なキャリアチェンジの準備にもなり、資産形成以外にもメリットがあります。

ただし、本業とのバランスを考慮し、無理のない範囲で行うことが重要です。スキルや時間を有効活用できるWebライティングプログラミング、あるいはスポットバイトなどの副業も近年増加しているので、自分に合ったものを検討してみましょう。

ステップ5.お得な制度も有効活用

貯金1000万円を最短で達成するためには、国や自治体が提供する「お得な制度」を漏れなく活用し、支出を抑えたり、控除を受けたりすることが欠かせません。ここでは、節税に役立つ2つの代表的な制度を紹介します。

ふるさと納税

ふるさと納税は、実質2000円の自己負担で、寄付した自治体から返礼品を受け取り、翌年の住民税や所得税が控除される制度です。これは、単なる寄付ではなく、未来の税金の前払いを活用して、食費や日用品などの実質的な生活費を節約できる仕組みです。

特に、高収入で税率が高い人ほど節税効果が大きくなります。浮いた資金を貯金や投資に回すことで、1000万円達成を後押しすることができます。

関連記事

住宅ローン控除

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを組んでマイホームを購入・新築・増改築した場合に、年末時点のローン残高に応じて一定額が所得税から控除される制度です。この控除によって還付される税金は、数十万円に及ぶこともあり、貯蓄に大きく貢献します。

住宅を購入済み、またはこれから購入を検討していて、貯金1000万円を目指す場合は、この制度を最大限に活用しましょう。制度の適用には細かな要件があるため、最新の情報を確認するようにしましょう。

所得税だけでは控除しきれない場合、上限を9万7500円として、翌年の住民税からも控除が行われます。

関連記事

油断禁物!貯金1000万円を達成したあとの注意点とは?

1000万円という大きな目標を達成すると、多くの人が安心感を覚えますが、その達成感ゆえに陥りやすい「落とし穴」があります。次の目標に向けて資産を伸ばしていくために、以下の3つの注意点を意識しておくことが重要です。

達成感による浪費

1000万円という目標を達成した途端、「頑張った自分へのごほうび」として高額な買い物をしたり、それまで我慢していた趣味や贅沢に歯止めが効かなくなったりするケースがあります。

さらに危険なのが、余裕ができたことで無意識に生活レベルを上げてしまうことです。例えば、家賃の高い部屋に引っ越す、外食の頻度やグレードを上げるなど、固定費が増加するような生活レベルの向上は、その後の貯蓄ペースを大幅に鈍化させます。

ポイントの解説

一度上がった生活レベルを下げるのは難しいため、達成後も倹約意識を保ち、目標達成の喜びと今後の生活に必要な支出を明確に区別することが大切です。

投資リスクの甘い見積もり

資産が1000万円に達すると、少々の損失は許容できるという心理が働きやすくなります。また、資産が少ない時期には慎重だった投資行動が、「資金があるから」「ここまで増やせたから」と急にリスク許容度を超えたハイリスクな投資に傾倒してしまうことがあります。例えば、資金の多くを特定の個別株や仮想通貨といったボラティリティの高い資産に集中させたり、レバレッジをかけた取引を行ったりすることです。

資産が1000万円から100万円単位で増える喜びを知ったからこそ、リスクを取ってさらに「早く増やしたい」という誘惑に駆られやすいですが、その甘い見積もりが大きな損失につながる可能性があります。

注意点

資産規模が大きくなるほど、リスク管理の重要性も増すことを忘れてはいけません。

>>将来は大丈夫?あなたに最適な資産運用を3分で診断

金融機関からのセールストークの罠

金融資産が1000万円を超えると、銀行や証券会社などの金融機関から、資産運用に関するセールスや提案を受ける機会が増えることがあります。彼らは顧客の資産状況を把握しており、高額な資産を持つ層に対して積極的なアプローチを行います。

注意すべきは、手数料が高い金融商品や、複雑で理解しにくい組成の投資商品を勧められるケースです。これらの商品は、金融機関側の利益は大きいものの、必ずしも顧客にとって最適なリターンをもたらすとは限りません。

提案を受ける際は、商品のコスト(手数料)とリスク、そしてなぜその商品が自分にとって最適なのかを冷静に判断する姿勢が必要です。

貯金1000万円に関するよくあるQ&A

貯金1000万円に関する疑問や、達成後の具体的な行動に関するよくある質問にお答えします。

Q. 貯金1000万円を達成したら、仕事は辞めても大丈夫?

貯金1000万円は大きな資産といえますが、仕事(本業)を完全に辞める「早期リタイア(FIRE)」の基準としては、不足する可能性が極めて高いといえます。

一般的に、FIREを目指すには、年間支出の25倍程度の資産が必要とされる「4%ルール」が目安となります。仮に生活費が年間300万円の場合、約7500万円が必要です。1000万円は、数年間の生活費を賄う緊急予備資金や、セミリタイア(副業やアルバイトで生活費を補填する)のスタート資金としては機能しますが、完全にリタイアするには心許ない金額です。

Q. 貯金1000万円を達成するには毎月いくら貯めればいい?

どれくらいの期間で1000万円を達成したいかによって、毎月の積立額は変わります。達成に必要な金額は以下の計算式で求めることができます。

毎月必要な貯金額 = (1000万円 - (現在の貯金額))÷ 達成までの目標期間(ヶ月)

例えば、現在100万円の貯金があり、この先10年間で1000万円を達成したい場合は、「(1000万円 - 100万円)÷ 120ヶ月 =7万5000円」で、毎月7万5000円の貯金が必要になる計算です(利息等は考慮せず)。

厳しいと感じた場合は、目標期間を調整することで、毎月の貯金額を小さくすることができます。例えば、目標期間を15年にすると毎月の貯金額は5万円となり、20年にすると3万7500円になります。

Q. 相続が発生した場合、1000万円の貯金に税金はかかりますか?

相続が発生した場合、貯金を含むすべての遺産に対して相続税がかかるかどうかは、基礎控除額によって決まります
日本の相続税の基礎控除額は「3000万円+(法定相続人の数×600万円)」です。

仮に法定相続人が1人の場合、基礎控除額は3600万円となります。したがって、遺産総額がこの基礎控除額(3600万円)を下回る場合は、相続税はかかりません。

1000万円の貯金のみが相続対象であれば、他の財産がない限り相続税の心配はないといってよいでしょう。

注意点

ただし、他に不動産や金融資産がある場合は、全体の合計額を確認する必要があります。

まとめ

貯金1000万円は、単身世帯では約2割、2人以上世帯では約3割のみが達成している、十分に「すごい」といえる大きな経済的な目標です。特に年齢や年収が上がるほど保有割合は高まりますが、40代以降の世帯にとっては決して非現実的な目標ではありません。

達成のためには、まず支出の見える化と固定費の削減、そしてNISAやiDeCoを活用した先取り貯蓄の仕組み作りが重要です。

さらに、副業や各種優遇制度を活用して入金力を高めることも欠かせません。達成後も、浪費やハイリスクな投資に陥らないよう注意し、継続的な資産拡大を目指しましょう。

>>老後はいくら不足する?あなたが準備すべきお金を3分で診断


将来に向けた貯蓄が気になるあなたへ

老後をお金の不安なく暮らすために、まずは将来の必要額を知ることから始めましょう。マネイロでは、老後資金づくりをサポートする無料ツールを利用いただけます。

老後資金の無料診断:老後に必要な金額が3分でわかる

賢いお金の増やし方入門:貯金と投資でコツコツ増やす方法がわかる

年金の基本と老後資金準備:年金を増やす方法や制度の落とし穴を学ぶ

※本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合がございます

※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください

オススメ記事

監修
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。

一覧へもどる