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出産前に必要な貯金額の目安はいくら?実際の費用&給付金・手当を解説

出産前に必要な貯金額の目安はいくら?実際の費用&給付金・手当を解説

貯蓄2025/07/24
  • #既婚者
  • #教育資金

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出産に際しては、赤ちゃんを迎え入れる喜びと同時に、「出産前の貯金の目安はいくら?」とお金に関する不安を感じる方も少なくないでしょう。

この記事では、妊娠・出産にかかる具体的な費用から、国や自治体から支給される補助金・手当、そして夫婦で効率的に貯金する方法までを詳しく解説します。お金の不安を解消し、笑顔で新しい家族を迎えられるよう早めに準備を進めましょう。

この記事を読んでわかること
  • 出産前後に発生する具体的な費用とその内訳
  • 国や自治体から受け取れる給付金や手当の種類と内容
  • 世帯の状況に応じた出産前の貯金額の目安と、効率的な貯金方法


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出産前に必要な貯金額の確認方法

出産前に必要な貯金額は一般的に50~100万円程度といわれていますが、実際の必要額は人それぞれです。

自分たちに必要な額を把握するには、まず妊娠中から出産、そして産後1歳頃までに発生する費用を洗い出しておくことが大切です。そして、国や自治体から支給される給付金や手当を差し引いて計算することで、現実的に必要となる自己負担額を算出できます。

この自己負担額が、目標とすべき貯金額の目安となります。以下で詳しく見ていきましょう。

出産にかかる費用の目安&内訳

出産には、妊娠中の定期健診から分娩費用、そして産後の育児用品の購入まで、多岐にわたる費用が発生します。ここでは、それぞれの段階でかかる費用の内訳を見ていきましょう。

妊娠中にかかる費用

妊娠が判明してから出産までには、妊婦健診マタニティ用品の購入といった費用が発生します。

妊婦健診の自己負担

妊婦健診は、母子の健康状態を確認するために定期的に受ける必要がある検査ですが、原則として健康保険の適用外となるため、自己負担が発生します。

ただし、自治体から配布される「妊婦健診の補助券」を利用することで、費用の一部または全額が補助される場合があります。

出産予定日が近づき、お腹が大きくなってくると、運転中の姿勢がつらくなったり、急な体調変化に備える必要も出てくるため、自動車の運転や、時には公共交通機関での移動が難しくなることがあります。こうした時期には、タクシーを利用する機会が増える可能性もあります。

マタニティ用品の購入費用

妊娠週数が進むにつれて体形や体調が大きく変化するため、お腹のサイズに合わせたマタニティウェアや、身体を支えるマタニティインナー、快適な睡眠をサポートする抱き枕など、さまざまなマタニティ用品が必要になります。

場合によっては、着圧ソックス骨盤ベルトが必要になるケースもあります。

出産時にかかる費用

出産にかかる費用は、分娩方法や入院期間などによって大きく異なります。また、個室の利用や特別な分娩方法を選択することで、追加費用が発生する場合もあります。

差額ベッド代

入院中に個室や少人数の病室を利用する場合、通常の入院費用に加えて「差額ベッド代」が発生することがあります。これは健康保険の適用外であり、全額自己負担となるため、事前に料金体系を確認し、必要に応じて利用を検討することが重要です。

帝王切開の費用

帝王切開は医療行為とされるため、手術や入院にかかる費用には健康保険が適用され、自己負担額を抑えることが可能です。

手術費用は、2022年の診療報酬点数から計算すると、予定帝王切開で20万1400円、緊急帝王切開の場合であれば22万2000円です。これが保険適用となり、自己負担額は約6~7万円となります。

和痛・無痛分娩の費用

和痛分娩や無痛分娩は、麻酔を使用して陣痛の痛みを和らげる方法です。これらの分娩方法は、一般的な自然分娩に比べて追加費用が発生するケースが多く、健康保険の適用外となることがほとんどです。

一般的に、和痛分娩は5~10万円程度、無痛分娩は10~20万円程度が費用相場となっています。ただし、医療機関によって費用が異なるほか、対応していない場合もあるため、事前に確認し、希望する場合は費用も考慮して検討しましょう。

ポイントの解説

東京都や群馬県下仁田町など、自治体によっては自治体が補助金を出しているところもあります。全国で見ると多くはありませんが、気になる場合は事前に確認しておくとよいでしょう。

産後〜1歳までにかかる費用(ベビー用品・お祝い行事など)

赤ちゃんが生まれてからも、育児にはいろいろな費用がかかります。特に生後1年間は、ベビー用品の準備や、お宮参りやお食い初めといったお祝い行事など、まとまった出費が発生しやすい時期です。

ベビー用品の費用

生まれたばかりの赤ちゃんには、おむつやミルク、ベビー服、ベビーカー、チャイルドシート、ベビーベッド、おもちゃなど、多くのベビー用品が必要です。特に新生児期は使用頻度が高いおむつやミルクの費用が継続的に発生します。

お祝い行事の費用

赤ちゃんが誕生してから1歳になるまでには、お宮参り、お食い初め、初節句、ハーフバースデー、初誕生日など、さまざまなお祝い行事があります。これらの行事には、写真撮影や会食、衣装の準備に加え、親族や友人を招く場合は「内祝い」の用意など、さまざまな費用が発生します。

内祝いとは、お祝いをいただいた方へのお礼として贈る品物のことで、いただいた金額や品物の「半額〜3分の1程度」を目安に用意するのが一般的です。


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出産でもらえるお金

出産には費用がかかる一方で、国や自治体からはさまざまな給付金手当が支給され、家計の負担を軽減してくれます。これらの制度を上手に活用することで、出産・育児に必要な資金を準備しやすくなるでしょう。

出産育児一時金

出産育児一時金は、健康保険の被保険者またはその被扶養者が出産した際に支給される一時金(子ども1人につき原則50万円)で、出産にかかる費用の大部分をカバーすることを目的としています。

直接支払制度」を利用することで、医療機関に直接費用が支払われ、退院時の自己負担を軽減できます。ただし医療機関によっては、直接支払制度に対応していない場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。

ポイントの解説

厚生労働省「出産育児一時金について」によると、2021年度の正常分娩にかかった出産費用の平均は47万3315円となっており、一般的な分娩では、出産育児一時金で賄えることも多いことが分かります。

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妊婦健診の補助券

妊婦健診の補助券は、妊婦健診にかかる自己負担費用の一部を助成するため、自治体が提供している制度です。妊娠が確定し、住民票のある自治体で母子健康手帳の交付を受ける際に、補助券も一緒に配布されるのが一般的です。

補助券の枚数や1回あたりの助成額は自治体ごとに異なるため、詳細はお住まいの自治体の窓口やWebサイトで確認しておきましょう。

出産手当金

出産手当金は、会社員や公務員の方が、出産のために仕事を休み、給与が支給されなかった場合に、健康保険から支給される手当です。

出産日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日後56日までの98日間が対象となり、日給の約3分の2が支給されます。自営業やフリーランスの方は、国民健康保険にはこの手当がない点に注意が必要です。詳しくは以下の記事もご覧ください。

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育児休業給付金

育児休業給付金は、会社員や公務員の方が、育児のために育児休業を取得した場合に、雇用保険から支給される給付金です。

育児休業開始から最初の6ヶ月間は休業開始前の賃金の約67%、それ以降は約50%が支給されます。これにより、育児休業中の収入減を補い、安心して育児に専念できるようサポートされます。自営業やフリーランスの方は対象外です。

以下の記事で詳しく解説していますので併せてご確認ください。

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児童手当

児童手当は、0歳から高校生年代まで(18歳の3月31日まで)の児童を養育する家庭に支給される手当です。

子どもの年齢に応じた月額(3歳未満:1万5000円、3歳~高校生:1万円、第3子以降は、年齢問わず一律3万円)が支給されます。子どもの健全な育成を支援する目的で、毎年偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)に、それぞれの前月分までの2ヶ月分がまとめて支給されます。

【おまけ】親族からの援助

上記で挙げた公的な給付金や手当の他に、出産や育児に際して、親族からお祝い金やお下がりなど、金銭的・物的援助を受けるケースもあります。これは非常に心強いサポートとなりますが、あくまで「おまけ」として考え、公的な制度や自己資金を基本とした計画を立てることが重要です。

【世帯タイプ別】出産前に必要な貯金額の目安は?

世帯の収入状況やライフスタイルによって、出産前に目標とすべき貯金額は異なります。ここでは、代表的な世帯タイプ別に、必要な貯金額の目安とその考え方を見ていきましょう。

共働き夫婦(会社員)の場合

共働きで夫婦ともに会社員の場合、出産手当金や育児休業給付金など、公的な手当が充実しているため、比較的安心して出産・育児に臨むことができます。

出産にかかる自己負担費用と産後の生活費の増分を考慮しつつ、給付金で補填できない部分を貯金で賄う現実的な目標額を設定するのがおすすめです。

例えば、出産前費用として10~20万円、出産の自己負担費用として20~30万円、そして産後に減少する収入 × 育休予定期間の分を計画的に貯金しておくとよいでしょう。

家族が増えることで、夫婦2人の時よりも生活費が多くかかるようになります。2人の時の外食費や趣味のお金を見直すなど、家計を見直して支出を減らし、できるだけ貯金を「長持ち」させる工夫をしましょう。

自営業・フリーランスの夫婦の場合

自営業やフリーランスの夫婦の場合、会社員が対象となる出産手当金や育児休業給付金が国民健康保険にはない点が大きな違いです。このため、収入が途絶えるリスクや、出産・育児による費用増に対する備え(特に収入減少分の補填)を、自己資金でより手厚く準備する必要があるでしょう。

里帰り出産をする場合

里帰り出産は、実家でサポートを受けながら産後の回復に専念できるメリットがある一方で、実家への帰省費用や、場合によっては実家での滞在費が発生するデメリットもあります。

一方で、実家での食事提供や家事サポートがあるため、産後の食費や光熱費といった生活費を抑えられるメリットもあるでしょう。産後どれくらいの期間過ごすかなども含め、トータルでかかる費用と抑えられる費用を比較し、経済的に合理的な選択をすることが大切です。

出産に向けた貯金計画の立て方と貯めるコツ

出産のための貯金は、妊娠が判明する前から計画的に始めるのが理想です。しかし、もし今が妊娠中であっても、決して遅すぎることはありません。これから紹介する貯金計画の立て方とコツを実践すれば、出産までの期間で十分間に合わせることが可能です。

ステップ1.まずは家計を見直し、毎月の貯金額を決める

貯金の第一歩は、現在の家計状況を正確に把握することです。毎月の収入と支出を洗い出し、無駄な支出がないかを見直しましょう。そして、無理のない範囲で毎月いくら貯金できるかを具体的に決定します。家計簿アプリやスプレッドシートなどを活用すると、可視化しやすくなります。

ステップ2.手軽にできる節約術を実践

家計の見直しで貯金額が決まったら、日々の生活で実践できる節約術を取り入れましょう。スマートフォンのプランを大手キャリアから格安SIMに変更する、不要なサブスクリプションを見直す外食を減らすなど、できることから始めましょう。

ポイントの解説

妊婦帯や搾乳機、ベビーベッドなど、一部のマタニティ用品やベビー用品は、使用が一時的になることもあります。これらが中古品でも気にならない場合は、フリマサイトなどを上手に活用することで大幅に費用を抑えることも可能です。

ステップ3.夫婦で目的別の貯金口座を作り「先取り貯金」を行う

堅実に貯金をしていく上では「先取り貯金」が有効です。余ったら貯金するのではなく、給与が振り込まれたらすぐに一定額を貯金用の別口座に移動させることで、使いすぎを防ぎ、着実に貯蓄を増やすことができます。

夫婦で「出産・育児費用」という明確な目的別の貯金口座を設定するのもおすすめです。共通の目標に向かって協力することで、モチベーションを維持しやすくなります。

まとめ

この記事では、出産前に必要な貯金額の目安について、具体的な費用の内訳、国や自治体から受け取れる給付金・手当、さらに効率的な貯金方法までを詳しく解説しました。

妊娠・出産・育児には多くの費用がかかりますが、妊婦健診の補助券や出産育児一時金、出産手当金、育児休業給付金、児童手当など、さまざまな公的支援制度があります。これらの制度を理解し、上手に活用することが経済的な不安を軽減する鍵になります。

また、共働き夫婦、自営業・フリーランスの夫婦、里帰り出産を検討している場合など、それぞれで実質的な負担額は変わってくるため、世帯状況に合わせた貯金計画を立てることが大切です。

出産は、人生における大きな節目です。安心して赤ちゃんを迎えられるよう、この記事の内容を参考に、出産に向けた資金作りを進めていきましょう。


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監修
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

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執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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