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債券投資は意味ない?知っておきたい意外なデメリット・メリットをプロがわかりやすく解説

債券投資は意味ない?知っておきたい意外なデメリット・メリットをプロがわかりやすく解説

資産運用2024/10/11
  • #初心者向け

「債券投資は意味ない?」「株式投資と比べると利益は期待できない?」と債券投資のデメリットや注意点について詳しく知りたい人も多いのではないでしょうか。

債券とは国や企業などの発行体が投資家からお金を借り入れるために発行する有価証券のことです。

満期に額面金額が返済されるなどの特徴があるので、安定的な運用が期待できる反面、リターンが少ないのではと考える人がいるかもしれません。

本記事では「債券投資は意味ない?」と悩んでいる人に向けて、債券投資の基本知識、知っておきたいデメリット・メリット、少しでも利益を増やすための方法についてプロがわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 債券投資はリスクが小さい分、得られるリターンも小さいため、投資をしても意味ないと感じる人もいる
  • 債券投資のメリットは「利子を受け取れる」「期日にあらかじめ約束された金額を受け取れる」など
  • 債券投資をしてもあまり意味ない人は「まとまったお金がない人」「リスクを取って運用したい人」

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債券投資とは?基本の仕組み

まずは債券投資とは何か、詳しく見ていきましょう。

債券とは

債券とは
債券とは?

国や地方公共団体、企業が、一般の投資家からの資金調達を目的として発行する有価証券のこと

それぞれの債券には、利率や償還日、利払い日などの条件が決められていて、債券を購入した投資家は、条件どおりに、保有期間中には利子が受け取れ、償還日には額面金額が返済されます。

将来のキャッシュフローがあらかじめ決まっているので、投資家にとっては、資金の目的に応じて利用しやすい金融商品といえるでしょう。

一方で、債券には価格変動リスクや信用リスクなどがあります。債券の種類にもよりますが、中途解約すると元本が割れたり、発行体が財政難に陥ると利子が支払われなくなったり、元本が毀損する可能性があります。

債券と債券型の投資信託の違い

債券と債券型の投資信託やETFには違いがあります。下記の図で確認してみましょう。

債券と債券型の投資信託の違い

債券と債券型の投資信託やETFは、それぞれが異なる金融商品です。債券型の投資信託やETFは、国内外の債券や社債などを投資対象とした「投資信託」「ETF」であることを理解しておきましょう。

投資信託や債券に組み入れられる債券には、個人では購入できない債券も存在します。このような債券は機関投資家など大口の投資家向けに取引されており、投資信託やETFを購入すれば、間接的に投資をすることができます。

債券投資をする主な方法には以下の3パターンがあります。

  • 直接債券を購入
  • 債券型の投資信託を購入
  • 債券型のETFを購入

債券と債券型の投資信託やETFは、いずれも証券会社や銀行などで購入できますが、投資信託や債券に関しては、金融機関によってラインナップは異なります。ETFは全国の証券会社でも全銘柄の取り扱いがあります。

(参考:ETFの概要 | 日本取引所グループ

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債券と株式の違い

債券と株式は投資家から資金調達をするために発行される金融商品ですが、さまざまな点で違いがあります。

債券は保有期間中に利子が受け取れ、償還期日に額面金額が返済される金融商品です。債券は種類が多く、リスクもさまざまですが、先進国の国債や大企業が発行する社債などは安定的に運用できる債券です。

そのため、インカムゲインを目的に購入する場合が多いのが特徴です。

一方、株式の場合、株式を購入した投資家は出資者の一員となり、配当金を受け取ったり、株主総会で議決権を行使する権利を得ることができます。

投資家が出資した資金は株式会社の資本となるため、投資家への返済義務はなく、債券の条件にある利払い日や償還期日などはありません。

配当を出すかどうかは、企業の経営状態などによって決定するため、債券の利子とは性質が異なります。

ポイントの解説

株式は短期間で価格が大きく変動する可能性がある商品です。よって、インカムゲインよりキャピタルゲインを目的として投資をする人が多い商品といえるでしょう。

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債券投資は意味ない?知っておきたい意外なデメリット

「債券に投資をしても意味ないのでは?」と思っている人もなかにはいるかもしれません。

債券にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。主なデメリットについて解説します。

リスクが小さい分、リターンも小さい

債券は、あらかじめ決められた条件どおりに、利子が支払われ、満期には額面金額で償還される金融商品です。

そのため、株式と比較すると、安定的な運用が目指せる金融商品というイメージが強いかもしれません。

特に先進国の債券や大企業の社債はリスクが低く、デフォルトの可能性も高くありません。したがって、債券から得られる利益は利子が中心となります。

ポイントの解説

債券価格の値動きで利益を追求することもできますが、株式に比べると価格の変動は大きくありません。キャピタルゲインは狙いにくいといえます。

ケースによってはリスクが大きくなる場合がある

債券は、一般的に低リスク低リターンに位置づけられる金融商品ですが、債券の種類によってはリスクが大きくなる場合があります。

例えば、ハイイールド債や劣後債などは比較的リスクが大きい債券です。

ハイイールド債はジャンク債とも呼ばれ、格付け会社によってダブルB以下(S&P社の場合)、あるいはBa以下(ムーディーズ社)に格付けされた債券がハイイールド債に分類されます。

劣後債は発行体の倒産時などに返済の順番が劣後する債券のことで、こちらも信用リスクや価格変動リスクが大きいのが特徴です。

注意点

これらの債券はリスクが大きい分、金利が高いのが魅力ですが、海外のハイイールド債は為替リスクもあり、さらにリスクが大きくなるので注意が必要です。

【債券の選び方に悩んだ時は…】
・種類がたくさんあって選べない
・なるべくリスクをおさえたい
など、債券についてお悩みの方は債券運用の経験がある専門家に相談がおすすめです。

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インフレ時の金利上昇などの場面で影響を受けやすい

債券と金利の関係

債券価格は金利の動きと密接に関係しています。そのため、債券投資を行う場合は、金利の動向に注意をする必要があります。

債券が新たに発行される時は、発行時の金利情勢が反映されますが、その後の金利動向によって債券価格は変動します。

例えば、発行時よりも現在の金利が上昇している場合、保有している債券価格は下がり、反対に発行時の金利よりも現在の金利が下落している場合、保有している債券価格は上がります。

現在の日本は継続的に物価が上昇するインフレ局面にあり、日銀はこれまでの金融緩和政策を見直しを進めています。

注意点

金利だけが債券の価格を決定するわけではありませんが、市中金利が債券価格に与える影響は小さくないので、金利が上昇する可能性がある時は注意が必要です。

債券投資の主なメリットは3つ

債券投資の主なメリットは3つあります。詳しく見ていきましょう。

一定の期間ごとに決まった利子を得られる

個人投資家が債券投資に期待することのひとつに、一定の期間ごとに、あらかじめ決められた利子を受け取れることが挙げられるでしょう。

例えば、利率2%、償還期間5年、利払日が3月31日と9月30日の債券なら、3月31日と9月30日の半年ごとに1万円の利子が受け取れ、5年間にわたって合計10万円の利子を得られる計算になります。(※)

発行体に債務不履行などが発生しなければ、条件どおり、決まった日に約束通りの利子を得られるのは大きなメリットといえます。

※税金等は考慮していません

決められた期日に資金が返済される

債券は保有期間中、金利の上昇や下落などにより、債券価格が変動したとしても、満期まで保有すれば、あらかじめ約束された金額(額面金額)で返還されます。

いつ、いくらで戻ってくることが、あらかじめわかることもそうですが、「投資した資金(元本)が戻ってくる」という債券の仕組みは投資家の安心にもつながります。

これは株式や一般的な投資信託にはない特徴で、債券投資のメリットといえるでしょう。

株式と特性が異なるため分散投資に活用できる

株価が上昇し金利が上昇する状況においては、債券価格は下落する特徴があり、債券と株式は逆の動きをする関係(逆相関)にあります。

つまり、債券と株式の両方に分散投資をすれば、片方は下落しても、もう一方は上昇する可能性が高いので、保有資産のリスクを小さくすることができるということになります。

過去に大きな金融ショックが発生した時は、この関係が機能しない場面がありましたが、歴史的に見ても特性が異なる資産を分散して保有することはリスクヘッジにつながる手法と言われています。

債券は分散投資におすすめ
債券の賢い使い方、選び方を詳しく知りたい人は投資のプロであるマネイロコンシェルに無料相談

債券投資はこんな人におすすめ

「自分が債券投資をしても意味ない?」「債券に投資をしてメリットがあるのはどんな人?」と気になっている人もいるのではないでしょうか。

以下に当てはまる人には特に債券がおすすめです。

まとまったお金を安定的に増やしたい人

2000万円を4%、一括投資した場合のシミュレーション

上記の表は、2000万円を固定利付債(※)で年率4%、単利運用した場合をシミュレーションしたものです。

※固定利付債…発行時に償還までの金利(クーポン)が決まっている債券であり、定期的に利子が受け取れる

このシュミレーションによると、10年満期の場合、1年間で80万円の利子が受け取れ、10年間で元利金合わせると、2800万円まで資産が増えることがわかります。

20年満期の債券の場合は、元本と利子の合計は3600万円になります。30年満期の債券になると、元本と利子の合計は4400万円となり、投資額の倍以上になる計算です。

債券は金利と期間を味方につけると、安定的な運用ながらも大きな運用効果を発揮します。

1000万円など、まとまったお金があれば債券で有効活用すると良いでしょう。

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富裕層向けに販売されている債券もある

債券はまとまったお金であるほど、金利だけで十分利益が得られる金融商品です。そのため、金融機関の中には富裕層のニーズに合わせて富裕層向けに販売されている債券もあります。

一般的な国債や社債に比べて流動性が少ないなど、リスクが高い債券なども販売されています。その多くは数千万円からなど、ある程度まとまったお金が必要になります。

分散投資を行いたい人

分散投資を行いたい人にも債券投資は向いています。

特に価格変動リスクを抑えたい60代以降の人などは、株式の比率を下げ、債券の比率を徐々に高める分散投資が効果的です。

築き上げた資産を減らさないためにも、できる限り長く運用しながら分散投資に切り替えていきましょう。そうすれば、資産の変動が少なくなり、リスクの小さい運用が可能になります。

株式の保有割合が多い人は、一部を売却し債券投資に振り替えると、安定的な運用に切り替えることができます。

使途予定のない預貯金などがある人は、分散投資を前提にして、お金の持ち方を考えてみるのもおすすめです。このような資産は債券投資にも向いています。

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・債券の比率はどのくらいにするべき?
・ポートフォリオをそろそろ見直したい
など、資産運用の見直しはプロに相談しながら行うのがおすすめ!

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債券投資をしてもあまり意味がない人

資産づくりの真っ最中で、まとまったお金がない人、あるいはリスクを取って積極的に運用したい人には、お金を増やす方法として債券投資はおすすめしにくい方法です。

世の中には、さまざまな種類の債券が販売されていますが、個人向け社債などは100万円からなど、ある程度の購入資金が必要です。

一方で、個人向け国債のように額面1万円から購入できる債券もありますが、1万円を投資して得られる利子は、1年あたり60円ほどです。

投資効果を考えれば、債券はまとまった金額で投資をした方が良いのは明らかで、大きく資産を増やすというより、安定的に資産を増やす手段として検討しましょう。

債券投資で少しでも利益を得る方法

債券投資で少しでも利益を得るための方法として、以下の3つのポイントをおさえておきましょう。

債券投資で少しでも利益を得るための方法

満期まで保有し、その間の利子を受け取る

新発債であれ既発債であれ、債券が販売される時は、必ず利率や償還期日が決められています。

満期まで保有すれば、その間は利子を受け取ることができるので、購入する時は償還日までの保有を前提にするのがおすすめです。

債券は満期前に売却することもできます。一旦売却してしまうと、売却以降の利子は受け取ることができません。

債券価格が高い時に売却をして売却益を得る

債券の保有期間中、購入した債券の価格は日々変動します。主に市場金利の動向や景気などに影響を受けて変化するため、購入時と時価の差額で利益を得ることもできます。

特に購入時の市場金利より現在の市場金利が低い場合は、債券価格が上昇している可能性があります。このような債券を保有していれば、売却することで売却益を得ることができます。

注意点

なお、上記は中途換金時に元本割れのリスクがない個人向け国債には当てはまりません。

債券価格が安い時に購入し、満期時に額面金額との差益を得る

債券は、発行の時期で分けると「新発債」と「既発債」に分けられます。発行時に購入するものを新発債、発行後に購入するものを既発債といいます。

例えば、発行価格が100円に対し95円の既発債を購入した場合を見てみましょう。

債券価格は、発行時よりも5円安くなっている時に購入していることになり、満期時は額面100円で返ってくるので5円の差益が得られます。

債券価格で5円の利益というのは、額面100万円であれば5万円の利益に相当します。

このように、債券価格が額面よりも安く購入できると、満期時に額面金額との差益を得ることができます。

債券投資を検討するならプロに相談がおすすめ

2021年度(令和3年) 証券投資に関する全国調査(個人調査)によると、個人の金融商品保有率で最も高いのは預貯金の92.2%、次に株式が13.6%、投資信託が10.8%となっており、公社債は2.2%にとどまっています。

個人で債券を保有している人は少数派ともいえる状況ですが、債券は比較的安全性の高い投資商品です。分散投資の観点からもポートフォリオに加えやすい金融商品なので、商品の選択肢も広がるでしょう。

不安があって債券投資を躊躇しているのであれば、お金のプロと一緒に債券投資を検討してみるのはいかがでしょうか。

資産運用アドバイスで高い評価を得ている「マネイロ」は、お金の相談に特化した金融サービスです。SBI証券とも提携しているため、数多くの商品のなかからお客様に合った商品を提案することが可能です。

働く世代でも利用しやすいように、面談はオンラインでも実施中です。

債券投資を考えるなら、ぜひマネイロの利用を検討してみませんか?

まとめ:債券を取り入れてリスク分散を心がけよう

投資といえば、株式や投資信託を思い浮かべる方が多いと思いますが、分散投資の観点からすれば、債券は個人投資家が保有しておきたい商品といえます。

選ぶ債券の種類にもよりますが、債券はキャッシュフローが明確な上、比較的安定的に運用できる商品です。そのため、あらゆる世代の人が保有しやすい商品であり、ポートフォリオのリスクを調整するためにも活用することができます。

株式や投資信託は、短期あるいは長期的な視点で大きなリターンが期待できる商品ですが、債券と比較するとリスクが高めです。

特に子育て層など、お金の出入りが多い世代は、投資信託や株式のみで資産形成をすると効率的な運用ができなくなる可能性があります。

株式と逆の値動きをする債券の特性を活かせば、安定的な資産運用も可能になります。結果的に大きな資産形成につながりやすくなるでしょう。

まとまったお金の資産運用を検討中の方は、ぜひ債券での運用も選択肢に加えてみてください。

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監修者
土屋 史恵
  • 土屋 史恵
  • ファイナンシャルプランナー/金融ライター/編集者

神戸市外国語大学卒業後、外資系生命保険会社、都市銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。遺言信託など資産承継ビジネスに強み、表彰歴あり。その後は長年の金融機関勤務経験を活かし、金融メディアに転職。記事執筆や編集などを担当。現在はフリーランスとして活動中。AFP、FP2級、証券外務員一種を保有。

執筆者
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

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