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為替介入の“最終手段”「協調介入」とは?その影響力&大きな変動時に投資家が考えるべきこと

為替介入の“最終手段”「協調介入」とは?その影響力&大きな変動時に投資家が考えるべきこと

資産運用2026/02/05

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    2026年1月下旬、円安が再加速し1ドル=159円台前半まで進んだ局面で、日米当局による「レートチェック」(為替介入の準備段階とされる市場照会)の観測が急速に広がり、一時的に日米協調介入の懸念が市場を大きく揺るがしました。もっとも、レートチェック自体は必ずしも協調介入を意味するものではなく、市場の思惑が先行した面も否めません。

    これにより円相場は急変し、数日間で153円台半ば〜152円台前半まで円高が進む大幅な調整となりました。しかし、1月28日、米国側から「米国は介入していない」との公式見解が示されたことで、協調介入の可能性は大幅に後退し、相場は落ち着きを取り戻しつつあります。

    なぜ市場はこれほどまでに「協調介入」の可能性に大きく反応したのでしょうか。今回は、単独介入との違いや、日本が抱える円安の構造的問題、そして私たち投資家が持つべき視点について解説します。

    この記事を読んでわかること
    • 協調介入と単独介入の違いについて
    • 近年の円安の本質と為替介入の効果の限界
    • 為替が大きく動いた時に投資家が考えるべきこと

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    「協調介入」とは?単独の為替介入との違い

    為替介入(外国為替平衡操作)には、大きく分けて「単独介入」と「協調介入」の2種類があります。どちらも通貨の安定を目指す行為ですが、それぞれが与える市場へのインパクトには大きな差があります。

    単独介入とは

    単独介入は、1つの国(日本の場合は財務省・日銀)が自力で市場に介入する形態です。保有する外貨準備(ドルなど)を売り、円を買い戻すことで円安を食い止めます。

    2022年や2024年の円安局面で複数回実施された為替介入がこれに該当します。効果は短期的ですが、市場の投機筋に「当局の本気度」を示すシグナルとして機能します。

    ただし、あくまで「日本一国の事情」で行うため、相手国(米国)の協力がない場合、ドル側の需給が強いと押し戻されやすいという難点があります。

    協調介入とは

    協調介入は、G7(主要7カ国)や、日本と米国など、複数の通貨当局が合意の上で同時に為替介入を行うことを指します。

    過去の事例としては、1985年のプラザ合意に代表される国際的な為替調整や、2011年の東日本大震災後に実施されたG7による円売りの協調介入が挙げられます。

    協調介入には、「世界の経済全体にとって、現在の為替相場は有害である」という国際的なメッセージが含まれます。市場へのインパクトは単独介入の数倍になるとされ、相場を反転させる心理的圧力(アナウンスメント効果)が格段に強まります。

    近年の円安の核心と為替介入の限界

    2022年以降の円安の本質は、日米の金融政策・財政政策の方向性の違いにあります。

    日本では長年、超金融緩和(マイナス金利・大規模国債買い入れ)と、積極財政(補正予算の積み増し)が続き、これにより日米の金利差は拡大しました。こうした政策環境が続く中で、円安圧力が構造的に強まりやすい状況が形成されています。

    為替介入効果の限界

    この「市場にお金をどんどん供給する(通貨の価値が薄まる)」財政政策の最中に、「通貨(円)の価値を守りたい」という為替介入政策を行うことは、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状態といえます。

    為替介入はあくまで「症状緩和」の手段に過ぎず、日米金利差が縮まらない限り、円が売られやすい土壌は変わりません

    実際、過去の単独介入でも、数日〜数週間で円高が進むものの、基調的な円安トレンドを反転させるには至りませんでした。

    つまり、為替介入への過度な期待は禁物で、あくまで介入は「防衛ライン(例:160円付近)」での急激な変動を抑えるための緊急措置と考えたほうがよいでしょう。

    根本的な解決には、日銀の利上げ継続や財政規律の強化が不可欠といえます。

    為替変動の大きい局面で長期投資家が考えるべきことは?

    為替は短期的に大きく振れることがありますが、長期投資家は短期間の為替動向に翻弄されず、どう付き合うかを優先して考えたほうがよいでしょう。

    例えば、円安が進む局面では、海外資産(米国株、欧州株、新興国株、海外債券など)の円換算リターンが押し上げられるメリットがあります。一方、急激な円高局面では一時的に評価額が目減りしますが、これは「買いのチャンス」にもなり得ます

    つまり、為替相場に惑わされず、海外資産への分散投資を継続することが賢明な対応といえます。また、「為替予測で売買を繰り返さない」ことも非常に重要です。

    まとめ

    2026年年初の円安加速に対し、日米協調介入(レートチェック段階)の観測が一時的に強まり、市場は大幅な円高調整を経験しました。  

    しかし、米財務長官が明確に否定したことで協調の可能性は低くなっています。かといって、単独介入では効果は一時的なものに留まる可能性が高いでしょう。近年の円安の本質は日米政策格差にあり、そもそも為替介入だけで大きなトレンドを変えるのは難しいといえます。  

    今回のように短期的に大きく為替相場が動く局面では、長期投資家は為替変動を「リスク」よりも「機会」と捉え、海外資産分散を淡々と続けるのが最善策です。

    今後も160円ライン付近での当局の警戒は考えられますが、基調的な円安圧力が続く中、冷静な姿勢が求められます。

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    監修
    篠田 尚子
    • 篠田 尚子
    • アナリスト

    慶応義塾大学法学部卒業。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。国内銀行にて個人向け資産運用相談業務を経験した後、2006年ロイター・ジャパン(現LSEG)入社。傘下の投信評価機関リッパーにて、投資信託業界の分析レポート執筆や評価分析業務に従事。2013年、楽天証券経済研究所に入所。2025年5月、株式会社モニクルに参画。

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    執筆
    マネイロメディア編集部
    • マネイロメディア編集部
    • お金のメディア編集者

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