外国債券は元本割れする?ケース別の原因と対策を解説!初心者向けチェック付き
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「外国債券は比較的安全」と聞いて投資を検討しているものの、「元本割れのリスクはないのか?」と不安に感じている人も多いのではないでしょうか。
債券は満期まで保有すれば額面金額が受け取れる金融商品ですが、外国債券には為替リスクや、種類によっては信用リスクが大きい債券もあり、国内債券とは異なる特徴に注意が必要です。
本記事では、外国債券における元本割れの主な原因をケース別に整理し、リスクを事前に見極めるためのチェックポイントと実践的な対策について、投資のプロが初心者にもわかりやすく解説します。
- 外国債券で元本割れをする主な要因は「信用リスク」「為替リスク」「金利リスク」
- 外国債券を途中売却する場合、満期まで保有する場合では元本割れリスクの要因が異なる
- 外国債券でなるべく元本割れしないためのポイントは「為替リスクを理解する」「信用格付け・通貨の安定性を確認する」など
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そもそも債券とは
債券とは、国や企業などが資金調達のために発行する有価証券のことです。債券を購入すると、発行体から定期的に利子が受け取れ、満期時には額面金額が返済される仕組みになっています。
債券は、一般的に安全性が高い金融商品と理解されていますが、リスクがないわけではありません。
市場金利の変動により債券価格が変動する金利リスクや、外国債券の場合は為替リスクなどがあります。途中売却や満期に元本が割れる可能性があるので注意が必要です。
債券の性質上、定期預金に類似した金融商品と考える人もいるかもしれませんが、定期預金とは性質が異なります。
債券投資を行う際は、債券の特徴や仕組みを理解した上で行いましょう。
参考)債券と定期預金の違い
外国債券の仕組みと種類
発行体、発行地、通貨のいずれかが外国の場合、これらの債券は外国債券に分類されます。
外国債券の多くは、米ドル建など単一通貨建の債券が主流で、購入時の元本の払い込み、購入後の利子や償還金の受け取りは同一通貨で行われます。
一方、払い込みや、利子や償還金の受け取りが別々の通貨で行われる下記の債券もあります。
- デュアル・カレンシー債(二重通貨建債券):元本の払い込みと利払いが同一通貨、償還は別通貨
- リバース デュアル・カレンシー債(逆二重通貨建債券):元本の払い込みと償還が同一通貨、利払いは別通貨
国内では「デュアル・カレンシー債」であれば、元本の払い込みと利払いが円、償還が外貨か円の債券が一般的です。
一方、「リバース デュアル・カレンシー債」であれば、元本の払い込みと償還が円、利子は外貨で支払われる債券などが販売されています。ただし、いずれも流通量は少なめです。
債券の種類は、利払いの方法でも分類されます。外国債券では、利付債、ゼロクーポン債のほか、ゼロクーポン債の一種としてストリップス債があります。
外国債券が元本割れする主な原因【ケース別】
外国債券が元本割れをする場合、以下のリスクが主な原因になります。
外国債券が元本割れをする場合の主なリスク
他にも流動性リスクやカントリーリスクなどが挙げられます。
それでは、どのリスクが元本割れの原因になるのか、ケース別に詳しく見ていきましょう。
➀途中売却する場合
途中売却で元本割れをしてしまう場合、主に3つのリスクが影響している可能性があります。
- 信用リスク:発行体の経営悪化や格付けの引き下げ等により、利払いが滞ったり、債券価格が下落して、元本が割れる可能性がある
- 為替リスク:途中売却して円に交換するときの為替レートが円高であれば、円換算額が購入時より減少する可能性がある
- 金利変動リスク:市場金利が上昇すると既発債の価格が下がり、売却時に元本を下回る可能性がある
②満期まで保有する場合
満期まで保有しても、以下の2つのリスクにより元本割れとなる可能性があります。
- 信用リスク:発行体の経営悪化や格付けの引き下げ等により、利払いや償還金の返済が滞ったり、債券価格が下落して、元本が割れる可能性がある
- 為替リスク:償還金を円に交換する際、為替レートが購入時より円高であれば、円換算額が元本を下回る可能性がある
外国債券を買う価値はある?|主なメリット
外国債券はデメリットやリスクだけではなく、以下のようなメリットがあります。
預金よりも高い利回りが期待できる
外国債券の大きな魅力は、国内の預金や日本国債と比較して利回りが高い点です。
例えば、現時点(※)で米国の政策金利は4%を超えており、日本の0.5%前後の金利と比べて得られる利子の差は明確です。
また、為替の推移によっては為替差益も得られるため、結果的にリターンの向上につながります。
※2025年5月16日現在
分散投資の1つとして活用できる
ポートフォリオに外国債券を組み入れることで、資産の地域・通貨・金利動向の分散が可能になり、リスクの低減につながります。
長期保有で安定的に利子を得られる可能性がある
満期まで保有すれば、安定的に利子を受け取ることができるのが債券投資のメリットのひとつです。
特に満期までの期間が長い外国債券に投資をすると、高利回りのメリットを長い間、受けることができます。長期的な資産形成を目指す人には適した選択肢です。
元本割れをなるべく回避するためのチェックポイント
債券投資では、元本割れのリスクを完全にゼロにすることはできませんが、事前の確認や判断でリスクを抑えることは可能です。
元本割れをできる限り避けるためのチェックポイントを解説します。
①為替リスクを理解する
外国債券に投資をする場合、為替相場の変動がリターンに直接関係してくるため、為替リスクを理解しておくことが大切です。
受け取る利子や償還金などを交換するタイミングは、自分で判断できるようになるのが理想です。
交換するタイミングを誤らないためには為替の損益分岐点を、あらかじめ計算しておくことをおすすめします。
元本が割れるかどうかの境目の為替レートがわかるため、運用する時の安心材料になります。
②償還まで持ち切れる商品かを確認する
債券は、満期(償還)まで保有することで額面金額が返還される金融商品です。保有期間中の債券価格は、市場金利の動向によって上下するので、途中で売却すると元本を下回る可能性があります。
途中で解約しなければ額面通りに償還されるため、最後まで保有できるかどうかを確認しておきましょう。
③信用格付け・通貨の安定性をチェックする
債券の「信用格付け」は、発行体の信用力、利子を支払う能力、元本の返済能力を示す重要な指標です。格付けが高い債券ほどリスクが小さく、安全性が高いとされています。
加えて、投資対象となる通貨の安定性にも注目しましょう。政治・経済情勢が不安定な国の通貨建て債券は、為替の変動が大きく、元本割れのリスクが高くなります。
④運用などで悩んだ時の相談先を見つける
債券の選び方や運用中の判断に不安がある場合は、専門家への相談が有効です。特に債券を取り扱っている証券会社や、証券会社と提携しているIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談することで、状況に応じた的確なアドバイスを受けることができます。
購入時だけでなく、運用後のフォローまで対応してくれる相談先を見つけておくと、安心して長期的な資産運用が行えます。
債券の選び方・運用で悩んだ時はマネイロに相談
債券の運用を始めたいけれど、「どの商品が自分に合っているかわからない」「リスクが気になる」と感じている方は、マネイロに相談してみてはいかがでしょうか。
投資初心者から経験者まで、個別に対応できるプロのアドバイザーが在籍しています。
債券の仕組みやリスクをプロに直接聞ける
マネイロでは相談者一人ひとりに専任のアドバイザーが付きます。アドバイザーは大手金融機関出身者が中心で、豊富な知識と経験を活かし、債券の基本からリスクの考え方まで、丁寧にわかりやすく説明します。
「債券を検討しているが投資初心者なので不安」「仕組みが難しい」と感じている方でも安心して相談できます。
自分に合う債券がわかる
マネイロはSBI証券と提携しており、豊富な商品ラインナップの中から、相談者の目的や資金、リスク許容度に合った債券を提案することが可能です。
数ある債券商品の中から、自分に合ったものを見極めるのは簡単ではありません。プロの視点でアドバイスが受けられることで、迷わず商品選びができます。
債券と他の運用商品の比較ができる
マネイロでは、債券だけでなく、NISAでの投資信託や貯蓄型保険など、多様な金融商品を取り扱っています。
そのため、債券単体ではなく「他の運用商品との違いや特徴」もふまえて比較検討でき、自分にとって最適な運用方法を選ぶことができます。
まとめ
外国債券は比較的高い利回りが期待できる一方で、信用リスクや為替リスク、金利リスクがある金融商品です。
しかし、これらのリスクを理解し、債券運用に関する知識を持っていれば、たとえ円高で満期を迎えたとしても、すぐに円に戻さずに外貨のまま保有を継続するなど、市況等に応じた柔軟な対応ができるようになります。
また、為替の損益分岐点を把握しておくことも元本割れを避けるための有効な方法になるでしょう。
外国債券への投資で失敗したくない人は、IFAなど信頼できるアドバイザーのサポートを得ることもひとつの方法です。
「自分にとって本当に合った運用方法を知りたい」と感じたら、マネイロの無料相談を活用してみてはいかがでしょうか。経験豊富なIFAが、あなたに最適な債券投資をサポートします。
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監修
土屋 史恵
- ファイナンシャルプランナー/金融ライター/編集者
神戸市外国語大学卒業後、外資系生命保険会社、都市銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。遺言信託など資産承継ビジネスに強み、表彰歴あり。その後は長年の金融機関勤務経験を活かし、金融メディアに転職。記事執筆や編集などを担当。現在はフリーランスとして活動中。AFP、FP2級、証券外務員一種を保有。
執筆
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。