
iDeCoは何歳まで加入・積立・受給できる?年齢制限と知っておきたい活用法を徹底解説
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iDeCo(個人型確定拠出年金)は節税効果が高く、老後資金づくりに欠かせない制度です。「何歳まで加入できるのか」「積立はいつまで続けられるのか」「受給は何歳から開始できて、何歳まで受け取れるのか」と年齢制限について詳しく知りたい人も多いでしょう。
また、法改正で加入可能年齢が拡大されるなど、制度は近年大きく変わっています。
本記事では、国の最新データをもとに 加入・積立・受給の3つの期間を分けて整理し、50代・60代から始める場合の注意点やiDeCoを含む老後資金の準備方法について解説します。
- iDeCoの積立・運用が可能な年齢
- 加入年数に応じた受給開始年齢のルール
- 50代・60代から始める場合のポイント
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iDeCoは何歳まで加入できる?
現在、iDeCoは国民年金の加入者(任意加入者を含む)や厚生年金加入者(65歳未満の第2号被保険者)であれば最長65歳まで利用できます。
しかし、2025年の年金制度改正により、2027年からは70歳まで加入できるようになる予定です。
改正後は国民年金の加入状況に関係なく、70歳までiDeCoに加入可能となります。
ただし、老齢基礎年金や ideco の老齢給付を受給していないことが条件です。
iDeCoの加入可能年齢
(参考:年金制度改正法が成立しました|厚生労働省)
(参考:社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律の概要)
iDeCoは何歳まで積立・運用できる?
現行のiDeCoでは、加入者の国民年金の被保険者区分などによって拠出(積立)ができる期間は異なりますが、2027年から70歳未満まで拠出可能となる予定です。
iDeCoの拠出(積立)可能期間
※新規で積立はできないが、非課税で投資を継続できる期間
拠出できる期間:現行
iDeCoで掛金を拠出できる期間は、加入している公的年金の種別によって異なります。
会社員や公務員(第2号被保険者)は、原則として65歳になるまで掛金を拠出できます。一方、自営業者やフリーランス(第1号被保険者)、専業主婦(主夫)(第3号被保険者)の場合は、原則60歳になるまでが拠出期間となります。
これは国民年金の加入義務期間と連動しているためです。
60歳以降も国民年金に任意加入している場合は、65歳になるまでiDeCoの掛金を拠出することが可能です。
国民年金の任意加入とは、保険料の納付済期間が40年に満たない人などが、将来の年金額を増やすために60歳以降も保険料を納付する制度を指します。
拠出できる期間:2027年以降
2025年度の税制改正により、iDeCoの拠出可能年齢がさらに引き上げられ、最長で70歳になるまで掛金を拠出できるようになる見込みです。
これまでの制度では、国民年金の被保険者(厚生年金加入者のうち65歳未満の第2号被保険者を含む)であることが加入の条件でしたが、改正後はこの区分に関わらず、働きながら老後資金を準備したいと考える人は、より長くiDeCoを活用できるようになります。
ただし、注意点として、公的年金である老齢基礎年金や、iDeCoの老齢給付金の受給を開始した場合は、それ以降iDeCoに加入したり、掛金の拠出を継続したりすることはできません。
50代・60代から始めた場合の積立可能年数
50代からiDeCoを始める場合でも、法改正によって十分な積立期間を確保できるようになりました。
例えば、55歳で加入した場合、改正後の制度では最長で70歳になるまでの15年間、掛金を積み立てることが可能です。これにより、50代からでも始めやすくなっています。
また、60歳以降に新規で加入することも可能です。例えば、60歳の会社員が加入した場合、70歳になるまでの10年間、掛金を拠出して老後資産を積み立てることができます。
iDeCoの受給開始・受給期間
iDeCoで積み立てた資産は、原則として60歳から受け取れますが、加入期間によっては受給開始年齢が繰り下がります。
また、受け取りは75歳までに開始する必要があり、ライフプランに合わせた受給計画が重要です。
原則60歳から受け取れる仕組み
iDeCoは老後の資産形成を目的とした私的年金制度であるため、積み立てた資産は原則として60歳になるまで引き出すことができません。
60歳以降であれば、ライフプランに合わせて受給を開始できます。
ただし、60歳から受け取るためには、「通算加入者等期間」が10年以上必要という条件があります。
加入年数による受給開始年齢の違い
iDeCoの受給を開始できる年齢は、「通算加入者等期間」によって決まります。この期間が60歳時点で10年以上ある場合は、60歳から資産を受け取ることが可能です。
通算加入者等期間とは、iDeCoの加入期間や運用指図者であった期間、企業型DCの加入期間などを合算したものです。
60歳時点で通算加入者等期間が10年に満たない場合、受給開始年齢は以下のように繰り下がります。50代でiDeCoに加入した場合、このルールに該当するため注意が必要です。
なお、60歳以上で初めてiDeCoに加入した場合は、加入から5年が経過した日から受給が可能になります。
75歳までに受給開始が必要
iDeCoの受給は、60歳からすぐに始める必要はありません。公的年金の繰下げ受給と同様に、iDeCoの受給開始時期も柔軟に選択でき、75歳になるまでの好きなタイミングで受け取りを始めることが可能です。
70歳以降も働き続ける場合など、すぐに資金が必要でない場合は、75歳まで受給を遅らせて運用を継続することも選択肢の一つです。
ただし、運用を続ける期間中も口座管理手数料は発生するため、その点は留意が必要です。
一時金・年金形式の受け取り方
iDeCoで積み立てた資産の受け取り方には、主に3つの選択肢があります。
- 一時金:全額を一度にまとめて受け取る方法
- 年金:5年から20年の有期年金として、分割で定期的に受け取る方法
- 併用:一部を一時金で受け取り、残りを年金形式で受け取る方法
一時金で受け取る場合は「退職所得控除」、年金で受け取る場合は「公的年金等控除」という税制上の優遇措置が適用されます。
どの受け取り方が有利かは、退職金の有無や金額、個人の状況によって異なります。状況に合わせて、最も税負担が軽くなる方法を選択しましょう。
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年代別に見るiDeCoのメリット・注意点
iDeCoはどの年代から始めても節税メリットがありますが、開始年齢によって運用期間や注意点が異なります。
特に50代以降は、受給開始年齢のルールを正しく理解した上で、ライフプランに合った活用を検討することが大切です。
50代から始める場合(節税効果とデメリット)
50代からiDeCoを始めるメリットの1つは節税効果です。iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を直接軽減できます。所得の多い50代の人ほど、大きな節税効果が期待できます。
例えば、年収800万円の55歳の会社員の場合、毎月2万3000円を10年間積み立てた場合、所得税と住民税を合わせて合計で80万円程度の節税効果が期待できます。老後資金準備と節税対策が同時に可能です。
一方で、デメリットとしては、若い世代に比べて運用期間が短くなる点が挙げられます。運用期間が短いと、複利効果を十分に活かしにくく、大きな運用益を狙うのは難しくなります。
また、加入期間が10年に満たない場合は受給開始年齢が60歳から繰り下がる点にも注意が必要です。
60歳以降に加入する場合の注意点
現行制度では、60歳以降でも、国民年金の被保険者であればiDeCoに新規加入できます。具体的には、60歳以降も厚生年金に加入して働く会社員や公務員、または国民年金に任意加入している方が対象です。
60歳以降に初めて加入した場合の注意点として、受給開始のルールが60歳前に加入した人と異なります。この場合、加入日から5年が経過しないと年金を受け取ることができません。 例えば、63歳で加入した場合は、68歳から受給可能となります。
また、一度でもiDeCoや企業型DCの老齢給付金を受け取ったことがある方は、再度iDeCoに加入したり掛金を拠出したりすることはできないため、自身の受給状況を確認することが重要です。
若い世代から始めるメリット
20代や30代といった若い世代からiDeCoを始める最大のメリットは、長期間の運用による「複利効果」を最大限に活用できる点です。
複利効果とは、運用で得た利益が元本に組み入れられ、その合計額に対してさらに利益が生まれる仕組みのことです。運用期間が長ければ長いほど、この効果は雪だるま式に大きくなり、効率的に資産を増やすことが期待できます。
もちろん、節税メリットも長期間にわたって享受できます。毎年の所得控除を30年、40年と継続することで、生涯にわたる節税額は非常に大きなものになります。早く始めるほど、iDeCoの恩恵をたくさん受けられると言えるでしょう。
iDeCoと他の制度の使い分け
iDeCoは老後資金準備に特化した制度であり、NISAや企業年金など他の制度と併用することで、より効果的な資産形成が可能です。
それぞれの制度の特性を理解し、ライフプランや勤務先の制度に合わせてバランス良く活用しましょう。
NISAとの違いと併用するメリット
iDeCoとNISAは、どちらも運用益が非課税になる税制優遇制度ですが、その目的と特性が異なります。
- iDeCo:老後資金の準備に特化しており、原則60歳まで資金を引き出せません。その代わり、掛金が全額所得控除の対象になるという強力な節税メリットがあります
- NISA:目的を問わない資産形成に利用でき、いつでも資金を引き出せる流動性の高さが特徴です。非課税の対象は運用益のみです
この2つの制度は併用が可能です。「老後資金はiDeCo」「中期的な資金はNISA」といったように、目的別に使い分けることで、それぞれのメリットを最大限に活かした資産形成が期待できます。
企業型DCや他年金制度との併用
勤務先に企業型確定拠出年金(企業型DC)の制度がある場合でも、規約で認められていればiDeCoとの併用が可能です。
ただし、企業型DCでマッチング拠出(従業員が事業主掛金に上乗せして拠出する制度)を利用している場合は、iDeCoに加入することはできません。
併用する場合、掛金の上限額に注意が必要です。iDeCoの掛金と、企業型DCの事業主掛金や他の企業年金(確定給付企業年金など)の掛金相当額を合算した金額には、上限が設けられています。
勤務先の制度を確認し、iDeCoで拠出できる上限額を把握した上で、資産配分のバランスを考えることが大切です。
まとめ
iDeCoの加入可能年齢や積立期間は現行制度で65歳までですが、法改正によって大きく拡大されます。2027年(予定)から掛金の拠出(積立)は最長で70歳未満まで可能となり、50代や60代からでも老後資金を準備しやすくなっています。
資産の受け取りは、原則60歳から75歳までの間で自由に開始できますが、加入期間が10年に満たない場合などは受給開始年齢が繰り下がる点には注意が必要です。
iDeCoはどの年代から始めても節税メリットを享受できる優れた制度です。ライフプランや勤務先の制度を確認し、iDeCoを賢く活用して、ゆとりある老後生活を目指しましょう。
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監修
西岡 秀泰
- 社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー
同志社大学法学部卒業後、生命保険会社に25年勤務しFPとして生命保険・損害保険・個人年金保険販売を行う。保有資格は社会保険労務士と2級FP技能士。2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所で相談員を兼務。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
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