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一括投資でほったらかしはNG?プロが回答!シミュレーションとリスク別の選び方

一括投資でほったらかしはNG?プロが回答!シミュレーションとリスク別の選び方

資産運用2024/09/17 (最終更新:2024/09/26)

    一括投資をしてほったらかしにするのはNG?」「投資をした後、ある程度ほったらかしにしたらいくらになる?」とまとまったお金を投資した後、放置をするとどのくらいお金が増えるのか、そもそもほったらかしにしても問題ないのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。

    一括投資とは、まとまったお金を一度に投資をすることです。積立投資とは異なり、一度に投資するため、売買タイミングの見極めが重要となる投資方法です。

    本記事では「一括投資をほったらかしにするとどうなる?」と一括投資について詳しく知りたい人に向けて、積立投資との違いやシミュレーション、投資のポイントについて投資のプロがわかりやすく解説します。

    この記事を読んでわかること
    • 一括投資で投資を行う際は資産をほったらかしにせずに、市況を確認しながら管理をする
    • 一括投資で失敗しないためにも、金融商品は慎重に選ぶ
    • 一括投資で安定的に運用するなら「債券」「貯蓄型保険」
    • まとまったお金で運用するなら一括投資と積立投資の組み合わせがおすすめ

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    一括投資でほったらかしはNG?投資を行う時の心構え

    一括投資のイメージ

    一括投資とは、毎月コツコツお金を投資する「積立投資」の対として用いられる言葉で、一度にお金を投資する方法のことです。

    投資する商品によっては数百万円など、まとまったお金が必要ですが、投資金額が大きい分、リターンも比例して大きくなります。短期間でも複利効果を得やすくなるでしょう。

    一方、購入が一度切りの一括投資は、積立投資のように取得価格を平準化することができないので、下落時には損失が大きくなりがちです。そのため、価格が一度下落してしまうと、積立投資より回復が遅くなる傾向があります。

    ポイントの解説

    一括投資で大切なのは、資産をほったらかしにせず、市況をチェックしながら適切に管理することです。

    投資する商品や金額、できれば購入や売却のタイミングなどもしっかり考えるようにしましょう。

    失敗しないためにも一括投資の商品選びは慎重に

    一括投資をする時は、投資する商品を吟味して選ぶことが大切です。特に大きな額を投資する時は、慎重に商品選びを行いましょう。

    一括投資に向いているのは、将来にわたって成長が見込まれる国や企業の株式や債券、またこのような資産に投資をしている投資信託などです。値動きが安定的している貯蓄型の保険商品も選択肢のひとつになるでしょう。

    自分で適切な商品を選ぶのが難しい時は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)やFPに相談することをおすすめします。

    アドバイザーに相談して商品選びを行えば、自分の意向に適した商品が選べるだけでなく、運用中もアドバイスを受けることができます。

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    一括投資をするなら何で投資する?リスク別の選び方

    投資におけるリスクとリターンの関係性

    ※上記はあくまでイメージであり、すべての金融商品があてはまるものではありません


    一括投資できる金融商品はさまざまあり、リスクによってリターンの期待度が変わります。

    投資におけるリスクとは「収益の振れ幅」のことをいいます。収益の振れ幅が大きいほど、リターンの期待値は高くなります。

    リスク・リターンの分類は

    • ローリスク・ローリターン
    • ミドルリスク・ミドルリターン
    • ハイリスク・ハイリターン

    の3パターンに分けられます。

    まずは、自分のリスク許容度に合わせて商品を選びましょう。

    参考までに、リスク別におすすめの金融商品を紹介します。

    安定して運用したい人

    一括投資で安定した運用を目指す人向けの金融商品

    債券

    債券とは?

    国や地方公共団体、企業などが必要な資金を調達する時に発行する有価証券のこと

    債券には、国が発行する国債、地方公共団体が発行する地方債、企業が発行する社債などがあります。

    投資家は債券を購入すると、満期までの間、発行体から利子を受け取ることができ、満期が到来したら額面も返済されます。

    発行体の信用リスクはありますが、将来いくらお金が受け取れるかがはっきりしているので、投資家も安心して投資ができます。

    特に個人向け国債や格付けの高い円建て社債などはリスクが低く、安定的に運用しやすい債券です。

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    貯蓄型の保険

    貯蓄型の保険とは?

    万一に備えながら資産形成ができる保険のこと。主に終身保険や養老保険、個人年金保険など

    満期がある保険の場合は満期金、年金保険であれば年金を受け取ることができ、解約時にも解約返戻金が受け取れます。

    これらのお金は、あらかじめ金額が決まっており、契約前に確認することができます。将来受け取れるお金の額がわかれば、ライフプランに合わせた資産形成がしやすくなります。

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    例:債券に一括投資した場合のシミュレーション

    年率4%、期間10年の債券を額面1000万円購入した場合で計算してみましょう。

    1年間に受け取れる利子は40万円、満期までの10年間で合計400万円の利子が受け取れます。(※)さらに、満期まで保有すると、10年後の満期時には1000万円のお金が返ってきます。

    ※税金は考慮していません

    リスクを取って運用したい人

    リスクを取って運用したい人は、株式や投資信託などに一括投資をしてみるのも良いでしょう。

    これらの商品はリスクが大きい分、高いリターンが期待できます。短期間の投資で大きな運用益が得られるかもしれません。

    注意点

    ただし、購入する時点で価格が上昇するか下落するかは、予測できたとしても、実際の価格の動向は誰にもわからないことです。

    運用している間は経済の動きなどをチェックし、下落時にはどうするかなどを決めておくことも大切です。



    投資信託

    投資信託の仕組み
    投資信託とは?

    投資家から集めた資金をお金の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに投資して運用する金融商品のこと

    投資信託を活用すれば、専門家が選んだ株式や債券、REITなどの金融商品に、少額から分散投資ができるので、自分で投資先を選んだり、運用や管理をしたりするプロセスが省けます。

    一方、投資信託は価格変動のあるリスク性商品で、元本保証がありません。個人が購入できる投資信託は6000本弱(※)ありますが、リスクの度合いはそれぞれ異なります。

    ファンドの内容をよく理解して、自分の投資目的やリスク許容度に適した投資信託を選びましょう。

    (参考:投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数) 2024年6月分|投資信託協会

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    例:株式型投資信託に投資した場合のシミュレーション

    100万円を想定率3%で一括投資した場合

    上記の表からもわかるとおり、100万円を年率3%で30年間複利運用すると、運用益は約142万円になります。

    同じ条件で単利運用した場合、1年あたりの運用益は3万円、30年で90万円になるので、複利運用と比較すると、52万円の差が生じることになります。

    さらに、年率6%で30年間複利運用すると、利益は約474万円まで膨らみます。

    単利運用だと、1年あたりの運用益は6万円、30年間の運用益は合計で180万円になるので、複利運用の成果は単利運用の約2.6倍になります。

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    まとまったお金があるなら一括投資と積立投資を組み合わせる

    ポイントの解説

    まとまったお金がある場合、全額を一括投資にするのではなく、できれば積立投資も組み合わせて運用してみましょう。

    一括投資と分散投資を組み合わせて、それぞれリスクの異なる金融商品を選べば、リスクを分散しながら効率的な運用が可能になります。

    例えば、一括投資ではリスクの低い安定的な資産を選び、当面使う予定のないお金を投資します。積立投資には、ややリスクの高い資産を選んでみるのも良いでしょう。長期で積立投資を行えば、複利効果も得やすく、リスクを軽減しやすくなります。

    一括投資と分散投資を組み合わせる場合は、保有商品数が自ずと増えていきます。自分で投資する商品が決められない場合は、投資経験が豊富なアドバイザーに相談してみるのもひとつの方法です。

    参考)一括投資と積立投資の違い

    一括投資と積立投資には以下のような違いがあります。

    一括投資と積立投資の違い

    それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。


    ①リスク

    一括投資と積立投資の値動きの違い

    定期的に一定額を投資する分散投資は、口数をコツコツと買い増していく方法です。

    最初はリターンにばらつきが生じますが、口数を買い増していくと、徐々に取得価額が平準化され、リターンも一定の幅に集約されていきます。長く運用すればするほど、価格変動リスクが軽減していくのが特徴です。

    一方、一括投資の場合、上昇局面では大きなリターンが得られる反面、下落局面では分散投資より損失が大きくなる可能性があります。

    ポイントの解説

    一括投資の場合、運用益が生じるかどうかは取得価額と売却価格の差によります。そのため、大きく下落をしてしまうと価格の回復に時間がかかり、その間は含み損を抱えるだけでなく、機会損失にもつながる可能性もあります。

    ②メリット

    一括投資のメリットは、ある程度まとまった金額で投資をすれば、大きなリターンが期待できる点です。購入のタイミングが良ければ、短期間で運用成果を挙げられるかもしれません。

    また、大きなリターンが得やすい分、積立投資に比べて早く複利効果を得やすいのも特徴です。

    一方、積立投資のメリットは、定時定額購入の効果により、取得価格を平準化することができる点です。価格が低い時は、より多くの口数を買い足すことができ、結果的に効率のよい運用が可能になります。

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    ③デメリット

    一括投資は、投資タイミングが運用成果に直結してしまう点がデメリットです。

    大きなリターンが期待できる一方、下落が続くと大きな損失を抱え、回復に時間がかかる可能性があります。

    投資する商品がハイリスク・ハイリターンであればあるほど、損失の可能性が高まる可能性があることを理解しておきましょう。

    積立投資のデメリットは、短期間で大きなリターンを目指すことが難しい点です。

    一回あたりの投資金額が少なく、投資元本が増えるまでに時間がかかります。そのため、投資初期は複利効果が得にくく、投資によって資産が増えたという手応えを感じにくいかもしれません。


    ④おすすめな人

    一括投資は、余裕資金で行うのが前提です。今は使う予定がなく将来使う予定にしているお金がある人は、リスクの低い商品で一括投資を検討しても良いかもしれません。

    また、リスクを取って運用したい人にも一括投資は向いています。上手くいけば、短期間で大きな運用成果を得られる可能性もあります。

    ただし、購入のタイミングが悪いと大きな損を抱えてしまうこともあるので、金額を少なくするか、いくつかの商品に金額を分散させて一括投資をするのも良いでしょう。

    一方、積立投資は、時間をかけて安定的に運用したい人に向いています。少額投資でもコツコツと投資をすれば、複利効果を得やすくなり、結果的に資産を増やしやすくなるでしょう。

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    おすすめの積立投資はNISAとiDeCo

    NISAとiDeCoの違い

    積立投資を行う時は、NISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)の活用も検討してみましょう。

    NISAとiDeCoは、ともに少額から始めることができ、積立で長期投資がしやすいように国が整えた非課税制度です。

    両制度は似ている部分もあるものの、多くの部分で違いがあります。

    (参考:iDeCoの加入者、加入ご検討中の皆さまへ|厚生労働省
    (参考:新しいNISA : 金融庁


    NISA

    2024年からスタートした新NISA(新しいNISA)は、非課税保有期間が無期限化、投資可能期間が恒久化され、より長期投資に適した制度へ生まれ変わりました。

    例えば、旧制度(※2023年まで)のつみたてNISAや一般NISAを引き継いだ「つみたて投資枠」「成長投資枠」は、年間投資枠がそれぞれ120万円、240万円まで拡大し、両枠の併用により、年間360万円、生涯では1800万円までの投資が可能になっています。

    投資期間や非課税期間の制限もなくなり、より多くの人の投資ニーズに沿うことができる制度といえるでしょう。

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    iDeCo

    iDeCoの概要

    iDeCo(個人型確定拠出年金)は、国民年金や厚生年金とは別に、自分自身で老後資金を準備するために整えられた国の制度です。

    iDeCoは手厚い税制優遇があるのが特徴で、積立時の掛金は全額所得控除となり、運用時の利益は非課税になります。また、受取時は退職所得控除、公的年金等控除が適用されます。

    どのような商品で運用するかは自分で選択することができ、元本確保型である定期預金や保険、元本変動型の投資信託から選べます。

    ただし、積立金額は職業(国民年金の被保険者の種別)ごとに上限が決められていて、NISAよりも投資可能金額が少ないのがデメリットです。

    節税効果がどのくらいあるかは、金融機関のシミュレーターで計算することができます。参考にしてみても良いかもしれません。

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    NISAなら一括投資と積立投資が両方できる

    NISAには、積立投資向きの「つみたて投資枠」、一括投資向きの「成長投資枠」があり、2つの枠は併用が可能なので、積立投資と一括投資の両方をNISAで行うことができます。

    それぞれの枠は内容が異なり、自由度が高いのは成長投資枠です。成長投資枠では一括投資、積立投資の両方が可能で、投資できる商品の数も多く、種類も多様です。

    つみたて投資枠は積立投資しかできず、成長投資枠と比較すると商品数が限られています。

    つみたて投資枠と成長投資枠の特徴を活かして、両枠を上手に併用するようにしましょう。

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    一括投資と積立投資の運用事例

    上記の図は、30代後半の共働き夫婦世帯が、積立投資と一括投資を組み合わせて老後資金5000万円を作り上げる運用例をシュミレーションしたものです。

    預金から700万円、給与から毎月5万円を投資に回し、一括投資と積立投資で運用する事例を実際に見てみましょう。

    まず、預金の1200万円ですが、700万は投資に回すことにして、安定性を重視した運用を行います。700万円のうち200万円は外貨建て社債に、500万円は外貨建て終身保険に一括投資し、その結果、資産は65歳時点で約1700万円まで増える見込みです。

    一方、積立投資では節税効果の高いNISAとiDeCoを活用し、毎月5万円を投資します。NISAに3万円、iDeCoに2万円を投資して、年率5%を目指して運用を行った結果、65歳時点で資産は約3400万円になる見込みです。

    上記のポートフォリオで運用すれば、目標金額の5000万円も達成できそうです。

    まとめ:一括投資でほったらかしにするなら商品選びは慎重に

    一括投資は、積立投資に比べて複利効果を得やすいメリットがありますが、投資をスタートする時期によって運用成果に差が出やすい投資法です。

    積立投資のように、毎月コツコツと買い増す方法ではないため、投資をスタートした後は運用をほったらかしにせず、定期的にチェックすることが大切です。

    一括投資を成功させるには、商品選びも大切です。価格の変動が比較的少ない、安定的な商品に投資をすれば、日々の値動きに一喜一憂することなく、長く運用を続けやすくなるでしょう。

    一括投資を行う時は、投資経験豊富なアドバイザーに相談するのもおすすめです。市況が大きく変動した時など、対処方法を相談することができます。

    効果的なアドバイスが受けられる可能性もあるので、悩んだ時は相談をしてみてはいかがでしょうか。

    ※本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合がございます

    ※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください

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    監修者
    土屋 史恵
    • 土屋 史恵
    • ファイナンシャルプランナー/金融ライター/編集者

    神戸市外国語大学卒業後、外資系生命保険会社、都市銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。遺言信託など資産承継ビジネスに強み、表彰歴あり。その後は長年の金融機関勤務経験を活かし、金融メディアに転職。記事執筆や編集などを担当。現在はフリーランスとして活動中。AFP、FP2級、証券外務員一種を保有。

    執筆者
    高橋 明香
    • 高橋 明香
    • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

    みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

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