
実家暮らしはFIREしやすい?生活費を抑えて早期リタイアを実現する方法
≫リタイア後の必要資金はいくら?あなたのケースで診断
「FIRE(早期リタイア)に興味はあるけれど、実家暮らしなら達成に近づけるのでは?」と考えている人も多いかもしれません。実家暮らしという環境は、やり方次第でFIRE達成を力強く後押しする切り札になり得ます。
本記事では、実家暮らしがFIREに有利な理由から、注意すべきデメリットとその対策、成功への具体的なステップまで、専門家監修のもと詳しく解説します。今の自分の状況と照らし合わせながら、FIREへの最短ルートを探ってみましょう。
- 実家暮らしがFIREに有利な3つのメリット
- 見落としがちなデメリットと具体的な対策
- 成功のために持つべき心構えとQ&A
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実家暮らしはFIREを目指しやすい?3つのメリット
実家暮らしは、経済的自由と早期リタイア(FIRE)を目指す上で、他の生活スタイルにはない優位性を持っています。結論として、住居費や光熱費といった固定費を大幅に圧縮できるため、極めて高い貯蓄率を維持しやすい点が最大の強みです。
これにより、資産形成のスピードが加速するだけでなく、精神的な安定も得やすくなります。
ここでは、実家暮らしがFIRE達成に有利に働く3つの具体的なメリットを解説します。
高い貯蓄率を実現できる
実家暮らしの最大のメリットは、生活費、中でも住居費や水道光熱費を大幅に削減できる点にあります。一人暮らしであれば家賃だけで毎月数万円から十数万円の支出が発生しますが、実家暮らしではその負担がないか、あっても少額で済む場合がほとんどです。
これにより、手取り収入の大部分を貯蓄や投資に充当することが可能になります。例えば、手取りの60%〜70%を投資に回すといった、一人暮らしでは実現が困難な高い貯蓄率も不可能ではありません。
高い入金力は、資産形成における「複利効果」を最大化させる上で極めて有効です。若いうちから大きな元本を長期間運用することで、資産は雪だるま式に増えていく可能性が高まります。
実家暮らしは、複利効果を最大限に活用するための理想的な環境といえるでしょう。
必要資金を大幅に小さくできる
FIRE達成に必要な資金額は、一般的に「年間支出の25倍」という「4%ルール」を基に計算されます。これは、過去の米国のデータにおいて、年間支出を資産の4%の運用益で賄うと高い確率で資産を維持できたとされる研究結果に基づいています。
この理論からも分かる通り、年間の支出額が少なければ少ないほど、FIRE達成に必要な目標資金額は小さくなります。つまり、実家暮らしによって月々の生活費を低く抑えることができれば、FIREの目標額そのものを大幅に引き下げることが可能です。
例えば、一人暮らしで年間支出が300万円の場合、必要な資産は、年間支出の25倍で7500万円です。
しかし、当面実家暮らしすることを想定し、年間支出を150万円に抑えられれば、目標額は3750万円となり、達成のハードルが下がります。
このように、生活コストを圧縮できる実家暮らしは、FIRE達成への道のりを短縮する効果があります。
しばらくの期間を実家で暮らすことを想定するのは問題ありませんが、いつまでも実家暮らしを続けられる想定でFIREするのは危険です。詳しくは後述しますが、FIREの資金計画を立てる際は、「将来にわたった実家暮らし」を前提にしないことが大切です。
生活の安定性とリスク耐性の高さ
実家は、FIREを目指す過程における強力なセーフティネットとして機能します。万が一、失業や病気などで収入が途絶えたとしても、住む場所や食事に困るリスクを低減できます。その経済的な安定性は、精神的な安心感にも繋がります。
心が安定していると、市場が一時的に下落した際にも冷静な判断を保ちやすく、長期的な視点での資産運用を継続しやすくなります。短期的な値動きに一喜一憂して狼狽売りをしてしまうといった失敗を防げるため、結果的に資産形成がスムーズに進む可能性が高まります。
また、生活基盤が安定していることで、株式投資など、ある程度のリスクを取った運用にも挑戦しやすくなるでしょう。
このように、実家暮らしは経済面だけでなく、心理面からも資産形成を後押しする環境といえます。
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実家暮らしFIREで注意すべきデメリットと対策
実家暮らしはFIRE達成への近道となり得ますが、メリットばかりではありません。長期的な視点で見ると、いくつかのデメリットやリスクも存在します。中でも、実家での生活を前提とした甘い資金計画は、将来の独立を困難にする可能性があります。
また、経済的な自立とは別に、生活スキルや精神的な自立といった面での課題も生じやすい環境です。
ここでは、実家暮らしでFIREを目指す際に直面しがちな4つのデメリットと、それらに対する具体的な対策を解説します。
FIRE後の生活費が読めないリスク
実家暮らしで注意すべきなのは、現在の生活費を基準にFIREの目標額を設定してしまうことです。
実家での生活費は、親のサポートがあるため低く抑えられているということを忘れてはいけません。この金額をベースに資産計画を立てると、いざ独立した際に生活が立ち行かなくなる危険性が高いでしょう。
例えば、親の高齢化による施設入居や相続の発生など、予期せぬ事情で実家に住み続けられなくなる可能性も考慮しなければなりません。
実際に、FIRE後にフリーランス収入が想定より伸びず、生活費のプレッシャーから実家に戻らざるを得なくなったケースもあります。
FIREの目標額は、必ず「一人暮らしをした場合の生活費」を基準に設定することが必須です。近隣の家賃相場や光熱費、食費などをリアルにシミュレーションし、それに基づいた資産目標を立てましょう。
自立心やスキルの欠如
経済的な自立を目指す一方で、生活面での自立が遅れる可能性があるのも実家暮らしのデメリットです。食事や洗濯、掃除といった日常的な家事を親に任せきりにしていると、生活スキルが身につかないまま年齢を重ねてしまう恐れがあります。
これらのスキルは、将来独立して生活する上で必須のものです。また、お金の管理についても、生活費の大部分を自分で賄う経験がないと、適切な金銭感覚が養われにくい側面があります。
対策として、実家に住んでいるうちから、家事を分担する、一定の生活費を負担するといった、生活者としてのスキルと自覚を意識的に身につけることが大切です。
周囲からの理解が得られにくい
FIREという概念自体がまだ新しいことに加え、「いい歳をして実家暮らし」という状況に対して、周囲からネガティブな偏見を持たれる可能性はあるでしょう。
友人や同僚、あるいは将来のパートナーから「親に甘えている」「自立していない」と見なされ、人間関係に影響が出るリスクもゼロではありません。
FIREという明確な目標があったとしても、実家暮らしをしながらのプロセスを理解してもらうのは簡単ではないかもしれません。
この問題への対策は、コミュニケーションに尽きます。
なぜ実家暮らしを選択しているのか、FIREという目標達成のための戦略的な選択であることを、自信を持って説明できるようにしておくことが大切です。
親や親しい人には、具体的な資産目標や達成までの計画を共有し、応援してもらえる関係を築くことが望ましいでしょう。
親への依存関係の固定化
実家暮らしが長期化すると、経済的・精神的に親へ依存する関係が固定化してしまうリスクがあります。居心地の良い環境に慣れてしまうと、FIRE達成後も実家を出る決断がしにくくなるかもしれません。
また、意図せず親の老後資金を圧迫してしまう可能性もゼロではありません。親世代も自身の老後生活に不安を抱えているケースは多く、子供の生活を支えることが負担になることも考えられます。
親子関係が良好であるからこそ、お互いの自立を尊重し、健全な距離感を保つ意識が欠かせません。
実家暮らしFIRE成功のための心構え
実家暮らしという恵まれた環境を最大限に活かし、FIREを成功させるには、単に節約や投資に励むだけでは不十分です。長期的な目標達成には、しっかりとした心構え、つまりマインドセットが不可欠となります。
ここでは、実家暮らしを戦略的に活用し、かつ家族との良好な関係を維持しながらFIREを達成するために持つべき、3つの重要な心構えについて解説します。
実家暮らしは手段であり目的ではない
一番の心構えは、「実家暮らしはFIRE達成という目的のための、期間限定の合理的な手段である」と明確に認識することです。居心地のよさに甘えて、目的意識を失ってしまうのが一番の失敗パターンです。
「なぜ自分は実家で暮らすのか?」その答えが「資産形成のスピードを最大化するため」であることを常に自覚しましょう。これは甘えではなく、目標達成に向けた戦略的な判断なのだという意識が、モチベーション維持に繋がります。
具体的な対策として、「〇歳まで」「資産〇円まで」といった明確な期限を設定することが有効です。期限を設けることで、日々の節約や投資にも緊張感が生まれ、ダラダラと実家暮らしを続ける事態を防ぐことができます。
家族への感謝と適切な貢献
実家で暮らせることは、決して当たり前ではありません。住む場所を提供し、生活をサポートしてくれる家族への感謝の気持ちを常に忘れないことが、良好な関係を維持する上で不可欠です。
感謝の気持ちは、具体的な行動で示す必要があります。
- 金銭的な貢献:毎月決まった額を生活費として家に入れる。金額の多寡よりも、家計の一員として負担する姿勢が大事です。
- 物理的な貢献:食事の準備や後片付け、掃除、買い物など、家事を積極的に分担する。
また、自分自身のFIRE計画だけでなく、親の老後についても話し合う機会を持つことが望ましいでしょう。
将来的な介護の可能性なども含め、家族全体でライフプランを考えることで、より強固な信頼関係を築くことができます。
FIRE後の人生設計も同時に考える
資産目標を達成することは、FIREのゴールではありません。むしろ、それは新しい人生のスタートラインです。お金を貯めること自体が目的化してしまうと、FIRE達成後に「何をすればいいか分からない」という燃え尽き症候群に陥ってしまう可能性があります。
資産形成と並行して、FIRE後の人生をどう生きたいのか、具体的なビジョンを描くことが鍵となります。
- どんな場所で暮らしたいか?(実家を出るタイミング、移住先の検討)
- どんな働き方をしたいか?(完全にリタイアするか、好きなことで少し働くか)
- 社会とどう関わっていきたいか?(趣味、ボランティア、地域活動など)
経済的な自立の先に、どのような豊かさを求めるのか。その問いに対する自分なりの答えを見つけることが、FIREを真に成功させるための鍵となります。
実家暮らしFIREに関するQ&A
ここでは、実家暮らしでFIREを目指す方がよく抱く疑問や質問について、Q&A形式で具体的にお答えします。
生活費の負担額やFIRE達成後の選択肢、家族の理解を得る方法など、実践的な内容に触れていきます。
Q. 実家にいくら入れるべき?
実家に入れるべき金額に決まったルールはありませんが、一般的には手取り収入の1〜2割、金額にして月3〜5万円程度が1つの目安とされています。
ただし、これは家庭の経済状況や地域、自身の収入によって柔軟に調整すべきです。
重要なのは金額そのものよりも、「家計の一員として応分の負担をする」という姿勢です。親に金額を提示してもらい、話し合って決めるのがよいでしょう。
また、金銭的な貢献だけでなく、家事を積極的に分担することも立派な貢献です。
食費や光熱費の負担を申し出る、週末の食事は自分が作る、掃除を担当するなど、お金以外の形で感謝と貢献の意思を示すことも、良好な家族関係を築く上で大切です。
Q. 実家暮らしのままFIRE達成したらどうする?
FIRE達成後の選択肢は1つではありません。自身のライフプランや価値観、そして親の状況に応じて柔軟に判断することが可能です。主な選択肢としては、以下が考えられます。
- 実家での生活を継続する:親との関係が良好で、お互いにその生活を望むのであれば、しばらく実家で暮らしながら、さらに盤石な資産基盤を築くという選択です。生活コストを抑えたまま、趣味や自己投資に時間を使うことができます。
- 独立して一人暮らしを始める:FIRE計画時にシミュレーションした通り、独立して理想のFIRE生活を実践します。生活コストの安い地方や、物価の安い海外へ移住し、新しい環境でFIRE生活をスタートさせる選択肢もあるでしょう。
いずれの道を選ぶにせよ、事前に家族とよく話し合い、円満に進めることが大切です。
Q. 親がFIREに反対したらどうすればいい?
親世代にとって「FIRE(早期リタイア)」は馴染みのない概念であり、単に「働かずに楽をしたい」と誤解されてしまうことも少なくないでしょう。もし親から反対された場合は、感情的にならず、丁寧な対話を重ねることが大切です。
以下の点を意識して説明してみましょう。
- FIREの概念を説明する:経済的に自立し、お金のために働くのではなく、人生の選択肢を増やすための前向きなライフプランであることを伝えます。
- 具体的な計画を示す:いつまでに、いくら貯めるのか、そのためにどのような節約や投資を行うのか、具体的な数字で示したロードマップを見せると説得力が増します。
- 「働かない」わけではないと伝える:FIREは必ずしも完全なリタイアを意味するわけではなく、社会との関わりを持ちながら好きなことで収入を得る「サイドFIRE」という形もあることを説明します。
- 期限を約束する:「〇歳までに達成できなければ、この計画は見直す」といった期限を設けることで、本気度と計画性を示すことができます。
時間をかけて誠実に説明を尽くしても理解が得られない場合は、一度計画を保留し、まずは一定額の貯蓄を達成するなど、行動で示すことも1つの方法です。
まとめ
実家暮らしは、FIRE達成を大幅に加速させる可能性を秘めた、極めて合理的な選択肢です。住居費をはじめとする固定費を圧縮できるため、高い貯蓄率を確保しやすく、安定した生活基盤の上で資産形成に集中できるのが最大の強みと言えるでしょう。
しかし、その一方で、独立後の生活費を見誤るリスクや、精神的な自立が遅れるといったデメリットも存在します。これらの課題を乗り越えるためには、実家暮らしを「目的達成のための期間限定の手段」と明確に位置づけ、具体的な目標と期限を設定することが不可欠です。
そして何より、環境を提供してくれる家族への感謝と、金銭・家事両面での貢献を忘れてはなりません。
FIREは単にお金を貯めるゲームではなく、その先の人生を豊かにするための準備期間です。実家暮らしというアドバンテージを戦略的に活用し、経済的自立と豊かな人生の両方を手に入れましょう。
≫リタイア後の必要資金はいくら?あなたのケースでシミュレーション
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。
