外貨建てMMFはこんな人にはおすすめしない?プロがデメリット・代替商品を徹底解説
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外貨建てMMFは「低リスクで外貨運用ができる」など、外貨預金と共に注目されている金融商品です。
利回りだけを見ると魅力的に見えますが、為替変動による元本割れリスク、手数料や税金の影響で実質的なリターンが想定より低くなるケースもあります。
また、資産形成の目的によっては、他の金融商品を選んだほうが効率的な場合もあります。
本記事では、外貨建てMMFをおすすめしにくい理由と、検討時に注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
- 外貨建てMMFをおすすめしない理由
- それでも外貨建てMMFが向いている人の特徴
- 新NISAなど、他の投資商品との比較
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外貨建てMMFとは?基本の仕組みを理解する
外貨建てMMFがなぜ「おすすめしない」と言われるのかを理解する前に、まずはその基本的な仕組みを知っておくことが欠かせません。
外貨建てMMFは、外貨で運用される公社債投資信託の一種であり、日本の円預金とは異なるのはもちろんのこと、外貨預金とも異なる特徴を持っています。
外貨建てMMFの特徴と運用方法
外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)とは、米ドルや豪ドルなど、外貨で運用される公社債投資信託のひとつです。
公社債投資信託とは、組み入れる銘柄に一切株式が入らない投資信託のことで、国債や地方債、社債などを投資対象としています。
そのため、リスクが小さく、比較的安全性が高いとされています。
安定した利回りを目指せるのもメリットのひとつで、得られた分配金は原則として自動的に再投資されます。長期で保有すれば複利効果も期待できるでしょう。
ただし、外貨建てMMFは預金ではないので、元本保証はありません。運用成績や為替レートの変動によっては、投資額を下回る可能性があります。
外貨預金との違い
外貨建てMMFとよく比較されるのが「外貨預金」です。どちらも外貨で資産を保有する点は共通していますが、その性質は異なります。
下記の表で違いを確認してみましょう。
特に注目したいのは税制です。
外貨預金の場合、利息に対しては、源泉分離で20.315%が課税されます。為替差益は雑所得として、給与所得などと合算して課税される総合課税の対象となります。したがって、所得が多いほど税率が高くなります。
外貨建てMMFの場合、分配金は20.315%の源泉分離課税、為替差益は譲渡所得と合算され、他の所得とは分離して課税されます(申告分離課税)。税率は一律20.315%です。ちなみに、外貨建てMMFはNISAの対象外です。
また、外貨建てMMFに関しては、一般的に特定口座を通じて購入するため、同じ口座内であれば自動的に損益通算ができるほか、確定申告も可能です。これは外貨預金では行えません。
一方、外貨預金は、預け入れた金融機関が破綻した場合、「預金保険制度(ペイオフ)」の対象外です。
外貨建てMMFは投資信託なので、そもそも同制度の対象外ですが、MMFは信託財産として分別管理されています。
販売した証券会社が破綻しても資産は保全されるので、この点も大きな違いと言えるでしょう。
外貨建てMMFをおすすめしない4つの理由
外貨建てMMFは円預金よりも高い利回りが期待できる一方で、専門家からは「おすすめしない」という声も聞かれます。その背景には、初心者が見落としがちなリスクやコストが存在します。
主な5つの理由を具体的に解説します。
理由①為替リスクで元本割れの可能性がある
外貨建てMMFをおすすめしにくい最大の理由は、「為替変動リスク」にあります。
これは、円と外貨を交換する際のレート変動によって、資産の価値が大きく変わってしまうリスクのことです。このリスクは外貨預金にもあります。
たとえ運用自体が好調で外貨ベースの資産が増えていても、購入時より「円高」が進んでいると、円に戻した際に元本割れしてしまうケースがあります。
【シミュレーション例】
- 購入時: 1ドル=150円で1000ドル分(15万円)を購入
- 運用後: 資産が1010ドルに増加
- 解約時: 1ドル=140円の「円高」になっていた場合
- 受取額:1010ドル × 140円 = 14万1400円
- 結果:運用益が出ているが、円換算では8600円のマイナス
このように、外貨建ての金融資産は、円安・円高の為替の影響を必ず受けることになります。
外貨建てMMF自体は円貨での受け取り、外貨での受け取りを選択できる場合もありますが(※)、円で使う予定があるなら、いずれ円に交換することになります。
この時、為替の影響を避けるためにも、近いうちに使う予定のお金で運用するのは注意が必要です。
※外貨での受け取りができない場合もあります
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理由②コストが発生する
外貨建てMMFは売買手数料が無料であることが多いですが、実際には見えないコストが発生します。主なコストは「為替手数料(為替スプレッド)」と「信託報酬」の2つです。
- 為替手数料(為替スプレッド) :円を外貨に交換する時と、外貨を円に戻す時の両方で発生する手数料です。例えば、1ドルあたり25銭のスプレッドがある場合、1万ドルを取引すると往復で5000円(1万ドル×0.25円×2)のコストがかかります。そのコストは数ヶ月分の利子に相当することもあり、短期的な売買では利益を圧迫する要因となります。
- 信託報酬:投資信託の運用・管理にかかる費用として、保有している間ずっと支払い続けるコストです。年率で表示され、ファンドの資産から毎日差し引かれます。運用成績がマイナスでも発生するため、長期で保有するほど負担が増加します。
ちなみに、外貨預金も為替を交換する場合は手数料が発生する場合がほとんどです。
理由③金利変動リスクがある
外貨建てMMFの利回りは、その国の金融政策、中でも短期金利の動向に影響されやすいのが特徴です。そのため、表示されている利回りは固定ではなく、常に変動しています。
例えば、米ドル建てMMFは、米国の政策金利の影響を受けます。現在は比較的高い金利が続いていますが、将来的に景気後退などを理由に利下げすれば、MMFの分配金利回りも低下しやすくなります。
将来の金利変動によって期待していたリターンが得られなくなる可能性があるため、長期的に安定した利子収入を期待する商品ではない点を理解しておくことが肝となります。
理由④銘柄の選択肢が少ない
外貨建てMMFは、一般的な株式投資信託と比較して、取引できる銘柄の選択肢が限られています。
多くの証券会社では、主に米ドル建てのMMFが中心で、その他の通貨(豪ドル、南アフリカランドなど)は取り扱いがあっても数銘柄程度です。
例えば、SBI証券や楽天証券といった大手ネット証券でも、外貨建てMMFの取扱銘柄数は10に満たないのが現状です。
そのため、複数の通貨や運用会社に分散投資を行ってリスクを管理したいと考えている人にとっては、選択肢の少なさがデメリットとなります。
外貨建てMMF、こんな人は要注意
外貨建てMMFは、安定した運用を目指す商品です。そのため、短期間で大きな利益を狙いたい人には向いていない可能性が高いでしょう。
また、元本割れを避けたい人、安定的に運用したい人にとっては、日々の為替変動チェックが精神的な負担になるかもしれません。運用コストをできるだけ抑えたい人は、信託報酬がネックになります。
こうした点を踏まえ、自分の目的や資金の性格に合っているかを慎重に判断することが重要です。
外貨建てMMFが向いている人の特徴
外貨建てMMFにはいくつかのデメリットだけでなく、もちろんメリットもあります。メリット・デメリットを正しく理解すれば、自分自身のポートフォリオに加えるべきか判断することができます。
ここでは、外貨建てMMFが向いている人の特徴を2つのパターンに分けて解説します。
外貨での短期運用先を探している人
外貨建てMMFの最大の活用法は、使い道がまだ決まっていない外貨の「一時的な置き場所」として利用することです。流動性が高く、短期的な資金待機場所として効率的です。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
- 米国株を売却して得た米ドルを、次の投資先が見つかるまで運用したい
- 円安を見越して円を米ドルに両替したが、すぐに使う予定はない
- 米国株の配当金を米ドルで受け取ったが、そのまま寝かせている
このような場合、外貨を銀行の普通預金口座に置いておいても、ほとんど利子はつきません。
しかし、外貨建てMMFであれば、銀行預金よりも高い利回りで運用しながら、いつでも解約して次の投資に資金を回すことができます。
外貨MMFは、金融機関によっては決済方法が円のみの場合もあります。そのため、外貨MMFの購入方法や解約方法については、事前に確認しておくことをおすすめします。
運用効率の高さを重視する人
外貨で資産を保有する場合、外貨預金よりも外貨建てMMFのほうが運用効率の面で有利になることがあります。
第一に、税制面のメリットです。
外貨建てMMFの利益は申告分離課税の対象となり、他の株式投資などと損益通算が可能です。これにより、投資全体での税負担を抑えられる可能性があります。
第二に、コスト面での有利性です。
証券会社が提供する外貨建てMMFの為替手数料(スプレッド)は、一般的に銀行の外貨預金よりも低く設定されている傾向があります。取引コストを低く抑えられるため、その分だけ手元に残るリターンが増加します。
これらの理由から、同じ外貨資産を持つのであれば、より効率的な運用を目指す人にとって外貨建てMMFは合理的な選択肢となります。
外貨建てMMFを始める前に:検討したい投資・商品
外貨建てMMFは比較的安全性が高く、外貨のまま保有できる商品ですが、資産運用をより効率的に行いたい場合は、他にもさまざまな選択肢があります。
自身の投資目的(「資産を増やしたい」のか「安全に持っておきたい」のかなど)に合わせて、以下の3つの選択肢も検討してみましょう。
NISAを活用したインデックス投資
「中長期的に資産を増やしたい」と考えている人は、まず最優先で検討すべきなのが新NISA(少額投資非課税制度)を利用したインデックス投資です。
- 税制面の大幅なメリット: 通常、投資で得た利益(分配金や売却益)には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座なら無期限で非課税になります。外貨建てMMFはNISAを通じて購入できず、利益には課税されるため、この差は長期になるほど大きくなります。
- 低コストで世界に分散: 「三菱UFJ−eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などのインデックスファンドを選べば、米ドルだけでなく世界中の資産に分散投資が可能です。
- 円で購入可能: わざわざ自分で外貨に替える手間がなく、円で積み立てができるため、運用の管理がシンプルです(運用時の為替リスクはあります)。
外貨建て債券ファンド
「毎月の分配金」や「利回り」を重視しつつ、プロに運用を任せたい場合は、外貨建て債券ファンド(投資信託)が候補に挙がります。
- MMFよりも高い利回りが期待できる: MMFは「短期」の債券を中心に運用しますが、債券ファンドは「中長期」の債券や格付けの異なる債券(社債など)を組み入れるため、一般的にMMFよりも高い利回りが期待できます。
- リスクの分散: 一つの国だけでなく、複数の国や種類の債券に投資するタイプを選べば、特定の国の経済状況が悪化した際の影響を抑えることができます。
- 注意点: MMFに比べて価格の変動幅(ボラティリティ)が大きく、信託報酬(管理費用)などのコストもMMFより高めになる傾向があります。
外貨建てETF
「よりコストを抑えたい」「リアルタイムで取引したい」という上級者や長期投資家に向いているのが、米国市場などに上場している外貨建てETF(上場投資信託)です。
- 低コスト: 特に米国のETF(例:VOOやAGGなど)は、日本の投資信託やMMFと比較しても保有コスト(経費率)が極めて低く設定されています。
- 多彩な選択肢: 「全米株式」「高配当株」「米国総合債券」など、特定の指数に連動する多種多様な銘柄から、自分の投資戦略に合ったものを選べます。
- 活用の幅が広い: 配当金を米ドルで受け取り、そのまま別の米国株投資に回すといった「米ドルベースでの資産形成」に最適です。ただし、購入時には市場の価格変動や、為替手数料(スプレッド)を考慮する必要があります。
外貨建てMMFを始める前に確認すべきポイント
外貨建てMMFへの投資を具体的に検討する際には、いくつかの重要なポイントを事前に確認し、自身の状況と照らし合わせる必要があります。
最終的な判断を下す前に、以下の3つの点について必ずチェックしましょう。
為替リスクを許容できる期間と金額か
まず一番重要なのは、投資する資金が為替変動リスクに耐えられるかどうかです。
- 投資期間: その資金は、近い将来に使う予定のない「余裕資金」でしょうか。為替が円高に振れた場合でも、円安に戻るまで待てるだけの時間的余裕があることが望ましいです。短期的に使う予定のある資金は、元本割れのリスクがあるため不向きです。
- 投資金額: 投資する金額は、万が一価値が減少しても自身の生活に大きな影響を与えない範囲に留めるべきです。資産全体の一部として、適切な割合で投資することを心がけましょう。
手数料・税金のコストを理解しているか
表示されている利回りだけを見て判断するのは危険です。実際に手元に残る利益は、各種コストを差し引いた後になります。
- 手数料: 円との両替時にかかる「為替手数料(スプレッド)」と、保有期間中に毎日かかる「信託報酬」の2つのコストを正しく理解しているか確認しましょう。これらのコストがリターンをどの程度圧迫するかを把握しておくことが鍵となります。
- 税金: 運用によって得た利益(分配金や為替差益)には、20.315%の税金がかかります。
証券会社ごとの条件を比較したか
外貨建てMMFのサービス内容は、取り扱う証券会社によって異なります。自身の投資スタイルに合った証券会社を選ぶために、以下の点を比較検討しましょう。
- 取扱通貨: 米ドル以外の通貨も検討している場合、希望の通貨を扱っているか。
- 最低取引金額: 少額から始めたい場合、最低いくらから投資できるか。
- 積立対応: 毎月コツコツ積み立てたい場合、自動積立サービスに対応しているか。
- 為替手数料: 為替スプレッドは証券会社によって差があります。コストが気になる方は比較して選ぶのもよいでしょう。
これらの条件を比較し、自身にとって有利な条件の証券会社を選ぶことが、効率的な運用の第一歩となります。
外貨建てMMFに関するQ&A
ここでは、外貨建てMMFに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
外貨建てMMFは元本保証ですか?
いいえ、元本保証ではありません。外貨建てMMFは投資信託の一種であり、預金とは異なります。
為替レートの変動や投資先の債券価格の下落などにより、投資した元本を下回る「元本割れ」のリスクがあります。
外貨建てMMFの利益には確定申告が必要ですか?
特定口座(源泉徴収あり)で購入する場合は、税金は口座内で計算、納税されるため、原則として不要です。
但し、特定口座でも源泉徴収なしの場合、一般口座の場合、あるいは他口座(他の証券会社などの口座)と損益通算を行う場合は確定申告が必要です。
※上記はあくまで一般的なケースになります。個別の具体的なケースに関しては、税務署や税理士に相談されることをおすすめします
外貨建てMMFと外貨預金、どちらがおすすめですか?
運用効率を重視するなら、外貨建てMMFがおすすめです。
利益が出た場合の税制面(申告分離課税・損益通算可能)で有利なことや、一般的に為替手数料が低いためです。
ただし、外貨建てMMFのなかには、解約金を自動的に円で受け取る仕組みになっている商品もあります。商品の仕組みによりリスクが変わる場合もあるので、一概にどちらがおすすめと決めることはできません。
人によって投資の目的やリスク許容度も異なります。商品選びに迷った時は、資産運用のアドバイスを専門としたIFAなどに相談してみるのもひとつの方法です。
まとめ
外貨建てMMFは、円預金だけでなく、外貨預金に比べても高い利回りが期待できる金融商品です。
ただし、為替リスクや手数料、金利変動リスクなど、無視できないデメリットが存在します。
為替の動きによっては元本割れの可能性も十分にあり、長期的な資産形成の主軸としたいと考える方は、より慎重に検討する必要があるでしょう。
一方で、米国株の売却資金や配当金など、外貨の短期的な待機場所として利用するなど、すぐに使う予定のない外貨を効率的に運用できる点はメリットです。
もし、自身の目的が長期的な資産形成であるならば、非課税メリットの大きい新NISAを活用したインデックス投資などを優先的に検討することも選択肢になります。
外貨建てMMFは、そのリスクとメリットを正しく理解し、自身の資産全体のバランスを考えた上で、目的を限定して活用することが賢明な判断と言えるでしょう。
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土屋 史恵
- ファイナンシャルプランナー/金融ライター/編集者
神戸市外国語大学卒業後、外資系生命保険会社、都市銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。遺言信託など資産承継ビジネスに強み、表彰歴あり。その後は長年の金融機関勤務経験を活かし、金融メディアに転職。記事執筆や編集などを担当。現在はフリーランスとして活動中。AFP、FP2級、証券外務員一種を保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。




