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30代・40代のための最強「つみたてNISA」メソッド

30代・40代のための最強「つみたてNISA」メソッド

著者: 谷口 裕梨監修: 泉田 良輔 (証券アナリスト)2021/02/25 (最終更新:2022/12/28)
  • #NISA/つみたてNISA

資産運用は長くて地道な作業の繰り返しです。

私たちはコツコツとお金を積み立てていくことで、老後という第二の人生に向けて、着実に歩みを進めていくのです。

時折チェックするポートフォリオは、言うならば成果を確認する通知表みたいものでしょうか。

30代・40代の人が安心して資産運用にチャレンジできるように、今回は『つみたてNISA』について詳しくご紹介したいと思います。

※令和5年度税制改正の大綱等において、2024年以降のNISA制度では非課税保有期間の無期限化など、抜本的拡充・恒久化の方針が示されました
※本記事は2023年までの現行NISA制度の内容を中心に記載しています
(参考:新しいNISA : 金融庁

1. はじめに

1.1. 資産運用は冒険の旅

皆さんは資産運用と聞くとどんなイメージを持つでしょうか。

「失敗すると貯金が減っちゃうかもしれない?」
「お金持ちがするもの?」
「毎日チェックしなくちゃいけない?」

これらは、すべて正解とはいえません。

一つ言えることは、資産運用は長くて地道な作業の繰り返しです。

私たちはコツコツとお金を積み立てていくことで、老後という第二の人生に向けて、着実に歩みを進めていくのです。

時折チェックするポートフォリオは、言うならば成果を確認する通知表みたいものでしょうか。

30代・40代の人が安心して資産運用にチャレンジできるように、今回は『つみたてニーサ(つみたてNISA)』について詳しくご紹介したいと思います。

2. つみたてニーサ、はじめる前に知っておきたい投資の「ハテナ」

つみたてニーサとは、特に少額からの「長期・積立・分散投資」を支援するためにスタートした非課税制度です。

毎年40万円を上限として一定の投資信託を積立方式でコツコツ購入すると、購入後最長20年間、保有中に得た分配金や値上がりした後に売却して得た利益に対して非課税で運用することができます。

つみたてニーサの対象商品は、手数料水準が低く(販売手数料がゼロ、信託報酬が一定水準以下)、頻繁に分配金が支払われないなど、長期運用に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されています。

そのため、初心者でも安心して始めやすいように制度設計されていますが、デメリットなどもあります。

ここではつみたてニーサを始める前に知っておきたい投資のポイントをご紹介したいと思います。

2.1. 日本と海外どっちがいいの?

【日本】
・為替変動リスクなし
・人口減少で経済縮小が懸念(人口オーナス
【海外】
・為替変動リスクあり
・人口増加で経済成長が期待(人口ボーナス

つみたてニーサを始めよう!と思ってネット記事や動画でどんな商品があるのか探したことはありませんか?

初めてつみたてニーサの商品を選ぶ人が直面する問題、それが「日本と海外どっちがいいの?問題」ではないでしょうか。

日本と海外の資産の大きな違いの一つは、「為替変動リスク」があるかどうかです。

為替変動リスクとは、為替相場の変動によって、外貨建て資産を円換算した時に資産の価値が上がったり、下がったりするリスクです。

例えば米ドル建ての金融商品で運用する場合、投資した時より円安・ドル高のタイミングで売却すると利益が見込めますが、円高・ドル安のタイミングで手放すと元本割れをしてしまう可能性があります。

「為替がどうなるか分からないから、海外の資産は怖い」
と思う人も多いかもしれませんね。

しかし、この為替変動リスクを差し引いても余りある魅力が海外資産にあると言えます。

日本は超低金利が続いていますので、海外の金利も魅力のひとつです。しかし、なんといっても最大の魅力は経済成長力です。

日本国内は少子高齢化の影響で労働人口は今後減少していく見込みです。
働く人、すなわちお金を稼いで使う人が減ると、経済活動の規模が小さくなり、社会保障費も増大する傾向があります(人口オーナス)。

一方世界に目を向けると、現在人口が増加し、生産力が増加している国がいくつもあります。

国連の予想によると、世界の人口は2020年現在で77億9千万人なのに対し、2060年に101億5千万人に増加することが予想されています。

世界に目を向けるとこれから人口が増加し、経済が発展していくことが期待できる国がたくさんありそうですね(人口ボーナス)。

海外の成長力を自分の資産運用にも利用したい人は、世界の資産、特に世界株式に投資をすることを検討されてはいかがでしょうか。

2.2. 「ポートフォリオ」ってなに?

資産運用について検索すると、よく目にするのが「ポートフォリオ」という言葉です。

ポートフォリオとは「金融商品の組み合わせ」のことを指します。

ちなみに「ポートフォリオを組む」という表現もよく使われます。

これは実際にどんな商品を購入しようか、株はどの銘柄を買おうか、何株買おうかなど、を検討して、金融商品を組み合わせることを指します。

ローリスクの商品とハイリスクの商品を、自分のリスク許容度に応じて組み立てていきます。

2.2.1. リスクとは

一般的に投資の世界の「リスク」とは、価格が目減りすることだけを指すのではなく、「価格のブレ幅」のことを指します。

一般的には価格が目減りすることだけを指すと思われがちですが、逆の価格が上にブレる(収益が出る)場合も指します。

また、「リスクが大きい」と言うと、大きく収益が上がる可能性がある反面、大きく損失が出る可能性もあることを指し、「リスクが小さい」と言うと得られる収益は大きくないが、大きな損失がでる可能性も少ないことを指します。

投資の世界では、「ローリスク・ハイリターン」は理論上ありえないというわけです。

そのため、リスクが大きい商品と小さい商品をバランスよく配分することでリスクをできるだけコントロールするためにポートフォリオを組んだり、定期的に見直しをしているのです。

攻めの運用か、守りの運用か、その時の市場の動向も加味しながら、自分好みにステータスをカスタマイズするイメージです。

2.2.2. ポートフォリオのバランス

このポートフォリオのバランスは、投資目的や投資スタイル(一括投資か積立投資か)、投資期間によって、そして何より自分の好みによって最適なバランスは異なります

そのため、それぞれの資産と価格の振れ幅(リスクの大きさ)、資産同士の関係性などを考慮しながら組み立てていきましょう。

例えば、一般的に株式と債券は逆の動きをする傾向があると言われています。

株価が下がった時に債券が支えてくれる、あるいは債券が下落した時に株価が支える、というような効果を期待しながら、ポートフォリオを組むことでリスクをコントロールしようと工夫するわけです。

ただし、リーマンショックの時のような経済危機が起こった場合は、ポートフォリオの工夫も虚しく殆どの資産が一斉に下落する可能性もあります。

そんな時は、専門家にまずは相談しましょう。

嵐はいずれ過ぎ去ります。時が解決してくれる場合もありますから、このような時に相談できるアドバイザーがいれば安心ですね。

また、元本保証のない投資商品で運用する場合は、これらの工夫をしながら長期間かけてゆっくりと増やしていくようにしましょう。

ちなみに私たちの年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は外国株式・外国債券・国内株式・国内債券をそれぞれ25%ずつの基本ポートフォリオで運用しています。

(関連記事:初心者にこそおすすめしたい資産運用4選!運用のプロが教える失敗しないコツも解説

2.3. 商品は何種類くらいに分ければいいの?

【おすすめの配分】
世界株をコアに、サテライトとして日本株バランスファンドなどで調整

→より資産を増やしたい人は、変動幅は大きくなるが先進国株新興国株

次に資産運用をスタートする前に悩ましいのが、「商品は何種類に分散すればいいの?問題」です。

一般的に、資産運用について勉強をしたことがある人は、「卵は一つのカゴに盛るな」という話を聞いたことがあるでしょう。

すべての卵を1つのカゴに入れてしまうと、カゴを落としたらすべての卵が割れてしまいます。
しかし、いくつかのカゴに分けて卵を入れておくと、1つのカゴを落としても残りの卵は無事です。

このことから資産運用においては投資先投資時期を分散させてリスクも分散させることが重要と言われています。

30代・40代がつみたてニーサで長期間かけて積立投資をする場合は、「投資時期」を毎月分散しながら運用することができます。

この「長期・積立・分散」投資によりリスクの軽減が期待できると言われています。

「長期・積立・分散投資」で毎月コツコツ運用する場合は、ローリスク・ローリターンの商品をあまり多くしてしまうと、損失が出るリスクは抑えられるでしょうが、反対に収益を得るチャンスも限られてしまいます。

そのため、つみたてニーサで長期間かけて資産運用をする場合は、世界株式などの長期的に成長が期待できる資産をコア(主軸)とし、サテライトとして日本株やバランスファンドなどで調整するのはいかがでしょうか。

もしくは先進国株式と新興国株式というように組み合わせるのも良いでしょう。

価格変動の幅は大きくなりますが、より資産拡大を目指したい人にはマッチするかもしれませんね。

このように、老後に向けてより資産形成を狙いたいのなら、ローリスク・ローリターンの商品では「増えないリスク」があることも考慮したいところです。

一点気をつけたいのは、つみたてニーサに固執しすぎないことです。

つみたてニーサはみなさんが取り組む資産運用のごく一部に過ぎません。

つみたてニーサの中で分散しすぎてしまうよりも、つみたてニーサと他に何を組み合わせるかのほうがはるかに重要です。

2.4. インデックス(パッシブ)とアクティブは何が違うの?

【インデックス】
指標に追随した運用成果を目指しているもの
【アクティブ】
指標以上の運用成果を目指しているもの

投資信託を運用スタイルで分けるとインデックス(パッシブ)型とアクティブ型があります。

この2種類の運用方法の違いを理解することは、資産運用をスタートするうえで非常に重要です。

多くの投資信託には「ベンチマーク」と呼ばれる指標が存在します。

日本株式なら「日経平均株価」や「TOPIX」。

アメリカ株式なら「S&P500」「NASDAQ」「ダウ平均株価」などがあります。

この指標にピッタリ沿うように運用することを目指しているものが「インデックス型」です。

一方で、指標を上回る成果を目指して運用するのが「アクティブ型」です。

一般的にインデックス型の方が、アクティブ型より手数料が安い傾向があります。

つみたてニーサに採用されている銘柄の多くはインデックス型です。

よくインデックス型の方がアクティブ型よりもリスクが低いと思っている人がいますが、決してそうとは言い切れません。

指標にしているベンチマークが新興国の株式指数だったらどうでしょうか。値動きが激しそうですよね。

インデックス型はすべて安心だと勘違いしていると思わぬ失敗を招く危険があるので注意が必要です。

3. つみたてニーサ、コツでわかる「銘柄」の選び方

3.1. 人気の投信=(あなたにとって)良い投信とは限らない!

つみたてニーサの銘柄を選ぶ時、「人気ランキング」を参考に銘柄を選ぶ人が多いのではないでしょうか。

最近だと米国株式の投資信託が人気ですね。

しかし、その人の投資スタイルによって、最適な投資信託、さらに最適なポートフォリオは異なることを先ほどご紹介しました。

そのため、(あなたにとって)良い投資信託は、あくまでも自分で探す必要があることを忘れてはいけません。

そこで、ここでは自分でしっかりと銘柄が選べるように、ポイントをいくつかご紹介したいと思います。

3.2. 名前からお目当てのベンチマークの商品を選ぶとスムーズ

つみたてニーサの銘柄を見ていると、「◯◯日経225インデックスファンド」や「◯◯S&P500インデックスファンド」など、よく似た名前の商品が多いと感じる人が多いのではないでしょうか。

「名は体を表す」といいますが、投資信託も銘柄の名前を見るとどこの運用会社の、どんな資産に投資をする投資信託なのかがわかるものが多くあります。

名前の最初には運用会社名が入るものが多く、その次に何に投資をするのかが入るものが多い傾向です。

例えば◯◯日経225インデックスファンド」と言えば、日経平均株価をベンチマークに設定しているインデックス型投資信託であることがわかります。

また、「◯◯S&P500インデックスファンド」と言えば、ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株式指数「S&P500」をベンチマークに設定しているインデックス型の投資信託であることがわかります。

このように、投資信託の中には名前を見ただけでどのような投資信託かがわかる銘柄が多くあります。

特にインデックス型の投資信託はベンチマークに設定する指数に連動することを目指して運用しています。

商品を選ぶ際は投資信託の名前から、お目当てのベンチマークの商品を選ぶようにするとスムーズでしょう。

3.3. 大切なのは「ベンチマーク」

つみたてニーサの銘柄を選ぶ時に最も大切なものは「ベンチマーク」といっても過言ではありません。

ここまで何度か登場していますが、「ベンチマーク」とは、投資信託が運用の指標にしている市場の指数です。

すなわち、投資信託の運用の軸になっている部分と言えます。

特につみたてニーサに採用されている銘柄の多くはインデックス型の投資信託です。

インデックス型の投資信託はベンチマークに沿って運用することを目指しますので、運用成果はベンチマークに左右されます。

つみたてニーサを活用して長期・積立・分散投資で資産形成をしたい人は、今後長期間にわたって成長が期待できる市場の指数をベンチマークに設定している投資信託を選ぶ必要があります。

日本の国内株式と言っても、日経平均株価かTOPIXかによって組み入れられている株式の銘柄や比率が異なるため、運用成果も異なります。

世界株式の投資信託には「先進国株」や「全世界株」あるいは「先進国から日本を除く」など、様々なベンチマークがあります。

ベンチマークをしっかり選べると、同じような銘柄をダブって買うことも防げますし、効率的に資産を分散できます。

つみたてニーサの銘柄選びの際はベンチマークをポイントに選びましょう。

3.4. 参考にしたい2つの「レシオ」

【2つのレシオ】
・シャープレシオ
・インフォメーションレシオ

次に、つみたてニーサの銘柄を選ぶ上で参考にしてほしい2つのレシオをご紹介します。

3.4.1. シャープレシオ

まず1つ目は「シャープレシオ」です。

聞いたことがあるという人もいるかもしれませんね。

シャープレシオとは、簡単に言うと投資信託が取ったリスクに見合ったリターンを得ているか測った数値です。

シャープレシオ=投資商品の超過リターン/投資商品の年率リスク

一般的にはシャープレシオが大きいほどリスク以上のリターンが得られている、運用成績の優れた投資信託とされています。

同じ資産に投資をしている投資信託を比較する場合、シャープレシオが大きいほど効率よく運用ができていることを示していますので、銘柄を選ぶ時に参考にすると良いでしょう。

ただし、シャープレシオを用いて、投資信託の比較検討をする場合は、基本的には同じカテゴリの商品で比較するのが望ましいです。

例えば日本株式なら、日本株式投信同士で比較します。

また、シャープレシオはあくまでもその商品のリスクにリターンが見合っているのかを判断するため、シャープレシオが大きいからといってリターンが大きいとは限りません

そのため、あくまでも投資効率を測る指標ですので、同じカテゴリの商品を比較する時に参考にしましょう。

3.4.2. インフォメーション・レシオ

2つ目は「インフォメーションレシオ」です。

聞いたことがあるという人は少ないかもしれません。

この数値は、つみたてニーサの銘柄の中でもアクティブ型の投資信託を選ぶ時に参考にしたい数値です。

インフォメーションレシオとは、アクティブ型投資信託を評価する時の数値です。

前項で、アクティブ型はベンチマーク以上に成果を出すことを目指すスタイルであることをご紹介しました。

また、アクティブ型のほうがインデックス型よりも手数料が高い傾向にあります。

しかし、アクティブ型の投資信託は、運用がうまくいっているものはいいのですが、実際はインデックス型より運用成績が芳しくないファンドも多く存在します。

インデックス型より運用成績が良くないのなら、高い手数料を払うのはもったいないですね。

そこで、しっかり増やしているアクティブ型投資信託を選ぶために使うのがこの「インフォメーションレシオ」です。

インフォメーションレシオは簡単に説明すると、シャープレシオと同様に投資効率を測る指標です。

インフォメーションレシオ=アクティブリターン/トラッキングエラー

アクティブリターンとは、ベンチマークに対する超過リターンです。

トラッキングエラーとは、アクティブリターンのばらつきを示し、ベンチマークに対する乖離を表す指標です。

独自に調査した銘柄をどれくらい取り入れているかなどを判断する際にも役立ちます。

一般的にトラッキングエラーの数値が大きいほどベンチマークと異なる銘柄を採用している度合いが大きいと言えます。

アクティブ投資信託を採用したい場合は参考にすると良いでしょう。

インフォメーションレシオは、分母となるトラッキングエラーが少ない投資信託はアクティブリターンが小さくても良い数値が出てしまう傾向があります。

あくまでもトラッキングエラーと一緒に参考にすることをおすすめします。

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4. つみたてニーサだけじゃ不安?つみたてニーサ✕◯◯

ここまでつみたてニーサで投資をスタートするまでの投資のポイントと銘柄の選び方についてご紹介しました。

しかし、つみたてニーサだけで資産形成が万全かというとそうとも言い切れません。

つみたてニーサは年間40万円(毎月3万3333円)までしか投資できない上に、非課税で運用できる期間は20年間しかありません。

30代・40代の人には少し物足りないと言えるでしょう。

また、つみたてニーサは投資できる銘柄が金融庁の選定基準を満たした商品に限られています。

もっといろんな商品の中から商品を選んで運用したいという人や万が一の時の保障を付けて運用したいという人には物足りないでしょう。

30代・40代は資産運用の黄金期。たくさんの金融商品の中から自分に最適な商品を選ぶことができる世代です。

そこでここからは、つみたてニーサと組み合わせて運用するのにおすすめな選択肢をご紹介したいと思います。

4.1. つみたてニーサ✕貯蓄性保険ー守るべき家族がいる人は保障が大切ー

30代・40代の人は家庭を持っているという人も多いでしょう。

自分に万が一のことがあった時、自分や家族が経済的に困窮しないためにも、自分に保障をつけておくことはとても大切です。

保障が大切なのは家庭を持っている人だけとは限りません。
独身の人でさえも、自分が病気やケガで働けなくなる、もしくは介護が必要な状態になることも考えられるでしょう。

そうなってしまうと、収入が絶たれてしまい、一体誰が自分を養ってくれるのだろうと途方にくれてしまうかもしれません。

また、長期積立投資は自分が元気に働き続けられることを前提にした行為なので、前提条件が崩れないように備えるのが大事です。

万が一の時に困らないほどたくさんの資産を持っている人はいいのですが、そうでない場合はそうすればいいのでしょうか。

「保障を確保する」ということは、そのようなリスクに備えるということです。

特に30代・40代はまだ資産を形成している途中の段階です。十分な備えを貯蓄で確保できないときこそ保険で備えておきましょう。

最近では死亡や高度障害に備えながら、投資信託で運用できる貯蓄型の保険も人気があります。

掛け捨ての死亡保障はもったいないと感じる人は貯蓄型保険で備えながら運用するとよいでしょう。

4.2. つみたてニーサ✕銀行預金ー貯金ゼロの人はまずは銀行預金も積み立てよう!ー

まだ十分な貯蓄がないという人は、つみたてニーサと同時に銀行預金の積立をするべきと言えるでしょう。

突然仕事をやめざるをえなくなったり、病気やケガで働けなくなったりした時、銀行預金があれば当座の生活資金に充てることができます。

銀行預金は金利はほとんど見込めませんが、いつでもキャッシュカードで引き出せるという安心感があります。

つみたてニーサの場合も途中で引き出すことができますが、投資信託は売却の手続きをしてから口座に資金が入金されるまで1週間程度時間がかかります。

また、基準価額は日々変動しているため、お金が必要な時に元本割れをしていることも想定されます。その点預金は元本保証されているため安心ですね。

まずは万が一の時の生活資金6ヶ月分を目指して銀行預金を貯めながら、将来の生活資金はつみたてニーサで積立投資をするという役割分担で分けると目的を明確にしてスタートできるでしょう。

4.3. つみたてニーサ✕アクティブ投資信託ー投資商品にこだわるならこの組み合わせが◎ー

「せっかく資産運用をするなら投資商品にとことんこだわりたい」そんな人はアクティブ投資信託を組み合わせるのも一案です。

特にイデコ(iDeCo)では毎月の投資金額に上限があってもの足りない、もしくは60歳まで引き出せないのは不便だ、という人はおすすめです。

課税口座での運用となりますので、運用益に対して20.315%課税されます。

その一方で、運用年数に上限はありませんので、途中で運用を止めることなく長期間複利の効果で資産を成長させていくことが期待できます。

また、引き出すときも必要分を少しずつ切り崩しながら運用自体は継続してより長く運用期間を確保できるため、長期間運用したい30代・40代にはマッチするでしょう。

さらに日本国内には約6000種類の投資信託が存在しますが、つみたてニーサやイデコは投資できる商品数に限りがあるため、少し物足りないという人も出てくるでしょう。

投資商品にこだわりたい人は、前述の銘柄選びのポイントを参考に商品を選んでみてはいかがでしょうか。

ただし、アクティブ型の投資信託の中には運用成果が上がっていない商品や、手数料が高いだけでインデックス投資信託よりもパフォーマンスが上がっていない商品もあります。

最初は資産運用のプロのアドバイザーと一緒に銘柄を選ぶようにする方がよいでしょう。

プロのアドバイザーによる無料相談はこちらから!

4.4. つみたてニーサ✕イデコーイデコとの組み合わせは慎重に検討を

30代・40代で老後の資産形成を重視したい人は、つみたてニーサとイデコを併用した運用も選択肢です。
イデコ(個人型確定拠出年金)とは、加入が任意の私的年金制度です。

イデコのメリットは充実した税制優遇制度です。

イデコは毎月の掛金が全額所得控除の対象になるだけでなく、運用益も非課税で再投資され、さらに60歳以降に引き出すときも「退職所得控除」や「公的年金等控除」を利用することができます。

税制優遇制度が充実しているイデコですが、運用する上での注意点があります。
それは原則60歳まで積み立てた資金を引き出すことができないという点です。

つみたてニーサはいつでも投資元本を引き出すことができます。

一部売却も全部売却も可能です。

反対に、イデコは60歳まで引き出せないがゆえに、強制的に老後資金を確保できます

マネイロでは、長期積立投資が重要と考えています。

まずは長期積立投資を行うために、若く健康なときから保障を備えましょう。

保障をきちんと整えた上で、イデコのお申込をご検討ください。

(関連記事:【簡単図解】iDeCoとは?知っておくべきメリット・デメリットをわかりやすく解説

5. まとめ

今回は30代・40代が資産運用で資産形成をするために「つみたてニーサ」を上手に活用する方法についてご紹介してきました。

30代・40代は、給与収入も安定し、資産運用をスタートする機運が高まる年代です。

また、金融商品の選択肢も多いため、スタート地点でしっかり運用方針を固めることができれば、老後に向けてしっかりとした資産形成ができるでしょう。

その一方で、選択肢が多いがゆえに、商品を選ぶのが難しいのがこの年代の困る点です。

たくさんの選択肢の中から最適な商品を選ぶために、まずは「正しい情報を厳選する」ことが重要です。

最近ではインターネットや書籍で資産運用に関する情報はいくらでも手に入りますが、その情報が正しいかは自分自身で見極めていかなければなりません。

しかしそれは、金融知識が豊富にあり、資産運用の経験がないと難しいと言えます。

そのため、後悔しない形で資産運用をスタートしたい人は、資産運用の専門家(プロ)に相談をしながら運用商品を選ぶことをおすすめします。

いきなり相談するのは億劫、という人は、マネーセミナーに参加をしてみることもおすすめです。

最近では無料で、しかもオンラインで受講できるマネーセミナーも充実してきました。

つみたてニーサについて解説してくれるセミナーがあれば参加してみるとよいでしょう。

長期・積立・分散投資は、入り口の商品選びが最も重要です。

今回ご紹介したポイントも参考にしていただきながら、あなただけの資産運用をスタートしていただけると幸いです。


※本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合がございます。
※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください。

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参考資料

監修
泉田 良輔
  • 泉田 良輔
  • 証券アナリスト/経営者/元機関投資家

株式会社OneMile Partners取締役。2018年にmoneiro(マネイロ)を運営するOneMile Partnersを創業。それ以前は日本生命やフィデリティ投信で外国株式や日本株式運用のファンドマネージャーや証券アナリストとして従事。慶應義塾大学商学部卒。東京工業大学大学院非常勤講師。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。Amazon「一般・投資読み物」カテゴリで第1位を記録した『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法』 など著書多数

著者
谷口 裕梨
  • 谷口 裕梨
  • ファイナンシャルアドバイザー

同志社大学卒。大学卒業後、京都中央信用金庫で投資信託や生命保険などを活用した資産運用アドバイス、相続相談、融資、為替業務などに従事。その後は福知山市役所で主に中小企業支援などに携わる。現在はこれまでの金融商品の知識を生かし、個人向け資産運用のサポート業務を行う。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などを保有。

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