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退職金の運用でおすすめの方法は?どこで相談できる?プロが失敗しないためのポイントを解説

退職金の運用でおすすめの方法は?どこで相談できる?プロが失敗しないためのポイントを解説

資産運用2024/10/17
  • #初心者向け
  • #老後資金
  • #会社員
  • #公務員

退職金は運用した方が良い?」「まとまったお金を安全に運用するにはどんな方法が良い?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

退職金のようなまとまったお金の一部を運用することで、インフレリスクに備えながら効率的にお金を増やすことが期待できます。

一方で、お金をすべて一括投資してしまったり、金融商品の選び方を誤ってしまうと損をする可能性もあります。

また、働きながら投資をすることもなかなかできないため、金融商品選びは慎重に行いましょう。

本記事では「退職金の運用方法を知りたい」「安全な運用方法について専門家に聞きたい」と悩んでいる人に向けて、おすすめの運用方法と退職金の運用の相談先についてわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 退職金を運用することで、インフレ対策をしながら老後資金を効率的に増やすことが期待できる
  • 退職金を運用する時の注意点は「退職金すべてを運用に回さない」「運用商品は慎重に選ぶ」など
  • 退職金の運用に関する相談をするなら中立的な立場で提案ができる「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」がおすすめ

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退職金の運用はなぜおすすめ?数字で見る必要性

退職金は多くの人にとって老後に備えるための大切な資産といえるでしょう。しかし、その退職金をただ預金するだけでなく、運用することでさらに増やすことが可能です。

退職金を運用することの必要性やメリットについて、老後の収入と支出に関する数字を参考にわかりやすく解説します。

①老後のお金事情

まずは老後のお金に関する数字を見ていきましょう。


生活費

65歳以上の無職世帯の家計収支

総務省が実施した「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上で無職の夫婦二人世帯の月収は24万4580円、消費支出は25万959円です。

一方、単身世帯の収入は12万6905円、消費支出は14万5430円となっています。支出の内訳を見てみると、食料の割合が高いことがわかります。

ポイントの解説

これらのデータから、夫婦二人世帯も単身世帯も、現状の収支ではゆとりある老後を過ごすのは難しいと考えられます。

(参考:家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要|総務省


貯金額・貯蓄額

60代の金融資産保有額

金融広報中央員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年度)」の調査データによると、二人以上世帯、単身世帯ともに金融資産保有額の平均値は2000万円を超えており、中央値は1200万円となっています。

また、金融資産を除いた預貯金額に目を向けると、約1000万円となっています。

このことから、60代が保有している金融資産の約半分を預貯金が占めていることがわかります。

※本記事では「貯金額=預貯金額」「金融資産保有額=貯蓄額」と表記しています
※貯蓄額は預貯金以外に保険や有価証券なども含んだ金額としています

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年金の受給額

将来もらえる年金について、令和4年度の老齢年金は月額14万4982円で、令和元年度と比較すると1180円減少しています。

一方、国民年金の令和4年度の支給額は、保険料を25年以上納めた場合で月額5万6428円となっており、令和元年度に比べて379円増加しています。

将来の年金額を詳しく知りたい場合は、「ねんきんネット」や年金定期便で確認できます。

近年の物価上昇を考慮すると、貯蓄の価値は目減りしてしまう可能性があります。そのため、年金だけに頼らず、早めにお金の運用を検討することが重要です。

(参考:令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省年金局



退職金

<引用:中小企業の賃金・退職金事情|東京都産業労働局>

勤務先に退職金制度がある場合、その規定に従って退職金を受け取ることができます。

上記の「モデル退職金」には、学歴や勤続年数、退職理由ごとにおおよその受給金額が記載されています。

学歴別では、高専卒・短大卒よりも高卒が、高卒よりも大卒の退職金が多くなっています。

高卒で定年まで勤めた場合の平均退職金は994万円、大卒で定年まで勤めた場合は平均1091万円です。

また、一般的に勤続年数が長ければ長いほど、そして自己都合で退職するよりも会社都合で退職する方が、受け取れる退職金は多くなります。

※学校を卒業してすぐ入社した人が普通の能力と成績で勤務した場合の退職金水準|(調査産業計)

(参考:中小企業の賃金・退職金事情|東京都産業労働局


老後に必要な金額

生命保険文化センターの調査によると、夫婦二人の老後生活に最低限必要な生活費は月平均23.2万円です。また、老後に必要な最低限の生活費を「20〜25万円未満」と回答した人が全体の27.5%で、最も多い割合を占めています。

さらに、ゆとりある老後を送るためには、月平均で14.8万円が追加で必要です。つまり、最低限の生活費にゆとりを加えると、1ヶ月で約38万円が必要となります

どのような老後生活を送るかによって必要額は異なりますが、老後の収入は限られています。そのため、早めにセカンドライフに備えておく必要があるといえるでしょう。

(参考:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

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②預金した場合と資産運用した場合のシミュレーション

預金した場合と資産運用した場合のシミュレーション

お金を貯める手段として、預金と資産運用を比較してみましょう。

普通預金の金利が現在0.02%(※)であるとして、預金の場合の10年後の運用益はわずか3518円です。

次に資産運用の場合です。想定年率3%で試算をすると30年後の運用益は59万3546円になります。

両者の差は約59万円となり、同じ期間に同じ金額を貯めたとしても、運用方法によって大きく結果が異なることがわかります。

※参考:円預金金利  | 三菱UFJ銀行

注意点

ただし、投資にはリスクが伴うため、必ずしもシミュレーション通りに増えるとは限りません。投資リスクを理解したうえで慎重に取り組む必要があります。

資産運用を行うことでインフレ対策にもなる

資産運用を行うことでインフレ対策にもなります。資産運用は、通常の預金よりも高いリターンを目指せるため、インフレが進行しても資産の価値を守ることができます。

例えば、株式や債券、不動産などに投資することで、将来の物価上昇に対応しやすくなり、資産価値の維持や増加が可能です。

ただし、投資にはリスクが伴うため、自身のリスク許容度を考慮したうえで、適切な運用方法を選ぶことが重要です。

退職金の運用で失敗しないための注意点

大切な資産である退職金の運用は慎重に行う必要があります。運用で失敗しないためにも、以下の点に注意しましょう。

退職金をすべて運用に回さない

退職金をすべて運用に回すのは避けましょう。

資産運用に回したお金はすぐに現金化できるわけではありません。突然現金が必要になった時に対処できない可能性があります。

また、資産の価値は日々変動するため、使いたいと思ったタイミングで自分の資産が減ってしまっている可能性も考えられます。

緊急予備資金や生活防衛費として、最低でも生活費の半年分から1年分は現金で準備しておくようにしましょう。

収支状況を見ながら投資に回す金額を決める

収支の状況を見ながら、投資に回す金額を決めることも大切なポイントです。

ほとんどの場合、退職後の収支状況はそれまでと大きく異なります。また、これまでよりも自由に使える時間が増えるに伴って、支出も大きくなる可能性があります。

収支状況を総合的に見つつ、投資に充てる金額を設定するようにしましょう。

≫投資に充てる金額に悩んだらプロに無料相談

万が一のためのお金は預金で残しておく

万が一のためのお金は預金で残しておくことが大切です。

資産運用を行っている場合、金融商品によってはすぐに現金化できない、資産価値が日々変動するから使いたい時に減ってしまう可能性があります。

また、60代は冠婚葬祭、病気や事故による入院、家のリフォームや介護など、出費が増えやすくなり始める年代です。

運用でお金を増やすことだけではなく、万が一に備えてすぐに使えるお金を準備しておきましょう。

運用する商品は慎重に選ぶ

投資するお金は自分の大切な資産です。何となく決めたり、誰かに言われるがまま決めたり、何も考えずに運用商品を選ぶのは避けましょう。

投資は自己責任です。資産が増える可能性だけではなく、大きく減ってしまうリスクも伴います。

ポイントの解説

投資をする目的、投資金額、許容リスクなど、投資を行うまえに決めておくことで自分に合った運用商品を選ぶことができるでしょう。

リスク分散を意識して行う

投資する商品を多様化するだけでなく、投資するタイミングや地域も分散させることが重要です。

特定の商品や資産に集中投資すると、その商品の価値が急激に下がった場合には資産が大幅に減少するリスクがあります。

さらに資金が必要になった場合には、損失を受け入れながら資金を引き出すことになります。

ポイントの解説

特定の資産に偏った投資を避け、リスク分散を意識して投資を行いましょう。投資全体のリスクを抑えつつ、長期的な資産の安定性を確保することができます。

退職金の運用は「積立投資」と「一括投資」を組み合わせる

退職金を使って運用する場合は、「積立投資」と「一括投資」を上手に組み合わせて始めることを検討してみましょう。

積立投資は、毎月決まった金額をコツコツと投資する方法で、一括投資は、まとまったお金を一括で投資する方法です。

異なる投資の仕方を取り入れることで、リスクを分散してバランスの良い投資を行うことができます。

積立投資では「長期・積立・分散」を、一括投資ではできるだけリスクの小さい安定的な商品に投資することを意識しましょう。

退職金を運用するなら!おすすめの運用方法

退職金を運用する際におすすめの積立投資と一括投資について、投資のプロが解説します。

おすすめの積立投資:NISA

NISAとは

NISAとは国が推奨する少額投資非課税制度のことです。

通常、株や投資信託などで得た利益は課税対象となりますが、NISA口座を通して得た利益には税金がかからないメリットがあります。

2024年からNISAは新NISA(新しいNISA)として非課税で保有できる期間も無期限化され、より長期的な投資に適した制度になりました。

NISAでは年間360万円まで、生涯で最大1800万円までの投資ができます。投資可能期間も恒久化されたため、60歳以降も投資を続けることができます。

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おすすめの一括投資:債券

債券とは

債券とは、国や企業が投資家からお金を借りるために発行する「有価証券」と呼ばれるものです。

投資家は、お金を貸している期間中、定期的に利子を受け取ることができます。

利息の金利は、最初に決められた数値が原則満期まで変わらないため、比較的安定的な運用に位置付けられています。

また、あらかじめ債券には満期が設定されており、満期を迎えると貸していたお金は返ってくるという仕組みになっています。

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参考)60代以降の種類別金融資産保有額

60代の種類別金融商品保有額

60代と70代の種類別金融商品保有額のうち、最も多い金額を占めているのが預貯金です。

また、どちらの年代も預貯金に次いで、株式、生命保険、投資信託の順に保有額が多くなっています。

ポイントの解説

老後のための資産として預貯金をしっかり残しつつ、他の金融商品で運用を行っていることがわかります。

参考)老後の資産形成の私的準備状況

2023年におけるアンケートでは、老後の資産形成について「準備している」と答えた方が全体の80%を占めていました。

また、準備している資産の内訳は、預貯金が最も多く約70%、次いで個人年金や終身保険などの生命保険が割合を占めています。

60代以降になると、老後の資産形成の準備として元本割れリスクのない預貯金が優先されていることがわかります。

(参考:2023年度ライフマネジメントに関する高年齢層の意識調査|生命保険文化センター

運用で失敗しないためには専門家に相談がおすすめ

運用で失敗しないために、投資経験のある専門家にきちんと相談することをおすすめします。

ポイントの解説
  • 数多くある金融商品の中でどれを選択するのか
  • 貯蓄と投資に回す金額のバランスをどうするべきか
  • 資産運用の目的

投資を始めるにあたって考えるべきことは、上記を含めて多岐にわたります。

一人で悩まずに自分の資産状況やいつまでにどれくらい貯めたいかなどを専門家に相談し、自分に合った資産運用を始めましょう。

退職金の運用の相談先

退職金の運用の相談ができる金融機関は、主に「銀行・証券会社・IFA」が挙げられます。

いずれの金融機関においても、NISAやiDeCoを初めとした投資信託を活用した積立投資や、債券を活用した一括投資の相談を行うことができます。

それぞれの金融機関によって取り扱いのある商品が異なります。退職金の運用を検討する場合は以下の各金融機関の特徴をおさえつつ、比較検討しましょう。

銀行

銀行の主な役割は、顧客の預金を安全に管理し、顧客の生活向上に向けた金融サービスを提供することです。

銀行は顧客が生活に関わるお金全般の問題に対応し、ワンストップで相談できる体制を整えています。

銀行で相談できる資産運用の種類としては、「NISAやiDeCoなどの投資信託・国債などの債券」がメインに挙げられます。直接銀行に出向き、専用の窓口で相談を行うことができます。

自分の大切な退職金の使い道をきちんと対面で相談したい人におすすめです。

証券会社

証券会社の主な役割は顧客の資産を運用することです。そのため、顧客は資産を増やすために証券会社に口座を保有することになります。

証券会社で相談できる資産運用の種類としては、銀行と同様に「NISAやiDeCoなどの投資信託・国債や社債などの債券」に加え「株式」も含まれます。

証券会社は銀行と比べると豊富な金融商品と情報を提供でき、よりリスク性の高い金融商品も選択できます。

IFA

IFAは「Independent Financial Advisor」の略称で、日本では「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれています。

IFAは特定の金融機関(証券会社や銀行など)に所属していません。そのため、さまざまな金融機関の商品を扱うことができるため、商品知識が豊富です。独立した立場で談者のニーズに合った商品を提案することができます。

さまざまな商品の中から自分に合った商品の比較や提案を行ってくれるため、安心して相談できるでしょう。

おすすめの相談先は「IFA」

お金の総合的な相談ならIFAがおすすめ

退職金の運用に関するおすすめの相談先は「IFA」です。

IFAは特定の金融機関(証券会社・銀行など)に所属していないため、独立した立場でさまざまな金融商品の具体的な案内や取次ぎが可能となります。

銀行や証券会社のアドバイザーと比較すると、総合的なアドバイスをしてもらえるでしょう。

IFAになるためには、証券外務員資格を保有し、日本証券業協会に登録する必要があります。知識や経験が豊富なIFAに相談できるのは、相談者にとってもメリットといえます。

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マネイロは退職金の運用を始める前も始めた後もしっかりサポート

マネイロコンシェルは、お客様のニーズや悩み、老後や教育資金に関する問題など、お金にまつわるさまざまな相談に対応するプロフェッショナルです。

銀行、証券会社、保険会社など、金融機関出身者が在籍し、投資信託や保険商品などの取扱資格を持ち、ワンストップで総合的なアドバイスが可能です。

相談者に合った投資信託や保険などのプランを提案し、各商品のメリットやデメリットについても詳しくご案内します。

資産運用が始まった後も、運用に関するアドバイスなど、しっかりとしたサポートを受けることができます。

まとめ:退職金の運用はプロに相談するのがおすすめ

退職金の運用に関して、まずは専門家に相談することをおすすめします。最近ではインターネット上で多くの動画やウェブサイトから情報を得ることができますが、それらの情報が自分に適しているとは限りません。

資産運用は目的、運用期間、現在の資産状況、リスク許容度などをあらかじめ決めておくことで、自分に適した商品を選ぶことができます。

また、万人に適した金融商品は存在しないため、自分に最適な商品を見極めるためには、運用経験のある専門家のアドバイスも参考にしましょう。

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監修者
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

執筆者
荻野 樹
  • 荻野 樹
  • ファイナンシャルアドバイザー

大阪市立大学経済学部卒業後、教育業界を経て、メットライフ生命保険株式会社、株式会社ほけんのぜんぶ入社。生命保険販売を通じ、FPとして主に子育て世代の資産形成や老後資金準備に関するコンサルティングを行う。専門用語を使わず丁寧で分かりやすいアドバイスが強み。現在は個人向け資産運用のサポート業務を行う。AFP(Affiliated Financial Planner)、一種外務員(証券外務員一種)、宅地建物取引士の資格を保有。

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