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貯金用口座は何がおすすめ?主な種類や選ぶための6つの基準を解説

貯金用口座は何がおすすめ?主な種類や選ぶための6つの基準を解説

貯蓄2025/11/13
  • #初心者向け

≫将来の貯金は十分?あなたの必要額を3分で診断

「なかなか貯金ができない」と悩みを抱えていませんか?貯金に失敗する最大の原因は、「余ったら貯金しよう」という考え方にあります。

本記事では、貯金用口座の選び方のポイントから、意志が弱くても「自動でお金が貯まる仕組み」の作り方まで解説します。この記事を参考に、最適な口座の見つけ方を理解し、お金が貯まらない悩みから解放される「仕組み」を手に入れましょう。

この記事を読んでわかること
  • 貯金用口座を分けるメリットと、貯金用口座に適した具体的な口座の種類
  • 失敗しない貯金用口座を選ぶための6つの重要な基準
  • 意志が弱くても確実に目標額を達成できる「先取り貯金」の自動化手順


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お金を貯める第一歩は「貯金用口座」を分けること

貯金ができない大きな理由に、生活費と貯金がごちゃごちゃになり、貯める習慣が身につかない、というものが挙げられます。貯金する分が明確になっていないため「余ったら貯金しよう」という考えになり、失敗してしまうのです。

貯金用口座こそ、「余ったら貯金」を改善するカギ

「余ったら貯金」という考え方では、毎月の支出をコントロールする強い意志力が必要になります。しかし、人間は誘惑に弱く、急な出費や欲しいものを見つけた際に「今月はこれくらい使っても大丈夫だろう」と判断してしまいがちです。

その結果、貯金に回せるはずだったお金が、生活費や娯楽費に消えてしまい、給料日が来るたびにまたゼロからスタートすることになってしまいます。貯金を成功させるには、意志力に頼るのではなく、仕組みの力に頼ることが重要です。そして、そのカギになるのが「貯金用口座」を別で用意することです。

貯金用口座を用意するメリット

生活費口座と貯金用口座を分けることは、単なる資金の移動以上の、心理的・実務的なメリットをもたらします。

家計の収支が明確化(見える化)できる

貯金用口座と生活費口座を分けることで、それぞれの口座の目的が明確になります。生活費口座には毎月必ず必要な金額だけを残し、それ以外の「純粋な貯金」を貯金用口座に移すことで、毎月の真の支出純粋な資産形成額が明確に分かります。

これにより、無駄な支出を把握しやすくなり、家計の収支を正確に見える化(明確化)できます。

貯金を「聖域化」でき、無駄遣いを防げる

貯金用口座に移したお金は、家計簿上の数字としてではなく、物理的に隔離された「聖域」となります。この口座のお金を引き出す際には、手間がかかるため、「本当にこの出費は必要か」と立ち止まって考える機会が生まれます。

生活費と混ざっていると簡単に使ってしまうお金も、別の口座にあることで、心理的なブレーキが働き、無駄遣いを効果的に防ぐことができます。

目的意識が明確になり、貯金が継続しやすくなる

貯金用口座を、漠然とした「将来のお金」ではなく、「マイホーム資金」「旅行費用」「教育費」といった特定の目的と結びつけることで、貯金に対する目的意識が明確になります。

目的が明確になると、貯金が単なる我慢ではなく、夢や目標を実現するための手段に変わり、モチベーションが維持されやすくなります。これにより、貯金を継続することが容易になります。


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貯金用口座の種類と特徴|普通・貯蓄・定期の違い

貯金用口座を選ぶ際、まずはそれぞれの預金の種類が持つ特徴を理解することが重要です。

普通預金

普通預金は、もっとも流動性が高い(いつでも引き出しや振り込みができる)預金形態です。主に給与の受け取りや、家賃・公共料金の引き落としなど、日常的な決済に利用されます。

利息(金利)は低い傾向にありますが、急な資金ニーズに対応できるため、緊急予備資金や流動性の高い短期目標の資金保管に適しています。

貯蓄預金

貯蓄預金は、普通預金と同様にいつでも引き出しが可能ですが、公共料金の自動引き落としやクレジットカード決済など、決済機能は付いていないことが一般的です。 かつては普通預金より金利がやや高く設定されていることが多かった預金ですが、2025年11月現在、メガバンクでは新規停止もしくは普通預金との金利差はありません。

ネット銀行の優遇金利が適用された普通預金のほうが金利が高いケースが多く、お金のやり取りの多くをオンラインで行うようになった近年では特に貯蓄預金の優位性は限定的になっています。

定期預金

定期預金は、一定期間(数ヶ月〜数年)お金を預けることを約束する預金形態です。この期間中は原則として引き出すことができず、もし中途解約する場合には、当初の約束よりも低い金利が適用されます。

その代わりに、普通預金や貯蓄預金と比較して高い金利が適用されるのが特徴です。満期日が明確な、大きな貯金目標(例:数年後の住宅購入頭金)に適しています。

目的別口座(機能)

目的別口座(機能)とは、1つの普通預金口座の中で、資金を「旅行」「家電購入」などの名目で仮想的に仕分けして管理できる機能です。

これは、口座そのものを複数開設するのではなく、口座内の資金を目的別に管理するための機能であり、流動性は高いまま維持されます。特にネット銀行で提供されていることが多く、複数の貯金目的を整理して管理したい場合に非常に便利です。

失敗しない貯金用口座の選び方6つの基準

貯金用口座を選ぶ際は、以下の6つの基準を総合的に評価することが、失敗を防ぐ鍵となります。

1. 金利(普通預金・定期預金)

金利は、口座に預けたお金が増えるスピードに直結するため、非常に重要な要素です。

マイナス金利政策は解除されたものの、依然として低金利環境は続いています。一方で銀行間での金利差は広がっており、特にネット銀行や、特定の条件(給与振り込み、証券口座連携など)を満たすことで優遇金利が適用される銀行を選ぶ有利な条件で預金ができます。

銀行によっては、普通預金でもメガバンクの定期預金並み、あるいはそれ以上の金利(例:年0.5%以上)を提供している場合があります。高い金利の口座を選ぶことで、同じ金額を預けていても将来受け取る利息が大きく変わってきます。

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2. 自動入金・自動積立(振替)機能

貯金を成功させるために、もっとも重要な機能の1つが「自動積立(振替)機能」です。これは、給与が振り込まれた直後など、あらかじめ設定したタイミングで、生活費口座から貯金用口座へ自動で資金を移動させる機能です。

利用することで「先取り貯金」が手間なく、確実に実行できます。この機能の有無と、手数料が無料であるかをチェックしましょう。

3. 手数料(ATM利用・他行振込)

貯金の効率を下げてしまうのが各種手数料です。ATM利用手数料や、他行への振込手数料が発生すると、せっかく得た利息が手数料で相殺されてしまうことがあります。

特に、生活費口座から貯金用口座へ資金を移動させる際や、積立投資のために証券口座へ振り込む際など、他行振込手数料の無料回数が多い銀行を選ぶことが、長期的にみて貯蓄効率を高めます。

4. 目的別管理機能の有無

貯金の目的を明確にすることは継続の大きなポイントになります。目的別管理機能(またはそれに代わるサブ口座機能)があれば、口座を多数作ることなく、1つの銀行内で「旅行資金」「車購入資金」など複数の目標に資金を割り当てて管理できます。

これにより、どの目標に対してどれだけ貯まっているか、残高の見える化が容易になります。

5. 安全性(預金保険制度)

銀行が破綻した場合に預金者を保護する制度が預金保険制度(ペイオフ)です。この制度により、普通預金、定期預金などは合算して元本1000万円とその利息が保護されます。

これ以上の大金を1つの金融機関に預ける場合は、リスク分散のために複数の金融機関に分けて預けることを検討する必要があります。多くの日本の銀行は安全性が高いですが、この制度の範囲内であることを確認しておくことが、安心につながります。

6. 資産運用への連携

貯金(預金)だけでなく、NISAなど将来の資産運用を見据える場合、証券口座との連携(自動入金やスイープ機能)がスムーズか、手数料が無料かも重要な判断基準です。預金金利の優遇条件が「証券口座との連携」となっている銀行も多く、貯金と投資をシームレスに行える環境を選ぶことが合理的です。

貯金用口座で実践したい「先取り貯金」自動化の手順

意志に頼らず、自動で確実にお金を貯めるための「先取り貯金」自動化の手順は以下の3ステップです。

ステップ1:貯金の「目的」と「目標額・期限」を明確にする

まずは「何のために」「いつまでに」「いくら貯めたいか」を具体的に設定します。例えば、「3年後の海外旅行のために150万円」のように、具体的な目的、目標額、期限を設定することが重要です。

目的が曖昧だと途中で挫折しやすくなりますが、具体的であるほど、資金移動を設定する際のモチベーションになります。

ステップ2:毎月の「先取り貯金額」を決定する

目標額と期限から、毎月いくら貯金する必要があるかを逆算します。例えば、目標額が150万円、期限が3年(36ヶ月)の場合、毎月貯めるべき金額は、150万円 ÷ 36ヶ月 = 4万1666円となります(小数点以下切り捨て)。

この金額を生活費口座から差し引いても生活が回るかを確認し、実現可能な範囲で決定しましょう。

ステップ3:「給料日当日」に自動で資金移動する設定を行う

ステップ2で決定した金額を、給料日が振り込まれた当日、あるいはその翌日に、生活費口座から貯金用口座へ自動で振り替える設定を行います。

自動振替機能を利用すれば、自分で意識することなく、毎月必ず貯金が実行されます。この「先取り貯金」の仕組みこそが、もっとも強力な貯金成功の秘訣です。

貯金用口座に関するQ&A

貯金用口座に関するよくある質問にQ&A形式で回答します。

Q. 貯金口座は生活費口座と絶対に分けたほうがいい?

はい、貯金習慣をつける上では、分けたほうが賢明です。生活費口座と貯金用口座を分けることで、家計の「見える化」が進み、貯金を「聖域化」できるためです。

1つの口座にすべてのお金が入っていると、残高がすべて「使えるお金」だと錯覚し、無駄遣いを誘発しやすい傾向があります。口座を分けるだけで、無意識の出費を防ぐ効果が期待できます。

Q. 貯金用口座は何個も作っていい?

複数の目的がある場合、貯金用口座を複数持つことは有効です。例えば、「緊急予備資金用」「中期目標用(車など)」「長期目標用(住宅資金)」など、目的や流動性に応じて3〜4個に分けるのはおすすめです。

注意点

ただし、管理が煩雑になりすぎると逆効果になるため、目的別管理機能を使って1つの銀行内で仕分ける方法も検討しましょう。

Q. 1年で100万円貯めるには月いくら貯めればいい?

1年(12ヶ月)で100万円を貯める場合、平均して月に8万3333円(100万 ÷ 12 = 83333.33...、小数点以下切り捨て)を貯金する必要があります。この金額を毎月の給料から捻出できるか確認し、無理のない範囲で目標設定を行うことが重要です。

Q. 家族名義で貯金用口座を作ることはできる?

口座開設は、原則として口座名義人本人が行う必要があります。例えば、夫の資金を妻の名義で口座開設することはできません。これは、名義貸しや贈与税の問題に関わるためです。

未成年者の口座開設や、家族カードの利用など、家族間の資金管理には別の方法があり、金融機関によっても異なるため、詳細は個別に確認するとよいでしょう。

まとめ

貯金を成功させるためには、強い意志ではなく、「仕組み」を整えることがもっとも重要です。

貯金用口座を選ぶ際は、まず生活費口座と分けること、そして以下の6つの基準に沿って選定することが成功への近道です。

  1. 金利:少しでも高い金利の銀行を選ぶ
  2. 自動入金・積立機能:先取り貯金を自動化できるか
  3. 手数料:ATMや振込手数料の無料回数が多いか
  4. 目的別管理機能:資金の「見える化」ができるか
  5. 安全性:ペイオフ(預金保険制度)の範囲内か
  6. 資産運用への連携:証券口座との連携がスムーズにできるか

最適な貯金用口座を見つけ、さらに給料日当日に自動で資金移動する「先取り貯金」の仕組みを構築すれば、自分でも意識することなく、着実に資産を増やす「貯金の習慣」を身につけることができるでしょう。

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監修
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

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執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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