
貯金1000万円を超えたら税金がかかる?税務署の調査やペイオフ対策を解説
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「貯金が1000万円を超えたら、税金はかかるの?」「税務署に目をつけられるのでは?」といった不安をお持ちではありませんか?
1000万円という大きな節目を達成したからこそ、お金の管理について新たな疑問や不安が出てくるのは自然なことです。
本記事を読めば、貯金1000万円と税金の関係性が明確になり、大切な資産を守るための具体的な行動がわかります。正しい知識を身につけ、賢い資産管理を始めましょう。
- 貯金1000万円にかかる税金の基本
- 税金よりも注意すべき2つのリスク
- 今すぐ始めるべき3つの資産防衛策
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貯金1000万円を超えても「預金そのもの」に税金はかからない
まず結論からお伝えすると、銀行口座に1000万円の貯金があるという事実だけで、税金が課されることはありません。
日本の税制度では、個人の預貯金の残高そのものに対して課税する仕組みは存在しないためです。あくまで課税対象となるのは、資産から生じる「利益」に対してです。
したがって、「1000万円を超えたから税金を払わなければならない」という心配は不要です。ただし、その預金から生まれる「利息」には税金がかかるため、その仕組みを正しく理解しておく必要があります。
「利息」には20.315%の税金がかかる
預金そのものではなく、預金によって得られる「利息」は「利子所得」として課税対象になります。適用される税率は、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせて合計20.315%です。
例えば、1000万円を年利0.5%の定期預金に1年間預けた場合、税引き前の利息は5万円です。その5万円に対して20.315%の税金(1万157円)がかかるため、実際に受け取る利息は約3万9843円となります。
その税金は、利息が支払われる際に金融機関によって自動的に天引き(源泉徴収)される「源泉分離課税」という方式が取られています。そのため、預金の利息について自分で確定申告を行う必要は基本的にありません。
1000万円を超えたら注意すべき「税金以外」の注意点
貯金1000万円を超えたとき、多くの人が税金を気にしますが、実はそれ以上に注意すべき重要なポイントが2つあります。それは「ペイオフ制度の上限」と「インフレによる資産価値の目減り」です。
これらは、何もしなければ大切な資産がリスクに晒されることを意味します。税金の知識と合わせて、これらのリスク管理についても理解を深めていきましょう。
1. ペイオフ(預金保険制度)の上限は「元本1000万円まで」
ペイオフ(預金保険制度)とは、万が一金融機関が破綻した場合に、預金者の資産を保護するための制度です。しかし、その保護には上限があります。
具体的には、1つの金融機関につき、預金者1人あたり元本1000万円とその利息までが保護の対象となります。つまり、同じ銀行に1500万円を預けていた場合、破綻すると超過分の500万円は全額戻ってこない可能性があります。
1000万円という金額は、ペイオフ制度における重要な境界線です。その金額を超えた預金がある場合、資産を守るための対策が必須となります。
2. 税金よりも怖い?インフレによる「資産価値の目減り」
税金以上に深刻なリスクとなり得るのが、インフレ(インフレーション)による資産価値の目減りです。インフレとは、物やサービスの価格が上昇し、相対的にお金の価値が下がることです。
例えば、年間のインフレ率が2%の場合、現在1000万円で買えるものが、1年後には1020万円出さないと買えなくなります。これは、あなたの1000万円の「購買力」が実質的に980万円程度に減少したことを意味します。
現在の日本のメガバンクの普通預金金利は年0.2%程度と低く、インフレ率を下回っています。つまり、銀行に預けているだけでは、資産の額面は変わらなくても、その価値は時間とともに確実に減っていきます。その「静かなるリスク」への対策は、1000万円というまとまった資産を持つ人にとって喫緊の課題といえます。
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「1000万円超えると銀行から電話が来る」「税務署にバレる」は本当?
貯金が1000万円を超えると、「銀行から特別な連絡が来るのでは?」「税務署に資産状況が筒抜けになるのでは?」といった噂を耳にすることがあります。これらの疑問について、専門家の視点から事実を解説します。
銀行からの電話は「資産運用のセールス」がほとんど
貯金が1000万円を超えたタイミングで、銀行から電話がかかってくることは実際にあります。しかし、その主な目的は税務調査などではなく、投資信託や保険、外貨預金といった金融商品の提案、つまり「資産運用のセールス」です。
銀行にとって、まとまった預金を持つ顧客は、金融商品を販売する上で優良な見込み客となります。そのため、より高いリターンが期待できる商品を提案し、預金から投資へと資金を動かしてもらおうとアプローチしてくることがあります。
提案される商品が必ずしも悪いわけではありませんが、銀行側の利益(手数料)が大きい商品である可能性も考慮する必要があります。電話があった際は、すぐに決断せず、提案内容を冷静に検討する姿勢が欠かせません。
税務署が動くのは「相続」や「不自然な大金の移動」があった時
貯金が1000万円を超えたからといって、即座に税務署に把握されるわけではありません。税務署が個人の預金残高を常に監視しているわけではないからです。
しかし、税務署が口座情報を調査するケースは存在します。それは主に、相続税の申告内容を確認する「税務調査」のタイミングです。亡くなった方の財産を調査する過程で、相続人(家族など)の口座に不自然な大金の移動がないかを確認します。
例えば、以下のようなケースが注目されます。
- 名義預金:親が子供や孫の名義で口座を作り、実質的に親が管理している預金。これは親の財産とみなされ、相続税の対象となります。
- 生前贈与の申告漏れ:年間110万円を超える贈与があったにもかかわらず、贈与税の申告がされていない場合。
税務署は、個人の資産が増えたこと自体を問題視するのではなく、資産が移動する際に発生する「相続税」や「贈与税」が正しく申告・納税されているかを注視しています。
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貯金1000万円を超えたらやるべき3つの資産防衛策
貯金1000万円という節目は、これまでの「貯める」ステージから、資産を「守り、育てる」ステージへの移行を意味します。税金そのものよりも深刻なペイオフやインフレのリスクから大切な資産を守るため、具体的な3つの防衛策を実行しましょう。
1. 金融機関(口座)を複数に分けてペイオフ対策
基本的かつ重要な対策が、預金口座を複数の金融機関に分散させることです。前述の通り、ペイオフ制度で保護されるのは1金融機関あたり元本1000万円とその利息までです。例えば、1200万円の預金がある場合、以下のように分けることで全額が保護対象となります。
- A銀行の口座:900万円
- B銀行の口座:300万円
その対策により、万が一銀行が破綻しても、預けている資産は全額保護されます。同一銀行内で複数の支店に口座を分けても合算されてしまうため、必ず異なる金融機関(銀行、信用金庫など)に分散することがポイントです。
また、どうしても1つの銀行にまとめておきたい場合は、「決済用預金(利息が付かない普通預金)」を利用する方法もあります。これは利息がつかない代わりに、ペイオフの上限なく全額が保護される預金です。管理の手間と安全性のバランスを考えて選びましょう。
2. NISA・iDeCoで「非課税」の恩恵を受ける
インフレによる資産価値の目減りを防ぐには、資産運用が有効な選択肢となります。その際、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度を最大限に活用することが肝となります。
通常、投資で得た利益(運用益)には約20%の税金がかかりますが、これらの制度を利用すれば非課税になります。
- NISA:年間最大360万円まで投資可能で、得られた利益が非課税になります。いつでも引き出し可能で柔軟性が高いのが特徴です。
- iDeCo:老後資金準備に特化した制度で、掛金が全額所得控除になるため、毎年の所得税・住民税を軽減できます。運用益も非課税ですが、原則60歳まで引き出せません。
これらの制度は、税金の負担なく複利効果を享受できるため、効率的に資産を増やす上で強力なツールです。まずは少額からでも、非課税の恩恵を受けながら資産運用を始めることを推奨します。
3. 個人向け国債(変動10年)で安全に増やす
「投資はリスクが怖いけれど、銀行預金よりは有利な条件で資産を守りたい」と考える方には、個人向け国債が適しています。これは日本政府が発行する債券で、安全性が高い金融商品です。
推奨されるのが「変動10年」タイプです。
- 元本保証:満期まで保有すれば、国が元本の返済を保証します。
- 金利上昇への対応:半年ごとに適用金利が見直されるため、世の中の金利が上がれば、国債の利回りも自動的にアップします。金利上昇局面では、固定金利の定期預金よりも有利になる可能性があります。
- 最低金利保証:万が一金利が大きく下がっても、年率0.05%の最低金利が保証されているため安心です。
株式投資のような大きなリターンは期待できませんが、ペイオフの対象外となる1000万円を超える資金を、銀行預金よりも安全かつ有利に置いておくための有力な選択肢となります。
1000万円は「相続税・贈与税」の対象になる?
貯金1000万円そのものに税金はかかりませんが、その資産を誰かに渡したり、誰かから受け継いだりする際には「贈与税」や「相続税」が発生する可能性があります。これらの税金は、資産が移動するタイミングで課税されるものです。基本的な仕組みを理解し、将来のトラブルを避けましょう。
相続税の基礎控除について
相続税は、亡くなった方の遺産総額が一定の金額(基礎控除額)を超える場合に課税されます。基礎控除額は以下の計算式で算出されます。
基礎控除額 = 3000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
法定相続人とは、法律で定められた遺産を相続する権利のある人(配偶者や子など)のことです。
例えば、法定相続人が配偶者と子供2人の合計3人だった場合、基礎控除額は「3000万円 + (600万円 × 3人) = 4800万円」となります。
その場合、遺産の合計額が4800万円以下であれば、相続税はかかりません。したがって、他にめぼしい財産がなく、1000万円の貯金だけが遺産である場合、ほとんどのケースで相続税の心配は不要です。
家族へ移すなら「暦年贈与」を活用
生きているうちに家族へ資産を移したい場合は「贈与」という形になり、贈与税の対象となります。贈与税には「暦年贈与」という仕組みがあり、1人あたり年間110万円までの贈与であれば税金がかかりません。
その非課税枠を活用すれば、税金の負担なく計画的に資産を移すことが可能です。例えば、1000万円を子供1人に非課税で贈与したい場合、毎年110万円ずつ贈与すれば、約9年で完了します。贈与する相手が2人いれば、期間は半分になります。
暦年贈与に関する重要な注意点
ただし、暦年贈与には2つの重要な注意点があるため、しっかり確認しておきましょう。
1つ目は「定期贈与」とみなされるリスクです。毎年同じ時期に同額を贈与すると、最初からまとまった額を渡す約束だったと判断され、課税される恐れがあります。都度契約書を作成するなどの対策が必要です。
2つ目は「相続前贈与の持ち戻し期間の延長」です。
2024年の制度改正により、亡くなる前の贈与を相続財産に足し戻して計算する期間が、従来の「3年」から段階的に「7年」へと延長されることになりました。
注意が必要なのは、これが「2024年1月1日以降の贈与」から適用される点です。2025年現在はまだ移行期間中ですが、将来的に2031年を迎える頃には、完全な「7年間」の持ち戻し期間が適用されるようになります。
つまり、将来に向けて「駆け込み贈与」で節税効果が得られない期間が長くなっていくことは確実です。暦年贈与で対策を行う場合は、今まで以上に「早めのスタート」と「健康なうちからの計画的な実行」が求められます。
貯金1000万円と税金に関するQ&A
ここでは、貯金1000万円と税金に関してよく寄せられる質問について、Q&A形式で簡潔にお答えします。
Q. 口座に1000万あったら税金はかかりますか?
かかりません。日本の税制度では、預貯金の残高そのものに課税されることはありません。ただし、その預金から生じる「利息」に対しては、20.315%の税金(所得税・住民税など)が源泉徴収(天引き)されます。
Q. 預金が1000万円を超えたら確定申告は必要?
基本的に不要です。銀行預金の利息にかかる税金は、利息が支払われる際に金融機関が自動的に天引き(源泉徴収)しています。これは「源泉分離課税」という仕組みのため、ご自身で確定申告をする必要はありません。
Q. 貯金が1000万円を超えると銀行から電話がくる理由は何ですか?
資産運用の提案(セールス)が主な目的と考えられます。銀行は、まとまった資金を持つ顧客に対して、投資信託や保険といった金融商品を提案したいと考えています。税務調査などが目的ではありませんので、冷静に対応し、提案内容を慎重に検討することが大切です。
Q. 預金1000万円を超えたら複数口座に分けたほうがいい?
複数口座に分けるのがおすすめです。万が一金融機関が破綻した場合に預金を保護する「ペイオフ制度」の上限は、1金融機関あたり元本1000万円とその利息までです。資産を守るため、1つの金融機関の預金額が1000万円を超えないように、複数の金融機関に口座を分散させましょう。
まとめ
貯金1000万円を達成しても、預金そのものに直接税金がかかるわけではありません。課税対象となるのは、あくまで預金から生じる「利息」部分のみです。
しかし、1000万円という節目は、税金以上に重要な2つのリスク、「ペイオフ制度の上限」と「インフレによる資産価値の目減り」に目を向けるべきタイミングです。
これらのリスクから大切な資産を守るためには、以下の行動が不可欠です。
- 預金を複数の金融機関に分散し、ペイオフ対策を徹底する
- NISAやiDeCoなどの非課税制度を活用し、インフレに負けない資産運用を検討する
1000万円はゴールではなく、資産を「守り、育てる」ための新たなスタートラインです。重要なのは、その1000万円をどう使う予定なのかを整理することです。
すべて預金で持ち続けるべきか、一部を別の形で備える余地があるのかは、人によって異なります。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
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