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特別支給の老齢厚生年金のデメリットとは?損しないための受給判断と対処法

特別支給の老齢厚生年金のデメリットとは?損しないための受給判断と対処法

年金2026/08/05
  • #会社員
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特別支給の老齢厚生年金」の案内が届いたものの、受け取ると何かデメリットがあるのではないかと不安に感じていませんか。

65歳前に年金がもらえるのは魅力的ですが、働き方によっては年金が減額されたり、税金の負担が増えたりする可能性があります。

本記事では、特別支給の老齢厚生年金のデメリットや注意点を網羅的に解説します。制度を正しく理解し、自身にとって最適な選択をするために、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を読んでわかること
  • 特別支給の老齢厚生年金は、働きながらだと収入に応じて減額・停止される可能性がある
  • 年金収入が増えることで、所得税や社会保険料の負担が増える場合がある
  • 繰下げ受給はできず、請求しないと5年の時効で権利が消滅するため、早めの手続きが重要


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特別支給の老齢厚生年金とは

特別支給の老齢厚生年金は、本来65歳から支給される老齢厚生年金を、特定の条件を満たす人が60歳から64歳の間に前倒しで受け取れる制度です。

これは、過去の法改正で厚生年金の支給開始年齢が60歳から65歳へ段階的に引き上げられた際の経過措置として設けられました。そのため、対象となる生年月日が定められており、将来的には廃止される制度です。

この制度は、65歳になるまでの収入の空白期間を埋める「橋渡し」の役割を担っています。

(参考:特別支給の老齢厚生年金 | 日本年金機構

特別支給の老齢厚生年金の支給要件

特別支給の老齢厚生年金を受給するためには、以下のすべての要件を満たす必要があります。

  • 生年月日要件:男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれていること
  • 老齢基礎年金の受給資格期間:保険料の納付済期間や免除期間などを合算して10年以上あること
  • 厚生年金保険の加入期間:厚生年金保険または共済組合に1年以上加入していたこと
  • 年齢要件:生年月日と性別に応じて定められた受給開始年齢に達していること

これらの条件をすべて満たした人が、65歳になるまでの間、特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができます。

生年月日・性別別の支給開始年齢【早見表】

特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢は、生年月日と性別によって段階的に引き上げられています。自身の生年月日がどの区分に該当するか、以下の表で確認してみましょう。

【男性の受給開始年齢】

生年月日

報酬比例部分の開始年齢

報酬比例部分の開始年齢

昭和28年4月1日以前

報酬比例部分の開始年齢

60歳

昭和28年4月2日~昭和30年4月1日

報酬比例部分の開始年齢

61歳

昭和30年4月2日~昭和32年4月1日

報酬比例部分の開始年齢

62歳

昭和32年4月2日~昭和34年4月1日

報酬比例部分の開始年齢

63歳

昭和34年4月2日~昭和36年4月1日

報酬比例部分の開始年齢

64歳

昭和36年4月2日以降

報酬比例部分の開始年齢

対象外

【女性の受給開始年齢】

生年月日

報酬比例部分の開始年齢

報酬比例部分の開始年齢

昭和33年4月1日以前

報酬比例部分の開始年齢

60歳

昭和33年4月2日~昭和35年4月1日

報酬比例部分の開始年齢

61歳

昭和35年4月2日~昭和37年4月1日

報酬比例部分の開始年齢

62歳

昭和37年4月2日~昭和39年4月1日

報酬比例部分の開始年齢

63歳

昭和39年4月2日~昭和41年4月1日

報酬比例部分の開始年齢

64歳

昭和41年4月2日以降

報酬比例部分の開始年齢

対象外

表からわかるように、女性の支給開始年齢は男性よりも5年遅れて引き上げられています。

また、かつては「定額部分」も支給されていましたが、制度改正から時が経過して現在は原則として「報酬比例部分」のみの支給となっています。また、昭和36年4月1日以前生まれの男性は既に65歳に到達しているため、特別支給の老齢厚生年金を受給している男性はいなくなりました

繰上げ受給との違い【よくある誤解】

特別支給の老齢厚生年金は、65歳より前に年金を受け取れる制度ですが、これは年金の「繰上げ受給」とは全く異なる制度です。

ポイントの解説

繰上げ受給は、本来65歳から受け取る老齢基礎年金や老齢厚生年金を、本人の希望によって60歳から64歳の間に前倒しで受け取る制度です。早く受け取る代わりに、請求した時期に応じて年金額が減額され、減額率は生涯続きます。

一方で、特別支給の老齢厚生年金は、法改正に伴う経過措置です。対象者が受給しても、65歳から受け取る本来の老齢基礎年金や老齢厚生年金が減額されることはありません。

「早くもらうと損をする」という繰上げ受給のイメージから、特別支給の老齢厚生年金の請求をためらうケースがありますが、これは誤解です。

両者は全く別の制度であることを理解しておきましょう。

特別支給の老齢厚生年金のデメリット・注意点

特別支給の老齢厚生年金は、65歳までの収入を支えるメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点が存在します。働きながら受給する場合や、他の公的給付との関係で影響が出ることがあります。

知らずに手続きを進めてしまうと、「思ったより手取りが増えない」「損をしてしまった」と感じる可能性もあります。

具体的には特別支給の老齢厚生年金のデメリットは以下のとおりです。

  • 働きながらだと年金が減額・停止される:60歳以降も厚生年金に加入して働く場合、給与と年金の合計額が基準を超えると、在職老齢年金の仕組みにより年金が減額・停止されることがある。
  • 税金・社会保険料の負担が増える:特別支給の老齢厚生年金は雑所得として課税対象になり、所得税・住民税や国民健康保険料などが増える可能性がある。
  • 繰下げ受給による増額ができない:特別支給の老齢厚生年金は繰下げ受給の対象外のため、請求を遅らせても将来の年金額は増えない。
  • 失業保険と同時に受け取れない:雇用保険の基本手当を受け取る場合、特別支給の老齢厚生年金は原則として全額支給停止となる。
  • 請求しないと受け取れず、5年で時効になる:受給資格があっても自動では支給されず、請求が遅れると5年の時効により一部を受け取れなくなる可能性がある。

①働きながらだと年金が減額・停止される(在職老齢年金/2026年4月〜基準65万円)

60歳以降も厚生年金に加入しながら働くと、基本月額と総報酬月額相当額の合計額に応じて年金が減額または支給停止される「在職老齢年金」という仕組みがあります。

  • 基本月額:老齢厚生年金の報酬比例部分の年額を12で割った金額(加給年金額と経過的加算は除く)
  • 総報酬月額相当額:当該月の標準報酬月額(月給)と、当該月以前1年間の標準賞与額の合計を12で割った金額の合計

60歳から64歳までの間は、合計額が一定の基準額を超えると、超えた額の2分の1が年金から減額されます。この基準額は、2026年度(令和8年度)は65万円ですが、毎年度改定されます。

例えば、基本月額が15万円、総報酬月額相当額が55万円の場合、合計は70万円です。2026年度の基準額65万円を5万円超えるため、超えた額の半分である2万5000円が年金から減額されます。

高収入の場合は年金の全額が支給停止になるケースもあり、働き方によっては年金を受け取るメリットが小さくなる可能性があります。

②税金・社会保険料の負担が増える(雑所得・扶養の注意)

特別支給の老齢厚生年金は、税法上「雑所得」として扱われ、課税対象となります。これにより、年間の所得が増加し、所得税や住民税の負担が増える可能性があります。

給与所得がある場合は、給与と年金の所得が合算されるため、課税所得が増えて、税負担が重くなることがあります。

また、所得の増加は国民健康保険料や介護保険料の算定にも影響します。これらの保険料は所得に応じて決まるため、年金受給によって保険料が上がるケースが一般的です。

さらに、配偶者の健康保険の扶養に入っている場合、年金収入が加わることで扶養の収入基準(60歳以上は年間180万円未満)を超えてしまうと、扶養から外れなければなりません。

その場合、自身で国民健康保険に加入する必要が生じ、新たな保険料負担が発生します。

③繰下げ受給による増額ができない

65歳から支給される老齢年金は、受給開始を66歳以降に遅らせる「繰下げ受給」を選択することで、1ヶ月あたり0.7%ずつ年金額を増やすことができます。

しかし、特別支給の老齢厚生年金には、この繰下げ受給の制度が利用できません

これは、特別支給の老齢厚生年金が、あくまで年金制度改正の経過措置として設けられた一時的な給付であるためです。

受給開始を遅らせても、将来受け取る年金額が増えることは一切ありません

むしろ、次に解説するように請求を忘れていると時効によって受け取れなくなるリスクがあるため、受給権が発生したら速やかに手続きをすることが必須です。

④失業保険(基本手当)と同時に受け取れない

65歳になる前に会社を退職し、雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)を受給する場合、特別支給の老齢厚生年金と基本手当を同時に受け取ることはできません

ハローワークで求職の申し込みをすると、申し込みをした翌月から基本手当の受給が終わる月まで、特別支給の老齢厚生年金は全額支給停止となります。

一般的に、基本手当の受給額のほうが高くなるケースが多いため、多くの場合は基本手当の受給を優先することになります。

ただし、どちらが有利かは個人の状況によって異なります。退職を予定している場合は、ハローワークや年金事務所に相談し、どちらの給付を優先するかを慎重に検討する必要があります。

なお、基本手当の受給期間が終了すれば、年金の支給停止はなくなり、再び受け取れるようになります。

(参考:雇用保険の失業給付と年金は同時に受けられるの? | 日本年金機構

⑤請求しないと受け取れず、5年で時効消滅する

特別支給の老齢厚生年金は、受給資格を満たせば自動的に振り込まれるものではありません。必ず本人による請求手続きが必要です。

そして、年金を受け取る権利には5年の時効があります。これは、年金の支給事由が発生した日の翌月を起点として、5年を過ぎると古い月の分から順番に権利が消滅していくというルールです。

ポイントの解説

例えば、60歳から受給できる人が66歳になって初めて請求した場合、60歳から61歳までの1年分は時効によって受け取れなくなってしまいます。

受給権発生月の約3ヶ月前に日本年金機構から「年金請求書」が送付されます。この書類が届いたら、請求を後回しにせず、速やかに手続きを進めることが大切です。

請求を遅らせても年金額は増えないため、請求忘れは損失につながります。

(参考:年金の時効 | 日本年金機構


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特別支給の老齢厚生年金のメリット

デメリットや注意点がある一方で、特別支給の老齢厚生年金にはメリットも存在します。この制度の利点を正しく理解することで、60代前半のライフプランをより豊かに設計することが可能です。

ただし、現在では男性で特別支給の老齢厚生年金の受給者はいません。女性についても63歳以上の人に限られます。

ここでは、主な2つのメリットについて解説します。

65歳を待たずに現金収入が得られる

最大のメリットは、65歳になる前に安定した現金収入を得られる点です。多くの企業では60歳で定年を迎えるか、再雇用で給与が下がることが一般的です。

公的年金の原則的な支給開始は65歳からのため、60歳から65歳までの間は収入が途絶えたり、大幅に減少したりする「収入の空白期間」が生じがちです。

特別支給の老齢厚生年金は、この期間の生活を支える貴重な収入源となります。住宅ローンの返済が残っている場合や、まだ教育費がかかる家庭にとって、経済的な安心感につながるでしょう。

受給しても65歳からの本来の年金額は減らない

特別支給の老齢厚生年金は、前述の通り「繰上げ受給」とは異なる制度です。そのため、この年金を受け取ったことが理由で、65歳から支給される本来の老齢基礎年金や老齢厚生年金が減額されることは一切ありません

65歳になると、特別支給の老齢厚生年金の支給は終了し、本来の老齢年金に切り替わります。

つまり、65歳までの「つなぎ」として年金を受け取りつつ、65歳以降の年金額は減らさずに済むということになります。

「受け取らない方がいい」って本当?損得の考え方

結論からいうと、特別支給の老齢厚生年金を「受け取らない方がよい」というケースは、ほとんどありません

ポイントの解説

この制度は繰下げ受給ができないため、請求を遅らせても年金額は増えません。むしろ請求を忘れて5年が経過すると時効で権利が消滅してしまうため、受給資格があるなら速やかに請求するのが原則です。

ただし、働きながら受給して在職老齢年金制度で年金が減額される場合もあります。この場合でも「受け取らない」という選択肢はなく、収入に応じて自動的に調整されます。

考えるべきは「年金が減額されないように働き方を調整するか」、それとも「年金が減額されても収入総額を優先して働くか」という点です。

多くの場合、年金が一部減額されたとしても、給与と合わせた世帯全体の手取り収入は増えます。

目先の年金額だけでなく、ライフプラン全体で手取り総額がどうなるかをシミュレーションし、総合的に判断することが鍵となります。

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働きながら受け取る時の注意点(在職老齢年金の計算)

働きながら特別支給の老齢厚生年金を受け取る場合、「在職老齢年金」の仕組みを正しく理解しておくことが欠かせません。年金の減額は、以下の2つの金額の合計によって決まります。

  • 基本額:老齢厚生年金の報酬比例部分の年額を12で割った金額(加給年金額と経過的加算は除く)
  • 総報酬月額相当額:当該月の標準報酬月額(月給)と、当該月以前1年間の標準賞与額の合計を12で割った金額の合計

【減額の計算方法】

  1. 「基本月額」と「総報酬月額相当額」を合計します。
  2. 合計額が支給停止調整額(2026年4月からは65万円)を超えているか確認します。
  3. 超えている場合、(基本月額 + 総報酬月額相当額 - 65万円)÷ 2 の計算式で、1ヶ月あたりの支給停止額を算出します。

例えば、基本月額が12万円、総報酬月額相当額が55万円の場合、合計は67万円です。基準額65万円を2万円超えるため、2万円 ÷ 2 = 1万円が支給停止額となります。この場合、実際に支給される年金は月額11万円(12万円 - 1万円)です。

自身の給与や賞与、年金額を当てはめて計算し、働き方を調整するかどうかの判断材料にしましょう。

一括で受け取れる?受け取り方と税金

特別支給の老齢厚生年金の受け取り方や、それに伴う税金の扱いについて解説します。

請求が遅れた場合に一括で受け取ることが可能ですが、その際の税務処理には注意が必要です。

受け取り方の種類

特別支給の老齢厚生年金の受け取り方は、原則として2ヶ月に1回、偶数月の15日に前月と前々月分が指定した口座に振り込まれる「定期払い」です。

ただし、受給開始年齢を過ぎてから請求手続きを行った場合は、時効(5年)にかかっていない過去の未支給分を遡って受け取ることができます。この場合、初回の振り込み時に、過去の未支給分がまとめて一括で支払われます

例えば、62歳から受給できる人が63歳で請求した場合、62歳から請求時までの1年分の年金が、最初の年金振込日に一括で支払われることになります。その後は、通常の定期払いに移行します。

税金の取り扱いについて

年金は税法上「雑所得」に分類され、所得税および復興特別所得税の課税対象となります。年金支給額から各種控除を差し引いた後の金額に対して、源泉徴収が行われます。

請求が遅れて過去の年金を一括で受け取った場合でも、税金の計算は本来受け取るはずだった各年分に分けて行われます

 例えば、3年分の年金をまとめて受け取った場合、全額が受け取った年の所得になるわけではなく、それぞれの年分の所得として扱われます。

そのため、過去の年分について所得税の確定申告(または修正申告)が必要になる場合があります。

一括で受け取ったからといって、一度に高額な税金がかかるわけではありませんが、手続きが煩雑になる可能性がある点は留意しておきましょう。

不明な点があれば、税務署や税理士に相談することをおすすめします。

特別支給の老齢厚生年金の支給手続き

特別支給の老齢厚生年金は、自動的には支給されません。自身で請求手続きを行う必要があります。手続きは、日本年金機構から送られてくる書類を使って進めます。

ここでは、手続きの具体的な流れと必要書類について解説します。

1.請求書の事前送付

特別支給の老齢厚生年金を受け取る権利が発生する方には、受給開始年齢に到達する3ヶ月前に、日本年金機構から「年金請求書(事前送付用)」が郵送されます。

この請求書には、基礎年金番号、氏名、生年月日、住所、これまでの年金加入記録などがあらかじめ印字されています。内容に間違いがないかを確認しましょう。

もし請求書が届かない場合や紛失した場合は、最寄りの年金事務所または年金相談センターに問い合わせることで再発行が可能です。

2.請求書の提出

年金請求書は、受給権発生日(誕生日の前日)以降に提出できます。 それより前に提出しても受理されないため注意が必要です。

ポイントの解説

記入を終えた請求書と必要書類を揃えて、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターの窓口に提出します。郵送での提出も可能です。窓口で手続きをする場合は、混雑を避けるため事前に予約をすることをおすすめします。

提出後、1〜2ヶ月程度で「年金証書・年金決定通知書」が届き、通知書が届いた翌月または翌々月から年金の振り込みが開始されます。

必要書類

年金請求の際には、年金請求書のほかにいくつかの添付書類が必要です。主なものは以下の通りですが、個人の状況によって追加の書類が必要になる場合もあります。

  • 本人確認書類:マイナンバーカード、運転免許証など
  • 生年月日などを確認できる書類:戸籍謄本、戸籍抄本、住民票など
  • 受取口座を確認できる書類:本人名義の預金通帳やキャッシュカードのコピー
  • 雇用保険被保険者証:雇用保険に加入している(またはしていた)場合

年金請求書にマイナンバーを記入することで、戸籍謄本や住民票、所得証明書などの添付を省略できる場合があります。手続きをスムーズに進めるためにも、マイナンバーの活用をおすすめします。

加給年金の対象となる配偶者や子がいる場合は、配偶者や子の所得証明書なども必要になります。

特別支給の老齢厚生年金に関するQ&A

ここでは、特別支給の老齢厚生年金に関してよく寄せられる質問と回答をまとめました。

制度への理解をさらに深めるためにご活用ください。

Q. 受給すると65歳以降の年金は減る?

A. いいえ、減りません

特別支給の老齢厚生年金は、年金の支給開始年齢引き上げに伴う経過措置であり、65歳より前に年金を受け取る「繰上げ受給」とは全く別の制度です。

そのため、この年金を受け取ったことが理由で、65歳から支給される本来の老齢基礎年金や老齢厚生年金が減額されることはありません。

65歳になると特別支給は終了し、本来の年金に切り替わります

Q. 請求を忘れたらどうなる?

A. 5年を過ぎると、古い分から時効で受け取れなくなります

年金を受け取る権利には5年の時効があります。請求を忘れていても、5年以内であれば遡って未支給分を一括で受け取ることが可能です。

しかし、5年を超えてしまうと、超えた期間の分は権利が消滅してしまいます。

受給権が発生したら、できるだけ早く請求手続きを行うことが欠かせません。

Q. 働きながら受給できる?

A. はい、受給できます。ただし、収入によっては年金額が調整(支給停止)されます。

厚生年金に加入して働きながら特別支給の老齢厚生年金を受け取る場合、「在職老齢年金」の仕組みが適用されます。

総報酬月額相当額と基本月額の合計額が一定の基準額を超えると、超えた分に応じて年金の一部または全額が支給停止となります。

年金が減額されても、給与と合わせた手取り総額は増えるケースがほとんどです。自身の働き方と収入のバランスを考慮することが大切です。

まとめ

特別支給の老齢厚生年金は、65歳になるまでの収入を支える重要な制度ですが、いくつかのデメリットや注意点も存在します。

働きながら受給する場合の「在職老齢年金」による減額や、税金・社会保険料の負担増は、事前に理解しておくべき重要なポイントです。

また、この制度は「繰上げ受給」とは異なり、受給しても65歳からの年金が減ることはありません。繰下げによる増額もできないため、受給権が発生したら速やかに請求することが基本です。

請求を忘れると5年で時効にかかるリスクも忘れてはいけません。

デメリットを正しく理解し、自身のライフプランや働き方と照らし合わせることで、制度を賢く活用できます。

まずは自身が対象者かどうか、いつからいくら受け取れるのかを「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認することから始めましょう。

自身の状況に合わせて、最適な選択をするためには、まずは将来の年金額や必要資金を把握することが第一歩です。

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ご留意事項

  • 本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品の取引を勧誘するものではありません。
  • 本記事の内容は記事公開時または更新時点の情報に基づいています。制度・法令・税制等の変更により、現在の情報と異なる場合があります。
  • 本記事の内容の正確性、完全性、最新性を保証するものではなく、予告なく変更または更新する場合があります。
  • 投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任とご判断のもとで行っていただきますようお願いいたします。

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監修
西岡 秀泰
  • 西岡 秀泰
  • 社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー

同志社大学法学部卒業後、生命保険会社に25年勤務しFPとして生命保険・損害保険・個人年金保険販売を行う。保有資格は社会保険労務士と2級FP技能士。2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所で相談員を兼務。

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執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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