物価高はなぜ?日本で進む3つの原因・トランプ関税の影響・いつまで続くかを解説

物価高はなぜ?日本で進む3つの原因・トランプ関税の影響・いつまで続くかを解説

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「最近、食料品や光熱費が高くなった」「なぜ日本では物価高が続いているの?」と感じている人も多いでしょう。

日本の物価高には、円安による輸入価格の上昇、資源・エネルギー価格の高騰、人手不足や賃金上昇によるコスト増など、複数の要因が影響しています。

さらに、海外の通商政策や関税の動向が、物価を押し上げる要因となる可能性もあります。

物価高が家計に与える影響に備えるには、なぜ物価が上がっているのかを理解し、今後の見通しを踏まえて対策することが大切です。

本記事では、日本で物価高が続く主な原因や今後の見通し、家計でできる対策についてわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 日本で物価高が進む3つの主な原因(円安、エネルギー価格、人件費)
  • 物価上昇は今後も続くと予測されており、家計への影響は避けられない
  • 個人でできる対策として、家計の見直しと物価上昇を考慮した 資産運用が重要

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物価高とは?いま日本はどのくらい上がっている?【データ】

物価高とは、さまざまな商品やサービスの価格が継続的に上昇する状態を指します。

総務省が発表した2026年6月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は、2020年を100とした場合に113.1となり、前年の同じ月と比較して1.6%上昇しました。

食料品(指数128.6)や光熱・水道(同120)といった生活に不可欠な品目の価格水準が高く、家計への負担が増している状況です。

一方で、統計上の数値以上に「物価が上がった」と感じる「体感インフレ」とのズレも指摘されています。

これは、価格は同じでも内容量が減る「ステルス値上げ」や、購入頻度の高い食料品・ガソリンなどの値上がりが、心理的な負担感を増大させているためと考えられます。

(参考: 2020年基準消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)6月分 | 総務省)

日本で物価高が進むのはなぜ?主な3つの原因

現在の日本の物価高は、単一の原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発生しています。

ここでは、中でも影響が大きいと考えられる3つの構造的な原因について解説します。

① 円安による輸入物価の上昇

日本の物価高の主要因の1つが、歴史的な円安の進行です。日本は原油などのエネルギー資源や、小麦・大豆といった食料品の多くを海外からの輸入に頼っています。

円安になると、海外から同じものを買う場合でも、より多くの円を支払う必要があります。

例えば、1ドル100円の時に1万ドルの商品を輸入するには100万円が必要ですが、1ドル150円になると150万円が必要になり、コストが50万円も増加します。

ポイントの解説

この円安の背景には、アメリカがインフレを抑えるために金利を引き上げた一方で、日本が大規模な金融緩和策を続けたことによる「日米の金利差」があります。

投資家が金利の低い円を売って金利の高いドルを買う動きが加速し、円の価値が下がりました。

結果として、輸入される原材料や製品の価格が上昇し、それが国内のさまざまな商品の値上げにつながっています。

② 資源・エネルギー価格の高騰

原油や天然ガスなどの資源価格の高騰は、日本経済に直接的な打撃を与えています。その背景には、長期化するロシア・ウクライナ情勢の影響に加え、中東情勢の緊迫化といった地政学リスクの増大があります。

特に近年は、エネルギーの主要な供給ルートである中東地域の情勢不安が継続しており、原油やLNG(液化天然ガス)の安定供給に対する懸念から、国際的に価格が押し上げられやすい状況が続いています。

日本は発電の大部分を海外から輸入する化石燃料に依存しているため、こうした国際的な資源価格の高騰は、電気・ガス料金やガソリン代の上昇として、私たちの家計を直接的に圧迫します。

さらに影響はそれだけにとどまりません。エネルギー価格の上昇は、工場を動かすための電力や、製品を運ぶトラックの燃料代など、あらゆる生産活動のコストを増加させます。

結果として、増加した製造・物流コストが幅広い商品やサービスの価格に転嫁され、国内の広範な物価高を引き起こす大きな要因となっているのです。

③ 人手不足・賃金上昇によるコスト増

国内の要因として、少子高齢化に伴う労働力人口の減少による人手不足が深刻化しています。物流業界やサービス業では、人材を確保するために賃金を引き上げる動きが活発化しています。

2025年や2026年の春季労使交渉(春闘)では、30年ぶりともいわれる高い水準の賃上げが実現しました。従業員の給与が上がることは望ましいことですが、企業にとっては人件費というコストの増加を意味します。

企業は増加した人件費や物流費を吸収するため、製品やサービスの価格に上乗せせざるを得ません。このように、原材料費だけでなく、国内の人件費や物流コストの上昇も、物価全体を押し上げる要因となっています。

賃金と物価がともに上昇する「賃金と物価の好循環」が期待される一方、現状では物価の上昇に賃金の伸びが追いついていないのが課題です。


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【2025-2026】トランプ関税は日本の物価高にどう影響する?

2025年1月にドナルド・トランプ氏が米国大統領に再就任したことで、新たな物価上昇リスクとして「トランプ関税」が注目されています。

トランプ氏が掲げる政策の柱は、米国の貿易赤字を解消し国内産業を保護するための高関税政策です。

具体的には、これまでの選挙戦等において、すべての輸入品に10〜20%の関税(ユニバーサル・ベースライン関税)を課すことや、中国からの輸入品には60%もの高い関税を課す方針が示されてきました。

実際に2025年2月以降、一部の国に対する関税引き上げが実施されるなど、通商政策は非常に流動的かつ急速に変化しています。

ポイントの解説

仮にこうした高関税政策が全面的に実行された場合 、日本の主力輸出品である自動車や機械、電子部品などの価格競争力が低下し、輸出企業の収益が悪化する可能性があります。

さらに、貿易摩擦の激化は円安を加速させる要因にもなり得ます。円安が進行すれば、輸入コストが上昇し、エネルギーや食料品価格を通じて国内の物価をさらに押し上げる「価格の連鎖」が起こることも懸念されます。

トランプ氏の通商政策の動向は、今後の日本経済と物価を占う上で重要な不確定要素といえるでしょう。

(参考:令和6年度IPEFなどの米通商政策がビジネス活動に与える影響に関する調査研究) 

物価高はいつまで続く?今後の見通し

物価高がいつまで続くのか、多くの人が気にかけている点でしょう。

日本銀行が2026年4月に公表した「経済・物価情勢の展望(2026年4月)」によると、消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率は、2026年度に2.8%、2027年度には2.3%程度になると予測されています。

2026年度の見通しが比較的高めなのは、中東情勢の緊迫化などによる原油価格上昇の影響が、エネルギー関連の価格に反映されるためです。2027年度になると、原油価格上昇の影響が一巡し、上昇ペースはやや落ち着くとみられています。

ただし、これは物価が下がるわけではなく、あくまで「上昇のペースが緩やかになる」という見通しです。

賃金と物価の好循環がどの程度進むか、また国際情勢の変動など不確定要素も多く、物価が高止まりする可能性は十分に考えられます。

家計としては、物価高が当面続くことを前提とした対策を考えておくことが大切です。

物価高が家計に与える影響

物価高は、私たちの家計に直接的な影響を及ぼします。影響は、賃金の上昇が物価の上昇ペースに追いつかず、実質的な所得が目減りしてしまうことです。

ポイントの解説

例えば、年間の物価上昇率が2.5%の場合、毎月20万円で生活していた世帯は、同じ生活水準を保つために翌年には約20万5000円が必要になります。給与がそれ以上に増えなければ、自由に使えるお金は減ってしまいます。

総務省の「家計調査(二人以上の世帯)2026年(令和8年)6月分 (2026年8月7日公表)」によると、2人以上世帯の消費支出は実質で3.3%減少しており、物価高に対して家計が防衛的になっている様子がうかがえます。

また、物価高は銀行預金の価値にも影響します。現在の普通預金金利は物価上昇率を下回っているため、銀行にお金を預けているだけでは、資産の実質的な価値は時間とともに目減りしていくことになります。

物価高の時代には、お金の置き場所を見直すことも重要な家計防衛策の1つです。

物価高への対策|国・自治体の支援と、個人が今できること

長期化する物価高に対して、国や自治体による支援策が講じられるとともに、私たち個人レベルでの対策も重要になっています。

ここでは、公的な支援と個人でできる備えの両面から解説します。

国や自治体による物価高対策・給付金

政府は物価高による家計負担を軽減するため、さまざまな対策を実施しています。

代表的なものとして、電気・ガス料金の負担軽減策や、ガソリンなどの燃料油価格を抑えるための補助金が挙げられます。

これらの施策は、エネルギー価格の高騰が家計に与える直接的な影響を和らげることを目的としています。

制度の最新情報を確認し、活用できるものは申請しつつも、根本的な対策として家計の見直しや資産形成を並行して進めることが大切です。

家計でできる備え(節約・インフレを考慮した資産運用)

物価高から家計を守るためには、個人での対策が重要になります。すぐに始められる対策として、以下の2つが挙げられます。

支出の見直し(節約)

まずは、家計の無駄をなくすことから始めましょう。毎月決まって出ていく固定費の見直しは効果的です。

例えば、スマートフォンの料金プランを格安SIMに変更する、あまり利用していないサブスクリプションサービスを解約する、保険契約を見直すといったことが考えられます。

食費や日用品などの変動費も、ポイント還元率の高いキャッシュレス決済を活用することで、実質的な支出を抑えることができます。

物価上昇を考慮した資産運用

物価が上昇すると、銀行預金の実質的な価値は目減りするリスクがあります 。そこで重要になるのが、物価上昇率を上回るリターンを目指す資産運用です。

NISA(少額投資非課税制度)などを活用して、投資信託や株式といった金融商品に投資することを検討してみましょう。

投資には価格変動リスクがあり、元本割れとなる可能性があります が、長期的な視点でコツコツと積立投資を行うことで、リスクの低減効果を期待しながら資産形成を目指すことが考えられます。

まずは生活防衛資金(生活費の6ヶ月分から1年分)を確保したうえで、余裕資金から始めてみるのがよいでしょう。

物価高をふまえたお金の備え方を無料診断

物価高が続くと、同じ金額でも買えるものが減り、将来必要な生活費も増える可能性があります。

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※診断結果イメージ

物価高に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、物価高に関してよく寄せられる質問と回答をまとめました。

Q. 物価高の主な要因は何ですか?

現在の物価高は、主に3つの要因が複合的に絡み合っています。

1つ目は「円安による輸入物価の上昇」、2つ目はウクライナ情勢などを背景とした「資源・エネルギー価格の高騰」、3つ目は国内の「人手不足・賃金上昇によるコスト増」です。

Q. 物価が上がっても給料が上がらないのはなぜ?

賃上げの動きは広がっていますが、物価上昇のペースに賃金の伸びが追いついていないのが現状です。

企業が原材料費や人件費の上昇分を製品価格に転嫁しており、その結果、給料が上がっても生活が楽になったと感じにくい状況が続いています。

Q. 物価高はいつまで続きますか?

日本銀行は、2026年度は2.8%、2027年度は2.3%程度の物価上昇を予測しています。上昇ペースは鈍化する見込みですが、物価水準そのものが下がるわけではなく、当面は物価が高い状態が続くと考えられます。

国際情勢など不確定要素も多く、注意が必要です。

Q. 物価高に個人はどう備えればいい?

まずは家計を見直し、通信費や保険料などの固定費を削減することから始めましょう。

また、預貯金の実質的な価値が目減りするのを防ぐため、NISAなどを活用した資産運用を検討することも有効な対策です。

インフレを考慮したお金の置き場所を考えることが重要です。

まとめ

本記事では、日本で物価高が進む3つの主な原因(円安、資源・エネルギー価格の高騰、人件費の上昇)と、今後の見通しについて解説しました。

物価上昇は当面続くと予測されており、私たちの家計に影響を与え続けます。国や自治体の支援策を活用しつつ、家計の見直しや、NISAなどを活用した長期的な資産運用によって、インフレを考慮した資産を育てていくことが重要です。

まずは自身の家計状況を把握し、できることから対策を始めてみてはいかがでしょうか。

物価高の時代を乗り切るためには、自身の状況に合った対策を立てることが大切です。

将来のお金について、一度シミュレーションしてみてはいかがでしょうか。 

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ご留意事項

  • 本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品の取引を勧誘するものではありません。
  • 本記事の内容は記事公開時または更新時点の情報に基づいています。制度・法令・税制等の変更により、現在の情報と異なる場合があります。
  • 本記事の内容の正確性、完全性、最新性を保証するものではなく、予告なく変更または更新する場合があります。
  • 投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任とご判断のもとで行っていただきますようお願いいたします。

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執筆・監修
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。