
50代で貯金なしの割合は意外と多い?今から間に合う老後資金の準備法
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50代を迎え、老後が現実味を帯びてくる中で「周りはどれくらい貯金しているのだろう」「貯金がなくて将来が不安」と感じている方もいるのではないでしょうか?実は、50代で貯蓄が全くない世帯は決して少なくありません。
本記事では、公的なデータをもとに50代の貯金なしの割合を解き明かし、今からでも間に合う老後資金の準備方法を具体的に解説します。自身の状況と照らし合わせ、将来に向けた一歩を踏み出しましょう。
- 50代で貯金なしの割合は単身世帯で35.2%、2人以上世帯で18.2%
- 貯金なしの理由は教育費・住宅ローン・介護費などが重なるため
- 今からでも家計見直しやiDeCo活用で老後資金の準備は間に合う
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50代で貯金なしの人はどれくらいいる?
50代で金融資産を全く保有していない、いわゆる「貯金なし」の世帯は、どのくらいの割合で存在するのでしょうか。金融経済教育推進機構(J-FLEC)が発表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」のデータをもとに、単身世帯と2人以上世帯、それぞれの実態を見ていきましょう。
単身世帯の貯金ゼロの割合
50代の単身世帯(一人暮らし)では、金融資産を保有していない世帯の割合は35.2%にのぼります。この数字は全世代を通じてもっとも高い数字となっており、50代で一人暮らしをしている人のうち、およそ3人に1人が貯金ゼロという状況です。
50代の多くは「就職氷河期世代」にあたり、十分にキャリアを築けなかった層も一定数います。さらに、親の介護負担も増大してくる年代であることから、相対的に資産額が低くなる傾向が出ていることが考えられます。
2人以上世帯の貯金ゼロの割合
50代の2人以上世帯では、金融資産を保有していない世帯の割合は18.2%です。この数字は、50代の家族のいる世帯のうち、およそ5〜6世帯に1世帯が貯金ゼロであることを示しています。
割合としては単身世帯の半分程度ですが、決して少ない数字ではありません。子どもの教育費や住宅ローンといった大きな支出が家計を圧迫し、貯蓄にまで手が回らない世帯が一定数ある状況がうかがえます。
総世帯の「余裕なし」の割合は?
貯金が全くない世帯だけでなく、保有していてもごくわずかという世帯も少なくありません。50代の総世帯で見ると、貯金ゼロの世帯が22.7%、貯蓄額100万円未満の世帯が7.5%となっています。
これらを合計すると30.2%となり、50代のおよそ3割の世帯が、病気や失業といった不測の事態に備える資金がほとんどない、生活に余裕のない状況にあることがわかります。
50代の平均貯蓄額と中央値の大きな差
50代の貯蓄状況をより詳しく理解するためには、「平均値」と「中央値」という2つの指標に注目する必要があります。この2つの数値には大きな開きがあり、そこから50代の貯蓄の二極化という実態が見えてきます。
平均は1000万円超、中央値は500万円
金融広報中央委員会の同調査によると、50代(総世帯)の金融資産保有額の平均値は1668万円となっていますが、中央値は500万円です。
平均値は、一部の多くの資産を持つ富裕層の金額に引き上げられる傾向があります。そのため、より実態に近いのは、データを順番に並べた時に真ん中にくる値である「中央値」であるといえます。
保有資産額の二極化
50代(総世帯)では、3000万円以上の金融資産を持つ世帯が16.6%存在する一方で、貯蓄ゼロの世帯も22.7%存在します。
このように、しっかりと資産を築いている層と、貯蓄がほとんどない層との間で二極化が進んでいることが、平均値と中央値の大きな差となって表れています。
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50代で貯金なしとなっている主な要因
50代はライフイベントが重なり、支出が増加しがちな年代です。なぜ貯蓄が難しい状況に陥ってしまうのでしょうか。この背景には、いくつかの共通した理由が考えられます。
教育費負担のピーク
50代は、子どもの教育費が一番重くのしかかる時期と重なることが多くあります。大学の入学金や授業料は大きな負担となり、私立大学や理系学部、医歯薬系の学部に進学した場合は、年間で数百万円の支出となることもあります。
老後資金を貯めたい時期に、一番大きな支出である教育費のピークが訪れるため、貯蓄を取り崩したり、新たな貯蓄ができなかったりする世帯が多くなります。
住宅ローンの返済
30代〜40代で購入した持ち家の住宅ローン返済は、50代になっても続いているのが一般的です。月々の返済額は家計における大きな固定費となり、貯蓄に回す余裕を圧迫します。
また、退職金を見越して繰り上げ返済を優先した結果、手元の現金が少なくなってしまうこともあります。老後の住まいの安心を確保するための支出が、現在の貯蓄を難しくする一因となっています。
親の介護費用
50代になると、自身の親が介護を必要とする年齢になり、予期せぬ介護費用が発生することがあります。
介護保険サービスを利用しても自己負担は発生し、施設への入居となればまとまった一時金や月々の費用が必要になることもあります。
また、介護のために自身の仕事の時間を減らさざるを得なくなり、収入が減少してしまうケースも少なくありません。親の介護という避けられない問題が、自身の老後資金準備の障壁となることがあります。
収入の伸び悩みと支出の増加
多くの企業で給与のピークは50代前半から半ばに設定されており、それ以降は役職定年などで収入が伸び悩む、あるいは減少に転じる傾向があります。一方で、長年の生活習慣から生活水準を下げることが難しく、支出はなかなか減りません。
収入の増加が見込めない中で、これまでの生活レベルを維持しようとすると、家計の収支バランスは悪化し、貯蓄に回す資金を捻出することが困難になります。
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貯金なしで直面する老後のリスク
もし貯金がないまま60代、70代の老後生活に突入すると、どのような困難が待ち受けているのでしょうか。具体的なリスクを理解し、早期の対策につなげることが欠かせません。
50代で貯金がないという状況は、将来の生活に直接的な影響を及ぼす可能性があります。
年金だけでは生活費が不足
老後の収入の柱となる公的年金ですが、多くの場合、年金だけでは現役時代と同じような生活水準を維持することは困難です。
総務省の「家計調査報告(2024年)」によると、高齢夫婦世帯(夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦1組)の消費支出は、約25.8万円となっています。
一方、厚生労働省が示すモデルケースの夫婦2人以上世帯の厚生年金の令和8年度の受給額は、約23.7万円となっており、差し引きで毎月2.1万円、年間で約25万円が不足する計算です。
貯蓄がなければ、将来に渡ってこの赤字を補填することができず、生活を切り詰める必要に迫られます。
医療・介護費用への備えがない
年齢を重ねるとともに、病気や怪我のリスクは高まり、医療費や介護費用が増加する傾向にあります。
公的保険制度があるとはいえ、自己負担分は発生しますし、先進医療や差額ベッド代、介護施設の入居費用などは高額になる可能性があります。
貯蓄がなければ、急な入院や手術、介護が必要になった際に、必要なサービスを十分に受けられない、あるいは家族に大きな負担をかけてしまうといった事態に陥るリスクがあります。
住居費の負担が続く
老後も住居費は継続的に発生します。賃貸住宅に住んでいる場合は、年金収入の中から家賃を払い続けなければなりません。
持ち家の場合でも、住宅ローンの返済が残っていれば負担は続きますし、完済していても固定資産税やマンションの管理費・修繕積立金、経年劣化に伴うリフォーム費用などが必要です。
貯蓄がなければ、これらの住居関連費用が年金生活を圧迫する大きな要因となります。
働けなくなった時の収入源がない
老後も働き続けることで収入を補うことを考えている人は多いですが、健康上の理由などで想定通りに働けなくなる可能性も考慮しなければなりません。
病気や怪我で働けなくなった場合、公的年金以外の収入源が途絶えてしまいます。
貯蓄というセーフティネットがなければ、収入が年金のみとなり、生活が一気に困窮してしまうリスクがあります。貯蓄は、万が一の際の生活防衛資金としての役割も担っているのです。
50代から始める老後資金の準備法
50代で貯金がない状況に不安を感じるかもしれませんが、決して手遅れではありません。定年までの期間を有効に活用し、退職後も見据えた対策を講じることで、状況を改善することは可能です。
ここでは、今から始められる具体的な準備法を5つ紹介します。
家計の見直しで固定費を削減
まず着手すべきは、家計の現状把握と見直しです。毎月決まって出ていく「固定費」の削減は効果が継続します。
- 通信費:格安SIMへの乗り換えを検討する。
- 保険料:保障内容が現状に合っているか、重複がないかを確認し、不要な特約を解約する。
- サブスクリプション:利用頻度の低い動画配信サービスやアプリなどを解約する。
これらの見直しで月に1万円でも削減できれば、年間で12万円の貯蓄原資が生まれます。
先取り貯蓄で着実に貯める
「余ったら貯蓄する」という考え方では、なかなかお金は貯まりません。給料が振り込まれたら、まず一定額を貯蓄用の口座に自動的に移す「先取り貯蓄」の仕組みを作りましょう。
- 財形貯蓄制度:会社の制度があれば活用する。給与から天引きされるため、強制的にお金を貯められます。
- 自動積立定期預金:銀行のサービスを利用し、毎月決まった日に普通預金から定期預金へ自動で振り替える。
まずは月1万円など少額からでもよいので、着実に貯蓄を積み上げていく習慣をつけることが大切です。
iDeCoで老後資金を積み立てる
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金づくりに特化した私的年金制度です。50代からでも加入でき、原則60歳まで掛金を拠出して運用を続けられます。
iDeCoの大きなメリットは税制優遇です。
- 掛金が全額所得控除:毎月の掛金が所得から差し引かれ、所得税・住民税が軽減されます。
- 運用益が非課税:通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、iDeCoの運用益は非課税です。
節税しながら効率的に老後資金を準備できるため、50代からのラストスパートに適した制度といえるでしょう。
iDeCoは原則60歳から資金を受け取れますが、「通算の加入期間が10年未満」の場合、受給開始年齢が段階的に後ろ倒しになるルールがあります。例えば55歳で加入した場合、受け取れるのは64歳からになります。50代から始める場合は、この資金ロックの期間を必ず考慮し、無理のない範囲で活用しましょう。
退職金の使い道を事前に計画
まとまった金額が手に入る退職金は、老後生活を支える重要な資金源です。しかし、無計画に使ってしまうと、あっという間になくなってしまう可能性があります。
退職金を受け取る前に、この使い道を具体的に計画しておくことが必須です。
- 住宅ローンの残債返済
- 老後の生活費の補填
- 資産運用に回す資金
これらのバランスを考え、退職金を「老後資金の柱」として大切に活用する計画を立てましょう。
働ける限り働き続ける
健康で働けるうちは、できるだけ長く働き続けることも有効な老後資金対策です。60歳や65歳で完全にリタイアするのではなく、再雇用や再就職、あるいはパートタイムやフリーランスとして働き続けることで、収入を得る期間を延ばせます。
また、年金の受給開始を65歳から遅らせる「繰下げ受給」を選択すれば、1ヶ月遅らせるごとに受給額が0.7%増額されます(最大75歳まで)。長く働くことは、年金額を増やすことにもつながります。
50代の貯金に関するよくある質問
ここでは、50代の貯金に関して多くの人が抱える疑問について、Q&A形式で簡潔にお答えします。
Q. 50代で貯金ゼロは手遅れ?
いいえ、決して手遅れではありません。定年までの5年〜10年という期間は、老後資金準備のラストスパートです。家計の固定費を見直して支出を削減し、iDeCoのような税制優遇制度を活用しながら、働ける限り長く働くことで、状況は改善できます。まずは行動を起こすことが重要です。
Q. 老後資金はいくら必要?
「老後2000万円問題」が話題になりましたが、必要な金額は個人のライフスタイルや年金受給額によって異なります。まずは自身の退職後の生活で毎月いくら必要か、年金はいくらもらえそうかを試算し、自分にとっての必要額を把握することが第一歩です。
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Q. 今から貯金を増やすには何から始める?
まずは家計簿アプリなどを活用して、1〜2ヶ月間の収支を把握することから始めましょう。何にいくら使っているかが分かれば、削減すべき項目が見えてきます。次に、通信費や保険料などの固定費を見直し、浮いたお金で「先取り貯金」を始めるのが効果的です。
まとめ
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の調査によれば、50代で貯金なしの世帯の割合は、単身で約35%、2人以上世帯で約18%と、決して少なくないことがわかりました。
しかし、今貯金が十分になかったとしても、現状を悲観する必要はありません。50代からでも、家計の見直しによる固定費削減、先取り貯蓄の習慣化、iDeCoの活用、そして長く働き続けるといった対策を組み合わせることで、老後資金を準備することは可能です。
本記事で紹介した方法を参考に、自身の状況に合った一歩を今日から踏み出してみましょう。まずは今の状況を客観的に把握するため、簡単なシミュレーションから始めてみませんか?
»老後に必要な資金はいくら?3分で診断
貯金額が気になるあなたへ
今の貯蓄額に不安はありませんか?老後に必要な資金を早めに把握し、計画的に準備を始めましょう。マネイロでは、今からでも間に合う老後資金づくりをサポートする無料ツールを利用いただけます。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
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