
サ高住とは?費用・サービス内容と有料老人ホームとの違いを分かりやすく解説
≫老後の生活費は足りる?あなたのケースで診断
「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」という言葉を耳にする機会が増えたものの、「有料老人ホームと何が違うの?」「実際にかかる費用はどれくらい?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の基本的な仕組みから、有料老人ホームとの違い、具体的な費用、メリット・デメリット、そして後悔しないための選び方まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。
- サ高住の基本的な仕組みと特徴
- 有料老人ホームなど他施設との違い
- 初期費用や月額費用の具体的な内訳と相場
サ高住とは?基本的な仕組みと特徴
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢者が安心して自立した生活を送ることを目的とした、バリアフリー対応の賃貸住宅です。一般的な賃貸住宅としての自由度と、高齢者向けの安心サービスを両立させている点が大きな特徴です。まずは、その基本的な仕組みと背景を理解しましょう。
サ高住の正式名称と制度の背景
「サ高住(さこうじゅう)」や「サ付き(さつき)」という略称で呼ばれることが多いですが、正式名称は「サービス付き高齢者向け住宅」です。
サ高住に関する制度は、2011年に改正された「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」に基づいて創設されました。背景には、高齢者人口の増加に伴い、自宅での単身生活に不安を抱える方や、介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らし続けたいというニーズの高まりがあります。
サ高住は、そのような社会的な要請に応えるため、国土交通省と厚生労働省の共管のもと、高齢者が安心して生活できる住まいの選択肢として整備が進められています。
サ高住の基本的な3つの特徴
サ高住として都道府県に登録されるためには、法律で定められた基準を満たす必要があります。主な特徴は以下の3点です。
バリアフリー構造の住戸
原則として、各住戸の床面積は25㎡以上と定められています。ただし、食堂やリビングなどの共用スペースが十分に確保されている場合は18㎡以上でも認められます。また、段差の解消や手すりの設置など、高齢者が安全に暮らすためのバリアフリー設計が義務付けられています。
安否確認・生活相談サービスの提供
ケアの専門家(介護福祉士や看護師など)が日中常駐し、入居者の安否確認(見守り)と生活に関する様々な相談に応じるサービスが必ず提供されます。これがサ高住の基本的なサービスです。
高齢者に配慮した賃貸借契約
契約形態は、一般的な「建物賃貸借契約」です。これにより、入居者は借主として法的に保護されます。長期の入院などを理由に事業者側から一方的に契約を解除されることがないよう、居住の安定が図られています。
サ高住と老人ホーム・その他高齢者施設との違い
高齢者向けの住まいには、サ高住の他にも「有料老人ホーム」や「特別養護老人ホーム(特養)」などさまざまな種類があります。それぞれに役割や特徴が異なるため、違いを正しく理解することが、ご自身に最適な住まいを選ぶための第一歩です。ここでは、代表的な施設との違いを比較し、それぞれの位置づけを明確にします。
有料老人ホームとの違い
サ高住と有料老人ホームは、民間の事業者が運営する点で共通していますが、契約形態やサービスの範囲に大きな違いがあります。
簡単にいうと、サ高住は「安心サービス付きの賃貸住宅」、有料老人ホームは「介護サービスが一体となった施設」という違いがあります。自立した生活を続けたい方はサ高住、手厚い介護を求める方は有料老人ホームが選択肢になりやすいでしょう。
特別養護老人ホーム(特養)との違い
特別養護老人ホーム(特養)は、社会福祉法人などが運営する公的な介護保険施設であり、サ高住とは性質が異なります。主な違いは以下の通りです。
入居条件
サ高住は自立した方から入居可能ですが、特養は原則として要介護3以上の方で、在宅での生活が困難な方が対象です。
費用
サ高住は民間運営のため費用が比較的高めですが、特養は公的施設であるため、所得に応じた負担軽減措置があり、費用を安く抑えられます。
入居のしやすさ
サ高住は施設数が多く比較的入居しやすいですが、特養は費用が安いことから人気が高く、多くの待機者がいるためすぐに入居するのは難しいのが現状です。
その他の高齢者向け住まいとの違い
サ高住の他にも、特徴的な高齢者向け住まいがあります。それぞれの違いを簡潔に理解しておきましょう。
有料老人ホーム
サ高住と似ていますが、食事や掃除などの生活支援サービスが月額費用に含まれていることが多く、レクリエーションが充実している傾向があります。介護が必要な場合は、サ高住と同様に外部サービスを利用します。
グループホーム
認知症の診断を受けた高齢者が、5〜9人程度の少人数で共同生活を送る施設です。家庭的な雰囲気の中で、専門スタッフの支援を受けながら自立した生活を目指します。
ケアハウス(軽費老人ホーム)
身寄りがなく、自立した生活に不安がある60歳以上の方が、比較的低い費用で入居できる施設です。食事や生活支援サービスが提供されます。
サ高住の入居条件と対象者
サ高住は、比較的元気な高齢者を主な対象としていますが、具体的にどのような人が入居できるのでしょうか。ここでは、法律で定められた基本的な入居条件と、どのような方にサ高住が向いているのかを解説します。
基本的な入居条件
サ高住に入居できるのは、基本的に以下のいずれかに該当する方です。
- 60歳以上の方
- 要介護または要支援の認定を受けている60歳未満の方
また、上記の入居者と同居することも可能です。同居者の条件は以下の通りです。
- 配偶者(事実婚を含む)
- 60歳以上の親族
- 要介護または要支援の認定を受けている親族
- その他、特別な理由により同居が必要と都道府県知事が認める者
多くの施設では、入居契約時に連帯保証人や身元引受人が必要となります。保証人がいない場合は、家賃債務保証制度などを利用できる場合もありますので、施設に相談してみましょう。
どんな人に向いている?
サ高住は、以下のような方に適した住まいといえます。
現在は自立して生活できるが、将来の一人暮らしに不安を感じている方
安否確認サービスがあるため、万が一の時も安心です。
自分のペースで自由に生活したい方
賃貸住宅なので、外出や趣味活動などを制限されることなく、これまでのライフスタイルを維持できます。
介護は必要ないが、栄養バランスの取れた食事や見守りが欲しい方
食事サービスや生活相談サービスを利用することで、日々の負担を軽減し、安心して生活できます。
有料老人ホームほどの介護は必要ないが、将来に備えたい方
必要になったタイミングで外部の介護サービスを利用できるため、元気なうちから将来に備えることができます。
入居できないケースもある
サ高住は自立した生活が基本となるため、施設によっては以下のような場合に入居が難しいケースがあります。入居基準は施設ごとに異なるため、自身の健康状態や状況を正直に伝え、受け入れが可能かどうかを必ず確認しましょう。
常時介護が必要な方や、医療依存度が高い方
夜間にスタッフが常駐していない施設も多く、24時間体制での介護や医療ケアには対応できない場合があります。
認知症の症状が進行している方
徘徊や他の入居者とのトラブルなど、共同生活が難しいと判断された場合、入居を断られることがあります。
感染症にかかっている方
他の入居者への感染リスクがある場合、入居が制限されることがあります。
身元引受人や連帯保証人がいない方
多くの施設で求められますが、保証会社を利用できる場合もあるため、事前に確認が必要です。
≫老後の生活費は足りる?あなたのケースで診断
サ高住で受けられるサービス内容
サ高住の「サービス付き」とは、具体的にどのようなサービスを指すのでしょうか。法律で提供が義務付けられている「基本サービス」と、施設が独自に提供する「追加サービス」に分けられます。自身に必要なサービスを見極めるためにも、その内容をしっかり理解しておきましょう。
必ず提供される基本サービス
すべてのサ高住では、以下の2つのサービスが必ず提供されます。これは月額費用のうち「基本サービス費」として支払うのが一般的です。
安否確認サービス
スタッフが定期的に居室を訪問したり、インターホンで声がけをしたりして、入居者の安否を確認します。多くの施設では、緊急時にスタッフを呼び出せる緊急通報システムも設置されており、万が一の体調急変時にも迅速に対応できる体制が整えられています。
生活相談サービス
日中常駐しているケアの専門家(介護福祉士、看護師など)に、日常生活での困りごとや健康、介護に関する不安などを相談できます。例えば、「ゴミ出しのルールがわからない」「近くの病院を知りたい」「介護サービスを利用したい」といった相談に対応し、適切なアドバイスや情報提供を行います。
施設によって異なる追加サービス
基本サービスに加えて、多くのサ高住では入居者のニーズに応えるさまざまな追加サービス(オプションサービス)を提供しています。これらのサービスは別途費用がかかります。
食事の提供
栄養バランスの考えられた食事を、施設内の食堂などで提供します。自炊が難しい方や、毎日の食事準備の負担を減らしたい方に便利なサービスです。
生活支援サービス
居室の掃除、洗濯、買い物代行、通院の付き添いなど、日常生活をサポートするサービスです。
介護サービス
施設内に訪問介護事業所などが併設されており、入浴や排泄の介助といった身体介護サービスを提供します。そのような施設は「介護型サ高住」と呼ばれ、介護が必要な方も安心して暮らせます。一方、基本サービスのみを提供する施設は「一般型サ高住」と呼ばれます。
レクリエーション
体操や趣味のサークル活動、季節のイベントなどを開催し、入居者同士の交流や健康維持を支援します。
外部の介護サービスも利用可能
サ高住は自宅と同じ扱いであるため、入居者は介護保険サービスを自由に選択して利用することができます。これはサ高住の大きなメリットの一つです。
例えば、身体の状態に合わせて、外部の訪問介護事業所からヘルパーに来てもらったり、デイサービス(通所介護)に通ったりすることが可能です。
どのサービスをどのくらい利用するかは、担当のケアマネジャーと相談しながらケアプランを作成して決めます。すでにご自宅で介護サービスを利用している場合は、同じ事業所のサービスを継続して利用できる場合もあります。そのように、自分に必要なサービスを柔軟に組み合わせられるのがサ高住の魅力です。
サ高住の費用相場と内訳
サ高住への入居を検討する上で、一番気になるのが費用でしょう。費用は「初期費用」と「月額費用」の2つに分けられます。ここでは、それぞれの費用の内訳と全国的な相場について解説します。ただし、費用は立地や施設、サービス内容によって異なるため、あくまで目安として参考にしてみてください。
初期費用の相場と内訳
サ高住の初期費用は、一般的な賃貸住宅と同様に「敷金」が中心です。有料老人ホームで必要となることが多い数百万〜数千万円といった高額な「入居一時金」は不要なケースがほとんどで、初期費用を抑えられる点が大きなメリットです。
敷金
家賃の2〜3ヶ月分が相場で、10〜30万円程度が一般的です。敷金は、家賃滞納などがなければ、退去時に居室の原状回復費用などを差し引いて返還されます。
礼金・仲介手数料など
施設によっては、礼金や仲介手数料、火災保険料などが別途必要になる場合があります。
初期費用が0円の施設もありますが、その分月額家賃が高めに設定されていることもあるため、総額で比較検討することが大切です。
月額費用の相場と内訳
毎月支払う月額費用の相場は、合計で10〜30万円程度です。費用は、主に以下の項目で構成されています。
その他、上記に加えて、以下の費用が別途自己負担となります。
- 居室の水道光熱費、通信費
- 介護保険サービスの自己負担額(利用額の1〜3割)
- 生活支援サービスなどのオプション費用
- 医療費、薬剤費、日用品費、娯楽費など
これらの費用をすべて含めて、月々の支出がどのくらいになるかを事前にシミュレーションしておくことが大切です。
費用を抑えるポイント
サ高住の費用は決して安くはありませんが、工夫次第で負担を軽減することも可能です。
都市部から少し離れたエリアを検討する
家賃は地価に影響されるため、都市部よりも郊外や地方の施設の方が費用を抑えられます。家族が訪問しやすい範囲で、少しエリアを広げて探してみるのも1つの方法です。
不要なオプションサービスは契約しない
食事や生活支援など、自分でできることはサービスを利用せず、自炊や自力で行うことで費用を削減できます。生活スタイルに合わせて、本当に必要なサービスだけを選択しましょう。
公的な家賃補助制度を確認する
自治体によっては、高齢者向けの家賃補助制度や、所得が低い方向けの負担軽減制度を設けている場合があります。お住まいの市区町村の窓口で確認してみましょう。
支払い方式を選択する
施設によっては、家賃の一部を前払いすることで月々の支払額を抑える「前払い方式」を選べる場合があります。まとまった資金がある場合は検討してみる価値があります。
老後の生活が気になるあなたへ
老後をお金の不安なく暮らすために、まずは自分にとっての必要額を知ることから始めましょう。マネイロでは、老後資金づくりをサポートする無料ツールを利用いただけます。
▶老後資金の無料診断:老後に必要な金額が3分でわかる
▶賢いお金の増やし方入門:貯金と投資でコツコツ増やす方法がわかる
▶年金の基本と老後資金準備:年金を増やす方法や制度の落とし穴を学ぶ
サ高住のメリット
サ高住には、他の高齢者向け施設にはない独自のメリットがあります。ご自身の希望するライフスタイルと照らし合わせながら、どのような利点があるのかを確認してみましょう。
自由度が高く、自分らしい生活ができる
サ高住は施設ではなく賃貸住宅であるため、生活の自由度が高いのが最大のメリットです。
食事や入浴の時間などが決められている施設とは異なり、自分のペースで生活リズムを組み立てることができます。外出はもちろん、外泊や家族や友人の訪問も原則として自由です。
また、愛用の家具や家電を持ち込んで、自宅と同じように自分らしい空間を作ることも可能です。これまでの生活スタイルを変えることなく、プライバシーを保ちながら暮らしたい方にとっては、快適な環境といえるでしょう。
見守りがあるので一人暮らしより安心
自立した生活を送りながらも、専門スタッフによる見守りサービスを受けられる点は、大きな安心材料です。
日中はスタッフが常駐し、定期的な安否確認や生活相談に応じてくれます。多くの施設では緊急通報装置が設置されており、夜間や急な体調不良時にも迅速な対応が期待できます。
「一人暮らしは不安だけれど、施設に入るほどではない」と感じている方にとって、その「適度な距離感の見守り」は心強いサポートとなります。また、離れて暮らすご家族にとっても、日々の安否が確認できることで安心につながります。
初期費用が比較的安い
有料老人ホームなどでは、入居時に数百万円から数千万円の「入居一時金」が必要になる場合がありますが、サ高住の多くは、一般的な賃貸住宅と同じように「敷金」のみで入居できます。
敷金の相場は家賃の2〜3ヶ月分程度なので、初期費用を数十万円程度に抑えることが可能です。これにより、まとまった資金がなくても入居を検討しやすく、住み替えのハードルが低いといえます。
「将来のために貯蓄は残しておきたい」「まずは試しに住んでみたい」と考える方にとって、費用の手軽さは大きなメリットです。
介護が必要になっても住み続けられる(施設による)
サ高住は自立した方向けというイメージがありますが、多くの施設では介護が必要になった場合でも住み続けることが可能です。
「一般型」のサ高住では、外部の訪問介護やデイサービスなどを自分で選んで利用することで、必要なサポートを受けながら生活を継続できます。
また、「介護型」と呼ばれるサ高住では、施設内に介護スタッフが常駐し、24時間体制で介護サービスを提供しています。そのような施設であれば、将来的に介護度が重くなっても、住み慣れた環境で安心して暮らし続けることができます。
ただし、施設によって対応できる介護の範囲は異なるため、入居前に「どこまでの状態になったら住み続けられるか」を具体的に確認しておくこと欠かせません。
サ高住のデメリット・注意点
多くのメリットがあるサ高住ですが、入居後に後悔しないためには、デメリットや注意点もしっかりと理解しておく必要があります。自身の状況や将来設計と照らし合わせ、冷静に判断することが大切です。
月額費用が継続的にかかる
サ高住は賃貸住宅であるため、入居している限り家賃や管理費、サービス費などの月額費用が発生し続けます。一般的な賃貸住宅に比べて、安否確認などのサービス費が上乗せされるため、月々の支払額は高くなる傾向があります。
持ち家とは異なり資産にはならず、長期的に居住した場合、総支払額が有料老人ホームの入居一時金を含めた費用を上回る可能性も考えられます。年金収入や貯蓄で、将来にわたって安定的に支払い続けられるか、長期的な視点で資金計画を立てることが不可欠です。
介護サービスは別料金のことが多い
サ高住の月額費用に含まれる基本サービスは、あくまで「安否確認」と「生活相談」のみです。そのため、入浴介助や食事介助などの介護サービスが必要になった場合は、別途外部の介護サービス事業者と契約し、利用した分だけ費用を支払う必要があります。
介護保険を利用できますが、利用額の1〜3割は自己負担となります。要介護度が高くなり、利用するサービスが増えるほど、月々の支出は増加します。「月額費用が安い」という理由だけで施設を選ぶと、将来介護費用が加わった際に、想定以上の出費になる可能性があるため注意が必要です。
重度の介護が必要になると退去を求められる場合も
「一般型」のサ高住では、24時間体制の介護や専門的な医療ケアに対応できるスタッフが配置されていないことが多くあります。
そのため、要介護度が重くなったり、認知症が進行したり、常時医療的なケアが必要になったりした場合、施設側で対応が困難となり、退去を求められる可能性があります。
そうなると、心身ともに負担が大きい中で、新たな住まいを探さなければなりません。入居を検討する際には、契約書をよく確認し、「どのような状態になったら住み続けられなくなるのか」という退去要件を必ず確認しておくことが、将来のトラブルを防ぐために欠かせません。
施設によってサービスの質に差がある
サ高住は、法律で定められた登録基準を満たせば比較的参入しやすいため、運営する事業者によってサービスの質やスタッフの体制に大きな差があります。
例えば、日中のスタッフの人数や、夜間の緊急時対応の速さ、提供される食事の質、レクリエーションの内容などは施設ごとにさまざまです。
パンフレットの情報だけで判断せず、必ず複数の施設を見学し、スタッフの対応や入居者の雰囲気などを自分の目で確かめることが不可欠です。
失敗しないサ高住の選び方
数多くのサ高住の中から、自分に合った施設を見つけるためには、いくつかの重要なチェックポイントがあります。入居後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、以下の点を参考に、慎重に検討を進めましょう。
立地・アクセスを確認する
まず、施設の立地がご自身のライフスタイルに合っているかを確認しましょう。
- 周辺環境:スーパーや銀行、郵便局、病院など、日常生活に必要な施設が近くにあるか。
- 交通の便:公共交通機関の駅やバス停からの距離はどうか。自分で運転しなくなった場合でも移動しやすいか。
- 家族の訪問しやすさ:子どもや親戚、友人が気軽に訪問できる距離・場所にあるか。
住み慣れた地域や、家族がすぐに駆けつけられる場所を選ぶと、入居後も社会的なつながりを維持しやすく、安心感につながります。
提供されるサービス内容を詳しく確認
パンフレットやウェブサイトの情報だけでなく、より具体的なサービス内容を確認することが欠かせません。
- スタッフの体制:日中や夜間のスタッフの人数、資格(看護師・介護福祉士など)の有無。
- 緊急時対応:夜間や休日など、スタッフが手薄になる時間帯の緊急対応フローはどうなっているか。
- 医療連携:提携している医療機関はどこか。定期的な往診や、緊急時の受け入れ体制は整っているか。
- 食事サービス:試食は可能か。きざみ食や治療食など、個別の食事形態に対応できるか。
- 介護が必要になった場合の対応:どこまでの介護度まで対応可能か。施設内で受けられる介護サービスと、外部サービス利用のルールは適切か。
これらの点は、契約前に書面で確認し、不明な点は納得できるまで質問しましょう。
費用の総額を試算する
月額費用だけでなく、将来的に発生しうる費用も含めた総額を試算し、将来の資金計画と照らし合わせることが不可欠です。
- 月額費用の内訳:家賃、共益費、基本サービス費の他に、水道光熱費や食費がどのように請求されるかを確認します。
- 介護費用のシミュレーション:将来、要介護度が上がった場合に、介護保険の自己負担額がどのくらい増えるかを試算しておきましょう。
- その他の費用:医療費や日用品費など、個人の生活スタイルに応じた費用も考慮に入れます。
これらの費用を合計し、年金収入や貯蓄で無理なく支払い続けられるか、長期的な視点で検討しましょう。
必ず見学・体験入居をする
書類上の情報だけでは、施設の本当の雰囲気はわかりません。必ず複数の施設を実際に見学しましょう。見学時には以下の点を確認します。
- 施設の清潔感:共用スペースや居室が清潔に保たれているか。
- スタッフの対応:スタッフは明るく、入居者に丁寧に対応しているか。
- 入居者の表情や様子:入居者は生き生きと過ごしているか。他の入居者との交流はあるか。
- 食事の質:可能であれば、食事を試食させてもらいましょう。
さらに、多くの施設では「体験入居」が可能です。実際に数日間宿泊してみることで、生活の流れや夜間の雰囲気、サービスの質などを肌で感じることができ、入居後のミスマッチを防ぐ上で有効です。
契約内容を専門家と確認する
入居を決めたら、最後に契約書の内容を隅々まで確認します。専門用語が多く難しいと感じるかもしれませんが、ここは重要なステップです。以下の項目は、トラブルになりやすいため注意深く確認しましょう。
- 契約形態:建物賃貸借契約か、終身建物賃貸借契約か。
- 費用の詳細:家賃やサービス費の改定に関するルール。
- 退去要件:どのような状態になったら退去しなければならないのか。
- 解約・返金規定:短期で退去した場合や、長期入院した場合の家賃の取り扱いや、敷金の返還条件。
自分だけでの確認に不安がある場合は、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターの職員に契約書のコピーを持参して意見を求める、あるいは弁護士などの専門家に同席してもらい、内容を確認してもらうとよいでしょう。
サ高住に関するよくある質問
ここでは、サ高住に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。
Q. サ高住は介護保険施設ですか?
いいえ、サ高住は介護保険施設ではありません。介護保険施設とは、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院などを指し、これらは介護保険法に基づいて運営される「施設」です。
一方、サ高住は高齢者住まい法に基づく「住宅(賃貸住宅)」であり、位置づけが異なります。そのため、サ高住に入居しながら、外部の介護保険サービス(訪問介護やデイサービスなど)を自由に組み合わせて利用することができます。
Q. サ高住に入居すると住民票は移す必要がありますか?
サ高住は賃貸住宅なので、そこに生活の拠点がある場合は住民票を移すのが原則です。
住民票を移すことで、その市区町村が提供する行政サービス(各種手当や助成金など)を受けることができます。また、郵便物などもスムーズに届きます。
介護保険については「住所地特例」が適用され、引越し前の自治体が引き続き担当(保険者)となるのが一般的です。これにより、引越し先でもスムーズにサービスを継続できます。住民票を移す前に、担当のケアマネジャーや市区町村の介護保険担当窓口に相談することをおすすめします。
Q. サ高住は途中で退去できますか?
はい、退去できます。サ高住の契約は一般的な賃貸借契約が基本なので、入居者側の都合で契約を解除し、退去することが可能です。
ただし、契約書には通常「解約予告期間」が定められており、多くは「退去希望日の1ヶ月前まで」に申し出る必要があります。この予告期間を守らないと、余分な家賃が発生する場合があります。
また、退去時には、居室の原状回復費用が敷金から差し引かれます。敷金の返還額や原状回復の範囲についても、契約書で事前に確認しておくことが大切です。
まとめ
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、自宅のような自由度の高い生活と、専門家による見守りという安心感を両立できる、新しい高齢者向けの住まいの形です。有料老人ホームに比べて初期費用を抑えやすく、自立〜軽度の要介護状態の方にとっては魅力的な選択肢と言えるでしょう。
一方で、介護サービスは基本的に別料金であり、将来介護度が重くなった場合には住み替えが必要になる可能性もあります。月々の費用が継続的に発生するため、長期的な視点での資金計画も不可欠です。
失敗しないサ高住選びの鍵は、ご自身の健康状態やライフプラン、経済状況を客観的に把握し、それに合った施設を慎重に選ぶことです。そのためには、パンフレットの情報だけでなく、必ず複数の施設を見学し、サービス内容や費用、契約条件を細かく確認することが欠かせません。
ぜひ本記事を参考に、ご自身やご家族にとって最適な住まいを見つけるヒントにしてみてください。
≫老後の生活費は足りる?あなたのケースでシミュレーション
老後の生活が気になるあなたへ
老後をお金の不安なく暮らすために、まずは自分にとっての必要額を知ることから始めましょう。マネイロでは、老後資金づくりをサポートする無料ツールを利用いただけます。
▶老後資金の無料診断:老後に必要な金額が3分でわかる
▶賢いお金の増やし方入門:貯金と投資でコツコツ増やす方法がわかる
▶年金の基本と老後資金準備:年金を増やす方法や制度の落とし穴を学ぶ
※本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合がございます
※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください
オススメ記事
監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。



