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介護保険の自己負担はいくら?割合の決まり方と負担を軽くする制度を徹底解説

介護保険の自己負担はいくら?割合の決まり方と負担を軽くする制度を徹底解説

制度2026/01/05
  • #40代
  • #50代

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介護保険について「自己負担はいくらかかるのか」「どこまで公的にカバーされるのか」と気になっている人も多いのではないでしょうか。

介護保険の自己負担割合は、原則1割ですが、所得に応じて2割・3割になる場合もあります。さらに、サービス内容や利用頻度によっては、自己負担額が想定以上に膨らむこともあります。

本記事では、介護保険の自己負担の仕組み負担割合の決まり方費用を抑えるために知っておきたいポイントを社労士監修のもと、わかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 自己負担割合(1〜3割)の決まり方
  • 自己負担額が高額になった時の軽減制度
  • 負担を抑えるための実践的なポイント


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介護保険サービスを使う時、自己負担はどう決まる?

介護保険サービスを利用する際、費用の全額を自己負担する必要はありません。かかったサービス費用のうち、原則として1割を利用者が負担し、残りの9割は介護保険から給付される仕組みになっています。

ただし、利用者全員が1割負担というわけではありません。所得に応じて、自己負担の割合が2割または3割になる場合があります。これは、負担能力のある方には応分の負担を求め、制度の持続可能性を高めるための考え方に基づいています。

自己負担割合は1割・2割・3割の3段階

介護保険の自己負担割合は、利用者の所得に応じて「1割」「2割」「3割」の3段階に設定されています。

基本的にはすべての利用者が1割負担ですが、一定以上の所得がある65歳以上の方(第1号被保険者)については、2割または3割の負担が求められます。どの割合になるかは、前年の所得によって毎年判定されます。

負担割合は「負担割合証」で確認できる

自己負担割合が何割になるかは、市区町村から交付される「介護保険負担割合証」で確認できます。その負担割合証は、要支援・要介護認定を受けているすべての方に、毎年1回、更新されて送付されます。

ポイントの解説

介護サービスを利用する際には、介護保険被保険者証と一緒にサービス事業者に提示する必要がありますので、大切に保管しておきましょう。

自己負担が2割・3割になる人の条件

自己負担が2割または3割になるのは、65歳以上の方のうち、所得が一定の基準を超える場合です。基準は「合計所得金額」と「年金収入とその他の合計所得金額」の2つの指標で判定されます。

ここでは、2割負担と3割負担になる具体的な所得の条件について、詳しく見ていきましょう。

2割負担になる条件

介護保険サービスの自己負担が2割になるのは、以下の条件に当てはまる方です。

  • 本人の合計所得金額が160万円以上

かつ、以下のいずれかに該当する場合

  • 単身世帯の場合: 年金収入とその他の合計所得金額が280万円以上
  • 2人以上世帯の場合: 年金収入とその他の合計所得金額が346万円以上

合計所得金額が160万円以上でも、年金収入とその他の所得の合計が上記の金額に満たない場合は、1割負担となります。

3割負担になる条件

現役世代並みの所得があると判断される方は、自己負担が3割になります。具体的な条件は以下の通りです。

  • 本人の合計所得金額が220万円以上

かつ、以下のいずれかに該当する場合

  • 単身世帯の場合: 年金収入とその他の合計所得金額が340万円以上
  • 2人以上世帯の場合: 年金収入とその他の合計所得金額が463万円以上

これらの基準は、介護保険制度の公平性と持続性を保つために設けられています。

「合計所得金額」とは?年金収入との違い

負担割合の判定で使われる「合計所得金額」は、少し分かりにくいかもしれません。これは、年金の収入額そのものではない点に注意が必要です。

合計所得金額とは、1年間の収入から必要経費や公的年金等控除、給与所得控除などを差し引いた後の金額です。具体的には、以下のような所得を合計したものを指します。

  • 事業所得
  • 不動産所得
  • 給与所得(給与収入 - 給与所得控除)
  • 雑所得(公的年金等収入 - 公的年金等控除)
  • 譲渡所得 など
ポイントの解説

単純な収入額ではなく、控除後の所得金額で判定される点を理解しておきましょう。


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実際の自己負担額はいくらになる?計算例で確認

自己負担割合がわかっても、実際にいくら支払うのかイメージしにくいかもしれません。介護保険の自己負担額は、要介護度ごとに定められた1ヶ月の利用限度額(支給限度額)の範囲内で、自身の負担割合をかけて計算します。

ここでは、要介護度別の支給限度額を確認し、具体的なサービス利用例で自己負担額をシミュレーションしてみましょう。

要介護度別の支給限度額

在宅で介護サービスを利用する場合、要介護度に応じて1ヶ月に介護保険から給付を受けられる上限額(支給限度額)が定められています。その限度額の範囲内でサービスを利用すれば、自己負担は1〜3割で済みます。

要介護度別の支給限度額と、1割負担の場合の自己負担額の目安は以下の通りです。

介護認定

1ヶ月の支給限度額

1ヶ月の支給限度額

自己負担額(1割の場合)

自己負担額(1割の場合)

要支援1

1ヶ月の支給限度額

5万320円

自己負担額(1割の場合)

5032円

要支援2

1ヶ月の支給限度額

10万5310円

自己負担額(1割の場合)

1万531円

要介護1

1ヶ月の支給限度額

16万7650円

自己負担額(1割の場合)

1万6765円

要介護2

1ヶ月の支給限度額

19万7050円

自己負担額(1割の場合)

1万9705円

要介護3

1ヶ月の支給限度額

27万480円

自己負担額(1割の場合)

2万7048円

要介護4

1ヶ月の支給限度額

30万9380円

自己負担額(1割の場合)

3万938円

要介護5

1ヶ月の支給限度額

36万2170円

自己負担額(1割の場合)

3万6217円

【計算例】訪問介護とデイサービスを利用した場合

具体的なサービス利用を想定して、自己負担額を計算してみましょう。

設定

  • 要介護2の方(支給限度額: 19万7050円)
  • 1ヶ月に合計で18万円分のサービス(訪問介護やデイサービスなど)を利用

その場合、自己負担割合ごとの支払額は以下のようになります。

  • 1割負担の場合: 18万円 × 10% = 1万8000円
  • 2割負担の場合: 18万円 × 20% = 3万6000円
  • 3割負担の場合: 18万円 × 30% = 5万4000円

利用するサービス量が同じでも、所得に応じた負担割合によって月々の支払額は変わります。

支給限度額を超えたらどうなる?

支給限度額は、あくまで介護保険が適用される上限です。ケアプランによっては、その限度額を超えるサービスを利用することも可能ですが、その場合は注意が必要です。

限度額を超えた分のサービス費用は、全額が自己負担となります。

例えば、要介護2の方が1ヶ月に21万円分のサービスを利用した場合、支給限度額(19万7050円)を超える1万2950円分は、負担割合にかかわらず全額自己負担となります。

経済的な負担を避けるためにも、ケアマネジャーと相談し、限度額内で効果的なサービス計画を立てることが欠かせません。

自己負担が高額になった時の軽減制度

介護サービスは継続的に利用することが多いため、月々の自己負担額が積み重なると家計への負担が増すことがあります。

そのような場合に備え、介護保険には自己負担額が著しく高額にならないように、上限額を設けるセーフティネット機能があります。その代表的な制度が「高額介護サービス費」です。

高額介護サービス費とは

高額介護サービス費は、1ヶ月に支払った介護保険サービスの自己負担額(1〜3割負担分)の合計が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、その超えた金額が払い戻される制度です。

その制度は、同じ世帯に複数の介護サービス利用者がいる場合、その自己負担額を合算して計算することができます。

注意点

ただし、福祉用具購入費や住宅改修費、施設での食費・居住費などは対象外となるため注意が必要です。

所得区分別の自己負担上限額

高額介護サービス費の自己負担上限額は、世帯の所得状況によって細かく区分されています。主な区分と上限額は以下の通りです。

区分

1ヶ月の自己負担上限額(世帯)

1ヶ月の自己負担上限額(世帯)

課税所得690万円(年収約1160万円)以上

1ヶ月の自己負担上限額(世帯)

14万100円

課税所得380万円(年収約770万円)~690万円(年収約1160万円)未満

1ヶ月の自己負担上限額(世帯)

9万3000円

市区町村民税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満

1ヶ月の自己負担上限額(世帯)

4万4400円

世帯の全員が市区町村民税非課税

1ヶ月の自己負担上限額(世帯)

2万4600円

生活保護受給者など

1ヶ月の自己負担上限額(世帯)

1万5000円(個人)

自身の世帯がどの区分に該当するかによって、上限額が異なるため、確認しておくことが欠かせません。

申請方法と払い戻しまでの流れ

高額介護サービス費の支給を受けるためには、住んでいる市区町村の窓口への申請が必要です。

多くの場合、初めて支給対象になった際に市区町村から申請書が送られてきます。その申請書に必要事項を記入し、領収書などを添付して提出します。一度申請すれば、次回以降は対象となった際に自動的に指定口座へ振り込まれる自治体がほとんどです。

注意点

ただし、申請してから実際に払い戻されるまでには約3ヶ月、時間がかかる点に留意しておきましょう。

低所得の方が使える負担軽減制度

高額介護サービス費のほかにも、所得の低い方の負担を軽減するための制度が用意されています。施設サービスを利用する際の食費や居住費は全額自己負担となるため、これらの費用を補助する制度は欠かせません。

ここでは、低所得の方が利用できる代表的な軽減制度を2つ紹介します。

社会福祉法人等による利用者負担軽減制度

社会福祉法人等による利用者負担軽減制度は、所得が低く生計を立てることが困難な方を対象に、社会福祉法人が提供する介護保険サービスの利用者負担を軽減する制度です。これは、税制上の優遇措置などを受けている社会福祉法人が、その社会的な役割の一環として実施するものです。

軽減の対象者

本制度を利用できるのは、主に以下の要件をすべて満たす方です。生活保護を受給している方も対象となります。

  • 本人ならびに世帯全員が市町村民税非課税であること
  • 世帯の年間収入が基準額以下であること(例:単身世帯で150万円以下、世帯員が1人増えるごとに50万円を加算した額以下)
  • 世帯の預貯金等の資産が基準額以下であること(例:単身世帯で350万円以下、世帯員が1人増えるごとに100万円を加算した額以下)
  • 居住用不動産など日常生活に必要な資産以外に、活用できる資産を所有していないこと
  • 市民税が課税されている親族等に扶養されていないこと
  • 介護保険料を滞納していないこと


軽減の内容と対象サービス

軽減される額は、原則として利用者負担額(介護サービス費の1割負担分、食費、居住費・滞在費)の25%(4分の1)です。老齢福祉年金を受給している場合は、軽減割合が50%(2分の1)となります。

対象となる主なサービスは以下の通りです。

  • 訪問介護(ホームヘルプ)
  • 通所介護(デイサービス)
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 地域密着型サービスの一部(小規模多機能型居宅介護など)


利用手続きと注意点

制度を利用するには、市区町村の窓口で申請し、「社会福祉法人等利用者負担軽減対象確認証」の交付を受ける必要があります。サービスを利用する際に、その確認証を事業所に提示することで軽減が適用されます。

ポイントの解説

ただし、すべての社会福祉法人が本制度を実施しているわけではありません。利用したい事業所が制度の対象となっているか、事前に確認することが欠かせません。

特定入所者介護サービス費(補足給付)

特定入所者介護サービス費(補足給付)は、所得や資産が一定基準以下の低所得の方が、介護保険施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院など)やショートステイを利用する際の食費と居住費(滞在費)の負担を軽減する制度です。

対象となるのは、市区町村民税が非課税であるなどの所得要件に加え、預貯金等の資産要件を満たす方です。

所得段階に応じて負担限度額が設定され、基準費用額との差額が介護保険から給付されることで、自己負担が抑えられます。

医療費と介護費の合算で負担を軽減できる制度

同じ世帯の中で、医療保険と介護保険の両方を利用し、自己負担額がどちらも高額になっているケースもあります。

そのような世帯の負担をさらに軽減するために、「高額医療・高額介護合算療養費制度」が設けられています。これは、医療と介護の自己負担を年間で合算し、上限を超えた分が払い戻される仕組みです。

高額医療・高額介護合算療養費制度は、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額を、世帯単位で合算します。

その合算額が、所得に応じて定められた年間の上限額を超えた場合に、超えた分が支給されます。対象となるのは、世帯内の同一の医療保険に加入している方です。その制度により、医療と介護の両方で大きな負担を抱える世帯の負担が緩和されます。

自己負担を抑えるために知っておきたいポイント

介護保険の自己負担を少しでも抑えるためには、これまで紹介した制度を正しく理解し、活用することが欠かせません。それに加えて、日頃から意識しておきたいポイントがいくつかあります。

ここでは、無理なく介護サービスを利用し続けるための実践的なアドバイスを3つご紹介します。

ケアマネジャーに負担額の相談をする

ケアプランを作成するケアマネジャーは、介護の専門家であると同時に、利用者の状況に応じたサービス利用計画を立てるプロフェッショナルです。

「月々の負担を〇〇円くらいに抑えたい」といった経済的な相談を遠慮なくしてみましょう。予算に応じたサービスの組み合わせを提案してくれたり、利用できる軽減制度についてアドバイスをくれたりします。

ポイントの解説

ケアプランの作成(ケアマネジメント)自体に自己負担はかからないため、積極的にコミュニケーションをとることが大切です。

利用できる軽減制度は必ず申請する

高額介護サービス費をはじめとする負担軽減制度の多くは、自動的に適用されるわけではなく、利用者からの申請が必要です。

「知らなかった」「手続きを忘れていた」という理由で、本来受けられるはずの給付を受けられないのはもったいないことです。自身が対象になるかどうか分からない場合は、住んでいる市区町村の介護保険担当窓口や、地域包括支援センターに相談してみましょう。申請が必要な制度を見逃さないようにすることが欠かせません。

サービスの優先順位を決めて計画的に利用する

介護保険サービスには、要介護度ごとに支給限度額が設けられています。限度額を超えた分は全額自己負担となるため、どのようなサービスをどれくらい利用するかは慎重に検討する必要があります。

本人や家族の生活にとって、どのサービスが一番重要か、優先順位をつけましょう。例えば、「入浴の介助は必ず必要だが、掃除は週1回でも大丈夫」といったように、メリハリをつけることで、限度額内で効果的にサービスを組み合わせることが可能です。

ケアマネジャーとよく相談し、納得のいくケアプランを作成しましょう。

介護保険の自己負担に関するQ&A

介護保険の自己負担に関してよく寄せられる質問にお答えします。制度をより深く理解するための参考にしてください。

自己負担割合は途中で変わることがありますか?

原則として、介護保険負担割合証に記載された有効期間(8月1日から翌年7月31日まで)は変更されません

ただし、世帯構成の変更(転居や離別など)や、所得の修正申告があった場合は、年度の途中でも負担割合が見直されることがあります。その際は、新しい負担割合証が交付されます。

介護保険サービス以外の費用も自己負担に含まれますか?

含まれません。介護保険の自己負担は、あくまで介護保険が適用されるサービス費用の一部です。

例えば、施設での食費、居住費、おむつ代、理美容代、レクリエーションの材料費といった日常生活にかかる費用は、介護保険の給付対象外であり、全額自己負担となります。これらの費用は、高額介護サービス費の計算対象にも含まれないため注意が必要です。

負担が重くて支払えない場合はどうすればいいですか?

万が一、自己負担額の支払いが困難になった場合は、決して一人で抱え込まず、速やかに相談することが大切です。

まずは、住んでいる市区町村の介護保険担当窓口地域包括支援センターに連絡しましょう。利用できる負担軽減制度がないか確認したり、場合によっては分割払いや減免の相談に応じてもらえる可能性があります。

また、ケアマネジャーに相談して、より負担の少ないサービス内容にケアプランを見直すことも有効な手段です。

まとめ

本記事では、介護保険の自己負担について、割合の決まり方から負担を軽減するための制度まで詳しく解説しました。

自己負担は所得に応じて1〜3割となり、月々の負担が高額になった場合には「高額介護サービス費」などの軽減制度が利用できます。重要なのは、これらの制度の多くは申請が必要だということです。

経済的な不安を感じたら、まずはケアマネジャーや市区町村の窓口に相談してみましょう。制度を正しく理解し、計画的にサービスを利用することで、安心して介護を受けられる環境を整えることができます。

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監修
山本 務
  • 山本 務
  • 特定社会保険労務士/AFP/第一種衛生管理者

東京都練馬区で、やまもと社会保険労務士事務所を開業。企業の情報システム、人事部門において通算28年の会社員経験があるのが強みであり、情報システム部門と人事部門の苦労がわかる社会保険労務士。労務相談、人事労務管理、就業規則、給与計算、電子申請が得意であり、労働相談は労働局での総合労働相談員の経験を生かした対応ができる。各種手続きは電子申請で全国対応が可能。また、各種サイトで人事労務関係の記事執筆や監修も行っている。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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