
担保定額貯金とは?仕組みやメリット・デメリット、定額貯金との違いを解説
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担保定額貯金とは、ゆうちょ銀行の総合口座で使える「半年複利」の貯金です。通常貯金の残高が不足した際に、預けた貯金を担保にして自動的に貸付け(融資)を受けられる仕組みがあるため、「勝手に借金になる?」という不安を感じる方もいるかもしれません。
この記事では、担保定額貯金の仕組みや、通常の定額貯金との違い、メリット・デメリット、そして自動貸付機能の賢い使い方、満期の手続きまでを分かりやすく解説していきます。
- 担保定額貯金の基本的な仕組みと通常の定額貯金との違い
- 最大のメリットである貯金担保自動貸付けの仕組みと利用条件
- 担保定額貯金のデメリットや、この商品が向いている人の特徴
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担保定額貯金とは?基本定義と3つの重要な特徴
担保定額貯金は、ゆうちょ銀行の総合口座に預け入れられる定額貯金の一種であり、通常貯金の残高が不足した場合に、預けた貯金を担保に自動的に貸付け(貯金担保自動貸付け)を受けられる機能を持った商品です。これは、急な出費に備えながら貯金そのものを維持したい人にとって有用な仕組みです。
特徴1.担保機能
担保定額貯金の最大の特徴は、その名前が示すとおり、貯金が担保として利用されることを前提としている点です。
この貯金は、通常貯金の残高が不足した場合に自動貸付けを行なうための担保として総合口座にセットされます。貸付限度額は、担保となっている貯金の90%以内であり、かつ上限が総合口座1口座につき300万円までと定められています。この限度額内であれば、自動的に何度でも借り入れを行なうことが可能です。
預入金額は1000円以上(1000円単位)で、1口の金額は1000円から300万円の8種類から設定できますが、担保として利用されるため、担保中は引き出しに制限が生じ、特に急な資金需要がある際には注意が必要です。
特徴2.金利
担保定額貯金の利子は、半年ごとに利子を元本に組み入れて計算する半年複利で計算されます。この複利計算により、長く預けるほど有利になる仕組みです。
適用される金利は、預入時の利率が払戻し時まで適用される固定金利です。ただし、預入後3年までは6ヶ月ごとの段階利率が適用され、預入期間に応じた利率が預入時に遡って適用される仕組みになっています。
また、特定の条件を満たす障がい者や遺族の方などは、「少額預金の利子に対する非課税制度(マル優)」を利用できる場合があります。
特徴3.預入期間
担保定額貯金には、まず預入日から起算して6ヶ月間の据置期間が設けられています。
この据置期間を過ぎると、いつでも払戻しが可能となり、預入期間は最長で10年間です。預入日から10年が経過すると、担保定額貯金は自動的に払い戻され、その払戻金全額が通常貯金に振り替えられて預け入れられます。
払い戻しは口数単位でのみ可能で、1口の預入金額を分割して払い戻すことはできません。また、ATMでは口数単位での払い戻しはできません。
定額貯金との違いは?
担保定額貯金は定額貯金の一種であり、基本的な金利の仕組み等は共通しています。最大の違いは「総合口座にセットされているか否か」です。
通常の定額貯金証書(個別の証書)には自動貸付機能はありませんが、総合口座通帳に記帳される担保定額貯金は、通常貯金の残高不足時に自動で融資を受けられる機能が付与されています。 なお、ATMで預け入れる場合、投入した金額がそのまま「1口」として設定されます(例:5万円を入金すれば5万円の口が1つ作成されます)。 小分けにして管理したい場合は、操作を分けて預け入れるなどの工夫が必要です。
最大のメリット・貯金担保自動貸付けの仕組み
担保定額貯金の最大のメリットは、預け入れた貯金を崩すことなく、緊急時に資金を確保できる「貯金担保自動貸付け」が利用できる点です。これは、通常貯金の残高が不足した場合に、担保定額貯金を担保として自動的に融資が実行される仕組みです。
貯金担保自動貸付けの仕組み
貯金担保自動貸付けは、総合口座の利用者を対象としたサービスです。急な支払いなどで通常貯金の残高がマイナスになった際、この機能により担保定額貯金から不足分が自動的に貸し付けられ、支払いが滞るのを防ぎます。
貸付条件
貸付の条件は以下の通りです。
- 貸付限度額: 担保定額貯金の90%以内の金額
- 上限金額: 最高300万円まで
この限度額内であれば、特別な手続きなしに自動的に何度でも借り入れが行なわれます。
利息(利率)
貸付金利は、返済時の担保定額貯金の約定利率プラス年0.25%が適用されます。この金利は、一般的なカードローンなどに比べて低金利である点が特徴です。
返済方法と期限
貸付の期限は「貸付日から2年間」です(ただし、担保としている定額貯金の満期が2年以内に来る場合は、その満期日まで)。なお、返済は通帳(通常貯金)にお金を入れることで自動的に行われます。
貸付期限の「更新」はできません。もし2年以内に返済しなかった場合、担保となっている定額貯金が自動的に解約され、貸付金と利息に充当(相殺)されます。大切な貯金を失わないよう、期限内の返済計画が重要です。
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自動貸付の利息(利率)計算と税制上の注意点
貸付金利は上述の通り「返済時の約定利率プラス年0.25%」です。この利息は、貸付金(融資)に対して発生するコストであり、日数に応じて計算されます。
税制上の注意点として、担保定額貯金から受け取る利子は特定の場合に非課税制度(マル優)の対象となりますが、自動貸付の利息は借入れにかかる費用であり、貯金の利子に対する税制優遇措置とは関係がないことに留意が必要です。
メリットの再定義
貯金担保自動貸付けを利用するメリットは、緊急時への備えとして以下の3点に集約されます。
- 貯金を崩さずに資産を維持できる:貯金計画を継続しながら、一時的な資金不足に対応できます。
- 低金利での借入:金の約定利率に年0.25%を加えた、極めて低い金利で借り入れできます。
- 手間がかからない:担保があるため、審査なしで自動的に借り入れが実行される手軽さがあります。
担保定額貯金のデメリットと利用判断のポイント
担保定額貯金はメリットが多い一方で、利用する前に認識しておくべきデメリットも存在します。
デメリット1.担保中は引き出しに制限がある
自動貸付を利用している間(借入がある状態)は、貸付額と利息の合計額に相当する担保貯金は、そのままでは引き出すことができません。
ただし、貯金自体を解約(中途解約)することは可能です。その場合、解約金から自動貸付の元金と利息が差し引かれ(相殺され)、残りの金額が通常貯金に戻ります。「借金を返すまで現金が一切作れない」わけではありませんが、せっかくの貯金を解約することになるため、資金計画には注意が必要です。
デメリット2.金利が他の商品より不利な場合も
担保定額貯金は半年複利であり長期預入に有利ですが、現在の市場金利や他の金融機関が提供する定期預金、あるいはゆうちょ銀行が提供する他の運用商品(投資信託、国債など)と比較した場合、必ずしも高金利とは限りません。
資金使途が明確で、安全性を確保しつつも、より積極的に資産を増やしたいと考えている場合は、他の金融商品と比較検討することが重要です。
デメリット3.自動貸付には利息がかかる
自動貸付は低金利ではありますが、あくまでも融資(借金)であるため、利用期間に応じて利息が発生します。利息は返済時の約定利率に年0.25%が加算されて計算されます。貯金を崩す場合は利息は発生しませんが、自動貸付を利用することで利息コストが発生することを理解し、計画的な返済を心掛ける必要があります。
担保定額貯金が向いている人・向いていない人
担保定額貯金は、その担保機能と自動貸付機能により、特定のニーズを持つ人にとって有効な商品です。
担保定額貯金が向いている人
担保定額貯金は、以下のような特徴を持つ人にもっとも適しています。
- ゆうちょ銀行をメインバンクとし、総合口座を活用したい人:通常貯金とセットで利用することで、残高不足を自動で補填する機能が最大限に活かせます。
- 急な資金ニーズに低金利で備えたい人:貯金を崩さず、審査なしで年0.25%の上乗せ金利という低いコストで借り入れの準備をしておきたい人。
- 安全性を最優先し、元本割れを避けたい人:貯金商品であるため、元本が保証されており、リスクを避けたい人に向いています。
担保定額貯金が向いていない人
一方で、以下のような目的を持つ人には、担保定額貯金は不向きである可能性があります。
- 資金使途が明確でより高金利な運用を求めている人:資金を寝かせておくのではなく、投資信託や国債などを利用して、積極的に資産を増やしたいと考えている人。
- 積極的にリスクを取って資産形成したい人:安全性の高い貯金は低金利であるため、高いリターンを期待してリスクを許容できる投資家には、他の運用商品が推奨されます。
担保定額貯金に関するQ&A
担保定額貯金に関するよくある疑問や質問にQ&A形式で回答します。
Q. 担保定額貯金が満期になったらどうなるの?
担保定額貯金の預入期間は最長10年間です。預入日から起算して10年が経過すると、担保定額貯金は自動的に払い戻しが行なわれます。払い戻された元金と利子は、全額が通常貯金に振り替えられて預け入れられます。
満期を迎える際には、「定額・定期貯金に関する満期等のご案内」が事前に届くため、自動貸付の利用状況や、その後の貯金の取り扱いについて確認することができます。
Q. 相続が発生した場合、担保定額貯金はどうなる?
担保定額貯金を含むゆうちょ銀行の貯金全般について相続が発生した際は、相続手続きの対象となります。ゆうちょ銀行では、公式サイトや窓口で相続手続きに関する案内を提供しており、相続人が払い戻しや名義変更の手続きを行う必要があります。
もし自動貸付の未返済残高がある場合は、その債務も含めて相続の対象となる可能性があるため、手続きの詳細はゆうちょ銀行に確認することが重要です。
まとめ
担保定額貯金は、ゆうちょ銀行の総合口座を利用する際に、安全性を確保しつつ緊急時の資金ニーズに備えるための強力なツールです。
この商品は、利子が半年複利で計算される定額貯金であり、最大の魅力は、担保貯金の90%以内(最高300万円)の範囲内で、審査なし、低金利(約定利率プラス年0.25%)で融資を受けられる「貯金担保自動貸付け」機能です。これにより、予期せぬ出費があっても、大切な貯金を取り崩すことなく対応できます。
ただし、担保中は払い戻しに制限がかかる点や、自動貸付には利息コストが発生する点には注意た必要です。この点を理解し、緊急時の備えと流動性のバランスを考慮して利用することが大切です。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
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