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扶養から外れたらいくら稼げば損しない?手取りの年収ラインと働き方の判断基準を解説

扶養から外れたらいくら稼げば損しない?手取りの年収ラインと働き方の判断基準を解説

制度2026/08/12
  • #既婚者

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パートやアルバイトで働く際に気になる「扶養」。収入を増やすと扶養から外れてしまい、かえって手取りが減ってしまう「働き損」の状態になるのではないかと、働き方を調整している人も多いでしょう。

本記事では、扶養から外れると何が変わるのか、税金や社会保険の「年収の壁」の仕組みをわかりやすく解説します。

シミュレーションを交えながら、手取りで損しないための具体的な年収ラインや、自身の状況に合わせた働き方の判断基準を確認していきましょう。

この記事を読んでわかること
  • 扶養から外れると税金や社会保険料の負担が発生し、手取りが減る可能性がある
  • 130万円の壁なら年収150万~160万円以上が損しない目安
  • 扶養を外れると将来の年金が増え、傷病手当金などの保障が手厚くなるメリットもある


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扶養から外れるとどうなる?変わること・影響の全体像

扶養から外れると、税金や社会保険料の負担が発生し、手取り収入に影響が出ます。

一般的に「扶養」という言葉は、「税金上の扶養」と「社会保険上の扶養」という2つの異なる制度を指しており、それぞれに収入の上限、いわゆる「年収の壁」が設けられています。

また、配偶者の勤務先から支給される「扶養手当(家族手当)」も、扶養から外れることで支給対象外となる場合があります。

これらの制度はそれぞれ独立しているため、どの「壁」を超えるかによって影響の内容が変わってきます。まずは、それぞれの制度の仕組みを正しく理解することが欠かせません。

税金の扶養(配偶者控除・配偶者特別控除)

税金の扶養とは、主に配偶者の所得税や住民税の負担を軽減する「配偶者控除」や「配偶者特別控除」に関わる制度です。

扶養されている側の年収が一定額を超えると、扶養している側(所得1000万円以下が対象)の控除額が減少したり、適用対象外になったりします。配偶者(扶養者)が配偶者控除などを受けるための本人(被扶養者)の給与収入(年収)は、2025年度・2026年度の税制改正により次の通りです。


配偶者控除の年収上限

配偶者控除の年収上限

配偶者特別控除の年収範囲

配偶者特別控除の年収範囲

2024年分

配偶者控除の年収上限

103万円

配偶者特別控除の年収範囲

103万円超~201.6万円未満

2025年分

配偶者控除の年収上限

123万円

配偶者特別控除の年収範囲

123万円超~201.6万円未満

2026年分

配偶者控除の年収上限

136万円

配偶者特別控除の年収範囲

136万円超~207万円未満

(参考:配偶者控除・配偶者特別控除は年収いくらまで受けられる? | 生命保険文化センター

社会保険の扶養(106万円・130万円の壁)

社会保険の扶養は、健康保険料や年金保険料の支払いに直接関わるため、手取り額への影響が税金よりも大きい傾向があります。主な壁は「106万円」と「130万円」です。「106万円」は本人の社会保険の加入条件、「130万円」は配偶者の扶養から外れる基準です。

106万円の壁

社会保険の加入条件

  • 従業員51人以上の企業に勤務
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 雇用期間が2ヶ月を超える見込み
  • 学生ではない
ポイントの解説

現在はこれらすべての条件を満たす場合は、勤務先の社会保険(健康保険と厚生年金)への加入が義務付けられます。ただし、賃金要件は2026年10月以降に撤廃される予定であり、撤廃後は、収入に関係なく「週20時間以上」働くなどの条件を満たすと社会保険の加入対象になります。

また、従業員数要件(現在51人以上)も段階的に引き下げられ、2035年10月には撤廃される見通しとなっています。

130万円の壁

勤務先の規模などにかかわらず、年収が130万円以上になると、配偶者の社会保険の扶養から外れます。勤務先の社会保険に加入するか、自身で国民健康保険と国民年金に加入し、保険料を支払う必要があります。

106万円の壁の年収計算には残業代や賞与、交通費は含まれませんが、130万円の壁では交通費なども含めて判断される点に注意が必要です。

配偶者の会社の扶養手当

扶養手当家族手当は、法律で定められた制度ではなく、企業が独自に設けている福利厚生の1つです。配偶者を扶養している従業員に対して、月々数千円から数万円の手当を支給する企業もあります。

この手当の支給条件は企業によって異なりますが、税法上の扶養や社会保険の扶養を基準にしているケースもあります。

そのため、年収が増えて扶養から外れると、この手当が支給されなくなり、世帯収入が減少する可能性があります。

自身の収入だけでなく、配偶者の会社の就業規則を確認し、扶養手当の支給条件を事前に把握しておくことが大切です。

損しないためには年収いくら以上を目指すべき?

扶養を外れて働く場合は、社会保険料の負担を考慮した年収を目指すことが大切です。

2026年10月から、「106万円の壁」は撤廃される予定です。そのため、106万円を超えたことだけを理由に社会保険へ加入することはなくなります。

ただし、労働時間など他の加入要件は引き続き適用されるため、注意が必要です。

勤務先の規模にかかわらず、年収130万円を超えて社会保険の扶養から外れる場合、手取りの減少を避けるためには年収150万円から160万円以上を目指すのが一般的です。

社会保険料の負担は年収に応じて増えますが、年収150万円を超えると、負担分を吸収して手取り額が増加に転じやすくなります

扶養を外れてしっかりと収入を増やしたい場合は、このラインを目標にするとよいでしょう。

(参考:社会保険の加入対象の拡大について|厚生労働省


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扶養から外れる際に使える公的シミュレーションツール

扶養から外れた場合の手取り額の変化を具体的に知りたい場合、公的なシミュレーションツールを活用するのが便利です。

厚生労働省は「社会保険適用拡大 特設サイト」内で、「社会保険加入による手取りかんたんシミュレーター」を公開しています。現在の年収と、社会保険に加入した場合の想定年収を入力するだけで、手取り額がどのように変わるかを簡単に比較できます。

このツールを使えば、「働き損」になる年収ゾーンや、手取りの減少分を取り戻すために必要な年収の目安を具体的に把握することができます。

今後の働き方を検討する際の客観的な判断材料として、一度試してみることをおすすめします。

扶養を外れるメリット・デメリット

扶養内で働くか、扶養を外れて働くかの選択は、個人のライフスタイル将来設計に左右されます。

どちらが「得」かは一概には言えず、何を重視するかによって最適な働き方は異なります。

ここでは、それぞれの働き方が向いている人の特徴を整理し、判断の参考にしてください。

メリット:将来の年金が増える・手厚い保障

扶養から外れて社会保険に加入する最大のメリットは、将来の保障が手厚くなることです。

将来の年金額が増える

厚生年金に加入することで、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして老齢厚生年金が支給されます。これにより、老後の収入が2階建て構造になり、より安定した生活を送るための基盤を築くことができます。

手厚い公的保障が受けられる

健康保険に加入すると、病気や怪我で働けなくなった場合に給与の約3分の2が支給される「傷病手当金」や、出産で仕事を休んだ際の「出産手当金」などを受け取れます。また、万が一の際の障害年金や遺族年金も、国民年金のみの場合より手厚くなります。

これらの保障は、扶養内の働き方では得られない安心材料といえるでしょう。

デメリット:社会保険料負担・配偶者の税負担増

扶養から外れることには、主に金銭的な負担が増えるというデメリットがあります。

社会保険料の自己負担

最大のデメリットは、これまで支払う必要のなかった健康保険料厚生年金保険料を自分で負担しなければならない点です。これにより、年収の壁を超えた直後は、額面の収入が増えても手取りが減る「働き損」の状態に陥りやすくなります。

配偶者の税負担の増加

年収207万円を超えると配偶者特別控除が適用されなくなります。これにより、扶養者である配偶者の所得税・住民税の負担が増加します。

扶養手当の支給停止

配偶者の勤務先から扶養手当が支給されている場合、扶養から外れることで手当が受けられなくなる可能性があります。これも世帯収入の減少につながる要因です。

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扶養内か扶養外か?あなたに合った働き方の判断基準

扶養内と扶養外のどちらが向いているかは、年収だけで判断できるものではありません

手取り額だけでなく、社会保険への加入による将来の年金額や保障内容、働き方なども踏まえて総合的に判断することが大切です。

ここでは、扶養内・扶養外それぞれに向いている人の特徴と、選ぶ際のポイントをわかりやすく解説します。

扶養内で働くほうがよい人

以下のような考えや状況にある人は、扶養内で働くほうがメリットを感じやすいでしょう。

  • 年収150万円以上を目指すのが難しい人(130万円の壁で扶養に入っている場合)
  • 子育てや介護などで働ける時間が限られており、社会保険料の負担をカバーできるほどの収入増が見込めない場合は、扶養内で手取りを確保するという選択肢もあります。
  • プライベートの時間を優先したい人
  • 仕事以外の時間、例えば家庭や趣味の時間を大切にしたい人にとって、労働時間を調整しやすい扶養内での働き方は適しています。
  • 配偶者の扶養手当を維持したい人
  • 配偶者の勤務先から扶養手当が支給されている場合、扶養手当の金額によっては扶養を外れると世帯収入が減少する可能性があります。手当の金額と、扶養を外れて得られる収入増などを比較検討する必要があります。

扶養を外れて働くほうがよい人

一方で、次のような目標や考えを持つ人は、扶養を外れて働くほうが長期的なメリットを得られる可能性が高いです。

  • 世帯収入を増やしたい人
  • 年収の壁を気にせずフルタイムで働くなど、収入を大幅に増やすことを目指すのであれば、扶養を外れる選択が不可欠です。年収150万円~160万円以上を確保できれば、社会保険料を支払っても手取りは増加します。
  • 将来の年金や保障を手厚くしたい人
  • 目先の手取りだけでなく、老後の生活や万が一の事態に備えたい人には、社会保険への加入がおすすめです。厚生年金による年金増額や、傷病手当金などの手厚い保障は、将来の安心につながります。
  • キャリアアップを目指したい人
  • 年収の制限をなくすことで、責任のある仕事に挑戦したり、正社員登用を目指したりと、キャリアの可能性が広がります。スキルアップや自己実現を重視する人にとって、扶養を外れることは前向きな選択肢となるでしょう。

扶養を外れた場合の手続きと注意点

収入が増加し、扶養から外れる見込みとなった場合は、速やかに手続きを行う必要があります。

ポイントの解説

まず、年収見込みが130万円以上になるなどして社会保険の扶養から外れることが確定した時点で、配偶者の勤務先を通じて「被扶養者異動届」を提出します。勤務先の手続きは原則として、扶養から外れる事実が発生してから5日以内に行う必要があります。

その後、自身の勤務先で社会保険に加入するか、自営業などの場合は市区町村の役所で国民健康保険と国民年金の加入手続きを行います。

税金の扶養については、年間の合計所得で判断されるため、年末調整や確定申告の際に精算されます。年の途中で扶養から外れたことを配偶者の勤務先に伝えておくといいでしょう。

手続きを怠ると、後から追加で税金や社会保険料を請求される可能性があるため、早めの対応が必須です。

扶養から外れることに関するよくある質問

ここでは、扶養から外れることに関してよくある質問について解説していきます。ぜひ、働き方を考えるうえでの参考にしてください。

Q. 扶養を外れると配偶者の給料は減る?

配偶者の給料(基本給など)そのものが減るわけではありません。しかし、手取り収入は減少する可能性があります。

主な理由は2つです。

  1. 税負担の増加:あなたが扶養から外れることで、配偶者が受けていた「配偶者控除」や「配偶者特別控除」が減額または対象外となり、配偶者の所得税・住民税が増えるため、手取りが減少します。
  2. 扶養手当の停止:配偶者の勤務先から扶養手当が支給されている場合、扶養手当の支給が停止されることがあります。

これらの影響により、配偶者の手取り額が減ることになります。

Q. 扶養内で損する年収は?

「扶養内で損する」というよりは、「扶養の壁を少しだけ超えた年収」が、手取りが減るという意味で損をしやすいゾーンがあります。

具体的には、社会保険の加入義務が発生する「106万円」や「130万円」をわずかに超えた年収帯です。

ポイントの解説

例えば年収130万円台・140万円台では、新たに発生する社会保険料の負担が収入の増加分を上回り、年収129万円の時よりも手取りが少なくなってしまう「働き損」の状態に陥りやすくなります。

Q. 扶養を外れても損しない年収は?

扶養から外れて社会保険料を支払っても、手取りが減らない「損しない年収」の目安は、どの壁を超えるかによって異なります

  • 106万円の壁を超える場合:年収125万円以上が1つの目安です。
  • 130万円の壁を超える場合:年収150万円〜160万円以上を目指すと、社会保険料の負担を吸収し、手取り額を維持または増やすことができます。

これらの金額はあくまで目安であり、家族構成や控除の状況によって変動します。正確な金額はシミュレーションツールなどで確認することをおすすめします。

まとめ

扶養から外れると、税金や社会保険料の負担が発生し、年収の壁をわずかに超えた段階では一時的に手取りが減少する「働き損」の状態になる可能性があります。

しかし、計画的に収入を増やすことで、手取りの減少分をカバーし、世帯収入を増やすことは十分に可能です。

  • 106万円の壁を超えるなら年収125万円以上
  • 130万円の壁を超えるなら年収150万~160万円以上

上記の年収を目安にすることで、手取りの減少を避けやすくなります

また、扶養を外れることは、将来の年金増額や傷病手当金といった手厚い保障につながる長期的なメリットもあります。

目先の手取り額だけでなく、自身のキャリアプランやライフステージ、将来の安心といった視点も踏まえて、最適な働き方を選択することが大切です。

扶養を外れるかどうかは、目先の収入だけでなく、将来のライフプランやキャリアプランも考慮して総合的に判断することが大切です。

自身の状況に合わせて、最適な働き方を見つけるために、一度お金のプロに相談してみるのもよいでしょう。 

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ご留意事項

  • 本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品の取引を勧誘するものではありません。
  • 本記事の内容は記事公開時または更新時点の情報に基づいています。制度・法令・税制等の変更により、現在の情報と異なる場合があります。
  • 本記事の内容の正確性、完全性、最新性を保証するものではなく、予告なく変更または更新する場合があります。
  • 投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任とご判断のもとで行っていただきますようお願いいたします。

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監修
西岡 秀泰
  • 西岡 秀泰
  • 社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー

同志社大学法学部卒業後、生命保険会社に25年勤務しFPとして生命保険・損害保険・個人年金保険販売を行う。保有資格は社会保険労務士と2級FP技能士。2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所で相談員を兼務。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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