
寄付金控除とふるさと納税の違いとは?控除方式・限度額・手続きを徹底比較
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「寄付金控除とふるさと納税、どちらも寄付で税金が安くなる制度だけど、何が違うの?」「自分はどちらを使うのが得なんだろう?」といった疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、一見似ている2つの制度の根本的な違いから、個人に合った活用方法まで、詳しく解説します。自身の状況に合わせて最適な制度を選び、賢く節税を行いましょう。
- 控除方式や対象となる寄付先の根本的な違い
- 年収や家族構成で変わる控除限度額の計算方法
- 確定申告が必要かどうかの手続きの違いと選び方
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寄付金控除とふるさと納税の違い
寄付金控除とふるさと納税は、どちらも寄付によって税金の負担が軽減される制度ですが、その仕組みは異なります。
ふるさと納税は、寄付金控除という大きな枠組みの中の「特例」に位置づけられており、これが両者を混同しやすくする一因です。
本記事では、両者の違いを以下の5つの観点から比較し、その関係性を整理していきます。
- 控除の方式
- 対象となる寄付先
- 控除限度額
- 手続き方法
- 返礼品の有無
まずは、両者の関係性の基本である「ふるさと納税は寄付金控除の特例である」という点から見ていきましょう。
ふるさと納税は寄付金控除の「特例」
寄付金控除とは、国や地方公共団体、特定の公益法人などへ寄付を行った場合に、所得税や住民税の負担が軽減される制度全般を指します。
ふるさと納税は、その寄付金控除の仕組みの一つで、具体的には「都道府県や市区町村といった地方公共団体への寄付」が該当します。
つまり、ふるさと納税は寄付金控除という大きな枠組みに含まれる制度です。
ただし、ふるさと納税には他の寄付にはない特別なルールが適用されます。自己負担額2000円を除いた金額が、所得税と住民税から全額控除されるという「特例」が設けられています。
その特例的な扱いにより、税金の計算方法や手続きが他の寄付金控除とは異なっているのが大きな特徴です。
【比較表】寄付金控除とふるさと納税の5つの違い
寄付金控除とふるさと納税の主な違いを一覧表にまとめました。各項目の詳細については、次章以降で詳しく解説します。
違い①:控除の方式が根本的に異なる
寄付金控除とふるさと納税の一番の違いは、税金が軽減される計算方法、すなわち「控除の方式」です。
一般的な寄付金控除は、課税対象となる所得そのものを減らす「所得控除」が基本です。一方、ふるさと納税は、算出された税額から直接差し引く効果を持つ「税額控除(特例)」の仕組みが採用されています。
この方式の違いが、最終的な節税効果に影響します。それぞれの仕組みを詳しく見ていきましょう。
寄付金控除は「所得控除」
一般的な寄付金控除は、所得税の計算において「所得控除」という方式が適用されます。これは、寄付金額から2000円を引いた額を、課税対象となる所得から差し引く仕組みです。
控除額の計算式: (その年の寄付金額の合計 − 2000円) = 所得控除額
課税所得が減ることで、その所得に課される所得税が結果的に安くなります。実際に軽減される税額は、所得控除額にその人の所得税率を掛け合わせて算出されます。
そのため、所得税率が高い高所得者ほど、減税効果が増加するという特徴があります。
例えば、所得税率20%の人が3万円を寄付した場合、所得控除額は2万8000円となり、所得税の軽減額は約5600円(2万8000円 × 20%)となります。
ふるさと納税は「税額控除(特例)」
ふるさと納税は、所得税からの還付と、翌年度の住民税からの控除を組み合わせた特例的な仕組みです。この制度では、自己負担額の2000円を除いた寄付金の全額が、所得税および住民税から控除されます。
具体的には、まず所得税で「(ふるさと納税額 − 2000円)× 所得税率」が還付されます。
次に、所得税で引ききれなかった残りの控除額が、翌年度の住民税から「基本分」と「特例分」として差し引かれます。
その結果、所得税率にかかわらず、控除上限額の範囲内であれば寄付額から2000円を引いた金額がまるごと軽減されるため、実質的には「税額控除」と同じ効果が得られます。
例えば、3万円をふるさと納税した場合、控除上限額内であれば、所得税の還付と住民税の減額を合わせて2万8000円の税負担が軽減されます。
どちらが節税効果が高いのか?
節税効果という観点では、ほとんどの場合でふるさと納税のほうが高くなります。自己負担2000円で寄付金額のほぼ全額が税金から控除されるため、所得税率にかかわらず安定した軽減効果が期待できるからです。
一方、一般的な寄付金控除は所得税率に依存するため、所得税率が低い人にとっては、軽減額がふるさと納税に比べて少なくなる傾向があります。
ただし、両者は制度の目的が異なります。ふるさと納税は返礼品という経済的なメリットと地域支援を両立させる制度です。
対して、寄付金控除は特定のNPO法人や公益法人などの活動を純粋に支援したいという想いを形にするための制度といえるでしょう。
どちらを選ぶかは、節税効果だけでなく、寄付の目的や支援したい対象を基に判断することが肝となります。
違い②:対象となる寄付先の範囲
寄付金控除とふるさと納税では、税制優遇の対象となる寄付先が明確に区別されています。どこへ寄付をするかによって、適用される制度が決まります。
寄付金控除の対象となる寄付先
寄付金控除の対象となるのは、国や地方公共団体に加えて、公共の利益を目的として活動する幅広い団体への寄付です。これを「特定寄附金」と呼びます。主な対象は以下の通りです。
- 国、地方公共団体
- 公益社団法人、公益財団法人
- 認定NPO法人、特例認定NPO法人
- 特定の学校法人や社会福祉法人
- 日本赤十字社、共同募金会
- 政党、政治資金団体など
自分が支援したい団体が控除の対象になるかを確認するには、その団体のWebサイトで「寄付金控除対象団体」といった記載があるかを確認するのが確実です。
不明な場合は、寄付をする前に団体へ直接問い合わせてみましょう。
ふるさと納税の対象となる寄付先
ふるさと納税の対象となる寄付先は、都道府県および市区町村、つまり地方自治体のみです。NPO法人や公益法人などへの寄付は、ふるさと納税の対象にはなりません。
さらに、2019年6月からは「ふるさと納税指定制度」が導入され、すべての自治体が対象となるわけではなくなりました。
総務大臣が定めた基準(返礼品の返礼割合を3割以下とすること、返礼品を地場産品とすることなど)を満たし、指定を受けた自治体への寄付のみが、ふるさと納税の特例控除の対象となります。
寄付を検討している自治体が対象かどうかは、総務省のふるさと納税ポータルサイトや、各ふるさと納税サイトで確認することができます。
違い③:控除限度額の計算方法と上限
どちらの制度も無制限に税金が控除されるわけではなく、年収や家族構成などに応じた「限度額」が設定されています。その限度額の考え方や計算方法も、両者で異なります。
寄付金控除の限度額
一般的な寄付金控除(所得控除)の上限額は、その年の総所得金額等の40%に相当する金額です。例えば、総所得金額等が500万円の人の場合、年間の寄付金額200万円までが控除の対象となります。
これは、寄付できる金額の上限であり、実際に軽減される税額の上限ではありません。軽減額は、その控除対象額に所得税率を掛けて算出されます。また、住民税の基本控除にも上限があり、こちらは総所得金額等の30%が基準となります。
多くの人にとって、この上限額が実質的な制約になることは少ないですが、高額な寄付を検討する際には意識しておく必要があります。
ふるさと納税の限度額(控除上限額)
ふるさと納税で自己負担2000円を除いた全額が控除される金額の上限は、より複雑な計算で決まります。目安となるのは、住民税の所得割額の20%です。
この住民税所得割額は、年収だけでなく、配偶者や扶養家族の有無、住宅ローン控除や医療費控除といった他の控除の状況によって変動します。そのため、個々の状況によって上限額は異なります。
正確な上限額を自分で計算するのは難しいため、ふるさと納税ポータルサイトなどが提供している「控除上限額シミュレーター」を活用するとよいでしょう。
源泉徴収票を手元に用意し、年収や家族構成、社会保険料などを入力することで、自身の控除上限額の目安を簡単に把握できます。
【年収・家族構成別の上限額の目安】
※金額は大まかな目安です。個人の状況によって細かな金額は異なります。
両方を併用する場合の注意点
ふるさと納税と他の寄付金控除は、同じ年に両方利用することが可能です。ただし、控除限度額の計算には注意が必要です。
両方の寄付を合算した金額が、所得税の寄付金控除の上限である「総所得金額等の40%」の枠内で計算されます。
つまり、ふるさと納税と他の寄付を合わせて、この上限を超えることはできません。
また、ふるさと納税の控除上限額は、他の所得控除(一般的な寄付金控除を含む)を適用した後の課税所得を基に計算されます。そのため、高額な寄付金控除を先に適用すると、ふるさと納税の上限額が下がる可能性があります。
併用する場合は、まずふるさと納税の上限額まで活用し、さらに支援したい団体があれば寄付金控除を利用するという順番で検討するのが分かりやすいでしょう。
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違い④:手続き方法の違い
税金の控除を受けるための手続きも、寄付金控除とふるさと納税では異なります。確定申告が必須かどうかは大きな違いです。
寄付金控除の手続き
一般的な寄付金控除を受けるためには、必ず確定申告が必要です。
会社員の方などで普段は年末調整のみで手続きを終えている場合でも、自身で申告手続きを行わなければ控除は適用されません。確定申告の際には、以下の書類が必要です。
- 寄付金の受領証明書(領収書):寄付先の団体から発行される原本が必要です。
- 源泉徴収票:会社員の場合
- その他、申告に必要な書類
申告書を作成する際は、「寄附金控除」の欄に寄付先の名称や寄付金額を記入します。
国税庁のWebサイト「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に従って入力するだけで簡単に申告書を作成でき、e-Taxを通じて電子申告も可能です。
ふるさと納税の手続き
ふるさと納税の手続きには、2つの方法があります。
1. ワンストップ特例制度
確定申告が不要な給与所得者等で、年間の寄付先が5自治体以内である場合に利用できる簡便な手続きです。寄付の都度、寄付先の自治体へ「申告特例申請書」を提出するだけで、確定申告をせずに住民税の控除が受けられます。
2. 確定申告
以下に該当する場合は、確定申告が必要です。
- 寄付先が6自治体以上の場合
- 医療費控除や住宅ローン控除(初年度)などで、もともと確定申告が必要な場合
- ワンストップ特例の申請書を提出し忘れた、または期限に間に合わなかった場合
確定申告を行うと、提出済みのワンストップ特例申請はすべて無効になります。そのため、申告の際はワンストップ特例を申請した分も含め、すべてのふるさと納税の寄付を記載する必要があります。
違い⑤:返礼品の有無と考え方
制度の魅力として取り上げられる「返礼品」の有無は、両者の目的や考え方の違いを象徴しています。
ふるさと納税は返礼品がもらえる
ふるさと納税の最大の魅力ともいえるのが、寄付先の自治体から送られる返礼品です。
地域の特産品である肉や魚、果物、お米のほか、工芸品や宿泊券、体験サービスなど、多種多様な返礼品が用意されています。
総務省の基準により、返礼品の調達価格は寄付額の3割以下と定められていますが、寄付者にとっては自己負担2000円で魅力的な品物を受け取れるため、消費者にとって経済的なメリットが大きい制度といえます。
この返礼品を通じて、これまで知らなかった地域の魅力を発見したり、その地域を応援したいという気持ちが生まれたりすることも、ふるさと納税の重要な側面といえるでしょう。
寄付金控除は純粋な支援
一方、ふるさと納税以外の一般的な寄付金控除では、原則として返礼品はありません。寄付はあくまで、その団体や活動の趣旨に賛同し、見返りを求めずに行う純粋な支援という位置づけです。
豪華な返礼品を提供すると、それは「対価」とみなされ、寄付金控除の対象外となる可能性があります。そのため、多くの団体では返礼品を用意していません。
寄付者にとってのメリットは、税制優遇を受けられることに加え、自分が支援したい特定の社会課題の解決や、応援したい活動に直接貢献できるという満足感や実感です。
寄付先の団体から送られてくる活動報告書や感謝状が、その貢献を可視化するものとなります。
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結局どちらを選ぶべき?判断基準とケース別の選び方
ここまで見てきた違いを踏まえ、自身の目的や状況に応じてどちらの制度を利用すべきか、具体的な判断基準をケース別にご紹介します。
ふるさと納税が向いている人
以下のような人は、ふるさと納税の活用が向いていると言えるでしょう。
- 返礼品に魅力を感じる人:自己負担2000円で地域の特産品などを手に入れたい人には最適です。
- 手続きを簡単に済ませたい会社員:ワンストップ特例制度を利用すれば、確定申告の手間なく税金の控除が受けられます。
- 特定の地域を応援したい:出身地や旅行で訪れた思い出の地域など、応援したい自治体を選んで貢献できます。
寄付金控除が向いている人
以下のような目的や考えをお持ちの人には、一般的な寄付金控除が適しています。
- 特定の団体や活動を支援したい:認定NPO法人や公益法人、学校など、応援したい具体的な活動や団体がある場合に直接支援を届けられます。
- 返礼品よりも社会貢献を重視する:経済的な見返りよりも、社会課題の解決に貢献することに意義を感じる人に向いています。
- ふるさと納税の限度額以上に寄付をしたい:ふるさと納税の上限額を使い切った後でも、寄付金控除の枠(総所得金額等の40%)を活用してさらに寄付を行うことができます。
- 確定申告を毎年行っている個人事業主など:もともと確定申告が必要な人にとっては、寄付金控除の申告を追加する手間は比較的小さいと言えます。
両方を活用する方法
ふるさと納税と寄付金控除は、どちらか一方を選ぶだけでなく、両方を賢く活用することも可能です。
基本的な戦略としては、まず自身のふるさと納税の控除上限額をシミュレーターで確認し、その枠内でふるさと納税を最大限活用します。これにより、返礼品のメリットと高い節税効果を得ることができます。
その上で、さらに支援したい認定NPO法人や公益法人などがあれば、別途、寄付金控除の制度を利用して寄付を行うという方法です。
この場合、ワンストップ特例制度は利用できなくなり、すべての寄付(ふるさと納税分と一般の寄付分)をまとめて確定申告する必要がある点に注意が必要です。
控除限度額の計算も複雑になるため、高額な寄付を併用する場合は、税理士などの専門家に相談することも検討しましょう。
よくある疑問:寄付金控除とふるさと納税に関するQ&A
最後に、寄付金控除とふるさと納税に関して多くの人が抱く疑問について、Q&A形式で簡潔にお答えします。
Q. ふるさと納税と寄付金控除は併用できる?
はい、併用できます。
ただし、両方の寄付を合算して控除限度額を計算する必要があり、手続きには確定申告が必須となります。
ワンストップ特例制度は利用できなくなるため注意が必要です。
Q. 会社員でも寄付金控除は受けられる?
はい、受けられます。
ただし、一般的な寄付金控除は年末調整の対象外のため、自身で確定申告を行う必要があります。
ふるさと納税の場合は、条件を満たせばワンストップ特例制度で確定申告が不要になります。
Q. ふるさと納税の「2000円の自己負担」とは?
控除上限額の範囲内で行ったふるさと納税額から、一律で2000円が自己負担額として差し引かれ、残りの金額が税金から控除される仕組みです。
この2000円は、寄付金控除全般に適用される適用下限額です。
まとめ
寄付金控除とふるさと納税は、どちらも寄付を通じて税制優遇を受けられる有益な制度ですが、その仕組みや目的は異なります。
ふるさと納税は、返礼品が魅力の「特例制度」です。
一方、寄付金控除は、認定NPO法人や公益法人など、自分が応援したい特定の活動を純粋に支援するための制度です。
目的が「節税や返礼品」なのか、「特定の活動への直接的な支援」なのかを考え、状況に応じて制度を選択したり、併用したりすることが大切です。
まずはふるさと納税の控除上限額をシミュレーターで確認し、自身の寄付プランを立てることから始めてみましょう。
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監修
内山 智絵
- 公認会計士/税理士/AFP
大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人の地方事務所にて約10年間勤務し、上場企業を中心とした法定監査などの業務に携わる。出産・育児を機に監査法人を退職した後、2021年春に個人会計事務所を開業。地域の中小企業や個人事業主の身近な相談役として、法人・個人問わず税務・会計サポートを提供している。2025年夏に株式会社SheBlissを設立。自身の経験や女性起業特有の課題を踏まえ、女性が「やりたい」を形にして続けていけるように、専門性の高いサポートとコミュニティを提供している。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。


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