

厚生年金20年加入でいくらもらえる?シミュレーションでわかる受給額の目安と増やし方
»あなたの年金はいくら?老後に不足する金額を3分でシミュレーション
厚生年金に20年加入した場合、将来いくら受け取れるのか不安に感じていませんか。年収によって受給額は変わるため、具体的な金額を知りたい人も多いでしょう。
本記事では、年収別の受給額を早見表でわかりやすく解説し、老後資金を増やすための具体的な方法も紹介します。
自身の状況と照らし合わせながら、将来の生活設計にお役立てください。
- 厚生年金に20年加入した場合の受給額は年収300万円で月約9.8万円、年収500万円で月約11.6万円が目安
- 厚生年金加入20年以上で、条件を満たすと年金の家族手当である「加給年金」が上乗せされる
- 年金だけでは不足する老後資金は、繰下げ受給やNISA・iDeCoなどを活用して計画的に準備することが重要
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厚生年金20年加入でいくらもらえる?年収別早見表

厚生年金に20年間加入した場合の年金受給額は、現役時代の年収によって変動します。
年金額は、国民年金から支給される「老齢基礎年金」と、厚生年金から支給される「老齢厚生年金」の合計で決まります。
以下は、厚生年金に20年間加入した場合の年収別受給額の目安をまとめた早見表です。自身の年収に近い項目を参考に、金額を把握しておきましょう。
※本表は制度理解を目的とした目安であり、将来の受給額を保証するものではありません。 ※老齢基礎年金(満額)と老齢厚生年金の合計額の目安です。
※実際の受給額は、加入期間や生年月日、標準報酬月額などによって異なります。


厚生年金の受給額はどう決まる?計算の仕組み

厚生年金の受給額は、加入者一人ひとりの状況に応じて計算されます。主に「平均標準報酬額」「給付乗率」「加入期間」の3つの要素が関係しており、これらを基に算出されるのが「報酬比例部分」です。
65歳以降に受け取る老齢厚生年金は、報酬比例部分に加えて、制度改正に伴う調整のための 「経過的加算」や、条件を満たす家族がいる場合の「加給年金」が上乗せされる仕組みになっています。
平均標準報酬額とは
平均標準報酬額とは、厚生年金保険料の計算の基礎となる「標準報酬月額」と「標準賞与額」の総額を、加入期間の月数で割ったものです。現役時代の給与や賞与が高いほど、平均標準報酬額も高くなります。
標準報酬月額は、毎年4月から6月の給与の平均額を基に決定され、決定された年の9月から翌年8月まで適用されます。標準報酬月額には上限が設けられており、2026年時点では第32等級の65万円が上限です。
したがって、給与の月額平均が63万5000円以上の場合、標準報酬月額は一律で65万円として計算されます。
(参考: 厚生年金保険の標準報酬月額の上限設定の基準 | 厚生労働省)
給付乗率と加入期間の関係
老齢厚生年金の報酬比例部分は、平均標準報酬額に「給付乗率」と「加入期間の月数」を乗じて計算されます。給付乗率は、生年月日によって異なります。1946年4月2日以降生まれの人は、2003年4月以降の加入期間については、「5.481/1000」が用いられます。
計算式からもわかるように、厚生年金への加入期間が長ければ長いほど、受給額は増える仕組みです。
例えば、同じ平均年収でも、加入期間が20年の人と40年の人では、老齢厚生年金の金額に約2倍の差が生じます。
(参考:報酬比例部分 | 日本年金機構)
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厚生年金20年加入で受けられる加給年金とは

厚生年金の加入期間が20年以上ある人は、一定の条件を満たすことで「加給年金」が上乗せされる可能性があります。加給年金は、年金の「家族手当」のようなもので、老後の生活を支える上で重要な役割を果たします。
ここでは、加給年金の受給条件や金額、支給が停止されるケースについて詳しく解説します。自身が対象になるか確認してみましょう。


(参考:加給年金 | 日本年金機構)
加給年金の受給条件
加給年金を受け取るためには、主に以下の条件を満たす必要があります。
- 厚生年金保険の被保険者期間が原則として20年以上あること
- 65歳到達時点で、生計を維持している65歳未満の配偶者または18歳到達年度の末日までの子(障害等級1級・2級の場合は20歳未満)がいること
「生計を維持している」とは、同居している、別居していても仕送りをしている、健康保険の扶養親族である、といった状況を指します。
また、対象となる配偶者や子の年収が将来にわたって850万円以上あると見込まれる場合は、対象外となります。
加給年金の金額
加給年金の金額は、対象となる家族によって異なります。2026年度(令和8年度)の年金額は以下のとおりです。
- 配偶者:年額42万3700円(※)
- 子ども(1人目・2人目):各 年額24万3800円
- 子ども(3人目以降):各 年額8万1300円
※受給権者の生年月日(昭和18年4月2日以後生まれ)に応じた特別加算額を含みます。
例えば、配偶者がいる場合、年金が年間で約42万円増えることになり、老後の家計にとって支えとなります。
加給年金が停止されるケース
加給年金は、一度受給が始まっても、特定の条件に該当すると支給が停止されたり、終了したりします。主なケースは以下のとおりです。
配偶者が65歳に達した時
配偶者が65歳になると、自身の老齢基礎年金を受け取れるようになるため、加給年金は支給停止となります。ただし、条件を満たせば、配偶者の老齢基礎年金に「振替加算」が上乗せされる場合があります。
配偶者が自身の老齢厚生年金などを受け取れる時
加給年金の対象である配偶者が、厚生年金加入期間20年以上の老齢厚生年金や障害年金を受け取る権利がある場合、配偶者加給年金は支給停止されます。
離婚や死亡した時
生計を維持していた配偶者と離婚したり、対象者が死亡したりした場合は、加給年金は終了となります。
厚生年金20年と他の加入期間の受給額比較
厚生年金の受給額は、加入期間が長くなるほど増えていきます。20年という加入期間は、老後の生活を考える上で1つの節目ですが、さらに長く加入した場合とどのくらいの差が出るのでしょうか。
ここでは、平均年収500万円のケースを想定し、加入期間ごとの年金受給額の目安を比較します。
本表は制度理解を目的とした目安であり、将来の受給額を保証するものではありません。
表を見ると、加入期間が20年から30年に延びるだけで、月額で2万円以上の差が生まれることがわかります。生涯で受け取る年金の総額で考えると、百万円単位の違いになります。
加入期間が長くなるほど、報酬比例部分が着実に積み上がり、老後の経済的な安定につながります。30年や40年と長く加入することで、年金中心の生活設計がしやすくなります。

厚生年金20年だけでは老後資金は足りない?

厚生年金に20年加入した場合の受給額を見てきましたが、年金だけで老後の生活を安心して送れるのでしょうか。多くの人にとって、年金収入だけでは生活費をすべて賄うのは難しいのが現実です。
ここでは、老後の生活にどれくらいの費用がかかるのか、そして年金受給額との間にどれくらいのギャップがあるのかを具体的に見ていきます。

老後の生活費の目安
老後の生活費は、ライフスタイルや家族構成によって異なりますが、総務省の家計調査から平均的な支出額を知ることができます。
総務省統計局の「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2025年(令和7年)平均結果の概要 」によると、65歳以上の無職世帯における1ヶ月あたりの支出の平均額は以下のとおりです。
- 単身世帯(一人暮らし):約16.1万円
- 夫婦のみの世帯:約29.7万円
これはあくまで平均であり、持ち家か賃貸か、健康状態、趣味や交際にかける費用などによって、必要な金額は変わってきます。
自身の理想の老後生活をイメージし、どれくらいの費用が必要か試算してみることが大切です。
年金受給額とのギャップ
先ほどの老後の生活費の目安と、厚生年金20年加入時の年金受給額を比較してみましょう。
例えば、年収500万円で20年加入した場合の年金月額は約11.6万円です。単身世帯の平均生活費約16.1万円と比較すると、毎月約4.5万円が不足する計算になります。賃貸住宅に住んでいる場合は、家賃の負担が大きくなることがあるため、赤字額はもっと増える可能性があります。
また、将来の物価上昇や医療・介護費の増加なども考慮に入れる必要があります。年金は物価の変動に合わせて調整される「物価スライド制」が採用されていますが、必ずしも実際の支出増を完全にカバーできるとは限りません。
このように、厚生年金20年の受給額だけでは、多くのケースで生活費が不足する可能性が高いといえます。年金以外の収入源や、現役時代からの計画的な資産形成が重要になります。
老後資金を増やす3つの方法
公的年金だけでは老後資金が不足する可能性があることを考えると、現役時代から対策を講じることが欠かせません。年金額そのものを増やしたり、年金以外の収入源を確保したりする方法があります。
ここでは、老後資金を増やすための現実的な3つの方法を紹介します。自身のライフプランに合わせて、最適な方法を検討してみましょう。


厚生年金の加入期間を延ばす
老齢厚生年金の受給額は、加入期間が長くなるほど増えます。60歳以降も会社員や公務員として働き続けることで、厚生年金の加入期間を延ばすことが可能です。
厚生年金は最長で70歳まで加入できます。例えば、60歳で定年退職した後も、再雇用や再就職で厚生年金に加入しながら働けば、その分だけ将来の年金額を上乗せできます。
年収300万円で60歳から70歳まで10年間厚生年金に加入した場合、年金額が年約16万円増えるという試算もあります。
長く働くことは、収入を得られるだけでなく、将来の年金を増やす上でも有効な手段です。
年金の繰下げ受給を検討する
公的年金は原則65歳から受け取れますが、受給開始を66歳以降に遅らせる「繰下げ受給」を選択できます。繰下げ受給をすると、1ヶ月遅らせるごとに年金額が0.7%増額されます。
例えば、受給開始を70歳まで5年間繰り下げると、年金額は42%(0.7% × 60ヶ月)も増えます。さらに、最長の75歳まで繰り下げれば、84%の増額となります。
仮に65歳時点で月11万円の年金を受け取れる人が70歳まで繰り下げた場合、月額は約15.6万円に増えます。繰下げ期間中の生活費を貯蓄や他の収入で賄える場合は、将来の年金額を増やすための1つの選択肢と考えられます。
ただし、健康状態やライフプランを考慮し、無理のない開始時期を選ぶことが大切です。
iDeCoやNISAで資産形成する

公的年金に上乗せする形で、私的な年金や資産を準備することも選択肢の1つです。税制優遇を受けながら資産形成ができる制度として「iDeCo(個人型確定拠出年金)」と「NISA(少額投資非課税制度)」があります。
iDeCo
掛金が全額所得控除の対象となり、現役時代の所得税や住民税を軽減しながら老後資金を準備できます。運用益も非課税で再投資されるため、効率的な資産形成が期待できます。ただし、原則60歳まで引き出すことはできません。
NISA
年間一定額までの投資で得られた利益(分配金、譲渡益)が非課税になる制度です。iDeCoと違っていつでも引き出しが可能で、自由度の高い資産形成ができます。
これらの制度を活用し、投資信託などで長期・積立・分散投資を行うことで、公的年金を補う「自分年金」を作ることが可能です。
ただし、投資信託や株式で運用する場合には元本が保証されないため、リスクを理解した上で始めることが大切です。
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厚生年金20年に関するよくある質問

Q. 厚生年金20年で月いくらもらえる?
年収によって異なりますが、年収300万円で約9.8万円、年収500万円で約11.6万円が目安です。この金額には、国民年金から支給される老齢基礎年金も含まれています。
Q. 加給年金は自動的にもらえる?
自動的にはもらえません。加給年金を受け取るためには、年金請求書に配偶者や子の情報を記入して申告するか、別途届出をする必要があります。
対象となる家族がいる場合は、忘れずに手続きを行いましょう。
Q. 厚生年金の加入期間はどう確認する?
自身の年金加入記録は、日本年金機構の「ねんきんネット」でいつでも確認できます。
また、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」でも加入期間や年金見込額を確認することが可能です。
まとめ

厚生年金に20年加入した場合の受給額は、年収300万円で月額約9.8万円、年収500万円で月額約11.6万円が目安です。しかし、この金額だけで老後の生活費をすべて賄うのは難しいケースが少なくありません。
なお、厚生年金の加入期間が20年以上ある人で条件を満たす配偶者や子がいる人は、老齢厚生年金に「加給年金」が上乗せされるため、年金受給額がもう少し増えることがあります。
60歳以降も働き続けて加入期間を延ばしたり、年金の「繰下げ受給」を選択したり、NISAやiDeCoといった制度を活用して計画的に資産形成を行ったりすることで、より安心して老後を迎えることができます。
まずは自身の年金見込額を「ねんきんネット」などで確認し、将来のライフプランを具体的に考えてみましょう。
自身の年金見込額を把握し、早めに対策を始めることが大切です。何から始めればよいか迷う方は、お金の専門家に相談してみるのも1つの方法です。
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監修

森本 由紀
- ファイナンシャルプランナー/AFP(日本FP協会認定)/行政書士
行政書士ゆらこ事務所(Yurako Office)代表。愛媛県松山市出身。神戸大学法学部卒業。法律事務所事務職員を経て、2012年に独立開業。メイン業務は離婚協議書作成などの協議離婚のサポート。離婚をきっかけに自立したい人や自分らしい生き方を見つけたい人には、カウンセリングのほか、ライフプラン、マネープランも含めた幅広いアドバイスを行っている。法律系・マネー系サイトでの記事の執筆・監修実績も多数。
執筆

マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
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