
介護休業給付金の対象者とは?受給できる人・できない人を徹底解説
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ご家族の介護のために仕事を休まなければならない時、「収入が減ってしまうのでは」と不安に感じる方は少なくありません。そんな時に経済的な支えとなるのが「介護休業給付金」です。
しかし、この給付金は誰もが受け取れるわけではなく、対象者には明確な条件が定められています。
そこで本記事では、介護休業給付金を受給できる人の条件や対象となる家族の範囲、申請時の注意点まで、制度の全体像を分かりやすく解説します。
- 介護休業給付金は雇用保険の被保険者で、休業前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上ある人が対象
- 対象となる家族は配偶者、父母、子、祖父母などで、2週間以上の常時介護が必要な「要介護状態」であることが条件
- パートやアルバイトでも受給可能だが、退職予定がある場合や休業中に一定以上の収入・就労がある場合は対象外
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介護休業給付金とは?制度の基本を理解する
介護休業給付金は、家族の介護を理由に仕事を休業する労働者の生活を支え、仕事と介護の両立を支援するための重要な制度です。
この制度の基本を理解するために、まずは財源となる雇用保険との関係性や、混同されやすい介護休暇との違いについて確認していきましょう。
雇用保険から支給される経済的支援
介護休業給付金は、雇用保険法に基づく制度の1つです。家族の介護のために休業し、勤務先から賃金が支払われない、あるいは減額された場合に、労働者の生活を経済的に支援することを目的としています。
この給付金は、休業後の職場復帰を前提としており、働く人々が介護を理由に離職することなく、仕事を続けられるようにサポートする役割を担っています。
支給額は原則として、休業を開始する前の賃金の67%が目安となります。
介護休業と介護休暇の違い
介護のために休みを取得できる制度には、「介護休業」のほかに「介護休暇」があります。この2つは目的や取得できる日数、給付金の有無が異なります。
介護休業は、まとまった期間の介護が必要な場合に利用する制度です。対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できます。介護休業給付金の支給対象となるのは、この介護休業です。
一方、介護休暇は、家族の通院の付き添いや介護サービスの手続きなど、短期的な世話のために利用する制度です。1日または時間単位で取得でき、対象家族が1人なら年5日、2人以上なら年10日が上限です。
介護休暇は、介護休業給付金の支給対象にはなりません。
対象者の条件①:労働者本人の要件
介護休業給付金を受給するためには、介護が必要な家族がいるというだけでなく、労働者本人に関するいくつかの要件をすべて満たす必要があります。
雇用保険の加入状況や休業中の働き方、賃金の受け取り方などが細かく定められています。ここでは、労働者本人に求められる具体的な5つの条件について解説します。
雇用保険の被保険者であること
介護休業給付金を受給するための一番の基本的な条件は、雇用保険の被保険者であることです。この給付金は雇用保険制度から支給されるため、雇用保険に加入していなければ対象となりません。
雇用形態は問われず、正社員だけでなく、パートタイマー、アルバイト、契約社員、派遣社員などの方も、雇用保険に加入していれば対象者となります。
休業開始前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上
雇用保険に加入していることに加えて、介護休業を開始した日より前の2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上あることが必要です。
ここでいう「被保険者期間」とは、雇用保険に加入していた期間のうち、賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1ヶ月として計算します。
例えば、入社して間もない場合や、休みがちで出勤日数が少ない月が多かった場合は、この条件を満たせず、給付金を受け取れない可能性があります。
休業中の賃金が休業前の80%未満
介護休業給付金は、休業によって減少した収入を補うための制度です。そのため、休業期間中に勤務先から支払われる賃金が、休業を開始する前の賃金の80%未満である必要があります。
もし、有給休暇の取得や会社独自の手当などにより、休業前の賃金の80%以上の給与が支払われる場合は、給付金は支給されません。
また、支払われる賃金の額に応じて給付額が減額される仕組みになっています。
休業中の就業日数が月10日以下
介護休業期間中に、完全に仕事を休むのではなく、一時的に就労することも認められています。
ただし、給付金を受け取るためには、1支給単位期間(通常は1ヶ月)における就業日数が10日以下でなければなりません。
この就業日数には、在籍している勤務先だけでなく、他の場所で働いた日数も含まれます。
もし就業日数が10日を超えてしまうと、この期間については給付金の支給対象外となるため注意が必要です。
退職予定でないこと
介護休業給付金は、介護休業が終わった後に職場へ復帰することを前提とした制度です。
そのため、介護休業を開始する時点で、介護休業終了後に退職することが決まっている場合は、給付金の支給対象とはなりません。
あくまで、介護と仕事の両立を支援し、雇用を継続するための制度であることを理解しておく必要があります。
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対象者の条件②:介護対象となる家族の範囲
介護休業給付金は、誰の介護をする場合でも受け取れるわけではありません。法律で定められた範囲の家族が、特定の状態にある場合に限られます。
ここでは、給付金の対象となる家族の具体的な範囲と、求められる「要介護状態」の定義について詳しく解説します。介護保険の認定との違いも重要なポイントです。
対象となる家族の範囲
介護休業給付金の対象となる家族は、法律で明確に定められています。具体的には、以下の範囲の親族です。
- 配偶者(事実上の婚姻関係と同様の事情にある人を含む)
- 父母(養父母を含む)
- 子(養子を含む)
- 配偶者の父母(養父母を含む)
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 孫
この範囲に含まれない親族、例えば叔父や叔母、いとこなどの介護では、介護休業給付金を受給することはできません。
要介護状態の定義
対象となる家族が、「要介護状態」にあることも条件の1つです。この制度における要介護状態とは、「負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態」と定義されています。
「常時介護」とは、歩行、排泄、食事などの日常生活を送るうえで必要な行動に対して、常に手助けが必要な状態を指します。この状態が2週間以上続いている、または続くと見込まれる場合に、要介護状態と判断されます。
介護保険の要介護認定は必須ではない
介護休業給付金における「要介護状態」と、介護保険制度における「要介護認定」は、根拠となる法律が異なるため、必ずしも一致しません。
したがって、介護保険の要介護認定を受けていなくても、介護休業給付金の対象となる「要介護状態」に該当すれば、給付金を受給することは可能です。
例えば、がんの治療などで一時的に介護が必要になった場合でも、医師の診断書などによって「2週間以上にわたり常時介護が必要」と判断されれば、対象となり得ます。
介護保険の認定がないからと諦める必要はありません。
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対象外となるケース・注意点
介護休業給付金の受給条件を満たしているように見えても、特定の働き方や状況によっては対象外となる場合があります。
また、制度の勘違いから、本来受け取れるはずの給付金を申請しそびれることも考えられます。ここでは、給付金の対象とならない代表的なケースや、誤解しやすい注意点について解説します。
日雇い労働者は対象外
日雇い労働者の方は、育児・介護休業法に基づく介護休業の取得対象から除外されています。
そのため、介護休業を取得することができず、結果として介護休業給付金も支給対象外となります。
介護休暇では受給できない
介護のために取得できる休みには「介護休業」と「介護休暇」がありますが、介護休業給付金の支給対象となるのは「介護休業」のみです。
時間単位や1日単位で取得できる「介護休暇」を利用した場合は、給付金を受け取ることはできません。
まとまった期間休む「介護休業」を取得した場合にのみ、申請が可能となる点を混同しないように注意が必要です。
入社1年未満でも介護休業は取得可能だが給付金は別
育児・介護休業法では、労使協定(労働者と事業主の間の取り決め)がある場合に限り、入社1年未満の労働者を介護休業の対象から除外できるとされています。
つまり、会社のルールによっては入社1年未満でも介護休業を取得できる場合があります。
しかし、介護休業給付金を受給するには、「休業開始前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上」という雇用保険の要件を満たす必要があります。
そのため、入社1年未満の人は、たとえ介護休業を取得できたとしても、給付金の受給要件を満たせないケースがほとんどです。
休業の可否と給付金の受給は別の問題として考える必要があります。
対象外の家族
介護休業給付金の対象となる家族の範囲は法律で定められており、配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫に限られます。
したがって、叔父・叔母、いとこなど、定められた範囲以外の親族を介護する場合には、介護休業給付金を受給することはできません。
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有期契約労働者の特別な条件
契約社員やパートタイマーなど、雇用期間に定めのある有期契約で働く労働者が介護休業給付金を受給する場合、無期雇用の労働者に求められる条件に加えて、労働契約に関する特別な要件が設けられています。
これは、制度が職場復帰を前提としているためです。
契約期間の見通しが必要
有期契約労働者が介護休業給付金を受給するためには、通常の受給要件に加え、「介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6ヶ月を経過する日までに、この労働契約が満了することが明らかでないこと」という条件を満たす必要があります。
これは、介護休業を取得した後に契約が終了して退職することが確実な場合、職場復帰を前提とした給付金の趣旨に合わないためです。
契約が更新される可能性がある場合は、この条件を満たすことになります。
申請手続きと必要書類
介護休業給付金を受給するためには、定められた期間内に正しい手続きを行う必要があります。
手続きは主に勤務先を通じて行いますが、申請の流れや必要な書類を事前に把握しておくことで、スムーズに進めることができます。
ここでは、申請の基本的な流れと、準備すべき書類について解説します。
申請は原則として事業主が行う
介護休業給付金の申請手続きは、原則として勤務先の事業主を経由して、事業所の所在地を管轄するハローワークに対して行います。
労働者本人が介護休業を取得したい旨を事業主に申し出た後、事業主が必要な書類を準備し、ハローワークに提出するのが一般的な流れです。
ただし、労働者本人が希望する場合には、自分でハローワークにて申請手続きを行うことも可能です。
申請期限と必要書類
介護休業給付金の申請には期限が定められています。原則として、介護休業が終了した日の翌日から2ヶ月後の月の末日までに申請が必要です。申請には、主に以下の書類が必要となります。
- 介護休業給付金支給申請書
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
- 介護休業申出書(事業主に提出したもの)
- 住民票記載事項証明書など(本人と介護対象家族の続柄がわかるもの)
- 出勤簿やタイムカード(休業期間や日数がわかるもの)
- 賃金台帳(休業中の賃金支払状況がわかるもの)
これらの書類は事業主が用意するものと本人が準備するものがあるため、事前に勤務先の担当者とよく確認しておくことが大切です。
介護休業給付金の対象者に関するよくある質問
介護休業給付金の対象者については、個別の状況によって判断が難しいケースもあります。ここでは、多くの人が疑問に思う点について、Q&A形式で分かりやすく解説します。
Q. パートやアルバイトでも受給できる?
はい、パートタイマーやアルバイトの方でも、受給要件を満たせば介護休業給付金を受け取ることができます。重要なのは雇用形態ではなく、以下の条件を満たしているかどうかです。
- 雇用保険に加入していること
- 休業開始前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あること
- その他の受給要件を満たしていること
これらの条件をクリアしていれば、正社員と同様に対象者となります。
Q. 介護保険の認定を受けていなくても対象になる?
はい、対象になります。
介護休業給付金の受給条件である「要介護状態」は、雇用保険法に基づく独自の基準で判断されます。これは、介護保険法に基づく「要介護認定」とは異なるものです。
したがって、介護保険の要介護認定を受けていなくても、医師の診断書などにより「負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態」であると認められれば、給付金の対象となります。
Q. 同居していない親でも対象になる?
はい、同居していない親の介護でも対象になります。
介護休業給付金の対象となる家族の範囲に「父母」は含まれています。
介護休業給付金の対象者は、配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫になります。
まとめ
介護休業給付金は、家族の介護で休業せざるを得ない労働者にとって、経済的な不安を和らげる重要な制度です。
対象者となるためには、雇用保険への加入状況や過去の勤務実績、休業中の働き方など、労働者本人に関する複数の条件をクリアする必要があります。
また、介護の対象となる家族の範囲や、その家族が「要介護状態」にあることも求められます。
パートやアルバイト、有期契約労働者の方も条件を満たせば受給可能ですが、契約期間に関する追加の要件がある点に注意が必要です。
自身が対象者に該当するかどうか、本記事で解説した条件を1つひとつ確認してみてください。不明な点があれば、勤務先の人事・労務担当者や、管轄のハローワークに相談することが推奨されます。
介護は、将来の生活やお金について考えるきっかけにもなります。今後のライフプランを考える上で、まずは老後の不足額をシミュレーションしてみましょう。
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監修
山本 務
- 特定社会保険労務士/AFP/第一種衛生管理者
東京都練馬区で、やまもと社会保険労務士事務所を開業。企業の情報システム、人事部門において通算28年の会社員経験があるのが強みであり、情報システム部門と人事部門の苦労がわかる社会保険労務士。労務相談、人事労務管理、就業規則、給与計算、電子申請が得意であり、労働相談は労働局での総合労働相談員の経験を生かした対応ができる。各種手続きは電子申請で全国対応が可能。また、各種サイトで人事労務関係の記事執筆や監修も行っている。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。




