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国債の税金はいくら?利子・売却益の税率と確定申告の要否を解説

国債の税金はいくら?利子・売却益の税率と確定申告の要否を解説

資産運用2026/04/06

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    国債への投資を検討しているものの、利子や売却益にどれくらいの税金がかかるのか、確定申告は必要なのか、といった疑問をお持ちではありませんか?税金の仕組みを正しく理解することは、手元に残る利益を考えるうえで不可欠です。

    本記事では、国債の税金の基本から具体的な税率、確定申告の要否まで、お金の専門家監修のもと、分かりやすく解説します。自身の状況に合わせた最適な選択をするための参考にしてみてください。

    この記事を読んでわかること
    • 国債の利益(利子・譲渡益・償還差益)には20.315%の税金がかかる
    • 株式など他の金融商品との損益通算が可能で、損失は3年間繰り越せる
    • 特定口座(源泉徴収あり)を利用すれば原則として確定申告は不要になる


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    国債にかかる税金の基本

    国債への投資で得た利益には、税金がかかります。税金がかかるタイミングは主に3つあり、税率は一律です。また、税金の計算は給与所得などとは別に行われる「申告分離課税」という方式が採用されています。

    課税される3つのタイミング

    国債の投資において、税金がかかる利益が発生するタイミングは以下の3つです。

    • 利子(利金)の受取時: 国債を保有している間に定期的に支払われる利子です。
    • 譲渡益の発生時: 国債を満期前に売却(中途換金)して得た利益です。
    • 償還差益の発生時: 額面金額より安く購入した債券が満期を迎え、額面金額で払い戻される(償還される)ことで生じる利益です。

    これらの利益はすべて課税対象となります。

    税率は一律20.315%

    国債の利子、譲渡益、償還差益にかかる税率は、合計で20.315%です。この税率の内訳は以下の通りです。

    • 所得税: 15%
    • 復興特別所得税: 0.315%(所得税額の2.1%)
    • 住民税: 5%

    復興特別所得税は、2013年1月1日から2037年12月31日までの期間、所得税に対して課されるものです。

    申告分離課税の仕組み

    国債の利益は「申告分離課税」の対象となります。申告分離課税とは、給与所得や事業所得といった他の所得とは合算せず、分離して税額を計算する課税方式です。

    ポイントの解説

    申告分離課税の特徴は、他の金融商品の損益と通算できる「損益通算」が可能な点です。例えば、国債の利益と、株式投資で出た損失を相殺して、課税対象となる所得を減らすことができます。これにより、全体の税負担を軽減できる可能性があります。

    利子にかかる税金と受取額の計算

    国債を保有していると定期的に利子を受け取れますが、その際には税金が自動的に差し引かれます。これを「源泉徴収」といい、税金の計算や納付を自分で行う手間が省けます。ここでは、源泉徴収の仕組みと手取り額の計算方法を解説します。

    利子の源泉徴収の仕組み

    国債の利子は、支払われる際に金融機関によって税金が天引きされます。これを「源泉徴収」といいます。税率は20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)です。

    源泉徴収が行われるため、利子所得については原則として確定申告は不要です。受け取った時点で納税が完了しているため、手間がかからないのが特徴です。

    利子の手取り額計算例

    実際に受け取れる利子の手取り額を計算してみましょう。例えば、額面100万円の個人向け国債(年率0.5%)を保有している場合、1年間に受け取る利子(税引前)は5000円です。

    • 税引前の利子: 100万円 × 0.5% = 5000円

    この利子に対して20.315%の税金が源泉徴収されます。

    • 税額: 5000円 × 20.315% = 1015.75円 ≒ 1015円(小数点以下切り捨て)

    したがって、実際に受け取れる手取り額は以下のようになります。

    • 手取り額: 5000円 - 1015円 = 3985円

    このように、税引前の利子額から税額を差し引いた金額が、最終的な受取額となります。

    中途換金・満期償還時の税金

    国債は満期まで保有するだけでなく、途中で売却(中途換金)することも可能です。中途換金や満期償還によって利益が出た場合は課税対象となり、逆に損失が出た場合は他の金融商品の利益と相殺できる「損益通算」が可能です。

    譲渡益・償還差益の課税方法

    国債を満期前に売却して得た利益を「譲渡益」、額面より安く購入した債券が満期を迎えて額面金額で戻ってくる際の差額を「償還差益」といいます。

    ポイントの解説

    これらの利益は、利子所得と同様に申告分離課税の対象となり、税率は20.315%ですが、利子のように源泉徴収されるわけではないため、原則として確定申告が必要になります。

    ただし、後述する「特定口座(源泉徴収あり)」で取引している場合は、金融機関が税金の計算から納付までを代行してくれるため、確定申告は不要です。

    損失が出た場合の損益通算

    国債を中途換金した際に、購入価格よりも低い価格で売却すると「譲渡損失」が発生します。この損失は、他の金融商品の利益と相殺することが可能です。これを損益通算といいます。

    損益通算ができる対象は、他の国債や社債などの利益だけでなく、上場株式や公募株式投資信託の譲渡益や配当金なども含まれます。

    例えば、国債の売却で10万円の損失が出た一方、株式投資で30万円の利益が出ていた場合、利益と損失を相殺して課税対象額を20万円に圧縮できます。これにより、納める税金を減らすことが可能です。

    損益通算を行うためには、確定申告が必要です。


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    確定申告が必要なケース・不要なケース

    国債の税金については、取引内容や利用している口座の種類によって確定申告の要否が異なります。原則不要なケースもあれば、必ず申告が必要なケース、申告したほうが有利になるケースもあります。それぞれのパターンを理解しておきましょう。

    確定申告が不要なケース

    国債の取引において、確定申告が原則として不要になるのは、「特定口座(源泉徴収あり)」を利用している場合です。

    この口座では、国債の譲渡益や償還差益が発生した際に、金融機関が自動的に税金を計算し、源泉徴収(天引き)して納税まで済ませてくれます。また、利子についても支払時に源泉徴収されているため、投資家自身が申告手続きを行う必要はありません。

    投資初心者の方や、確定申告の手間を省きたい方にとっては、便利な仕組みといえるでしょう。

    確定申告が必要なケース

    以下のようなケースでは、確定申告が必要です。

    • 一般口座で取引し、利益(譲渡益・償還差益)が出た場合
    • 特定口座(源泉徴収なし)で取引し、利益が出た場合
    • 複数の金融機関の口座間で損益を通算したい場合
    • 当該年の損失を翌年以降に繰り越したい(繰越控除)場合

    一般口座特定口座(源泉徴収なし)では、税金の源泉徴収が行われないため、利益が出た場合は自身で確定申告を行い、納税する必要があります。

    また、複数の証券会社に口座を持っていて、一方の口座で利益、もう一方の口座で損失が出た場合にこれらを相殺(損益通算)するためにも確定申告が必須です。

    確定申告で有利になるケース

    確定申告は義務として行うだけでなく、税制上のメリットを受けるために自主的に行うことで有利になる場合があります。主なケースは以下の2つです。

    1.損益通算で税金の還付を受ける

    国債の売却で損失が出た年に、他の株式や投資信託で利益が出ていた場合、確定申告で損益通算を行うと、利益から損失を差し引くことができます。

    これにより課税対象額が減り、すでに源泉徴収されていた税金の一部が還付される可能性があります。

    2.繰越控除で将来の税金を減らす

    当該年の損失が利益を上回り、損益通算してもなお損失が残る場合、確定申告をすることで当該損失を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。

    繰り越した損失は、翌年以降の利益と相殺できるため、将来の税負担を軽減する効果が期待できます。

    非課税で国債を保有する方法

    一定の条件を満たす人は、「マル優」「特別マル優」といった非課税制度を利用することで、国債の利子にかかる税金を非課税にできます。ここでは、制度の対象者や利用方法について解説します。

    マル優・特別マル優の対象者

    「障害者等の少額貯蓄非課税制度」、通称「マル優」および「特別マル優」は、以下のような方が対象となります。

    • 身体障害者手帳の交付を受けている人
    • 遺族基礎年金や寡婦年金など、特定の公的年金を受給している妻
    • 児童扶養手当を受給している児童の母
    • その他、法令で定められた一定の条件を満たす人

    これらの制度を利用することで、国債から得られる利子を非課税にすることができます。

    (参考:受け取る利子に税金はかかりますか?|個人向け国債に関するよくある質問|財務省

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    特定口座と一般口座の違い

    国債を取引する際には、証券会社などの金融機関で口座を開設します。口座には主に「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」の3種類があり、それぞれ税金の取り扱いや確定申告の手間が異なります。自身の投資スタイルに合った口座を選ぶことが欠かせません。

    特定口座(源泉徴収あり)

    「特定口座(源泉徴収あり)」は、投資家にかかる税金の計算や納税手続きを金融機関が代行してくれる口座です。

    ポイントの解説

    国債の売却や償還によって利益が出た場合、金融機関が自動で税金を計算して源泉徴収し、納税まで行ってくれます。そのため、原則として確定申告が不要となり、手間をかけずに投資を行いたい方に適しています。

    ただし、複数の金融機関で取引していて損益通算をしたい場合や、損失を翌年以降に繰り越したい場合は、確定申告が必要です。

    特定口座(源泉徴収なし)

    「特定口座(源泉徴収なし)」は、年間の損益計算までを金融機関が行ってくれる口座です。

    金融機関は、1年間の取引で発生した利益や損失をまとめた「年間取引報告書」を作成してくれます。投資家は、年間取引報告書を使って自分で確定申告を行い、納税する必要があります。

    税金の源泉徴収は行われませんが、損益計算の手間が省けるため、確定申告を自分で行いたい方や、他の所得と合わせて申告する予定がある方などに適しています。

    一般口座

    「一般口座」は、年間の損益計算から確定申告、納税までのすべての手続きを投資家自身が行う必要がある口座です。

    金融機関は取引の記録を提供するのみで、損益の計算は行いません。そのため、年間のすべての取引について、取得価額や売却価額などを自分で管理し、利益や損失を計算して確定申告を行う必要があります。

    特定口座で取り扱えない金融商品を取引する場合などに利用されますが、税務手続きが煩雑になるため、初心者にはあまり推奨されません。

    国債の税金に関するよくある質問

    ここでは、国債の税金に関してよく寄せられる質問と回答をまとめました。

    Q. 利子は確定申告不要?

    原則として不要です。国債の利子は、受け取る際に20.315%の税金が源泉徴収(天引き)されるため、課税関係はそれで完結します。ただし、売却による損失と相殺(損益通算)したい場合は確定申告が必要です。

    Q. 損失が出たら確定申告すべき?

    確定申告をすることが推奨されます。他の株式や投資信託の利益と相殺(損益通算)して税金の還付を受けたり、損失を翌年以降3年間繰り越して将来の利益と相殺したりできるため、税負担を軽減できる可能性があります。

    まとめ

    本記事では、国債にかかる税金の仕組みについて解説しました。国債の利子、譲渡益、償還差益には一律20.315%の税金がかかりますが、「特定口座(源泉徴収あり)」を利用すれば確定申告の手間を省くことができます。

    一方で、損失が出た場合には、確定申告をすることで損益通算や繰越控除といった制度を活用し、税負担を軽減することも可能です。自身の投資スタイルや状況に合わせて、口座の種類を選んだり、確定申告を検討したりすることが大事です。

    税金の知識を身につけ、賢く国債投資を活用していきましょう。

    自身の状況で国債が最適な選択肢か、または他の投資方法と比較したい場合は、まずは将来の不足額と自分に合った資産運用について診断してみるのがおすすめです。

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    ※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください

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    監修
    黒澤 伸
    • 黒澤 伸
    • 税理士/社会保険労務士/CFP®認定者

    東京都出身。中央大学商学部会計学科を卒業後、東京国税局に入局。国税庁、東京国税局等に38年間勤務し、2023年に高松国税局長を最後に退官。同年、黒澤伸税理士事務所を開設し、2024年には社会保険労務士としても登録。現在は、税務・会計、社会保険、労働保険等の士業務を中心に、CFPとして事業者のトータルサポートを行っている。

    記事一覧

    執筆
    マネイロメディア編集部
    • マネイロメディア編集部
    • お金のメディア編集者

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