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投資信託の見方を初心者向けに解説|基準価額から運用レポートまで今日から使える確認方法

投資信託の見方を初心者向けに解説|基準価額から運用レポートまで今日から使える確認方法

投資信託2026/02/12
  • #初心者向け

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投資信託を選ぼうとすると、「目論見書や運用レポートのどこを見ればいいのか分からない」と感じる初心者は少なくありません。

利回りだけを見て判断してしまうと、リスクやコストを見落とすこともあります。

投資信託は、いくつかの基本ポイントを押さえるだけで、自分に合うかどうかを判断しやすくなります。

本記事では、初心者がまず確認すべき投資信託の見方と、失敗しにくいチェックポイントをわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 投資信託の値段である「基準価額」の見方
  • 利益が出ているかを確認する「損益」のチェック方法
  • ファンドの規模を示す「純資産総額」の重要性


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投資信託で初心者が最初に見るべき3つのポイント

投資信託の状況を確認する際、初心者がまず押さえておくべきポイントは以下の3つです。

  • 基準価額: 投資信託の現在の「値段」です。購入時と比較して上がっているか下がっているかを確認します。
  • 損益(トータルリターン): 分配金を含めた、投資元本に対する総合的な利益や損失を示します。現在の運用成績を正確に把握するために不可欠です。
  • 純資産総額: この投資信託にどれだけのお金が集まっているかを示す「規模」です。ファンドの安定性や人気度を測る目安になります。

これらの3つの指標を定期的に確認することで、自身の保有する投資信託がどのような状況にあるのか、大まかに把握することができます。

ポイント①基準価額

投資信託の「基準価額きじゅんかがく)」とは、この投資信託の値段を示すものです。株式における「株価」に相当する指標と考えると分かりやすいでしょう。

多くの投資信託は、運用開始時の基準価額を1万口あたり1万円に設定しています。その後、運用の成果によって基準価額は日々変動していきます。この基準価額の動きを見ることで、ファンドの価値が上がっているのか、下がっているのかを把握できます。

基準価額はどこで確認できる?

基準価額は、自身が投資信託を購入した証券会社や銀行のWebサイトで確認できます。ログイン後の資産状況画面や、各ファンドの詳細ページに表示されています。

また、各運用会社のWebサイトでも公表されています。

株価が取引時間中にリアルタイムで変動するのとは異なり、基準価額は1日に1回だけ算出・公表されます。通常、日本の株式市場が閉まった後の夜間に計算され、この日の夕方から21時頃にかけて更新されるのが一般的です。

海外の資産に投資するファンドの場合は、時差の影響で基準価額の公表が早くても翌営業日の夜になることもあります。

基準価額の変動で何がわかる?

基準価額が変動する主な要因は、投資信託が保有している株式や債券といった資産の価値の変動です。

例えば、国内株式で運用する投資信託の場合、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数が上昇すれば、組み入れられている株式の価値も上がり、基準価額は上昇する傾向にあります。

その他にも、基準価額は以下の要因によって変動します。

  • 為替レートの変動: 外国の資産に投資している場合、円安になれば基準価額の上昇要因に、円高になれば下落要因になります。
  • 分配金の支払い: ファンドの資産から分配金が支払われると、その分だけ基準価額は下がります。これを「分配落ち」と呼びます。
  • 信託報酬などのコスト: 運用にかかる手数料(信託報酬)は、日々ファンドの資産から差し引かれるため、基準価額を押し下げる要因となります。

このように、基準価額はさまざまな要因で変動するため、この数字の上下だけでファンドの良し悪しを判断することはできません。

ポイント②損益(トータルリターン)

投資信託の運用状況を把握する上で、現在の損益を確認することは基本です。多くの証券会社では「評価損益」と「トータルリターン」という2つの指標が用いられます。

これらは似ているようで意味が異なるため、違いを正しく理解することが欠かせません。

評価損益とトータルリターンの違い

評価損益とトータルリターンは、どちらも運用成績を示す指標ですが、計算に分配金が含まれるかどうかに違いがあります。

項目

説明

説明

評価損益

説明

購入時の価格と現在の評価額の差額。分配金は考慮されない。

トータルリターン

説明

評価損益に、これまでに受け取った分配金(税引後)を加えたもの。

分配金を受け取っている場合、その分だけ基準価額は下がっているため、評価損益だけを見るとマイナスになっていることがあります。しかし、受け取った分配金を加味したトータルリターンを見ることで、この投資信託の総合的な運用成果を正確に判断できます。

投資の成果を正しく把握するためには、必ずトータルリターンを確認するようにしましょう。

マイナスになっていたらどうする?

トータルリターンがマイナスになっていると不安に感じるかもしれませんが、すぐに売却を判断するのは早計です。投資信託は、長期的な視点で運用することが基本です。

市場は常に変動しており、一時的に価格が下落することは珍しくありません。過去の市場を見ても、下落局面を乗り越えながら長期的に成長してきた例は多くあります。

毎月決まった金額を買い付ける「積立投資」を行っている場合、基準価額が下がっている時期は、同じ金額でより多くの口数を購入できるチャンスと捉えることもできます。

この考え方はドルコスト平均法と呼ばれ、長期的に見ると購入単価を平準化させる効果が期待できます。

短期的な価格変動に一喜一憂せず、当初の投資目的や運用期間を思い出し、冷静に積立を継続することが望ましいでしょう。

ポイント③純資産総額

純資産総額とは、この投資信託に集まっている資金の合計額のことで、ファンドの規模や人気度を示す指標です。

純資産総額は、投資家からの資金の流入・流出や、組み入れられている資産の価格変動によって日々変動します。

一般的に、純資産総額が順調に増加しているファンドは、多くの投資家から支持されており、運用が安定していると評価できます。

純資産が減り続けるファンドは危険?

純資産総額が継続的に減少しているファンドには注意が必要です。純資産総額が一定の規模を下回ると、効率的な分散投資が困難になったり、運用コストの割合が高まったりする可能性があります。

さらに、純資産総額が極端に小さくなると、信託期間の途中で運用を終了する「繰上償還くりあげしょうかん)」のリスクが高まります。繰上償還になると、この時点の基準価額で強制的に解約されてしまうため、たとえ損失が出ていても売却せざるを得ない状況になります。

ファンドを選ぶ際や保有ファンドを確認する際には、純資産総額が一定規模以上あり、減少傾向が続いていないかを確認することが肝となります。

分配金の見方と注意点

分配金とは、投資信託の運用によって得られた収益の一部を、決算日に投資家へ還元するお金のことです。定期的に現金を受け取れるため魅力的に見えますが、この仕組みには注意が必要です。

分配金はファンドの純資産から支払われるため、分配金が出るとその分だけ基準価額は下落します。これを「分配落ち」と呼びます。

分配金が多いファンドを選ぶべき?

結論からいうと、分配金の多さだけでファンドの良し悪しを判断すべきではありません。

分配金には、運用で得た利益から支払われる「普通分配金」と、元本の一部を取り崩して支払われる「特別分配金元本払戻金)」の2種類があります。

注意が必要なのは特別分配金です。これは実質的に投資した元本の一部が払い戻されているだけであり、利益ではありません。にもかかわらず、高い分配金利回りを維持するために特別分配金を頻繁に出しているファンドも存在します。

このようなファンドは、長期的に見ると元本がどんどん減っていく「タコ足配当」の状態に陥る可能性があります。

長期的な資産形成を目指すのであれば、分配金を頻繁に出すファンドよりも、出さずに利益を再投資に回す「無分配型」や「再投資型」のファンドのほうが、複利効果を活かしやすく有利とされています。


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運用レポート(月次レポート)の見方

運用レポート(月次レポート)は、投資信託の運用会社が毎月発行する、この月の運用状況をまとめた資料です。

ファンドの現状を把握し、今後の運用方針を考える上で重要な情報源となります。証券会社や運用会社のWebサイトで誰でも閲覧できます。

月次レポートで確認すべき項目

月次レポートには多くの情報が記載されていますが、初心者が注目すべき項目は以下の通りです。

  • 基準価額・純資産総額の推移: ファンドの価値と規模がどのように変動しているかを確認します。純資産総額が安定して増加しているかがポイントです。
  • 騰落率: 直近1ヶ月、3ヶ月、1年など、各期間のリターンを確認します。設定来のトータルリターンもポイントです。
  • ポートフォリオの状況: どのような資産(株式、債券など)や国・地域に投資しているかの比率がわかります。また、組入上位10銘柄なども記載されており、具体的な投資先を確認できます。
  • マーケット概況と今後の運用方針: ファンドマネージャーによる市場分析や、今後の運用方針に関するコメントが記載されています。プロの見解を知ることで、現在の市場環境を理解する助けになります。

これらの項目を毎月チェックすることで、自身の保有するファンドがどのような状況にあり、どのような方針で運用されているかを深く理解することができます。

目論見書の見方|購入前に確認すべきポイント

目論見書(もくろみしょ)は、投資信託の購入を検討している投資家向けに作成された、いわば「商品の説明書」です。このファンドの目的、特色、リスク、手数料といった重要な情報が網羅されています。投資判断を行う前に必ず内容を確認する必要があります。

目論見書のどこを見ればいい?

目論見書は詳細な情報が記載されているため、すべてを読み込むのは大変かもしれません。初心者が購入前に最低限確認すべきポイントは以下の通りです。

  • ファンドの目的・特色: このファンドが何を目指して(目的)、どのような資産に、どのような手法で(特色)投資するのかが記載されています。自身の投資方針と合っているかを確認します。
  • 投資のリスク: 価格変動リスクや為替変動リスクなど、このファンドが抱える主なリスクについて説明されています。どのような場合に価格が下落する可能性があるのかを把握しておきましょう。
  • 運用実績: 過去の基準価額の推移や年間収益率がグラフで示されています。過去の実績が将来を保証するものではありませんが、値動きの傾向を把握する上で参考になります。
  • 手続・手数料等: 購入時手数料、信託報酬(運用管理費用)、信託財産留保額など、投資にかかるコストが具体的に記載されています。保有期間中にかかる信託報酬は、長期的なパフォーマンスに影響するため鍵となります。

これらの項目を確認することで、このファンドが自身の考えに合った商品かどうかを判断することができます。

運用報告書の見方|年1回の総まとめ

運用報告書は、投資信託の決算ごとに作成される、この期間の運用成果をまとめた「成績表」です。

通常は年1回または2回発行され、このファンドを保有している投資家に交付されます。過去の運用がどうであったか、そして今後どうしていくのかを知るための重要な資料です。

運用報告書で見るべき項目

運用報告書では、より詳細な運用状況を確認できます。以下の項目に注目しましょう。

  • 期中の運用経過と実績: 決算期間中の基準価額の動きや、市場環境がどうであったか、そしてファンドがどのような運用を行ったかが具体的に説明されています。
  • ベンチマークとの比較: ファンドが目標とする指数(ベンチマーク)と、実際の運用成績を比較したグラフや数値が記載されています。ベンチマークを上回る成果を上げられたか、あるいは下回った場合はその要因は何かを確認します。
  • 今後の運用方針: 決算期間中の反省を踏まえ、今後どのような方針で運用していくのかが示されます。この方針に納得できるかどうかが、投資を継続するかの判断材料の1つになります。
  • 1万口当たりの費用明細: 信託報酬や売買委託手数料など、実際にファンドが支払ったコストの内訳が記載されています。目論見書に記載されている信託報酬以外にもコストがかかっていることがわかります。

運用報告書を読み解くことで、そのファンドの運用状況をより深く理解し、今後も保有を続けるべきかどうかの判断に役立てることができます。

投資信託を選ぶ時にチェックすべきポイント

投資信託を選ぶ際には、利回りや基準価額だけでなく、いくつかの重要な指標を総合的に見て判断する必要があります。

初心者がファンド選びで失敗しないために、チェックすべきポイントを解説します。

過去の運用実績はどう見る?

過去の運用実績は、そのファンドの実力を測るための重要な手がかりです。証券会社のWebサイトなどで確認できる「騰落率とうらくりつ)」を見ましょう。騰落率とは、ある一定期間内に基準価額がどれだけ上昇または下落したかをパーセンテージで示したものです。

ポイントは、1年などの短期的な成績だけでなく、3年、5年、10年といった長期の騰落率を確認することです。複数の期間で安定して良好な成績を上げているファンドは、運用力が高いと評価できます。

また、同じカテゴリの他のファンドや、目標とする指数(ベンチマーク)と比較して、成績が優れているかどうかも確認しましょう。

ただし、過去の実績は将来の成果を保証するものではない点には注意が必要です。

手数料は安いほうがよい?

投資信託にかかる手数料、保有期間中に継続して発生する「信託報酬(運用管理費用)」は、長期的な運用成果に大きな影響を与えます。

信託報酬は年率で表示されますが、実際には日割りで計算され、日々ファンドの資産から差し引かれています。このため「見えないコスト」とも言われますが、その影響は無視できません。

例えば、同じ指数に連動するインデックスファンドであれば、運用成果に大きな差は出にくいため、信託報酬が低いファンドを選ぶのが資産形成を効率的に進めるための基本です。

アクティブファンドの場合は信託報酬が高めに設定されていますが、そのコストに見合うだけのリターンが期待できるかを慎重に判断する必要があります。一般的に、インデックスファンドであれば信託報酬は年率0.5%以下を目安にするとよいでしょう。

定期的な確認とメンテナンスの方法

投資信託は「一度買ったら終わり」という商品ではありません。自身の資産状況やライフプランの変化に合わせて、定期的に内容を確認し、必要に応じて見直し(メンテナンス)を行うことが、長期的な資産形成を成功させるための鍵となります。

どのくらいの頻度で確認すればいい?

投資信託の確認頻度に決まったルールはありませんが、日々の基準価額の変動を追いかける必要はありません。短期的な値動きに一喜一憂してしまうと、冷静な判断ができなくなる可能性があるからです。

初心者の方は、月に1回四半期に1回など、自身でタイミングを決めて定期的に確認する習慣をつけるのがおすすめです。給料日後や月末など、忘れにくいタイミングを設定するとよいでしょう。

確認する際は、基準価額だけでなく、トータルリターンや純資産総額の推移も合わせてチェックし、長期的な視点で運用状況を把握することが大切です。

こんな時は見直しを検討

定期的な確認の中で、以下のような状況が見られた場合は、ポートフォリオ(資産の組み合わせ)の見直しを検討するタイミングかもしれません。

  • ライフプランに大きな変化があった時: 結婚、出産、住宅購入、転職など、人生の節目では必要となる資金やリスク許容度が変化します。現在のポートフォリオが新しいライフプランに適しているかを見直しましょう。
  • 保有ファンドの純資産総額が減り続けている時: ファンドの人気が低下し、繰上償還のリスクが高まっている可能性があります。他の安定したファンドへの乗り換えを検討します。
  • 運用方針が変わった時: 運用報告書などで、ファンドの運用方針に変更があった場合は、その方針が自身の考えと合致しているか再確認が必要です。
  • 資産のバランスが崩れた時: 運用を続けるうちに、特定の資産(例えば株式)の価格が上昇し、ポートフォリオ全体に占める割合が増加することがあります。当初決めた資産配分に戻す「リバランス」を行うことで、リスクを取りすぎていないかを確認します。

まとめ

投資信託の「正しい見方」は、初心者ほど迷いやすいポイントです。基準価額・分配金・純資産・手数料など、投資信託には見る項目が多く、何を重視すべきか分からないまま選んでしまう人も少なくありません。

数字だけを追っても、失敗を防げるとは限らないのが現実です。

大切なのは、老後にいくら必要で、どれくらいリスクを取る必要があるのかを先に整理することです。この前提があって初めて、どの指標を重視すべきかが見えてきます。

3分投資診断では、老後に必要な金額と現在の資産状況から、初心者が投資信託を見るときの判断軸を整理できます。

細かい数字を覚える前に、自分に合う見方を確認するための診断です。

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執筆・監修
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

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