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医療費控除の対象になるもの・ならないものは?具体例で解説

医療費控除の対象になるもの・ならないものは?具体例で解説

制度2026/01/14
  • #初心者向け

≫将来の不足額はいくら?あなたのケースで診断

「家族の入院や通院で医療費がかさんだけど、医療費控除の対象はどこまで?」
「ドラッグストアで買った薬や、通院に使った交通費も控除申請できるのか知りたい」

医療費控除の対象範囲について、こうした疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。確定申告で対象になる費用を漏れなく申請すれば、納めた税金が戻ってくる可能性がありますが、対象外の費用を含めてしまうと申告が認められないこともあります。

そこで、本記事では、医療費控除の対象になるもの・ならないものの具体的な線引きを解説します。支払った費用が対象になるかを確認し、確定申告の準備を進めましょう。

この記事を読んでわかること
  • 医療費控除の対象になる費用の具体例
  • 対象外となる間違えやすい費用の例
  • 判断に迷うケースの判断基準


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医療費控除とは?基本の仕組みを理解する

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、その費用の一部を所得から差し引くことができる制度です。所得控除の一種であり、課税対象となる所得が減少するため、結果として所得税や住民税の負担が軽減されます。

本制度は、年末調整では手続きができないため、会社員や公務員の方でも、自ら確定申告を行う必要があります

支払った医療費そのものが戻ってくるわけではありませんが、税金の負担を軽くするための重要な仕組みです。

対象となる期間と申請できる人

医療費控除の対象となるのは、その年の1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費です。

申請できるのは納税者本人で、本人の医療費だけでなく「生計を一にする」配偶者や親族のために支払った医療費も合算して申告できます。

「生計を一にする」とは、必ずしも同居している必要はありません。例えば、単身赴任中の配偶者や、仕送りをしている一人暮らしの子供の医療費を支払った場合も対象に含まれます。家族全体の医療費をまとめることで、控除を受けやすくなる場合があります。

医療費控除で戻ってくる金額の計算式

医療費控除によって実際に戻ってくる還付金額は、まず「医療費控除額」を算出し、それに所得税率を掛けて計算します。

ステップ1:医療費控除額の計算

医療費控除額は、以下の式で算出します。上限は200万円です。

(実際に支払った医療費の合計額 - 保険金などで補填される金額) - 10万円

ただし、その年の総所得金額等が200万円未満の場合は、10万円の代わりに「総所得金額等の5%」を差し引きます。

ステップ2:還付金額の計算

実際に戻ってくる金額(還付金)は、上記の医療費控除額に、自身の所得税率を掛けて算出します。

医療費控除額 × 所得税率 = 還付される所得税額

例えば、医療費控除額が30万円で所得税率が20%の方の場合、還付金は6万円(30万円 × 20%)となります。所得税率が高い方ほど、還付される金額は増加します。

なお、実際に還付される金額は、給与から天引きされている源泉徴収税額と、医療費控除により再計算した年税額との差額です。

医療費控除とセルフメディケーション税制の違い

医療費控除には「セルフメディケーション税制」という特例制度があります。これは、健康の維持増進や疾病の予防への取り組みとして、年間1万2000円を超える特定医薬品(スイッチOTC医薬品等)を購入した場合に受けられる所得控除です。

両制度の主な違いは以下の通りです。

比較項目

医療費控除(通常)

医療費控除(通常)

セルフメディケーション税制(特例)

セルフメディケーション税制(特例)

適用条件

医療費控除(通常)

年間医療費が10万円(または所得の5%)超

セルフメディケーション税制(特例)

特定医薬品の購入費が年間1万2000円超

対象費用

医療費控除(通常)

治療に関する幅広い医療費

セルフメディケーション税制(特例)

厚生労働省が指定するスイッチOTC医薬品等

控除上限額

医療費控除(通常)

200万円

セルフメディケーション税制(特例)

8万8000円

重要な点は、これら2つの制度は選択制であり、同時に利用することはできないということです。

大きな病気や入院がなく、病院にかかる費用は10万円に満たないけれど、市販の風邪薬やアレルギー薬などをよく購入するという方は、セルフメディケーション税制の方が有利になる可能性があります。

自身の状況に合わせて、どちらか節税効果の高い方を選択して申告する必要があります。

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医療費控除の対象になるもの|費用別の具体例

医療費控除の対象となるのは、原則として「病気やケガの治療または療養に直接必要な費用」です。ここでは、具体的にどのような費用が対象になるのかを、カテゴリ別に詳しく見ていきましょう。

診察・治療費

医師または歯科医師による診療や治療にかかった費用は、医療費控除の対象となります。具体的には、以下のような費用が含まれます。

  • 病院での診察料
  • 検査費用(レントゲン、血液検査など)
  • 処置費用
  • 手術費用

ケガや病気で医療機関を受診した際に支払った自己負担分は、基本的にすべて対象になると考えてよいでしょう。

医薬品・医療用具

治療や療養に必要な医薬品の購入費用も医療費控除の対象です。これには、医師から処方された薬だけでなく、ドラッグストアなどで購入した市販の風邪薬胃腸薬痛み止めなども含まれます。また、治療に直接必要な医療用具の購入費やレンタル料も対象となります。

  • コルセット、義手、義足、松葉づえ
  • 補聴器、義歯

注意点

一方、病気の予防や健康増進を目的としたビタミン剤やサプリメントの購入費用は対象外です。

入院費用

入院にかかった費用も医療費控除の対象です。具体的には、入院中の部屋代や、病院から提供される食事代が含まれます。

ただし、差額ベッド代については注意が必要です。差額ベッド代とは、個室や少人数の病室を利用した際にかかる追加料金のことです。その費用は、本人や家族の希望で個室などを利用した場合は対象外となります。

一方で、病院側の都合(一般病床が満床など)や、医師の指示によって個室に入院した場合は、医療費控除の対象として認められます。

通院のための交通費

病院への通院にかかる交通費も、医療費控除の対象となります。

対象となるもの

  • 電車、バスなどの公共交通機関の運賃
  • 病状により公共交通機関が利用できず、やむを得ず利用したタクシー代

電車やバス代は領収書が出ない場合が多いため、日付、利用した交通機関、経路、運賃などを記録したメモを残しておきましょう。

対象とならないもの

  • 自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車場代
  • 里帰り出産のための帰省費用

タクシー代は、急を要する場合や、骨折などで公共交通機関の利用が困難な場合に限り対象となります。単に「楽だから」といった理由での利用は認められません

歯科治療

歯科医院で支払った費用も、治療目的であれば医療費控除の対象です。

対象となるもの

  • 虫歯や歯周病の治療費
  • 入れ歯(義歯)の費用
  • インプラント治療費
  • 金やセラミックなど使った治療費
  • 発育段階にある子供の歯列矯正費用

対象とならないもの

  • 容姿を美化するための歯列矯正(成人の美容目的の矯正など)
  • ホワイトニング費用

ポイントの解説

ポイントは「治療目的」か「美容(審美)目的」かという点です。自費診療となるインプラントや高価な材料を使った治療も、それが一般的な治療として認められていれば控除の対象となります。

出産費用

妊娠から出産後までにかかる費用も、医療費控除の対象となります。

対象となるもの

  • 妊娠と診断されてからの定期検診や検査の費用
  • 通院にかかる交通費(電車・バス代など)
  • 出産のための入院費、分娩費
  • 産後1ヶ月検診の費用

注意点

出産に関連する費用を申告する際は、健康保険から支給される「出産育児一時金」などを、支払った医療費から差し引く必要があります。その点は忘れないように注意しましょう。

介護サービス

介護保険制度を利用して支払った自己負担額の一部も、医療費控除の対象となる場合があります。対象となるサービスは、医療との関連性が高いものに限られます。

対象となる主なサービス

  • 訪問看護、訪問リハビリテーション
  • デイサービス(通所リハビリテーション)
  • ショートステイ(短期入所療養介護)
  • 介護老人保健施設(老健)、介護医療院などの施設サービス費

どのサービスが対象になるかは複雑なため、自分で判断するのは難しいかもしれません。
介護保険適用であることが大前提となりますが、控除の対象になる場合は、サービス事業者から受け取る領収書に「医療費控除対象額」が記載されていますので、その金額を確認して申告します。

不明な点があれば、利用している施設や事業者に問い合わせてみましょう。

その他の対象費用

上記以外にも、以下のような費用が医療費控除の対象となります。

  • あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術費
    • ただし、疲れを癒す、体調を整えるといったリラクゼーション目的の場合は対象外です。あくまで治療目的の施術に限られます。
  • 助産師による分娩の介助費用
  • 義手、義足、松葉づえ、補聴器、義歯などの購入費用
  • 6ヶ月以上寝たきりの人のおむつ代
    • 医師が発行する「おむつ使用証明書」が必要です。2年目以降は、市町村が発行する確認書で代用できる場合があります。

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医療費控除の対象にならないもの|間違えやすい費用

医療費控除は「治療」を目的とした費用が対象となるため、予防や美容、健康増進に関する費用は対象外となります。

ここでは、医療費控除の対象になると間違えやすい費用について、具体的な例を挙げて解説します。これらの費用を誤って申告しないよう、注意しましょう。

健康診断・人間ドック

健康診断や人間ドックの費用は、病気の予防や健康状態の確認が目的であるため、原則として医療費控除の対象にはなりません。

ただし、健康診断や人間ドックの結果、重大な病気が発見され、引き続きその病気の治療を行った場合には、その健康診断費用も医療費控除の対象に含めることができます。あくまで治療の一環とみなされる場合に限られるという点がポイントです。

予防接種・ワクチン

インフルエンザの予防接種や、その他の各種ワクチン接種の費用は、病気の「予防」を目的としているため、医療費控除の対象にはなりません。

医療費控除は、あくまで発症した病気やケガの「治療」にかかった費用を対象とする制度です。そのため、治療ではなく予防段階の費用は含まれないと覚えておきましょう。

美容目的の治療

容姿を美化するための費用は、病気の治療とはみなされないため、医療費控除の対象外です。

  • 美容整形手術:二重まぶたの手術や脂肪吸引など
  • 審美歯科:歯のホワイトニングや、美容目的の歯列矯正など

ポイントの解説

ただし、ケガの治療のために必要な形成手術や、子供の発育を促すための歯列矯正など、「治療」が目的であると認められる場合は、控除の対象となることがあります。

健康増進・疲労回復目的の費用

病気の治療ではなく、健康の維持・増進や疲労回復を目的とした費用は、医療費控除の対象にはなりません。

  • サプリメントやビタミン剤、健康食品の購入費
  • 疲労回復を目的としたマッサージや整体の費用
  • 温泉療養や湯治の費用

これらは、直接的な治療行為とはみなされないため、控除の対象外となります。ただし、医師の処方に基づいて購入したビタミン剤などは、治療の一環として認められ、対象となる場合があります。

診断書などの文書料

生命保険の給付金請求などに必要な診断書や、各種証明書の発行手数料(文書料)は、治療行為そのものではないため、医療費控除の対象にはなりません。

ただし、他の病院への紹介状にあたる「診療情報提供料」については、治療を引き継ぐために必要な費用とみなされ、控除の対象となります。

自家用車の費用

通院のために自家用車を使用した場合のガソリン代や駐車場代、高速道路料金は、医療費控除の対象にはなりません。

医療費控除の対象となる交通費は、電車やバスなどの公共交通機関の利用が原則です。自家用車の費用は、個人の移動手段にかかる費用とみなされ、治療に直接必要な費用とは認められていません。

入院時の差額ベッド代(本人希望)

入院時に、本人や家族の希望で個室や少人数の病室を利用した場合に発生する「差額ベッド代」は、医療費控除の対象外です。これは、治療上必須ではない選択とみなされるためです。

ポイントの解説

ただし、病院側の都合(一般病床が満床であったなど)や、医師が治療上必要と判断して個室に入院した場合は、その差額ベッド代も医療費控除の対象に含めることができます。

入院時の身の回り品

入院生活で必要となるパジャマや寝具、洗面用具、タオルといった身の回り品の購入費用は、医療費控除の対象にはなりません。

これらの費用は、医師による診療や治療を受けるために直接必要なものとはみなされないためです。あくまで個人の日常生活に必要な物品の購入費として扱われます。

判断に迷いやすい費用の具体的な線引きとは?

医療費控除の対象になるかどうかの判断は、「治療目的」であるか否かが重要な基準となります。しかし、中にはその線引きが難しいグレーゾーンの費用も存在します。ここでは、判断に迷いやすい費用について、具体的な基準を解説します。

マッサージ・整体・鍼灸

マッサージや鍼灸などの費用が医療費控除の対象になるかどうかは、「誰が」「何のために」施術を行ったかで決まります。

対象となるケース

  • あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師といった国家資格を持つ施術者が、ケガや病気の治療目的で行った施術の費用。


対象とならないケース

  • 単なる疲労回復やリラクゼーション、体調を整えるといった目的で行った施術の費用。
  • 国家資格を持たない整体師などによる施術費用。

重要なのは、治療に直接関連しているかどうかです。領収書に治療内容が記載されているかを確認し、不明な場合は施術所に問い合わせましょう。

コンタクトレンズ・メガネ

日常的に使用する近視や乱視用のコンタクトレンズやメガネの購入費用は、視力矯正が目的であり、病気の治療ではないため原則として医療費控除の対象外です。しかし、例外として対象となるケースもあります。

対象となる可能性のあるケース

白内障や緑内障、斜視、弱視といった病気の治療の一環として、医師の指示に基づき購入した特殊なメガネやコンタクトレンズの費用は対象となる可能性があります。

このような場合は、治療のために必要であることを証明するために、医師の処方箋や診断書などを保管しておくことが望ましいでしょう。

不妊治療

医師による不妊治療の費用は、医療費控除の対象となります。これには、人工授精体外受精顕微授精といった高度な治療にかかる費用も含まれます。

また、不妊治療のために医療機関へ通院する際の交通費(公共交通機関)も控除の対象です。関連する費用は漏れなく集計し、申告するようにしましょう。

ED治療・AGA治療

ED(勃起不全)治療やAGA(男性型脱毛症)治療にかかる費用は、一般的に美容やQOL(生活の質)の向上を目的とするものとみなされるため、原則として医療費控除の対象外です。

ただし、EDが他の病気(例えば、糖尿病や心疾患など)に起因する症状であり、その病気の治療の一環として行われる場合には、医療費控除の対象となる可能性があります。

最終的な判断は個別の状況によるため、該当する可能性がある場合は、事前に税務署や税理士に確認することが推奨されます。

PCR検査・抗原検査

新型コロナウイルス感染症に関連するPCR検査や抗原検査の費用は、状況によって医療費控除の対象になるかどうかが異なります。

対象となるケース

  • 医師の判断により受けたPCR検査等の費用。
  • 自己判断で検査を受け、その結果「陽性」と判明し、引き続き治療を行った場合の検査費用。


対象とならないケース

  • 自己判断で検査を受け、結果が「陰性」であった場合の検査費用。
  • 単に感染していないことを証明するため(例:イベント参加や出社のため)に受けた検査費用。

ポイントは、治療との関連性です。治療の一環として行われた検査であれば対象となり、予防や確認目的の検査は対象外となります。

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医療費控除を申請する際の注意点

医療費控除を正しく申請するためには、いくつかの実務的な注意点があります。手続きをスムーズに進め、申告漏れやミスを防ぐために、以下のポイントを事前に確認しておきましょう。

領収書の保管は必須(5年間)

2017年分の確定申告から、医療費の領収書を申告時に提出する必要はなくなりました。その代わりに「医療費控除の明細書」を提出します。

しかし、領収書の提出が不要になっただけで、保管義務がなくなったわけではありません。作成した明細書の内容を確認するため、税務署から後日提示を求められることがあります

そのため、医療費の領収書は、確定申告の期限から5年間は自宅で大切に保管しておく必要があります。すぐに処分しないように注意しましょう。

医療費控除の明細書の作成方法

医療費控除を申請するには、「医療費控除の明細書」を作成し、確定申告書に添付する必要があります。明細書には、以下の項目を記入します。

  1. 医療を受けた方の氏名
  2. 病院・薬局などの支払先の名称
  3. 医療費の区分(診療・治療、医薬品購入など)
  4. 支払った医療費の額
  5. 保険金などで補填される金額

領収書を一枚ずつ転記するのではなく、医療を受けた人ごと、病院・薬局ごとに合計額をまとめて記入します。

健康保険組合などから送付される「医療費通知(医療費のお知らせ)」を添付すれば、明細の記入を一部省略できるため便利です。

保険金等で補填される金額の扱い

医療費控除額を計算する際には、支払った医療費の総額から、保険金などで補填された金額を差し引く必要があります。補填される金額には、以下のようなものが含まれます。

  • 生命保険や医療保険から支払われる入院給付金、手術給付金など
  • 健康保険から支給される高額療養費、出産育児一時金など

差し引く保険金は、その給付の目的となった医療費の金額が上限である点に注意が必要です。

例えば、入院費用10万円に対して入院給付金が15万円支払われた場合、差し引く金額は10万円となります。余った5万円を、他の医療費(通院費など)から差し引く必要はありません。

医療費控除は過去5年分まで遡って申請可能

「過去に医療費がたくさんかかった年があったのに、確定申告を忘れていた」という場合でも、諦める必要はありません。医療費控除の申請は、過去5年分まで遡って行うことができます。

その手続きは「還付申告」と呼ばれ、通常の確定申告期間(2月16日~3月15日)とは関係なく、対象となる年の翌年1月1日から5年間いつでも提出が可能です。過去の医療費の領収書が残っている場合は、今からでも申告できるか確認してみましょう。

医療費控除に関するQ&A

ここでは、医療費控除に関して多くの方が疑問に思う点について、Q&A形式で解説します。

Q. 医療費が10万円以下でも医療費控除は受けられる?

はい、受けられる場合があります。医療費控除は、原則として年間の医療費が10万円を超えた場合に適用されますが、その年の総所得金額等が200万円未満の方については、10万円ではなく「総所得金額等の5%」を超えた金額が控除の対象となります。

例えば、総所得金額等が150万円の方の場合、その5%は7万5000円です。その場合、年間の医療費が8万円(保険金等による補填なしと仮定)であれば、5000円(8万円 - 7万5000円)が医療費控除額となります。

Q. 家族の医療費をまとめて申請できる?

はい、できます。納税者本人だけでなく、「生計を一にする」配偶者や親族のために支払った医療費は、すべて合算して申告することが可能です。

「生計を一にする」とは、同居している家族はもちろん、別居していても生活費や学費、療養費などを常に送金している場合も含まれます。例えば、一人暮らしの大学生の子供や、実家で暮らす両親の医療費を支払っている場合などが該当します。家族の医療費をまとめることで、控除の基準額である10万円を超えやすくなります。

Q. クレジットカードで支払った医療費はいつの年分になる?

クレジットカードで医療費を支払った場合、その費用がどの年の医療費控除の対象になるかは、「カードで決済した日(医療機関で支払い手続きをした日)」が基準となります。

銀行口座から利用代金が引き落とされる日ではありません。例えば、2025年12月20日に病院でカード決済し、引き落としが2026年1月27日だった場合、その医療費は2025年分として申告します。年末に支払いをする際は注意しましょう。

まとめ

医療費控除は、1年間の医療費負担を軽減するための重要な制度です。

対象となるのは「治療目的」の費用であり、健康診断や予防接種、美容目的の費用は対象外となる点を理解しておくことが大切です。

対象になるか迷う費用も多くありますが、この記事で解説した具体例や判断基準を参考に、支払った費用を整理してみましょう。家族全員分の医療費を合算し、保険金などを差し引いた上で、10万円(または所得の5%)を超える場合は、確定申告を行うことで税金の還付を受けられる可能性があります。

申告には領収書の5年間保管が義務付けられていますので、日頃から整理しておくことがスムーズな手続きの鍵となります。

判断に迷う場合は、領収書を保管した上で、税務署や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

≫将来の必要額はいくら?あなたの不足額をシミュレーション


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監修
黒澤 美裕理
  • 黒澤 美裕理
  • 税理士 / 経営革新等支援機関

福島県出身。筑波大学大学院 ビジネス科学研究群法学学位プログラム 修士課程修了。仙台国税局、東京国税局、税務署に勤務。東京国税局調査部を最後に早期退職し税理士として独立開業。幅広い経験を持ち税務会計から事業経営に至るまで指導やアドバイスを行う。

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執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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