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ねんきんネットは登録しないほうがいい?その理由と登録しないデメリットを解説

ねんきんネットは登録しないほうがいい?その理由と登録しないデメリットを解説

年金2025/10/10
  • #老後資金

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ねんきんネットは登録しないほうがいい」という意見を聞き、登録を迷っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、本当にねんきんネットは登録しないほうがよいのでしょうか?

本記事では、ねんきんネットに登録しないとどうなるか、ねんきん定期便との違い、安全な登録方法、そしてメリットまで網羅的に解説します。ぜひ本記事を参考に、実際に登録したほうがよいか否かを判断する材料にしてください。

この記事を読んでわかること
  • 「ねんきんネットに登録しないほうがいい」といわれる主な理由
  • ねんきんネットに登録しない場合に生じる具体的なデメリット
  • どうしても登録したくない場合の代替案・対処法


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ねんきんネットとは?登録しないほうがいいの?

ねんきんネットは、日本年金機構が提供するオンラインサービスであり、インターネットを通じていつでもどこでも、年金記録を確認したり、将来の年金見込額を試算したりできるシステムです 。

紙の「ねんきん定期便」が年1回、固定された情報を提供するのに対し、ねんきんネットは最新の情報に基づいた柔軟なサービスを提供します 。

【結論】多くの人にとっては登録したほうがよい

結論として、老後の生活設計を真剣に考える多くの人にとって、ねんきんネットは登録したほうが多くのメリットを得られるサービスです。

登録することで、年金記録の「もれ」や「誤り」を早期に発見できるほか、将来受け取る年金の見込額をさまざまなライフプランに合わせて高精度に試算できるという、紙の定期便にはない大きなメリットを享受できます 。

もし、セキュリティ面などでの不安を感じている人は、本記事で紹介する「登録しない場合のデメリット」も判断の参考にしてみてください。

なぜ「ねんきんネットは登録しないほうがいい」といわれる?

ねんきんネットの利便性が高いにもかかわらず、「登録しないほうがいい」という意見が出てくるのには、主にセキュリティ面や手続きに関する不安が背景にあります。

過去に日本年金機構で不正アクセスによる情報流出があったから

ねんきんネットの登録をためらう大きな理由になり得るのが、過去に日本年金機構で発生した不正アクセスによる情報流出事件です。2015年に、職員が使用する端末が不正アクセスを受け、年金加入者の基礎年金番号や氏名などの個人情報が流出しました。

しかし、重要な点として、この情報流出は「ねんきんネット」のシステムから情報が漏れたものではありません。情報が流出したのは日本年金機構内の事務処理システムであり、ねんきんネットのシステムとは別系統で運用されていました。

機構はその後、セキュリティ対策を強化しています。ねんきんネットのシステム自体の堅牢性は十分に担保されていると考えてよいでしょう。

手続きが面倒で手間がかかる(イメージがある)から

ねんきんネットの登録には、マイナポータル連携を利用する方法と、WebサイトからユーザIDを取得する方法の2種類があります 。

特にユーザIDを取得する方法では、基礎年金番号や氏名などの情報入力後、日本年金機構からIDが記載された通知書が郵送されるのを待つ必要があり、すぐに利用開始できないため、「面倒で手間がかかる」というイメージを持たれがちです。

しかし、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」に記載の「アクセスキー」(有効期限3ヶ月)を利用すれば、Webサイトから即時にユーザIDを取得でき、すぐに利用を開始できます

マイナポータル連携が難しい方でも、この方法なら非常にスムーズです。一度登録を完了すれば、以降はIDとパスワードで簡単にアクセスできます。

ID・パスワードの管理が大変だから

ねんきんネットは個人情報や将来の資産に関わる重要なサービスであるため、IDやパスワードを厳重に管理する必要があります。多くのオンラインサービスを利用している現代において、これ以上IDやパスワードを増やすのは管理が大変だと感じる方もいるでしょう。

しかし、年金情報は将来の生活を支えるもっとも重要な情報の1つです。他の金融機関の口座やマイナンバー関連サービスと同様に、セキュリティソフトの導入や二要素認証の活用など、適切な方法で管理することで、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。

年に1回の「ねんきん定期便」で十分だから

毎年誕生月に届く紙のねんきん定期便で年金記録を確認できるため、それ以上のオンラインでの確認は不要だと考える人もいます。

しかし、紙の定期便で確認できる年金見込額は、50歳未満の場合は「これまでの加入実績に応じた年金額」のみであり、50歳以上でも「現在の加入条件で60歳まで加入し続けた場合」の仮定に基づくものです 。

これに対し、ねんきんネットでは、加入期間の変更や、働き方の変化、受給開始年齢の変更といったさまざまな条件を自分で入力して、何度でも、より現実に即した見込額を試算できます。

どんなメリットがあるか分からないから

ねんきんネットの機能やメリットが広く知られていないことも、「登録しないほうがいい」という消極的な判断につながっています。

ねんきんネットでは、将来の年金見込額試算年金記録の確認のほか、毎年郵送される「ねんきん定期便の電子版(PDF)」を閲覧・ダウンロードできます。

また、年金振込通知書などの通知書の確認、一部の届出書の電子申請も可能です 。

特に電子版の定期便は管理・保存に便利であり、日本年金機構もペーパーレス化推進のため電子版の利用を推奨しています。

登録しない場合のデメリットも知っておこう

ねんきんネットに登録しないことで、短期的なセキュリティリスクは回避できるかもしれませんが、将来の安心や時間効率を損なう可能性があります。

老後資金計画の精度が低くなる

ねんきんネットに登録しない最大のデメリットは、老後資金計画の精度が低くなることです。紙の定期便に記載された年金額の見込額は固定されており、現在の条件に基づいた単一の試算結果しか得られません

これに対し、ねんきんネットの試算機能を利用すれば、例えば「退職年齢を60歳から65歳に変更した場合」「国民年金保険料を追納した場合」など、さまざまな仮定に基づいたシミュレーションを自由に行えます 。

この柔軟なシミュレーション機能を利用することで、老後の資金計画に必要な「ねんきん受給額」を正確に見積もることができます。結果として貯蓄計画や投資計画のズレを最小限にできます。

将来の年金受給見込額は、将来の資産形成計画を立てる上で非常に重要な土台となります。

ねんきんネットで正確な公的年金の見込額を把握することで、私的年金や資産運用で「あといくら準備すべきか」という目標額が明確になり、より現実的で効果的な資産形成が可能になります。

気づかぬうちに「年金記録漏れ」が発生する可能性

ねんきん定期便は年に1回の郵送です。もし記録漏れ(転職時の手続きミス、保険料未納など)が発生した場合、それに気づくのが最大で1年遅れてしまいます。

記録漏れの発見が遅れることの最大のリスクは、保険料を追納できる期間を過ぎてしまうことです。国民年金保険料は、納付期限から2年を過ぎると時効によって納付できなくなり、将来の年金受給額が回復できなくなる可能性があります。

ポイントの解説

ねんきんネットであれば、月別の納付状況を常に最新の状態で確認できるため、記録もれを早期に発見し、こうしたリスクを未然に防ぐことができます。

受給手続きや確定申告で、余計な時間と手間を浪費する

年金の受給手続きや、年金を受け取った後の確定申告(公的年金等に係る源泉徴収票の確認など)の際に、関連書類が必要になることがあります。

ねんきんネットに登録していれば、年金振込通知書や源泉徴収票といった必要な通知書をオンラインで確認し、PDFとしてすぐにダウンロードできます 。

登録していない場合、これらの書類が必要になるたびに年金事務所へ問い合わせるか、郵送での再発行を待つ必要があり、余計な時間と手間を浪費してしまいます。

制度改正や自身の受給資格の変更に対応が遅れる

年金制度は常に改正されており、また、個人の働き方やライフイベント(結婚、出産、転職など)によって受給資格が変わることもあります。

ねんきんネットは、日本年金機構が最新の制度改正情報や、個別の年金情報に関する重要な通知をオンラインで発信するための主要なプラットフォームです 。

紙の郵送による情報伝達は遅延や誤配のリスクが伴いますが、ねんきんネットを利用することで、制度改正や自身の記録変更に関する重要な情報を迅速に把握し、必要な手続きへの対応が遅れるリスクを回避できます。


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それでも登録したくない場合は「ねんきん定期便」を活用

ねんきんネットのメリットやセキュリティ対策を理解した上で、それでもオンライン登録を避けたい場合は、紙で届くねんきん定期便を最大限に活用し、年金記録の精度が低くなるリスクを最小限に抑える必要があります。

ねんきん定期便でチェックすべき項目

ねんきんネットに登録しない場合、年1回のねんきん定期便が唯一の自己確認手段となります。以下の項目は特に注意してチェックしましょう 。

  • 最近1年間の月別状況: 勤務先や加入種別(厚生年金保険、国民年金)が変わっていないか、最新の納付状況に「未納」や「空欄」がないかを細かく確認します。
  • 年金加入期間: 過去の加入期間に「もれ」がないか、特に転職・退職の前後で加入期間に空白が生じていないかを確認します。35歳、45歳の節目に届く封書では、全期間の記録詳細が確認できるため、特に念入りにチェックが必要です。
  • 年金見込額(50歳以上の場合): 記載されている見込額が、想定している老後資金計画に対して十分であるかを毎年確認します。

ねんきんネットに関するQ&A

ここでは、ねんきんネットに関するよくある質問と回答をまとめました。

Q. ねんきんネットに登録しないとどうなる?

ねんきんネットの登録は義務ではなく、登録せずにいても罰則やペナルティなどはありません

ただし登録しないことによって、将来の老後資金計画の精度低下や、年金記録の誤りや漏れの発見に遅れが生じる可能性があります。

ねんきん定期便では、年金の柔軟な試算や、最新の年金記録を確認しにくいため、計画にズレが生じやすくなります 。また、受給手続きや確定申告の際、必要な通知書をオンラインで即座に取得できず、余計な手間と時間がかかることになります。

Q. 基礎年金番号が分からなくても登録できる?

いいえ、ねんきんネットのユーザIDを取得するためには、原則として基礎年金番号が必要です。

基礎年金番号が分からない場合は、①年金手帳、②基礎年金番号通知書、③国民年金保険料の納付書・領収書、④年金証書などで確認できます。

もしこれらの書類が手元にない場合は、お近くの年金事務所の窓口で本人確認書類を提示するか、もしくは、ねんきん定期便に記載の照会番号を「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」に伝えることで確認できます。

Q. ねんきんネットの登録や利用は無料?

はい、ねんきんネットへの登録および利用はすべて無料です 。日本年金機構が提供する公的なサービスであるため、登録時や年金見込額の試算、電子版ねんきん定期便の閲覧など、すべての機能に対して費用は発生しません。

ただし、インターネット接続にかかる通信料は利用者負担となります。無料で利用できるにもかかわらず、将来の計画に役立つ情報が得られるため、積極的に活用するのがおすすめです。

まとめ

ねんきんネットは登録しないほうがいい」という意見も一部ではあるようですが、その背景には、過去の情報流出事件への懸念や手続きの面倒さ、ID管理の煩雑さといったものがあります。しかし、特に情報流出に関してはねんきんネットのシステム自体から発生したものではなく、セキュリティも強化されています。

一方で、ねんきんネットに登録しないデメリットは大きく、老後資金計画の精度低下、年金記録漏れの発見の遅れ、そして受給手続き時の手間増加につながります。特に、ねんきんネットの柔軟な年金見込額試算機能は、年1回の紙の定期便では代替できません

結論として、多くの人にとって、ねんきんネットは、不安を上回るメリットがあるといえます。マイナポータル連携を利用するなどして登録を完了し、定期的に記録を確認することで、将来のライフプラン設計に有効活用することができるでしょう。

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監修
山本 務
  • 山本 務
  • 特定社会保険労務士/AFP/第一種衛生管理者

東京都練馬区で、やまもと社会保険労務士事務所を開業。企業の情報システム、人事部門において通算28年の会社員経験があるのが強みであり、情報システム部門と人事部門の苦労がわかる社会保険労務士。労務相談、人事労務管理、就業規則、給与計算、電子申請が得意であり、労働相談は労働局での総合労働相談員の経験を生かした対応ができる。各種手続きは電子申請で全国対応が可能。また、各種サイトで人事労務関係の記事執筆や監修も行っている。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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