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国民年金を満額もらうには?条件と対策をわかりやすく解説

国民年金を満額もらうには?条件と対策をわかりやすく解説

年金2025/06/04

    国民年金を満額もらうにはどうすればいい?そんな疑問にお答えします。

    この記事では、国民年金を満額もらうために押さえておきたい年金の基本や、受給額を増やすための方法、未納や免除の対処法についてわかりやすく紹介します。国民年金の満額受給を目指す方はぜひ参考にしてみてください。

    この記事を読んでわかること

    国民年金の満額はいくらか、満額をもらうための条件は何か知ることができる
    国民年金保険料の未納、免除がある場合の対処法がわかる
    年金の受給額を増やす方法がわかる


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    国民年金の満額はいくら?

    国民年金は日本に住む20歳以上60歳未満すべての人が加入する年金ですが、実際に老後、国民年金の支給額がいくらぐらいになるのか、よく分からないという方も少なくないでしょう。まずは国民年金の満額でいくらもらえるのか、最新の数字をお伝えします。

    令和7(2025)年度の国民年金の満額金額は?

    国民年金制度で、国民共通の老後の所得補償として支給されるのが「老齢基礎年金」です。老齢基礎年金の額は、物価や賃金の水準を踏まえ、毎年改定されています。

    厚生労働省は令和7年度の老齢基礎年金の満額を83万1700円と発表しています。月額にすると6万9308円で、前年に比べ1.9%増(1308円増)となっています。

    注意点

    68歳以降になると、老齢基礎年金の満額が少し低くなります。具体的には、昭和31年4月以前生まれの人の令和7年度の満額は82万9300円、月額で6万9108円となります。

    国民年金を満額もらうには?国民年金の基本と条件を確認

    老齢基礎年金は国民共通の所得補償として支給されているものですが、実は65歳以上のすべての人が満額を受け取れるわけではなく、人によって支給される額が違います。どんな人が老齢基礎年金の満額をもらえるのか、年金の基本と条件について詳しく解説しましょう。

    国民年金保険料を40年(480月)納付すると満額もらえる

    老齢基礎年金の額は基本、国民年金保険料の「納付期間」によって変わります。

    国民年金の原則の加入期間は20歳から60歳なので、20歳から60歳までの40年・480月の国民年金保険料をすべて納付すると、老齢基礎年金を満額もらえます

    言い換えると、20歳から60歳までの40年間・480月の中に、保険料の未納期間などがあれば、満額はもらえなくなるということです。

    注意点

    また、「保険料免除・猶予期間」や「合算対象期間」などがある場合も満額はもらえません。

    保険料の免除・猶予期間について

    国民年金の保険料については、経済的に保険料の支払いが困難な場合に、保険料の納付を免除または猶予する制度が設けられています。

    保険料免除には、「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」の4種類があり、前年の所得が一定基準以下の場合、いずれかの免除の対象として認められます。

    注意点

    保険料の納付月数が480月になると老齢基礎年金は満額となりますが、免除を受けた月は1月とはカウントされません。例えば全額免除の月であれば「2分の1月」とカウントされます。そのため、保険料免除を受けると老齢基礎年金は満額受け取れません。

    保険料猶予には、20歳以上の学生を対象とした特例制度や50歳未満の低所得者を対象とした制度があります。

    ポイントの解説

    猶予期間中は保険料を支払わずに済みますが、そのままにしておくと、猶予期間はすべてが保険料納付期間になりません。猶予期間の分だけ、老齢基礎年金の受給額が少なくなります。

    合算対象期間について

    合算対象期間とは、国民年金の旧制度で「任意加入だった人が、国民年金に加入しなかった期間」などを指します。

    合算対象期間は、国民年金に加入していなかったにもかかわらず、受給資格期間としてカウントされます。一方で老齢基礎年金額の計算の基になる納付期間には一切含められません。年金の受給要件を満たすために設けられた期間で、支給額には反映されないため「カラ期間」とも呼ばれます。

    受給資格期間

    老齢基礎年金の満額を受け取るための保険料納付期間は40年・480月ですが、そもそも老齢基礎年金を受給するため、最低限必要な保険料納付期間があります。それが「受給資格期間」です。

    現在、受給資格期間は10年とされています。最低10年の保険料納付などがなければ、老齢基礎年金を受け取ることはできないということです。

    ポイントの解説

    受給資格期間に未納期間は入りませんが、保険料免除・猶予期間、合算対象期間は含まれます。保険料納付期間+保険料免除・猶予期間+合算対象期間で10年になれば、老齢基礎年金を受給することができます。


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    国民年金の保険料未納や免除がある場合の対処法

    国民年金では、保険料の免除や未納があると、老齢基礎年金の満額がもらえない仕組みになっていますが、その時には払えなくても、後に満額を目指す方法もあります。免除や未納への対処法について、詳しく説明していきます。

    保険料の未納・免除の影響は?

    まずは、保険料未納や免除が、年金額に与える影響を簡単に見ていきましょう。

    例えば、20歳から60歳までの年金加入期間のうち、未納期間が通算5年・60月あったケースを試算してみます。

    満額の納付期間が480月なので、この場合の受給額はそこから60月を引いて420月分になります。令和7年度の老齢基礎年金満額は83万1700円なので、その420月分を計算すると、「83万1700円×420月/480月=72万7738円」となります。

    すなわち、未納期間が通算5年あると、満額に比べ約10万円少なくなるという計算です。

    猶予期間は、追納しない限りは未納と同じ扱いで年金額に反映されません。ただし、受給資格期間(10年要件)にはカウントされます。

    また、免除の場合は、全額免除の期間は納付期間が半分になるなど年金額に影響します。国の負担分が老齢基礎年金の額に反映されるので、受給額の計算上、免除期間はゼロにはなりません。

    保険料を追納する

    次に具体的な対処法です。保険料免除・猶予の場合に限られますが、「追納」という方法があります。

    追納とは、保険料が免除・猶予された期間について、直近の10年以内の保険料を納付できる制度です。追納すれば、追納が行われた日に保険料が納付されたものとみなされ、追納した期間は保険料納付期間になります。また、直近10年以内の免除・猶予期間のうち、全期間でも一部期間でも追納は可能です。

    注意点

    追納する保険料額は、免除を受けた時から3年以上経過している場合、当時の保険料額に一定額が加算されることになります。また、老齢基礎年金の受給権者になってしまうと、追納することはできないため注意が必要です。

    任意加入制度を利用する

    保険料未納期間をはじめ、追納できないケースなどでは、任意加入制度を利用する方法があります。

    任意加入制度とは、国民年金の受給資格期間を満たすため、あるいは老齢基礎年金を満額に近づけるため、国内に住所を有する60歳以上65歳未満(受給資格不足なら70歳まで)の人が、国民年金の任意被保険者になることができる制度です。

    加入期間を延長することで、保険料納付期間を最長で5年間(受給資格不足なら10年間)増やすことができます。

    住んでいる市区町村や年金事務所に申し出ることで、任意加入することができ、市区町村などに申し出て、いつでも止めることができます。

    注意点

    なお、厚生年金に加入中の人は任意加入できないため、注意しましょう。

    国民年金の受給額をさらに増やす方法

    老齢基礎年金は、40年・480月の保険料納付期間で満額になりますが、年金の受給額を満額以上に増やすことも可能です。以下で具体的な方法を紹介します。

    付加年金への加入

    付加年金とは、国民年金の保険料に加えて付加保険料を納付することで、老齢基礎年金に上乗せして給付が受けられる制度です。

    付加保険料の額は月額400円で、付加年金の額は「200円×付加保険料を納付した月数」です。仮に付加保険料を40年・480月の全期間支払った場合、毎年、老齢基礎年金に上乗せして9万6000円(480月×200円)がもらえることになります。

    国民年金基金への加入

    国民年金基金も、老齢基礎年金に上乗せして年金を受け取るための制度です。ただし、付加年金と異なり、保険料は国民年金とは別に支払い、年金は老齢基礎年金とは別に受給します。自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者と任意加入被保険者が対象で、20歳から65歳までいつでも加入できます。

    国民年金基金が行う給付の基本は、老齢基礎年金に上乗せされる終身年金ですが、加入者自身で年金額や受取期間などの設定が可能です。

    保険料に当たる掛け金は、選択した給付のタイプや口数、加入時の年齢や性別によって決まり、上限は6万8000円です。掛け金が全額、社会保険料控除になるというメリットもあります。

    iDeCoを活用する

    iDeCoは、国民年金基金連合会が実施する個人年金制度で、国民年金の第一号被保険者から厚生年金加入の会社員、主婦、公務員などまで、幅広く加入できます。

    原則、加入者個人が国民年金基金連合会に掛金を拠出し、加入者自身が運用方法を選択します。運用の成果により、受け取る年金額が変動する仕組みで、掛金と運用益の合計をもとに給付を受け取ることができます。

    iDeCoの掛金も、全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象で、運用中の運用益は非課税になり、年金として受給した時は公的年金等控除の対象となります。年金額を増やしつつ、税制優遇も受けられるので、iDeCo活用のメリットは大きいといえるでしょう。

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    繰下げ受給をする

    老齢基礎年金の受給額そのものを増やす方法もあります。

    公的年金には「繰下げ受給」という制度があり、老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給開始時期を本来の65歳から66歳以降に繰り下げることで、増額された年金額を受給することができます。

    増額率は、繰り下げた期間1ヶ月当たり0.7%です。繰下げは75歳まで可能で、仮に75歳まで10年・120月繰り下げた場合の増額率は84%(120月×0.7%)となります。

    国民年金の満額受給に関するQ&A

    年金制度は複雑で、将来もらえる額がどのくらいになるのか、不安を感じられている人も少なくないでしょう。国民年金の満額支給に関し、よくある疑問に答えます。

    Q. 国民年金の満額はずっと一定ですか?

    いいえ、国民年金の満額はずっと一定ではありません。年金額は、賃金や物価の変動に応じて改定する仕組みになっています。

    原則的には賃金や物価の水準が下がれば、年金額は減り、賃金や物価が上がれば、年金額も増加します。ちなみに令和7年度の老齢年金の満額は、令和6年度に比べ1.9%増額となっています。

    Q. 国民年金と厚生年金は両方もらえますか?

    厚生年金に加入していた期間のある人は、国民年金と厚生年金を両方受け取ることができます

    会社員や公務員の場合、個別に国民年金保険料は払っていませんが、毎月支払う厚生年金保険料に国民年金保険料分が含まれています。そのため、厚生年金の加入期間しかない人でも、老齢基礎年金と老齢厚生年金を両方受給できます。

    Q. 60歳になったら国民年金保険料は支払わなくてもいいですか?

    国民年金の加入期間は20歳から60歳までで、以降は国民年金保険料を納付する義務はなくなります。そのため、任意加入被保険者にならない限り、保険料を支払う必要はなくなります。

    まとめ

    国民年金を満額もらうには、20歳から60歳までの加入期間ずっと保険料を納め続ける必要があり、保険料未納や免除・猶予期間があると、その期間に応じて年金額が少なくなります。

    しかし、一時的に保険料が支払えない期間があっても、追納任意加入などにより満額を目指すことが可能です。年金額を増やしたいと考える方は、保険料納付状況などをチェックし、早めに対応策を検討しましょう。

    公的年金の加入記録は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できますが、さらに詳しく知りたい場合や、受け取りについて不安がある場合は専門家に相談するのも選択肢の1つです。


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    監修
    西岡 秀泰
    • 西岡 秀泰
    • 社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー

    同志社大学法学部卒業後、生命保険会社に25年勤務しFPとして生命保険・損害保険・個人年金保険販売を行う。保有資格は社会保険労務士と2級FP技能士。2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所で相談員を兼務。

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    執筆
    マネイロメディア編集部
    • マネイロメディア編集部
    • お金のメディア編集者

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