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NISAでFIREは実現できる?現実的な選択肢&必要資金とは?

NISAでFIREは実現できる?現実的な選択肢&必要資金とは?

NISA2026/01/09
  • #老後資金

≫リタイア後に必要な資金はいくら?あなたのケースで診断

NISAを活用することでFIRE達成は可能?非課税投資枠が合計1800万円に拡大されたことで、「NISAだけでFIREすることもできるのでは?」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。

そこで本記事では、NISAを使ったFIREにはどんな選択肢があるのか紹介するとともに、また5つのFIREの必要額をシミュレーションし、NISAを活用したFIRE達成までの道すじを分かりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • NISAだけでFIREできる?5つのFIREタイプと必要額
  • FIRE達成に向けたNISA運用戦略
  • FIRE達成を加速させる補完戦略


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NISAだけでFIREできる?5つのFIREタイプと必要額

NISAを活用したFIREの実現可能性を探る前に、まずはFIREの基本をおさらいしましょう。
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略で、「経済的自立と早期リタイア」を意味します。資産運用から得られる収入だけで生活費を賄える状態を指し、その達成基準として「4%ルール」が広く知られています。

4%ルールとは年間支出の25倍の資産を築き、その資産を年率4%で運用しながら、毎年4%ずつ取り崩していく考え方です。ルールに基づけば、資産を30年以上にわたって維持できる可能性が高いとされています。

FIREにはいくつかの種類があり、目指すライフスタイルによって必要な資金額が異なります。ここでは代表的な5つのタイプと、それぞれの必要額の目安を解説します。

運用シミュレーション参照:つみたてシミュレーター|金融庁

フルFIREに必要な金額

フルFIREは、労働収入に一切頼らず、資産収入のみで生活するスタイルです。生活の質を落とさずに、比較的ゆとりのある暮らしを送ることを目指します。

例えば、月の生活費を30万円と設定した場合、年間の支出は360万円になります。4%ルールに基づくと、必要な資金額は以下の通りです。

360万円(年間支出) × 25倍 = 9000万円

フルFIREを実現するには、1億円に迫る資産が必要となります。NISAの非課税枠1800万円の5倍の資産を築く必要があります。仮に月10万円を15年間積み立てて1800万円の枠を埋める想定でシミュレーションすると、資産9000万円を超えるには年20%の利回りが必要となり、達成するのは非常に困難です。

リーンFIREに必要な金額

リーンFIREは、生活費を切り詰めて、少ない資産で早期リタイアを実現するスタイルです。達成までの期間は短くなりますが、リタイア後は節約を意識した生活が求められます。

例えば、月の生活費を18万円に抑える場合、年間の支出は216万円です。場合の必要資金額は以下のようになります。

216万円(年間支出) × 25倍 = 5400万円

フルFIREに比べて目標額は下がりますが、それでもNISAの非課税枠だけでの達成は容易ではありません。月10万円を15年間積み立てて1800万円の枠を埋める想定でシミュレーションした場合、年14%の利回りが必要です。この数字も現実的とはいえません。

また、予期せぬ出費への対応が難しいという側面もあります。

サイドFIRE・バリスタFIREに必要な金額

サイドFIREやバリスタFIREは、資産収入に加えて、副業やパートタイムなどの労働収入を組み合わせるスタイルです。完全に労働から解放されるわけではありませんが、フルタイム勤務のストレスからは解放され、より少ない資産でFIREを実現できます。

例えば、月の生活費30万円のうち、20万円を労働収入で賄う場合、資産収入でカバーするのは月10万円(年間120万円)で済みます。

120万円(年間必要資産収入) × 25倍 = 3000万円

フルFIREやリーンFIREに比べて目標額が大幅に下がり、月10万円を15年間積み立てて1800万円の枠を埋める想定でシミュレーションした場合は、年7%の利回りで達成可能です。これでも十分高い想定数値ではありますが、達成の可能性は出てきます。

さらに、NISAの活用と他の投資を組み合わせたり、目標達成までの期間を15年よりも長く取ることで、現実的な目標として捉えやすくなります。例えば、毎月の積立額を7万5000円として20年間で1800万円を埋める場合では、年利5%で3000万円を達成できます。

コーストFIREに必要な金額

コーストFIREは、「若いうちに一定の投資元本を確保し、その後は追加投資をせずに複利効果で資産を育て、将来の退職資金を準備する」という考え方です。FIRE達成後も働き続けますが、将来の資産形成の目処が立っているため、精神的な余裕が生まれます。

例えば、35歳の人が65歳時点で2000万円を準備したいと考え、年率4%の運用を想定した場合、35歳時点で必要な元本は約617万円です。

2,000万円 ÷ (1.04の30乗) ≒ 364万円

同じように、40歳で考えれば、その時点の必要額は約750万円、45歳であれば約913万円、50歳であれば約1110万円となります。この金額であれば、NISAだけでの達成も十分現実的な目標といえるでしょう。

なお、上記の年齢時点で必要金額を確保した後は、追加投資しなくても65歳時点で目標額に到達する計算になるため、それまで投資に充てていたお金を日々の生活の質の向上や自己投資に充てることができます。

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NISAでできる現実的なFIREの選択肢は?

NISAの非課税投資枠は最大1800万円です。上で解説した通り、この投資枠だけで「フルFIRE」や「リーンFIRE」を目指すのは、かなりハードルが高いといわざるを得ません。しかし、他のFIREの形であれば、可能性は出てきます。

フルFIRE以外なら可能?

NISAの非課税枠1800万円を、20年以上の長期で積み立てて、埋めることができた場合、3000万円以上の資産を築くことは十分に可能です。仮に3000万円の資産を4%ルールで取り崩した場合、年間の非課税収入は120万円(月10万円)になります。

この金額だけで生活するのは困難ですが、サイドFIREやバリスタFIREの収入源の一部として考えれば、心強い存在となります。また、コーストFIREであれば、さらに少ない金額でも達成が可能です。

フルFIREやリーンFIREといった「完全FIRE」をNISAだけで目指すのは現実的ではありませんが、サイドFIREやバリスタFIRE、コーストFIREといった、労働と組み合わせるFIREスタイルであれば、NISAだけでも実現できる可能性はあるでしょう。


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NISAで始める資産運用~基本編~:NISAの基本と資産運用の始め方入門

FIRE達成に向けたNISA運用戦略

FIREを目指す上で、NISAをどのように活用するかは重要な戦略です。資産を増やす「資産形成期」と、資産を取り崩しながら生活する「FIRE達成後」では、運用の考え方が異なります。それぞれのフェーズでの具体的な戦略を見ていきましょう。

資産形成期(FIRE前)の運用方針

FIRE達成前の資産形成期は、リスクをある程度取りながら、長期的な資産成長を目指すことが基本方針です。

ポートフォリオの中心はインデックスファンド

特定の国や企業に集中投資するのではなく、全世界や米国全体といった幅広い市場に分散投資できるインデックスファンドを中心にポートフォリオを組むことが推奨されます。これにより、低コストで市場の平均的な成長を享受できます。

リスク許容度に応じた資産配分

特に若いうちは株式で一定のリスクを取りながら積極的なリターンを狙うスタイルが適していますが、年齢を重ねてリスクを抑えていきたい場合は、株式と値動きの異なる債券(債券ファンド)を組み合わせることも有効です。

FIRE達成後の運用方針(出口戦略)

FIRE達成後は、資産をいかに長持ちさせるかという「出口戦略」が重要になります。

「定率取り崩し」なら資産を長持ちさせやすい

毎年決まった「金額」を引き出す定額取り崩しは、市場暴落時に資産を減らすリスクがあります。一方、毎年決まった「割合(例:4%)」を引き出す定率取り崩しは、資産額に応じて引き出し額が変動するため、資産寿命を延ばしやすいとされています。

配当金・分配金の活用

高配当株を対象とした分配型投資信託などをポートフォリオに組み込むことで、資産本体を売却せずに定期的なキャッシュフローを得ることも可能です。ただし、配当に偏重しすぎると成長性が損なわれる可能性もあるため、バランスが重要です。

暴落時への備え

FIRE直後の市場暴落は、資産寿命に大きな影響を与えます。対策として、生活費の1〜2年分を現金クッションとして確保しておくことが推奨されます。これにより、株価が回復するまで資産を取り崩さずに生活でき、パニック売りを防ぐことができます。

FIRE前後で意識すべきリスク管理

FIREを目指す道のりと、達成後の生活にはさまざまなリスクが伴います。事前にリスクを理解し、対策を講じておくことが必須です。

  • 市場暴落リスク:FIRE直前・直後の暴落は「シーケンス・オブ・リターン・リスク」と呼ばれ、資産寿命に致命的な影響を与える可能性があります。対策として、現金比率を高める、取り崩し率を一時的に下げるなどの柔軟な対応が必要です。
  • インフレリスク:物価が上昇すると、同じ生活水準を維持するためにより多くの資金が必要になります。資産の一部を株式などインフレに強いとされる資産で運用し続けることが対策となります。
  • 長生きリスク:想定よりも長生きすることで、準備した資金が枯渇するリスクです。保守的な取り崩し率(例:3.5%)を設定したり、サイドFIREで収入源を確保したりすることが有効です。
  • 為替リスク:米国株など外貨建て資産に投資する場合、円高が進むと円換算での資産価値が目減りします。資産の一部を円建て資産で持つなど、通貨の分散も意識するとよいでしょう。

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NISAとFIREに関するQ&A

ここでは、NISAを活用したFIREに関してよく寄せられる質問にお答えします。

Q. 新NISAだけでFIREは可能?

結論からいうと、新NISAの非課税枠1800万円だけで「フルFIRE」を達成するのは、極めて困難です。ただし、「サイドFIRE」や「バリスタFIRE」のように、労働収入と組み合わせる前提であれば、NISAは有効な手段となります。

NISAからの収入を生活費の補填や、ゆとりのための資金として活用することで、より少ない資産でFIREを実現できます。

Q. FIRE達成までに何年かかる?

FIRE達成までの期間は、年収よりも「貯蓄率収入のうち貯蓄投資に回す割合)」に左右されます。簡単にいうと、貯蓄率が高いほど、達成までの期間は飛躍的に短くなります。

なぜなら、貯蓄率が高いということは、投資に回すお金が大きくなるのと同時に、支出を低く抑えることにもなり、FIRE達成に必要な額が小さくなるからです。

以下は、運用利回り5%を仮定した場合の、貯蓄率とFIRE達成までの年数の目安です。

貯蓄率

FIRE達成までの年数(目安)

FIRE達成までの年数(目安)

30%

FIRE達成までの年数(目安)

約29年

50%

FIRE達成までの年数(目安)

約17年

70%

FIRE達成までの年数(目安)

約8年

このように、収入を増やし、支出を最適化してできるだけ貯蓄率を高めることが、早期FIRE達成のカギとなります。

Q. FIRE後に資産が尽きたらどうすればいい?

FIRE後に資産が尽きる事態は避けたいものですが、万が一のシナリオに備えておくことも大切です。

  • 再び働く:直接的な解決策です。サイドFIREやバリスタFIREのように、完全に労働から離れていない場合は、労働時間を増やすことで対応できます。
  • 生活費の見直し:固定費を中心に支出を再度見直し、生活コストを圧縮します。
  • 公的支援の活用:年齢や状況に応じて、公的年金や生活保護などのセーフティネットの活用を検討します。

このような事態に陥らないためにも、FIRE計画にはバッファ資金(生活費の数年分)を組み込み、市場の状況に応じて取り崩し額を調整するなど、柔軟な戦略を立てておくことが不可欠です。

まとめ

NISAでFIREを実現できる可能性について解説しました。NISAは運用益が非課税になる強力な制度であり、FIRE達成のための大きな役割を果たす可能性があります。

とはいえ、NISAの非課税枠1800万円だけで完全なリタイア(フルFIRE)を目指すのは現実的ではありません。現実的には、サイドFIREやバリスタFIREなど、労働収入と組み合わせる柔軟なスタイルを視野に入れることが選択肢となります。

まずは自分の理想の生活に必要な年間支出を算出し、そこから目標資金額を明確に設定することから始めましょう。そして、NISAを最大限に活用しつつ、iDeCoや副業といった補完戦略を組み合わせ、自分のライフスタイルに合ったFIREの形を着実に目指していきましょう。

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監修
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

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執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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