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退職金の運用は失敗談だらけ?よくある事例と失敗しないためのポイントを解説

退職金の運用は失敗談だらけ?よくある事例と失敗しないためのポイントを解説

資産運用2025/04/15
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長い労働人生を終えてようやく手にした退職金の運用大失敗をしてしまったという声が後を絶ちません。なぜ退職金の運用は失敗しやすいのでしょうか?

この記事では、退職金の運用でよくある失敗例失敗しないためのポイントを徹底解説します。陥りやすい落とし穴を事前に回避し、老後のための大切な資金を守れるよう、しっかり学んでいきましょう。

この記事を読んでわかること
  • 多くの人が退職金の運用で失敗してしまう理由
  • 退職金の運用でよくある5つの失敗例
  • 退職金の運用で失敗しないためのポイント


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退職金の運用で失敗してしまう理由

退職金の運用はなぜ失敗しやすいのでしょうか?実は、退職金運用には陥りやすい落とし穴があります。まずはその失敗の理由について見ていきましょう。

大金を手にしたことで金銭感覚が麻痺

労働中央委員会が発表した「令和5年退職金、年金及び定年制事情調査」によれば、大卒で40年務めた人の平均退職金は2139.6万円となっています。

退職をして時間ができたところに大きな金額を手にしてしまうことで、金銭感覚が麻痺することがあります。

例えば、普段なら買わないような大きな買い物をしてしまうのは典型的な例です。またお金をさらに増やそうと、一度に大きな投資をしてしまい、手持ちのお金を大きく減らしてしまうこともよくある失敗の1つです。

投資経験の不足

退職してから初めて資産運用を行うという人も多くいます。資産運用を始める際は少額から始めて徐々に慣れていくのがよいとされていますが、突然大金を手にしたことで、経験のないまま大きな額の投資を始めると失敗する可能性は高くなるでしょう。

例えば、株式投資では短期間で相場が急激に上がり、数日後に一気に下がるといったことがしばしば起こります。そのことを知らずに急騰している銘柄に飛びついてしまい、直後に大きく下落して大損する、といったことは投資初心者にありがちな失敗です。

ポイントの解説

ある程度の長期投資を見込んで購入したはずの投資信託なのに、短期的に下落したことで「これ以上損をしたくない」という心理から焦って売却してしまう、といったこともよくある話です。

焦りや不安から判断力が鈍る

退職金は老後の支えとなる大切なお金です。「減らしてはいけない」「これを元手に増やさなければ」といったプレッシャーも出てきます。特にストレスに弱い人は、絶えず不安や焦りを抱えることにもなりかねません。

そのようなときに、SNSや知人などを通じて儲け話を聞いたりすれば、通常であれば耳を貸さないような話に思わず乗ってしまうなど、誤った判断を下してしまうこともあります。

特に大金を扱う場合は、妻や別の友人に相談するなど、「1人で」「すぐに」判断しないことが大切です。

退職金運用でよくある失敗事例TOP5

ここでは、退職金運用でよくある失敗の事例を5つ紹介します。これから退職金の運用を考えている方は、同じ轍を踏まないよう注意していきましょう。

第5位:リスクを理解しないまま高利回り商品に手を出す

運用で大きな利益を上げるには、利回りの高い商品に投資をする必要がありますが、利回りの高い商品には相応のリスクがあります。高利回りに目を奪われてリスクが見えていなかった、あるいは理解していなかったというのはよくある失敗例の1つです。

例えば、FX(外国為替証拠金取引)は「短期間で儲けやすい」といわれることのある投資商品の1つです。その理由は、FXでは少額の証拠金でその最大25倍の金額を取引できる「レバレッジ」という仕組みがあるためです。これにより、少ない元手でも大きな利益を狙うことができます。

しかし一方で、レバレッジをかけると損失も大きくなりやすいというリスクがあります。証拠金が少額でも、実際の取引金額はその数倍から25倍にもなるため、相場が予想と逆に動いた場合には短期間で大きな損失を被る可能性もあります。

注意点

投資商品の中で、「月利」で表示しているものを見つけたら、特に注意が必要です。投資商品は通常「年利」で示されるのが一般的であり、月利や日利で高利回りを示唆している商品は極めてリスクが高いか、あるいは詐欺である可能性が高いといえます。

例えば月利5%の投資商品は年利に換算すると60%となり、非現実的な数字です。利回りを見るときは、なぜ高利回りを出せるのか仕組みを理解しておかなければ、失敗の原因になります。もし高利回りの理由が理解できないのであれば、安易に手を出すべきではありません。

第4位:金融機関に勧められるままに投資

投資の知識に自信がない場合に、銀行証券会社など金融機関の窓口へ相談しようと考えることもあるかもしれませんが、これが失敗につながることがあります。

知識を得るという点では金融機関の窓口で説明を受けることは合理的な手段の1つともいえますが、窓口に相談することには大きく2つのデメリットがあります。

1つは、自社で取り扱っている投資商品を優先的に勧める傾向がある点です。投資商品の販売においては手数料金融機関の収益になるため、フラットな視点での投資アドバイスは受けにくく、本当に最適な提案を受けられない可能性があります。

もう1つは、手数料が高額になりやすい点です。金融機関の窓口で販売される投資商品の運用手数料(信託報酬)は約1~3%程度が相場で、0.1%程度未満の投資信託もあるネット証券と比較すると総じて高い傾向があります。投資信託で年利5%を得られたとしても、仮に手数料が3%取られるとなれば投資効率は大きく落ちてしまいます。

運用手数料は商品を保有し続ける限りかかるものであるため、長期投資を行うほど投資成果に大きな差がつくことになります。まさに「ちりも積もれば山となる」であることを認識しておきましょう。

第3位:老後の生活費を考慮せず投資してしまう

総務省「家計調査年報(令和5年版)」によれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)における平均可処分所得21万3042円であるのに対し、平均消費支出25万959円となっており、月あたり4万円弱の赤字になる計算です。

このデータから考えると、多くの人が老後は貯蓄を切り崩しながら生活しなければならないということになります。そして、取り崩す可能性のあるお金は投資に回さずに取っておく必要があります。

しかし、手元のお金を増やしたいという思いから、本来は手を付けないほうがよい生活資金にまで投資に回してしまうケースがあります。最終的に増えればよいですが、投資にのめりこんで多くの損失を被ってしまっては、老後の生活設計を大きく転換せざるを得なくなってしまいます。

第2位:特定の商品に一括集中投資してしまう

投資には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります。卵を1つのカゴに盛れば、そのカゴを落としてしまったときに卵はすべて割れてしまいます。つまり、リスクを集中させること=一括集中投資の危険性を説いているわけです。

しかし、投資に慣れていない人ほど、自分が良いと感じた投資先に資産を集中させてしまう傾向があります。1つの商品に集中投資すると極端にリスクが偏り、もし大きく下落してしまった場合には多大な損失を招いてしまう可能性があります。

「値上がりする投資先」を100%見極めるのは金融・経済のプロでも不可能です。いくら自信があるからといっても一点集中はやめておいたほうが無難です。


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第1位:インフルエンサーの投資法を鵜呑みにする

投資を始める場合には、すでに投資で成功している他人の投資方法を参考にするのはよい手段です。ただし、その方法を実践する前に、それが再現性・汎用性の高い手段であるかをよく吟味する必要があります。

SNSやYouTubeなどで見られるインフルエンサーの投資法は、再現性の高いものばかりではありません。インフルエンサーは、再生数・閲覧数を伸ばすために成果を過剰に強調したり、投資初心者には不釣り合いなリスクを取ったりするような投資方法も散見されます。

最終的には投資は自己責任であり、誰も損失の責任を取ってくれません。自身の投資経験やリスク許容度に合っていない投資方法を選択してしまうと、理由も分からないまま、大損をすることがあると肝に銘じておきましょう。

事例から学ぶ!退職金運用で失敗しないためのポイント

運用で成功するためには、ありがちな失敗例から学ぶことが大切です。正しい対策を立てていけば、失敗を回避しやすくなるでしょう。

よく分からない商品には手を出さない

世界的に有名な投資家で“投資の神様”とも称される、ウォーレン・バフェットという人物がいます。彼の投資方針の1つに、「理解できないものには投資しない」というものがあります。

自分がよくわからないものは、なぜ上がるのか、なぜ下がるのかがわからないということです。「有名な人がおすすめしているから」とか、「最近上がっているから」などではなく、自分自身がビジネスや投資の仕組み・構造を理解でき、上がる要素があると判断できるものに投資をすることが失敗しないポイントの1つです。

一括投資・集中投資ではなく分散投資を徹底する

卵は1つのカゴに盛るな」の格言にあるように、一括投資・集中投資ではなく、分散投資をすることは退職金に限らず、資産運用をする上で極めて重要です。

分散投資には、地域、商品、時間の3つの要素があります。「地域分散」とは、例えば日本の株式だけでなく、他の国の株式にも投資することを指します。「商品分散」は、株式であれば複数の銘柄にすることであったり、あるいは株式だけでなく、債券や不動産、金といった、さまざまな資産クラスに投資したりすることを指します。

そして「時間分散」は、同じタイミングに投資を集中するのではなく、毎月の積み立てなどで少しずつタイミングをずらしながら長期にわたって投資することを指します。このようにすることで、投資タイミングを読み間違えるリスクを軽減できます。

「人生100年時代」ともいわれる現代、退職後も長い時間があると考えて、長期的視点での分散投資をおすすめします。

投資に過度な期待をしない

投資の世界では、株や投資信託の配当も値上がり益も確定しているものではありません。まして、短期間で大儲けできる“魔法の杖”でもありません。

金融庁の発行している「はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック」では、1989年以降では、国内外の株と債券に投資した場合、20年程度の投資期間を取れば利回りがマイナスにならなかったが、5年であれば、マイナスの結果が出ることもあると書いています。

「投資で大儲けできるだろう」という投資への過度な期待が、高リスク商品への投資や集中投資へ駆り立ててしまう側面もあり、非常に危険です。

むしろ退職後の資産運用は、リスクを抑え、守りを固めながら運用するのが鉄則です。

ポイントの解説

「投資は先を見据えながらコツコツ増やしていくもの」と認識しておくことが大切です。

手数料やコストを意識する

資産運用を行う際には、売買手数料運用管理費用がかかることがあります。例えば投資信託を100万円分購入するとして、購入時手数料が3%かかる会社と手数料ゼロの会社では前者では97万円で投資がスタートするのに対して、後者なら100万円でスタートできます。

また運用手数料も毎日差し引かれるものですので、費用の高いものと安いものでは、安いもののほうが運用成績がよくなります。投資対象を選ぶ際には、商品自体のパフォーマンスだけでなく、手数料や運用手数料といったコストにも注意するようにしましょう。

インフルエンサーの言葉を真に受けない

インフルエンサーは注目を浴びることでSNSの閲覧数やYouTubeの再生回数などが上がり、収益を得られる仕組みになっています。そのため、ネット上で目を引くように儲けの大きい商品投資方法を紹介することも少なくありません。

しかし、老後資金になる退職金の運用は、元本が減るリスクをなるべく抑えながら、インフレ率以上の利回りを目指す必要があります。高いリスクを伴う高リターン商品への投資は、極力控えたほうがよく、特にネットで注目を浴びるような投資方法には、意識的に距離を置くようにしましょう。

その他の資産運用の基本も押さえておこう

失敗例以外にも、資産運用を始める際には、知っておくべき基本があります。いくつかの大切な基本を挙げますので、しっかりと理解しておきましょう。

自分のリスク許容度を理解する

投資を始める際にまず考えるのは、自分のリスク許容度がどのくらいであるかです。基本的にリスクとリターンは正比例の関係があり、高いリターンを求めれば、高いリスクを取ることになります。

将来に必要なお金を確保したい場合や資産が減ることに不安がある場合、リスク許容度は低くなります。一方、十分な預貯金があり、余裕資金で運用するのであれば、リスクのある商品で運用するのもよいでしょう。

ポイントの解説

運用するお金がどのような性格のもので、自分はリスクをどの程度取れるかを事前に考えることは非常に大切です。

長期的な視点で運用する

退職後の限られた時間を豊かに過ごしたいという思いから、短期間で大きな利益を上げたいと考える人もいるかもしれません。しかし、いわゆるデイトレードスイングトレードといわれる短期売買で継続的に利益を上げられる人は限られており、正確な統計はないものの一説には5~10%程度とわれています。

ある程度取引に慣れている人でも難しい取引を、退職金で初めて資産運用を始めるという人が成功させるのは極めて難しいといえるでしょう。

短期売買は、短期間で大きな利益を上げられる可能性を秘めている反面、短期間で大きく資産を失うリスクもはらんでいる取引方法です。将来のことを見据えるのであれば、リスクを抑えながら中長期視点でじっくり運用していくことを考えましょう。

出口戦略を立てておく

退職金の運用を考える上では、投資した資産をいつ現金化するかという具体的な計画(=出口戦略)を考えるのも重要です。

出口戦略があいまいだと取り崩すタイミングがわからずずっと使えなかったり、逆に本来の目標額に達していないのに取り崩しを始めてしまいお金が足りなくなったりということになりかねません。

そうならないために、何の用途にいくら必要なのかをあらかじめイメージしておくとともに、目標額に達したらどれくらいのペースで取り崩していくのか、あるいはどんなタイミングで現金化するのかを決めておくことが大切です。

運用を定期的に見直す

半年から1年に1回は自身が運用している資産内容の見直しをすることをおすすめします。見直しを行う中で、利益が出て比率の大きくなったものを売却して、比率の下がったものを購入します。これを「リバランス」といいます。

リバランスを行うことで、資産の配分やリスクを常に最適化することができます。

時間が経てば、自分のリスク許容度お金のニーズなども変化していくので、配分や運用方針も定期的に見直していくとよいでしょう。

不安な場合はお金の専門家に相談しよう

投資に関する情報はインターネット上にあふれており、その中から自分に合った資産運用方法を見つけるのは、特に初心者にとっては簡単ではありません

もし、退職金の運用で不安を感じている場合はお金の専門家に相談するのも1つの方法です。特定の金融機関に所属しない、独立系のファイナンシャルプランナーであれば、客観的な視点で今後の老後設計や資産運用のアドバイスを受けられます。

>>【無料】退職金の運用について相談してみる

まとめ

退職金は、長年働いてきたことへのご褒美ともいえる資金です。しかし急に大金を手にすることで気が大きくなって、普段しないような買い物多額の投資をしてしまう人もいます。

特にそれまで本格的に投資をしてこなかった人は、記事で挙げたような失敗をしやすい傾向があります。他の人の失敗例をよく確認して、同じ轍を踏まないように気をつけましょう。

もし、運用に際して少しでも不安があったり、自信がなかったりする場合は、インフルエンサーの言葉をそのまま信じるよりも、個別に相談に乗ってくれる専門家に掛け合うほうが得策です。がんばって得た大切な退職金ですから、老後の安心と喜びが得られるよう、堅実な運用を目指しましょう。


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執筆・監修
青野 泰弘
  • 青野 泰弘
  • ファイナンシャルプランナー/行政書士

1964年静岡県生まれ。同志社大学法学部卒業後、国際証券に入社。その後トヨタファイナンシャルサービス証券、コスモ証券などで債券の引き受けやデリバティブ商品の組成などに従事した。2012年にFPおよび行政書士として独立。相続、遺言や海外投資などの分野に強みを持つ。

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